洋ゲープロモ出演者募集南北アメリカ

種類 ショート
担当 雪端為成
芸能 2Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 3.9万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 12/17〜12/23

●本文

 画面に映る甲冑の騎士。巨大な剣で、画面狭しと群れる化け物をなぎ倒す。
「‥‥なにやってるんだ、ヨハン?」
「んー、もらったゲーム〜♪」
 若きプロデューサー、ヨハン・トビアスはテレビに向かってゲームをしていた。
 あきれ返っているのは姉のエリザ・トビアス。
「‥‥で、なんでゲームしてるんだ?」
「んー、次の仕事で‥‥」
 薄暗い古城を騎士が行く。骸骨剣士と切り結びながら騎士は進む。
 ゲームに熱中してなかなか先を続けないヨハンを見ながらイライラするエリザ。
 ‥‥カチンと火をつけるとタバコを一服。たなびく紫煙と沈黙。
 そしてエリザは唐突にコンセントをぶっちり。
「あぁぁぁっ!!! セーブしてないのに!!」
「ガキか、おのれはっ!」
 げしっと蹴り一撃で地に伏せてよよよと泣き崩れるヨハン。無視してエリザは言う。
「で、仕事とゲームに何の関係が?」
 流石に姉の怖い視線にびびったのかヨハンも諦めて大人しくする。
「さっきまでやってたもうすぐ発売になるゲームのCM用のプロモムービーを作れって仕事が来てるんだ」
「なんでまた映画業界に?」
「えーっと煽り文句が『映画のようなクオリティ!』らしくて‥‥」
「なるほど‥‥じゃ、映画風の短いムービーを取ればいいんだな。で他には?」
「えーっと、ゲームに出てくるキャラクターと同じ格好をして取って欲しいらしい。ムービーの映像からそのままゲーム画面にシフトして綺麗さをアピールする方針らしくて」
「ふむ‥‥んじゃ、私がゲームやってる間に、募集かけとけよー」
「‥‥そんなぁ〜」
 どっかり座り込んでゲームを始めた姉エリザの後ろで、めそめそしながらヨハンは募集の文面をまとめるのだった。

【ゲームのCM用ショートムービー出演者募集】

●俳優
 ・出演俳優はゲーム内のキャラクターと同じ衣装・装備で演じてもらいます。
 ・それぞれのシーンが流れるように繋がる宣伝色の強いアクションがメインです。
 ・背景はCGで作るためブルーバック(青一色の布を背景)にて撮影を行います。
 ・参加する役者は、後述するゲームに登場するキャラクターの中からどのキャラを担当するか洗濯してください。

●ゲーム内容
 ・中世ヨーロッパ風剣と魔法の世界を舞台にしたアクションゲーム。
 ・ゲームの特徴は、映像の美麗さと大量の化け物や敵兵をなぎ倒す爽快感。
 ・様々な特色のある職業や技能を選んで、外見は自由に変えられるのが売り。

●キャラクター解説
 ・大剣の騎士‥‥‥身の丈ほどの巨大な剣を振り回す。全身鎧で。
 ・巨漢の戦士‥‥‥巨躯と膂力が自慢の狂戦士タイプ。重量級の武器装備で。
 ・森林の射手‥‥‥エルフな弓使い。エルフっぽい外見で弓装備。
 ・異国の闘士‥‥‥中国風の武道家。拳のみで。(男なら上半身裸)
 ・東洋の剣士‥‥‥いわゆる侍。ちょんまげは入りませんが着物&日本刀で。
 ・漆黒の刺客‥‥‥暗殺者たるアサシン。黒ずくめ&覆面、両手に逆手ナイフで。
 ・聖なる司祭‥‥‥回復を仕える聖職者。白ベースの清らかな服で、武器は無し。
 ・真の魔道士‥‥‥いかにもな魔法使い。杖と帽子とローブで。

 ・敵の指導者‥‥‥敵の軍勢を指導する指揮官。おどろおどろしい黒の鎧と悪人面で。

 キャラクターの外見はゲーム内でもある程度自由に変えることが出来る自由度も特色の一つなので、男女の区別や髪の色、体格などの個人差に関しては特に注文はありません。
 キャラクターのコンセプトさえ守っていれば、自由な動きをしてもらってかまわないとのことです。
 アクションもそのキャラがやりそうな行動を考えてしてください。

 さて、どうする?

●今回の参加者

 fa0347 氷川玲(25歳・♂・竜)
 fa0769 凜音(22歳・♀・一角獣)
 fa1312 彩都(27歳・♂・獅子)
 fa1814 アイリーン(18歳・♀・ハムスター)
 fa2087 秋水 桜花(25歳・♀・鷹)
 fa2153 真紅(19歳・♀・獅子)
 fa2228 当摩 晶(19歳・♀・狼)
 fa2328 赤倉 玲等(20歳・♂・狐)

●リプレイ本文

画面中央に浮かぶゲームのタイトル。
鋼と岩の質感で象られたその文字が大きく表示され、その文字と黒い背景が一瞬にして掻き消える。
するとそこに映し出されるのは森の中。
鬱蒼と生い茂る木々にかすかな鳥の鳴き声。
視点はぐんぐんと位置を変えると、そこには一本の巨木。
天を衝く様に聳え立つその大樹の大きな枝の上、人の姿があった。
樹上で構えているのは森林の射手、アイリーン(fa1814)。
身に付けているのは緑の短衣と簡素な皮鎧。目を引くのはその長い耳。
エルフと呼ばれる種族らしい細身の体、金糸の髪がさらりと風に揺れる。
その手には長弓、静かに一点を見つめるように引き絞られたその弓弦。
静かに静かに弓が引き絞られて、軋みと共にその限界を告げる。
その瞬間アイリーンはかすかに笑みを浮かべると、矢を解き放つ。
視点は矢を追って高速で空を翔る。その先には、剣戟響く混沌の戦場。
一直線に駆け抜けた矢は、真っ直ぐ巨躯の怪物の眉間に突き刺さり、その怪物は地響きと共に地に沈む。
牛の頭をもつその怪物が崩れ落ち、砂塵が舞う。
その煙の幕が晴れると、そこには新たな戦場が開けていた。

雲霞の如く進行する敵を前に、傲然と立ちはだかる一人の影。
赤の長衣に身を包み、風にその裾をなびかせている魔道士は赤倉 玲等(fa2328)。
レイは敵軍を見据えると閉じていた眼を開く。瞳に戦いへの熱を浮かべ、彼は虚空に手を伸ばす。
指の動きに呼応するように舞う光。その中から引き出された杖を持つと、レイは笑みを浮かべて帽子を直す。
その瞬間、敵軍が一気に地響きと共に突撃を開始する。
地響きに対して、レイは静かに腕を掲げる。すると光が舞い踊りかざした掌の前で球を為す。
次の瞬間、球は弾けその中から何百もの光の矢が放たれ敵を穿つ。
さらにレイは静かに杖を振るうと大地を打つ。すると敵に向かって地を這う波が生まれる。
その動きに呼応して、敵兵を襲ったのは台地から突き出た無数の岩槍。岩の怒涛は敵兵の群れを木っ端微塵に粉砕する。
しかし敵も対抗するように、いっせいに矢を放ってきた。
レイとその後ろの味方の軍勢を狙って、天から豪雨の如く矢が降り注ぐ。
そのとき、レイの横に歩み出る影があった。
清楚な白の法衣に身を包み、黒の髪を砂塵舞う戦場の風になびかせ、穏やかな笑みを浮かべる女性。
聖なる司祭の凜音(fa0769)は静かに天を見据えると、胸元で祈りの形に組んであった手を空にかざす。
すると、味方を覆うように光の幕が生じ、矢は全て空中に縫いとめられる。
そして、さらに彼女は祈るように手を組み、伏せていた顔を上げて、天に届けとばかりに祈りを捧げる。
祈りの声が戦場を響き、その音が奇跡を呼ぶ。
数え切れないほどの傷を受け、疲弊していた味方の軍勢が息を吹き返したかのように立ち上がり、剣を掲げ敵に突撃を開始したのである。
二人の横を、軍勢が走りぬける。すると魔法使いは杖を振るうと虚空に魔方陣を描き出す。
光が脈動し、描かれた魔法陣の表面が波打ち、その向こう側から現れたのは、全身が炎に包まれた龍であった。
長いその身をくねらせ、天高く響く咆哮をあげると、龍は敵陣目掛けて飛び立ち、画面は炎に包まれた。

その炎が晴れたとき、場面は古びた城の中。
その画面を左から右に駆け抜けるのは異国の闘士。豪華な刺繍の入った白服の当摩 晶(fa2228)だ。
その手には何の武器も持たず、鎧も身に付けていない。
対する敵は、剣に槍と武器を持って襲い来るが、しかし彼女は一歩も引かない。
突き出される槍のその穂先を足場として宙を舞い、鋼の鎧の騎士を拳の一撃で吹き飛ばす。
縦横無尽に敵兵の中を駆け巡り、舞い飛ぶ闘士はその速度を緩めずに一直線に疾駆するのだった。
画面が突然切り替わり、今度は左から右へと駆け抜ける黒い影。
全身を隈なく覆う黒衣とドクロのようにぽっかりと眼下を穿った白い仮面。
両の手に黒い刃を握った漆黒の刺客は秋水 桜花(fa2087)だ。
眼前に現れた敵の一団と一瞬で交差し、次の瞬間には全員が静かに崩れ落ちる。
そして壁を蹴り高く舞い上がると、音も無く身なりの背後に着地し一瞬でその命を奪う。
次々に障害を排除しながら進む刺客は、ふと足を止める。
轟音と共に崩落する上方の壁、その中から飛び出してきたのは蹴りの一撃で壁を粉砕した異国の闘士。
飛び降りてくる異国の闘士と、それを見上げる漆黒の刺客。
闘士は舞い散る壁の破片を足場とし、矢のように刺客へと飛び掛り、刺客は地を蹴って、無数の刃を投擲し空中を駆ける。
そして交差の瞬間、闘士によって弾かれた刃の一本が真っ直ぐこちらへ近づいてきて‥‥暗転。

布が風をはらむ音と共に画面の黒が掃われて、画面は再び戦場へ。
そこには敵兵に囲まれて立つ異形の戦士の姿が。
派手な陣羽織が風をはらみ音を立てる。風になびく長い黒髪と、敵に向ける唯一つの視線。
眼帯をしていない瞳から殺気を放ち、周囲の敵を睥睨するのは東洋の剣士、彩都(fa1312)。
その瞬間、にらみ合いに痺れを切らせたのか動き出す敵兵。
すると剣士の右手が動き鞘走りの音が響き、甲高い音と共に全てを断ち切る刃が走る。
眼前の敵おろか、その後ろの全てを斬り裂く刃の一撃。
刃を振り切った剣士は刀を両手で掴みなおすと、強烈な踏み込みと共に更なる敵へと左肩から右腰へ抜ける一撃。
剣士は一瞬で納刀、その隙を突こうと全方向から押しつぶそうとばかりに飛び掛ってくる敵兵。
その次の瞬間、周囲すべての敵が逆巻く風と共に斬り飛ばされる。
中心には居合いで刀を抜いた侍が一人、そしてその剣風が戦場を吹き抜ける。
戦場の血を吸ったかのような美しい桜の木が、その風で花びらを散らす。
そしてその花吹雪の向こう、再び画面が切り替わる。

戦場を一人疾駆する鎧の騎士。
年代を経た鋼の鎧に身を包むのは大剣の騎士、氷川玲(fa0347)だ。
その手にあるのは巨大な剣。しかしそれは剣というよりは巨大な鉄塊であった。
人の背を超える長さのその刃は、切るというよりも叩き潰すためのもの。
その巨大な武器を騎士は大きく振り回すと、眼前の一団に突進しながら横薙ぎの一撃。
馬ごと両断され、弾き飛ばされる一群を踏み越えて、騎士はさらに進む。
敵兵の剣の一撃を、兜の角で受け止めると、返す一刀で数人まとめて斬り飛ばす。
そして、騎士は敵兵のど真ん中に向けて飛び上がると、剣を大きく振りかざし地面に向かって叩きつけた。
その一撃だけで大地が割れ砕け、轟音と共に何十人もの兵士が吹き飛ばされる。
すり鉢状に抉れたその中心で、その騎士は剣を掲げると軍勢の向こうに向けて突きつける。
すると、視点は剣の指し示す先に。
黒い軍勢が地を埋め尽くさんがごとく押し寄せているのが見える。
そしてその向こう、地の果てかと思うほどの遠く。
軍勢を見下ろすかのように立つ人物がいた。
その表情は蒼炎に彩られた黒の仮面に隠されて見えないが、唯一見えるのは黒のルージュに縁取られた唇。
風に黒髪をなびかせて、傲然と立つ敵の指導者は真紅(fa2153)である。
全身を重々しく覆う黒の甲冑と風をはらんで音を立てる闇よりも暗い外套。
赤黒く脈打つ文様を持つ黒い剣を床に突き立て、その上に掌を重ね、彼女は遠くを見据える。
そして重々しく黒の剣を掲げ、彼方を刃で指し示す。
その動きに呼応するかのごとく、軍勢から響くときの声。
轟々と響く声の中、彼女は艶然と唇に笑みを浮かべて‥‥画面はゲームの3DCGへと切り替わっていくのだった。