’05 W−1 Premium 1stアジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
雪端為成
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芸能 |
1Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
1万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
12/28〜01/01
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●本文
年の瀬、格闘技ファンの耳目を集める一大イベントが開催される。
『W−1 PREMIUM』
今年の最後を締めくくるに相応しい華々しい舞台。一流の格闘技者が集う武の祭典である。
「会場の準備はどうなってる?」
「現時点で、7割終わってます!!」
「予定より遅ぇぞ!! 気合入れて終わらせろっ!!」
檄が飛ぶ会場はただいま準備中。
そんななかで打ち合わせが進む。
「前半戦は全部で5試合だな。大手からの出る予定の選手は誰だ?」
「えー『BEAST CAGE』のグレッグ“キングベア”レックスと『Destruction』のカイル・アーシアですね」
「たしかキングベアってのは怪力自慢のプロレスラーだったな。んで、もう一人は総合格闘から期待の新星か……」
「特番が組まれてますからね。そしてそれにくわえて注目選手によるマッチです」
「ふむふむ……選手に負けずに、こっちも気合を入れないとな! 急いで各団体に募集だせよ!」
●出場選手への注意事項
今回は前述の通り、二名の選手が加わる。
一人は怪力自慢のプロレスラー、グレッグ“キングベア”レックス。
豪快な投げを得意とし、タフさと一撃で意識を刈り取るラリアットが武器のパワーファイター。
もう一人は、総合格闘技のカイル・アーシア。
軽快なフットワークから繰り出される強烈な拳の一撃で幾多の相手をリングに沈めてきた強豪である。
この二名と戦う選手が二人。そしてそれ以外の6選手はそれぞれ対戦することになる。
そしてルールは、危険行為以外はほとんどが許されるヴァリートゥード。基本的には同性同士の対戦。
全国に放送されることも考えて、最高のファイトをしてほしいと我々は願っている。
さて、どうする?
●リプレイ本文
●第一試合 FISTorTWIST
『お待たせしました。これよりWー1 Premium、いよいよ試合開始です!』
アナウンスの声が響く中、実況は告げる。
「第一戦まもなくゴングです! なお一試合目で当初予定されていた選手のトラブルのためリザーバーが出場します」
テンションの高い実況の声とスタジアムに響く観客たちの声援。その中を二人の選手がゆっくりとリングに現れる。
「秋の活躍を覚えている方も多いかもしれません! 古流剣術が本職という異色の武道家、飛鳥 夕夜(fa1179)!」
道着を身に付けリングに上がるアスカ。凛とした雰囲気にはどこか冷え冷えとした迫力がある。
「対するはリザーバー、『Destruction』から期待の新人、リタ・ベルナールです!」
緊張感に表情を硬くした凛々しいラテン系の女性がリングに上がりアスカに視線を向けるのだった。
カーン! ゴングの音と共に双方勢い良く飛び出す。
「解説の小林さん、この試合どう見ます?」
「リタ選手はボクシング出身ですから速度では上でしょう。ただ飛鳥選手の技の広さはまだ未知数ですからね」
ヒットマンスタイルで接近するリタに対して自然体で構えるアスカ。
先手はリタ。左のジャブからコンビネーションで高速の連打を放つのだがアスカは辛くも捌く。
転じてアスカの攻勢、踏み込みからの掌打、さらに掴みに行くのだがリタのフットワークに苦戦。
ストレートを捌きつつ肘を一撃してダメージを与えるアスカに、ガードの上から乱打を重ねて体力を削るリタ。
「攻守がめまぐるしく入れ替わりますがなかなか決定だが出ませんね」
「双方、スピードのある選手ですからね。足が止まればあるいは‥‥」
とそのとき、アスカが相手の軸足の甲を足刀で一撃、ぐらりとリタの体勢が崩れる。
そのままアスカが腕を取って決め、さらに懐に潜り相手の鳩尾を抜き打ちの一撃で狙う。
しかし、とっさにリタが苦し紛れに頭を抱え込んで膝で顎を一撃、相打ちで両名がマットに倒れこむ。
「おおっと飛鳥選手、リタ選手の膝は予想外だったようですが、飛鳥選手の一撃も同時に決まったようですね」
「双方かなりのダメージだと思いますね」
しかし立ったのはリタだ。タフネスの差による辛勝であった。
●第二試合 UNKNOWN
「第二試合は正体不明の格闘家同士、せせらぎ 鉄騎(fa0027)対ドン・ドラコ(fa2594)です!」
怪しげな風体の鉄騎に対して、空手着を脱ぎ捨ててリングに上がるドラコ。それを見て解説は、
「どのようなファイトスタイルの持ち主かは分かりませんが‥‥実力は確かなようですね」
カーン! ゴングと共に飛び出したのはドラコがショルダータックル。
対する鉄騎は獲物を見据える猛獣のように、開いた五指を正中線に置き体を丸めた構え。
タックルに対しては間合いをとり回避する鉄騎。ロープを使って戻ってきたドラコは続いてチョップの嵐。
「ドラコ選手は空手着を着ていたようですが、どうやらプロレス主体のようです」
「しかし鉄騎選手はうまく距離を取っていますね。どうやら打撃戦になりそうですね」
距離を置かれ「ドラゴン・ファング」も不発、相手が受けることを想定したプロレス技は相性が悪いようだ。
対する鉄騎は体重の乗った掌打での鋭い攻撃。距離を取り相手を徹底して組み付かれないようにしている。
しかしついにドラコが鉄騎を後ろから掴んで投げの体勢。高く抱え上げてからバックドロップ。
だが立ち上がったのは鉄騎だった。
「どうやら、バックドロップの体勢のときに、こめかみへの肘の一撃があったようですね」
実力差をひっくり返す鉄騎の作戦勝ちであった。
●第三試合 SPEEDFIGHT
「第三試合は軽量級のレスラーSIGMA(fa0728)と万能ファイターのリュアン・ナイトエッジ(fa1308)!」
「‥‥なにやらもめてますね」
リング上のSIGMAは正々堂々と戦おうと言いつつもパーカーから凶器を落として煙に巻き、リュアンも緊張。
しかし無情にもゴングはなり試合が始まる。
開始早々SIGMAは低空ドロップで膝を狙うが、大技は軽快に回避。
起き上がる前に攻撃しようとしたリュアンだったが、それはSIGMAの誘いでローキックの一撃。
そのまま蹴りの応酬で、SIGMAはローキックで相手の右ひざを狙い、リュアンはキレのあるミドルとハイの足刀で牽制。
「双方決定打がでませんね‥‥どう見ます、解説の小林さん」
「蹴りの打ち合いならSIGMA選手の分が悪いですが‥‥投げ一撃でひっくり返るかもしれませんね」
突然突進するSIGMA、相手の腰にタックルするとなんとそのまま相手を抱えあげて、肩の上に持ち上げる。
右肩の上に相手を抱え、右ひざと頭部を両手でホールドしてそのまま尻餅をついて垂直落下。
リュアンの後頭部を垂直落下式水車落としで叩きつけるが‥‥リュアンはまだ倒れなかった。
投げられつつも相手の手首を捻って威力を軽減し、即座に攻勢に転じる。
相手がウラカン・ラナで飛びついてきたところを、バックステップで回避。そのまま着地した相手の腕を決め、軸足を払ってそのまま後頭部をマットに叩きつける。
お互い華のある技の応酬だったが勝者はリュアン。笑顔でリングの四方にお辞儀するリュアンだった。
●第四試合 BEAST VS FIGHTER
「さぁお待ちかね! 第四試合はあのキングベアが登場! 対するのはベテラン格闘家の飛呂氏(fa1674)です!」
静かにマットに上がり拳を打ち合わせるキングベアと対するは空手着姿の壮年、飛呂氏だ。そしてゴングが鳴る。
地響きすら立てて突進するキングベアの対して飛呂氏は自然体で待ちの姿勢。
相手の攻撃を見切るつもりのようだが、大振りな一撃の連打とはいえ十分な速度と狙いがあるので見切れても回避はできず辛うじて急所を守るので精一杯だった。l
実力派の格闘家ではあるが、流石にメインを張れる実力派の相手は辛いようであった。
プロレスラーとは言え試合は総合格闘技、タフネスを利用して防御を捨てた猛攻に飛呂氏は御され気味だったが、飛呂氏の反撃。
カウンター気味の一撃で相手の顎を狙っての一撃、しかしそれは顎を引いて頬でわざと受ける事でダメージを減らすキングベア。
飛呂氏がローキックからのグラウンドの攻防、腕を狙って捻るのだが膂力においては流石のキングベアに分があった。
飛呂氏の抜き手がキングベアを強打し、キングベアもダメージを負うがダメージをものともせずに執拗にマウントを狙っての力押し。
「流石にキングベア選手はパワーがありますね」
「ええ、飛呂氏選手も実力派ですが、年齢的にもきついかもしれませんね‥‥」
しかしそのとき、飛呂氏が放った牽制の抜き手がキングベアのまぶたを切り裂いく。
「おおーっとここで出血、古流の攻撃は見た目以上の破壊力がありますね」
しんと静まる会場、そしてドクターが出した判定は続行不可能。いきり立つキングべアをセコンドが必死で抑える中、飛呂氏は辛くも勝利を手にしたのだった。
●第五試合 AMATEUR VS PROFESSIONAL
「いよいよ前半戦最終試合、あのカイル・アーシアの登場です! 対するは‥‥なんと今回唯一の非格闘家、伊達正和(fa0463)!」
轟々と響く声援の中、特に女性ファンに笑顔を向けてファンアピールをするカイルと、黄色い流星が描かれた青地のタイツの伊達。
「流派は小林拳とありますが‥‥少林寺拳法と合気道のようですね」
「さぁ、どのような試合になるか注目ですね」
カーンとゴングの音と共に、飛び出すカイル。対する伊達は、手足を同時に出す中国拳法らしいトリッキーな一撃。
しかし流石に実力差があり、軽く回避されてしまう。
ステップを踏みながら、距離を保つカイルに対して体勢を低くして機をうかがう伊達は豪腕の牽制で一歩を踏み出せない。
伊達はカイルのジャブを前腕部を捻りながら払う中国拳法独特の受けで辛うじて払う。そのとき様子を伺うカイルに伊達が猛攻。
飛び上がりながらの旋風脚から、懐に入ってひじで鳩尾を狙う。バックステップで後ろに下がったカイルだが、そこでなんと伊達が左腕を掴んで背負い投げの体勢!
しかし、伊達は投げられず腕を放すのだった。
「絶好のチャンスだったように見えましたが、どうしたんでしょうか?」
「伊達選手が投げようと体を寄せた瞬間にカイル選手が相手が右で裏からレバーブローを放ったんですね。あれは効きますよ」
解説の通り接近状態からのレバーブローは、伊達のスピードをがくんと落とし、そのあとは完全にカイルの独壇場であった。
うまくプレッシャーをかけて、伊達をコーナーに追い込むと拳の弾幕、ガードを削りついにテンプルへの一撃で伊達はマットへと沈むのであった。
ゴングの音と共に、拳を突き上げるカイル。観客の声援を受けて女性ファンに投げキスを振りまくのだった。