洋ゲー『FRONT LINE』南北アメリカ
種類 |
ショート
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担当 |
雪端為成
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芸能 |
2Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
3.9万円
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参加人数 |
10人
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サポート |
0人
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期間 |
01/08〜01/14
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●本文
緑滴る森林を進む一団。その手には兵器。
先頭を進む斥候がさっと手を上げると、後続が体を低くしてうずくまる。
静かに構えたその銃口が敵に向けられ、静かに引き金が‥‥
「‥‥よし、この位置でなら‥‥」
「お、ヨハン。またゲームやってるのか」
ゲーム画面を食い入るように見つめるのは若き映画プロデューサー、ヨハン・トビアスである。
姉のエリザにぽんと肩を叩かれてヨハンがミス操作。
なぜかヨハンのキャラクターである隊長が雄叫びをあげて突撃。そして全滅。
「‥‥姉さぁ〜ん‥‥」
だくだく涙を流しながら振り返るヨハンがびしっと指差す画面。
そこには無情にも画面に表示される“MISSION FAILED”の文字。
「んでヨハン、またゲームのプロモーションか?」
「うう、あとすこしでクリアだったのに‥‥」
「今度のゲームは、見たところ一人称シューティングのゲームみたいだな♪ ああいうの姉さん好きだぞ」
「あのミッション難しいのにぃ‥‥初めて成功しそうだったのに‥‥」
「男がぐじぐじ言うな〜!!」
めきょっと姉の左拳がヨハンの鳩尾にめり込むと弟は悶絶。
それを見ながら姉のエリザはコントローラーを取るとセーブをさくっと消去してゲームを始める。
「あぁっ!! 姉さんヒドい!!」
「うるさいぞヨハン〜、さっさと募集出しな〜♪」
こうして再び弟のヨハンは目の幅涙を流しながら、出演者の募集をまとめるのであった。
【一人称視点シューティングゲームのCMムービー出演者募集】
●ゲーム内容
・傭兵チームを率いて特殊なミッションをクリアしていく現代が舞台のFPS(一人称視点シューティング)。
・リアルなCGが売りで、登場する銃器や兵器は数百に登ります。
●俳優
・二つのシーンがあるので、参加者はどちらか一方を選択してください。
・一つ目は森林部でのゲリラ組織の撲滅。
>スナイパーによる見張りの狙撃するシーン。
>敵の持つ装甲車をロケットランチャーで破壊するシーン
・二つ目は建物内部での立てこもりテロ集団の殲滅。
>閉鎖された扉を破って突入のシーン。
>遮蔽物を使っての銃撃戦のシーン。
・シーンのアイディアは可能であれば使用してください。
●撮影について
・既にセットと敵側の出演者は準備してあります。
・銃器は実銃で空砲を使用します。兵器類も実物です
・細かいシーン構成は出演者に任せます(プロデューサーが自由にさせてくれます)。
・短い映画といった雰囲気のリアルな戦場の一シーンを描きたいとのことです。
さて、どうする?
●リプレイ本文
●Version1 『Sniper』
緑深い森林。カメラが匂い立つような緑の中を進むと突然視界が開ける。
そこには小さな集落。しかし装甲車や武器弾薬の詰まれた小屋と明らかに堅気ではない男たちが見える。
ゲリラたちが唯一息を抜くその場所。しかし無慈悲にも審判はやってくる。
その場所を見つめる冷徹な眼があった。
盆地のようになったその集落を囲む斜面に潜む4つの影。潜むのは鷹の目を持つスナイパーたちである。
木の陰に潜み、口に銃弾を加えスナイパーライフルを整備している当摩 晶(fa2228)が映し出される。
同時に画面が上下に分割。画面下で顔にカモフラージュのための塗料を塗っているゼフィル・ラングレン(fa2654)。
同型のスナイパーライフルを持ち、ただただ静かに狙撃の準備をする2人。
その狙撃ライフルは最高峰のスナイパーライフルとしての名の高い鋭角的なデザインの黒い兵器。
そして、2人は上下の画面で同時に銃弾を詰め、同時にスコープを覗き込む。
一瞬の停滞も無く標的を見つめ、感情の一切を切り捨ててただ引き金に指をかけて‥‥引く。
ちょうど建物の外にでていた2名の歩哨、双方脳天に一発の弾丸を受けて崩れ落ちる。
それに気付いてにわかに慌しくなるゲリラたちだが、まだまだ裁きの弾丸は止まらない。
スナイパーの存在に気付いて、慌てて飛び出した一人の若い男。
しかし、あたりを見回した瞬間心臓に一発、音も無く倒れ伏す。
弾丸が飛来した方向は遥か向こうの斜面。カメラがズームすると、そこにはもう一人のスナイパーが映る。
距離はおよそ1マイル、つまり1600メートル。人影すら見えない彼方に一人のスナイパーがいた。
地面に伏せたままスコープを覗き込んでいるのはティーナ・アリスン(fa2462)である。
放たれた弾5発は全て必殺の一撃。銃声すら聞こえずどこから放たれたのか分からないまま次々にゲリラたちは倒れていく。
黒一色で無機質ながらも、優美な直線を描く長大なライフルは無情にも遥か彼方から次の犠牲者を狙うのであった。
ようやくスナイパーの脅威に気付いたのか、わめきながらゲリラたちは建物の内部に駆け込みはじめる。
室内なら狙撃されることは無い‥‥そう考えて息をついたのも束の間、壁が轟音と共に貫通される。
轟音と共に室内を血の色に染めた攻撃の正体は、最強最大の機関銃弾を使用した遠距離からの狙撃。
本来ならば対物、つまり装甲車などを破壊するために使用される兵器による対人狙撃であった。
室内すらも安全ではないということは、さらにゲリラたちを混乱の渦に叩き込んだ。
その混乱を遠方から見つめ、無慈悲に砲撃を繰り返すのはダグラス・ウォード(fa2487)。
カメラがズームすると彼はその惨状を見つめながら呟く。冷笑を刻んだ唇とともにテロップが画面に映し出される。
「脆いな‥‥人間は。的としてはつまらん」
再度、死の鉄槌は扉を粉砕し内部に破壊を振りまくのだった。
カメラは切り替わって、今度は走って逃げるゲリラを追いかける位置。
しかし慌てふためいて森に逃げ込もうとしている彼らの前に立ちふさがる影があった。
肩に担いだのはロケットランチャー。使い捨て式の対戦車ロケット射出器を軽々と担ぎ、狙いをつけたのはレオナード・レオン(fa2653)だ。
ゲリラたちは慌ててそれぞれの武器を向けようとするが、射出されたロケットは後方の装甲車を一撃で吹き飛ばす。
爆風に煽られてたたらを踏むゲリラたちだったが、レオの猛攻は止まらない。
射出器を投げ捨て背中に回していたアサルトライフルを構える、そして慌てふためくゲリラたちを掃射。
迷彩柄のカーゴパンツに黒のランニングとジャングルブーツの大男が鋼の弾雨を降らすのにゲリラたちもなす術はなかった。
後方に回り込もうとしたゲリラを、ショルダーホルスターから抜いた大型拳銃で一撃。
さらに、スナイパーたちの凶弾も降り注ぎ、ゲリラたちの動きもついにはなくなり‥‥。
それぞれの顔が一瞬フラッシュバックで映し出される中、タイトルが表示されゲーム画面へと切り替わるのだった。
●Version2 『Assault』
指揮車両内部、ディスプレイが照らす明かりの中で一人無線機に向かって指示を飛ばす女性の姿から映像は始まる。
「周辺地域の住民の避難は完了しています。突入まであと30秒、各自待機してください」
冷静に告げる彼女はオペレーター役の水野 ゆうこ(fa1534)。
優しげな顔を緊張にこわばらせながら淡々と指示を飛ばしていた。
腰から上しか見えないが、体の線をはっきりと浮かび上がらせる灰色のタンクトップと胸を強調するように締めつけるショルダーホルスターがかなりセクシーである。
「状況、全て問題なしです。作戦行動開始願います!」
静かに、けれども力強い彼女の言葉とともに画面は切り替わり、突入のシーンが映し出されるのだった。
扉に銃弾を二発。鍵の部分を確実に破砕してから、ドアを蹴り開けて中に転がり込む。
同時に突入した3名の隊員はそれぞれ別の場所から突入したのだが、正面から突入したのは一見好青年のラルス(fa2627)。
彼はプラスチックフレームと透明なマガジンが特徴の突撃銃を手にしていた。
壁際を素早く進みながらとある扉の前で立ち止まり、弾丸を撃ち込んでからすぐさま身を翻す。
すると室内から反撃の弾丸の嵐。しかしラルスは冷静に閃光音響手榴弾のピンを抜くと室内に放り込む。
爆音と閃光、スタングレネードがもたらした一瞬の混乱の隙をついて彼は室内を制圧していくのだった。
屋上から窓の一つを突き破って突入したのはジーン(fa1137)だ。
ロープの反動で窓ガラスを蹴破っての突入は身の軽い彼ならではの動きである。
そのまま室内を短機関銃で制圧、テロリストたちが倒れるのを待たずに次の部屋へと転がり込むのだが、そこに銃撃が。
銃声を聞きつけて追いついたテロリストの攻撃をジーンはとっさに倒した机の陰に隠れてしのぐ。
しかしジーンは上着を上に向かって放り投げ、相手が気を取られた瞬間に横から転がりつつ拳銃で反撃。
ライフルのような弾を使うその拳銃は、特徴である高い破壊力を発揮してテロリストの肩と脚を破壊。
倒れつつも自動小銃を向けようとするテロリスト。しかしジーンは真っ直ぐ走り抜けながらブーツから抜いたナイフを一閃。
テロリストはその一撃で絶命、その手から落ちる前にジーンは自動小銃をすくい上げ、次の部屋の制圧へと駆けて行くのだった。
裏口から地下室に潜入したのはジョン・ハーレー(fa2650)。
迷彩服の上にしっかりと防弾チョッキを着込み、不思議な形の小銃を持っている。
普通のアサルトライフルの銃口の下にくっつくようにしてもう一つの大きな銃口が口をあけているその兵器。
速射力で勝るアサルトライフルに広範囲を殺傷するためのグレネードランチャーが組み合わされているのだ。
地下には何らかの巨大な機器が鎮座し、その陰を進みながら彼は敵を探す。
敵からの銃弾は機械を盾にして凌ぎ、弾雨が途切れると共に打ち返しながら彼は更なる敵を求めて奥へと入り込む。
敵をうまく追い詰めながら、止めのグレネード。さらにはプラスチックを大部分に使ったことによる軽量化で有名な拳銃を取り出すと、機器の隙間から三点射。
3発の銃弾を受け機器の上から転げ落ちるテロリストをしり目に、さらにジョンは奥へと進むのだった。
3人の姿が順に映し出された後、それぞれと同じような行動をするゲームの画面へと切り替わる。
リアリティを追求した3人の姿はかっちりとCMの中に組み合わさるのであった。
●Version3 『‥‥‥』 (ゲーム内ではできないことなのでお蔵入りしたバージョン)
テロリストたちが占拠しているという建物。そこに向かって一直線に走ってくるのは一台のバイク。
大型バイクに跨り真っ直ぐ正面入り口を目指しているのはダン・クルーガー(fa1089)である。
なんと彼はそのまま正面扉に突貫、そのまま古びたガラスの扉を派手にぶち破る。
そのままバイクから降りた彼の姿は、戦場においては異質であった。
赤のマフラーに全身黒ずくめのライダースーツにフルフェイスヘルメット。
傭兵というよりはヒーローのような姿である。
そのままダン・クルーガー、通称ドゥギーは人間にあるまじき脚力で縦横無尽に建物内を駆け回る。
その両手に構えた大型拳銃を自由自在に閃かせながらテロリストを倒していくのであった。