プロレスマッチ選手募集アジア・オセアニア
種類 |
ショートEX
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担当 |
雪端為成
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芸能 |
2Lv以上
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獣人 |
2Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
3万円
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参加人数 |
10人
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サポート |
0人
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期間 |
01/21〜01/25
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●本文
●プロレスマッチの参加者募集
・地方で行われるプロレスマッチの参加者を募集します。
・選手数は10名、試合数はシングルの場合5試合で行われる予定です。
・過度の反則や卑怯行為は望まれておらず、リングも普通で特別な企画もありません。
・地方での興行ですがしっかりとテレビでは放映されます。
・力と技の限りを尽くした正々堂々とした試合が期待されています。
●詳細なルールは以下の通りです。
・体重制限なしのフリーウェイト制。
・ナックルパート(正拳)での殴打は禁止。
・頭髪・コスチュームを掴むことの禁止。
・金的等の急所攻撃・目潰しの禁止。
・鼻を掴む・鼻、口に指を入れる・耳を引っ張る・噛み付く等の危険行為は禁止。
・ロープブレイクあり。
・試合判定はドクターストップ・ギブアップ・ピンフォール・ノックアウト・反則。
・ピンフォールとは競技者の両肩がマットについた状態で3カウントのこととする。
・ノックアウトとは戦闘不能状態で10カウントのこととする。
・試合時間は15分1本勝負。
なお、注意事項として‥‥
・プロレスマッチであり、異種格闘技戦ではありません。よって、全ての参加者はプロレスラーとしての参戦となります。
・試合は基本的にシングルマッチ。ただし合意のもとでなら、タッグマッチも可能です。
今回は女性の参戦も可能です。
しかし、女性と男性の対戦は不可となっています。
もし組み合わせで余る人がでるようならば、ラウンドガールや解説、セコンドなどとして参加することになります。
さて、どうする?
●リプレイ本文
ライトが明るくリングを照らす。その周囲には熱気を放つ人の波。
ざわざわとざわめきが満ちる場内、いやがおうにも興奮は高まる。
「さぁ、本日第一試合は女子プロレスですが‥‥本日は解説に現役格闘家をお呼びしています」
画面に映し出される放送席、そこに座っているのは実況のアナウンサーと武厳皇(fa1482)。
そして画面は再びリングへ。
第一試合はMAKOTO(fa0295)対リスフィア・マーセナル(fa1879)だ。
双方コーナーに分かれて静かに集中する中、場内に選手の名前を告げるアナウンスが響き渡る。
選手名が告げられると舞う紙テープ。響くファンの声援と歓声。その中にアナウンサーの声が混じる
「最近じわじわとファンを増やしてきている新進気鋭の格闘家、MAKOTO選手に対するのは正統派プロレスラーのリスフィア選手です。さぁ、解説の武厳皇さんこの試合はどうみます?」
アナウンサーは隣に座る巨漢を見上げて問いかけた。
「MAKOTOの鋭い打撃にリスフィアがどう対処するかが見ものですね」
「MAKOTO選手は打撃系の格闘家で、対するリスフィア選手はプロレスラーですからね」
「技術ではリスフィア優位。体力ではMAKOTOが上を行くようです。短期決戦ならリスフィア、消耗戦ならMAKOTOと思いますね」
武厳皇は力士から転身した格闘家であり、プロの観点からのコメントが求められているのだが無難にこなしているようだ。
そして、舞い散る紙テープを片付けている人たちに一人混じっているのは凛華(fa1528)だ。
ベンチコートを着こんでさっさと雑用、そのあと急いでコートを脱いでラウンドガール、いやラウンドレディーだが‥‥。
女性選手両方のボディーチェックなどを終えて凛華がラウンドガールのコスチュームになると場内がざわめく。
彼女も実のところは現役のプロレスラーであり、今回の試合に来ていたファンたちの中には見知っている人がいたようだ。
黒に紫のラインが入った大胆なリングコスチュームで登場、彼女の衣装もファンが彼女に気づくのに一役買ったようである。
そして彼女は高々とスポンサーと選手名が書かれたボードをかざしてリングを一周。
「ラウンドガールをしているのは女子プロレスラーの凛華選手ですね。ラウンドガールをするには少々ベテランですが、なかなか映えますねぇ」
「‥‥‥‥そうですね」
試合の前の空白に軽くコメントを入れたアナウンサー、対して武厳皇は重々しく返す。
このとき武厳皇が握っていた机の端が見事にひしゃげていたのは後日判明するのだが‥‥またそれは別の話。
いよいよ試合の開始である。
カーンとゴングが告げる。
両者はまずじっと隙をうかがうのだが‥‥先に仕掛けたのはMAKOTOだ。
間合いに入り込んでのローキック一閃、まずはけん制の一撃。
間をおかずして、MAKOTOは打撃戦を展開、ローからミドル、相手をロープに振ってのフロントキック。
しかしリスフィアもロープをつかんで間合いをはずしたり、ミドルをしっかり受け止めてなんとかグラウンドの攻防へとつなごうとする。
「さぁ、序盤はお互い様子見といった感じです。打撃主体で攻めるMAKOTO選手にグラウンドを狙うリスフィア選手‥‥」
とそのとき、MAKOTOのエルボーを受けたリスフィアが腕をひねり上げる。
しかしひねり上げられた方向に自ら飛び上がり回転することで、ロックをはずすMAKOTO。
「どうやらリスフィア選手は腕を狙っているようですね」
解説の武厳皇が言うとおり、腕を狙っての攻撃が徐々に増えていくのだった。
そして三分が経過したところで、にわかに試合は白熱していく。
バックブローをしゃがんでかわしたリスフィアは相手の後ろに回りこむと、裏拳の体勢で伸びたMAKOTOの腕をつかむとそのまま相手の腕を使っての相手を締め上げる。
自分の腕で自分の首を絞められ、一瞬動きの止まるMAKOTO。しかしリスフィアの攻撃はとまらない。
技の名はコブラクラッチ、そのまま相手の腰を片腕でつかみあげると首を決めたまま後ろに反り投げ!
コブラクラッチスープレックスが見事決まり後頭部を痛打するMAKOTO。
しかし、体格に優れる相手を投げ飛ばすことはそれだけ体力を使うため、リスフィアにとっては諸刃の刃だ。
「身長差はおよそ10センチですからね。リスフィア選手は投げよりも関節技で攻めるべきかもしれませんね」
しかし、MAKOTOもただではやられない。ヘッドスプリングで跳ね起きると、そのまま再びミドルキック。
それをリスフィアが受け止めるのだが‥‥その受け止められた右足を軸に、相手の体を挟み込むようにして延髄へ蹴りを一撃!
もんどりうって倒れる両選手、場内はいやがおうにも盛り上がっていくのだった。
そして試合展開は終盤へと向かう。
リスフィアは相手の隙を突いてミドルキックをかわすと後ろに回りこんで両手をチキンウィングアームロック。
相手の両手を背中に締め上げるようにして固めると、そのまま反り投げてホールド。
「おーっと、ダブルチキンウィングからタイガーススープレックスホールド!」
ふたたび首と肩へのダメージを受けるMAKOTOだが、負けじと起き上がるとローから相手をつかんでロープに投げる。
そして戻ってくるリスフィアに向けて高く飛び上がりながら仰向け状態になって放つ変則のドロップキックを狙うのだが‥‥。
リスフィアはロープに腕を絡めてタイミングをはずし、なんと距離が足りず不発。
「おおっ、これはMAKOTO選手の読み違いで誤爆か?!」
「‥‥いや、あれはグラウンドへと誘ってますね」
冷静に読む武厳皇、チャンスとばかりにエルボードロップを放とうとちかよったリスフィアに向かってにわかに転がって近づくとバックをとるMAKOTO。
そしてそのままきれいにブリッジを決めてのジャーマンスープレックス!
カウント1‥‥カウント2‥‥カウント‥‥そこでぎりぎり切り返すリスフィア。
最後の攻防、リスフィアはMAKOTOを引き起こすとコブラツイスト! しかし、最後に勝負の明暗を分けたのは体力の差だった。
コブラを強引に切り返すMAKOTOはがっちりと相手の体を抱え上げると、肩の上でぎりぎりと反りあげる。
「この技をプロレスラー以外の選手から見られるとは思いませんでした! 三大バックブリーカーの一つ、アルゼンチンバックブリーカーです!!」
身長と体力で勝るMAKOTOの渾身の攻撃に、リスフィアはギブアップを告げたのだった。
「お互い実力の限りを尽くしたクリーンなファイトでしたね」
場内から拍手が起こる。リスフィアが握手を求めると、MAKOTOもしっかりと手を握り帰したのだった。
「さぁ、第二試合はSIGMA(fa0728)選手と五条和尚(fa0360)の対戦ですね、武厳皇さんどう見ますか?」
「ジャパニーズルチャとキャッチの戦いですね。ダイナミックな動きとネチっこい動きがどう噛み合うのかが楽しみです」
「ははぁ、SIGMA選手は軽量級で空中技が得意で対する五条選手はクラシカルなプロレスを得意としてますからね」
「ええ、和尚がSIGMAの心と体のスタミナを削り切るのが先か、それともSIGMAが和尚のそれを一気に刈り取るのが先か‥‥非常に楽しみですね」
試合前の様子は対照的であった。
ラウンドガールの凛華が第二試合の選手名を掲げる中、静かにたたずんでいる五条。
対して花道を一気に駆けてくると、トップロープを飛び越えての入場、派手な入場曲にあわせてファンを煽るパフォーマー振りであった。
そしてゴングが試合の開始を告げる。
飛び出すSIGMAと待ち構える五条、がっしりとお互い組み合うと首四つの体勢。
ぎりぎりと力比べだが勝ったのは五条、SIGMAを振りほどくと相手の頭をつかんで額へ肘を打ち落とす!
「美しいフォームからのエルボーは、往年の名レスラーを彷彿とさせますね」
実況の言葉のとおり正統派の技を繰り出す五条、よろけたSIGMAの首をがっしりとつかむと首投げである。
しかし次はSIGMAの反撃、ミドルキック一撃で大仰によろけて会場をわかせる五条にさらに畳み掛ける。
ロープに振った相手の胸板をドロップキックで一撃しつつ回転して足から着地して倒れた相手の頭を足で挟みヘッドシザース。
しかし五条も反撃、ロープブレイクでグラウンドの攻防から逃れると相手を立ち上がらせてリストロック。
リストロックの状態から膝への強烈なローキックで相手の膝をつかせると、再びエルボードロップで相手をうつぶせに。
そしてうつぶせの相手の足を抱え上げるとエルボーを背中に落としつつ、相手の膝をマットに叩きつける!
「非常にレベルの高い攻防ですね」
そのまま相手の足を抱えて逆エビ固めの体勢になる五条であったが、今度はSIGMAが逃れて立ち上がる。
膝を相手の首に数発叩き込むと、ふらふらとよろける五条。
そのチャンスにSIGMAは自らロープへと走っていくと、五条の後ろから接近し‥‥後頭部をつかんでマットに叩きつけるフェイスクラッシャー!
豪快な音を立ててマットに叩きつけられる五条を再び引き起こしてもう一度同じ技を狙うSIGMA。
しかし、今度は後頭部をつかもうとしたSIGMAのほうを振り向くと、膝蹴りで撃墜するキチンシンク!
「おおっと、これは強烈なカウンター!! その隙を逃がさず五条和尚選手はリストロックからボディスラムです!」
ふらつくSIGMAの腕をひねり上げながら、相手を強引に抱えてマットに叩きつける五条。
そして、腕を抱えてのたうつSIGMAに狙いをつけて、お株を奪うようにコーナーから体を伸ばして一回転、背中から相手の体の上に落ちるセントーンアトミコ!
かなりのダメージを受けて悶絶するSIGMAだが、次は反撃である。
双方ゆっくりと起き上がると再び打撃戦。胸板への一撃を叩き込む五条だがSIGMAは反撃の膝。
そのまま、距離があいた相手の首に両足で飛びつくとヘッドシザースホイップ! 相手の首を締めながら投げ飛ばす。
投げた位置から、転がった五条は場外に落下、ふらふらと頭を振りながら起き上がった五条にSIGMAの追撃。
リングの端、ロープの外側に立つSIGMAはトップロープをつかむとセカンドロープを足場にサマーソルトで体当たりを敢行。
ラ・ケブラーダという名前の技で場外の固い床に叩きつけられる五条、彼をSIGMAはリングへと引きずり戻す。
さらに続くSIGMAの猛攻、彼は五条をコーナーに逆さにつるすと顔面めがけて低空ドロップキック!
これにはさすがの五条も倒れてしばらくは起き上がれないのだった。
そしてさらに猛攻を加えようとするSIGMA、コーナーからニードロップで追撃したのだが‥‥
「これは五条選手かわしました! この誤爆は痛い〜!!」
がっしりと背後からSIGMAを抱えあげる五条、バックドロップかと思わせる動きだがつかんでいるのは相手の左足だ。
そのまま抱えると相手の膝を自分の膝に叩きつけ、マットへと叩きつける!
膝を抱えてのたうつSIGMAに対して、今度は五条が相手のあごに自分の頭を当てて相手の頭を固定。
そのままジャンプして相手のあごを痛打! さらに相手の足を自分の両膝で決めて監獄固めだ。
膝に対するダメージは深刻だが‥‥なんとかSIGMAがロープブレイク。そしてふらふらと立ち上がるSIGMA。
「空中戦を得意とするSIGMA選手にとって膝へのダメージは致命的ですね」
しかしなんと攻撃を仕掛けたのはSIGMA、エルボーの連打から相手をコーナーに振って追撃のフライングエルボー!
そのままふらついて倒れた五条をうつぶせのまま両肩に抱えあげて、そのまま相手の体を振り回して天地逆さまにして抱える。
がっちりと腰をつかんで、そのまましりもちをつくパイルドライバーの体勢だ。
「ファイヤーマンズキャリーの体勢からパイルドライバーのライトニングドライバーが決まった!」
そしてさらに追撃のSIGMA。悠々とロープの外側のリング端に立つと、拳を掲げて咆哮する。
「サンダーバードッ!!」
場内に響く歓声の中トップロープをつかんで、高く飛び上がると仰向けに転がる五条に向かって垂直落下。
そのまま行けば自分の頭が当たってしまうだろうが、首を丸めて肩から相手の胸板を直撃。
そして一瞬で跳ね起きると相手に向かって対峙、そのまま飛びついてフォール!!
悲鳴を上げる膝を酷使してまでのドラマチックな試合は、僅差にてSIGMAの勝利に終わったのであった。
「さぁ第三試合は異色の組み合わせ、孫・黒空(fa2593)選手対リュアン・ナイトエッジ(fa1308)選手。非プロレスラー同士のプロレスマッチです!」
「若手のリュアンとベテランの黒空の一戦ですが、やはりベテランの牙城に若手がどう立ち向かうのかが焦点でしょう」
「そうですね、手元の資料によれば年齢差は実に24歳! この差がどう出るかが見ものですね」
「実は試合前にリュアンに助言を求められたのですが、『黒空の得意とする空中殺法にこそ、付け入る隙があるかもしれません』と答えました。さて、リュアンはどうするのでしょうか」
「なるほど‥‥それではいよいよ試合開始です!」
中華風の入場曲にあわせて入ってくるのは孫、黒のタイツとリングブーツ姿だ。
対するリュアンは青のタイツに銀の剣の模様が入ったリングコスチュームでの登場である。
「一度しか見せん。よく憶える様にの」
孫は小声でリュアンに話しかける。一方リュアンは武道家らしく着ていた道着を脱ぐと手を合わせて礼儀正しくお辞儀をする。
そして試合が始まった。
「ネオ・レッグ・ラリアット」
そう言いながら攻撃を仕掛けたのは孫。相手の首を狙っての回し蹴りだ。
しかし打撃戦に慣れているリュアンはそれをブロック。すると孫は足を引き戻してから後方宙返りして距離をとる。
年齢を感じさせないその動きにわく場内、その中で攻めに転じたのはリュアンだ。
水平チョップから顎への掌底打ち、中段回し蹴りから上段後ろ回し蹴りへのコンビネーションだが、それを孫は受けずにかわす。
技の掛け合いを楽しみにしているファンたちにとっては少々拍子抜けらしく、そこかしこからブーイングも起こるが試合は続く。
孫が首投げを狙ってつかみかかるところを、今度はリュアンが腕を取って肘と肩を決める。
そのまま相手の体を抱え上げて肩の上で半回転させうつぶせにする、そしてそのまま相手を前のほうに引き摺り下ろし腰の辺りでしっかりクラッチ。
前方に飛びながらリングに叩きつけるスプラッシュマウンテン!
さすがの孫もこれには受身で精一杯。しかし続く押さえ込みは体力にものを言わせて強引に振り切る。
「やっとプロレスの試合らしくなってきました!」
今度は孫の攻勢、フェイントを混ぜたけりの連打で相手の体力を削っていく。
そして一瞬の隙をついて首投げで相手をマットに叩きつけると、なんと相手の顔を狙って両手でつかみかかる!
しかし、さすがにこれにはリュアンも抵抗、腕で相手の手を払うとあわてて立ち上がる。
「なんだか今孫選手がかなり斬新な技をかけようとしたように見えましたが‥‥」
そして最後の攻防、足元をふらつかせるリュアンに対して一直線に走りこむ孫。
「ローリング・ネックブリーカー・ドロップ」
それをエルボーで迎撃しようとするリュアンだったが、その腕を飛び越えるようにリュアンの肩を支点として手を突いてトンボを切る孫。
その勢いのままで相手の顎と首をつかんでそのまま相手をマットに叩きつける。
叩きつけられた一瞬で、孫はリュアンの腕を決めるとそのままフォールするのであった。
実力差に押し切られた試合は、完全なプロレスというわけではなかった。
それでも、お互いに力を尽くした試合ではあったようで、リュアンは礼儀正しく孫に礼を言うとリングを降りて行ったのだった。
「さぁ、最後となりましたが第四試合、飛呂氏(fa1674)選手と醍醐・千太郎(fa2748)選手の戦いはどう見ますか?」
ラウンドレディーの凛華が最終のマッチであることを示したボードを掲げてリングにたっているのを横目で見ながら解説。
「今大会で1、2を争う実力者同士の一戦でしょう。純粋に肉体・技・精神の全てを問われる戦いとなるでしょう。あるいは、クレバーな引出しを持っているかどうかが勝負の分かれ目かもしれません」
「なるほど、実力は伯仲ということですね‥‥それではいよいよ試合開始です!」
お互い筋骨隆々たる体躯で185センチを超える巨漢、実力、迫力ともに十分である。
そしてゴングの音とともに、双方リング中央でがっちりと両手を組み合わせて力比べだ!
ぎりぎりと音が聞こえるほどに両者の筋肉が唸り軋む。そんななか目を光らせたのは飛呂氏だ。
大きく首をそらすと、強烈なヘッドバット! 鈍い音とともに両者の頭蓋骨が激突する。
この攻撃はかましたほうもただではすまない。お互い手を離してぐらりとよろめく様子に場内が歓声で満ちる。
その中で距離をとろうとする飛呂氏だが、逃がさないと追いかける醍醐。体を丸めて低空タックルだ。
それを真正面からがっしりと受けとめる飛呂氏だがそれを好機と見た醍醐、相手の足を払いながら自分の体ごと倒れこむSTO!
後頭部をマットに強打した飛呂氏に対して醍醐が追い討ち、さらに肘を叩き込もうとするがこれは下からの飛呂氏の蹴りで不発。
そして再び距離をとって対峙する二人、戦いは次の展開へと移行した。
中央で醍醐が逆水平チョップを胸板に叩き込めば、飛呂氏が肘で醍醐の首を強打。
「打撃戦ですっ! 首を狙って多彩な攻撃を繰り出す醍醐選手に対するは飛呂氏選手の肘の連打!」
続いてロープを使っての攻防、飛呂氏が醍醐をロープに向けて走らせてから迎撃のローリングエルボーを一撃。
お返しとばかりに醍醐が飛呂氏をロープに投げては戻りざまに首を捕らえて、そのまましりもちをついて脳天をマットに叩きつけるDDT!
お互いの技を一歩も引かずに体力を削りあう劇的な攻防だった。しかし、ついに変化が訪れた。
重量級の両選手、その攻防の中でロープに振られた飛呂氏が戻りざまにチョップを構える醍醐にたいしてカウンターのカウンターエルボー!
ふらつく醍醐に対して駄目押しのエルボーをかけるのだが、なんと勢いあまって両者は場外へ。
必死で凛華らセコンドが観客を防ぐなかでの戦いなのだが、さすがにプロレスが本職の醍醐に分があった。
お互いに相手を打撃でぐらつかせ、ボディスラムなどの投げ技でパイプ椅子の列に放り投げる。
しかし、醍醐はなんと机を奪い取ると、それをリングサイドに設置するとその上に飛呂氏を乗せる。
そして、なんとリングサイドから飛び上がってのエルボードロップをみぞおちに!
机は衝撃にひしゃげ二人を巻き込んで破壊されるなか、最後の攻防。
よろめく飛呂氏に対して醍醐が強烈なラリアートで一閃。半回転して背中から叩きつけられる飛呂氏だが、ただでは倒れない。
蹴りを放とうとする醍醐に対して、ぎりぎりでよける飛呂氏。そしてその足をつかむとそのまま足をつかむと、半回転。
ドラゴンスクリューは醍醐の膝にダメージを与えるが、かろうじて体ごと回転して膝の破壊を避ける醍醐。
そして立ち上がろうとする飛呂氏に対して、後頭部をがっしりとつかむ。
「おーっとこれは、醍醐選手のベアタッチっ! これで決まりかー?!」
後頭部をつかんだまま全体重を乗せてマットに顔面を叩きつける!
そのままダメージを受けた膝を押して相手の背中に飛び上がってのエルボードロップからフォール!
さすがのダメージ量で、これには飛呂氏も立ち上がることはできずスリーカウントを聞くことになるのだった。
がっしりと握手を交わして健闘をたたえる両選手、場内は割れんばかり歓声に包まれ、これにて全試合が終了するのだった。