『グールスレイヤー!』南北アメリカ

種類 ショート
担当 雪端為成
芸能 2Lv以上
獣人 2Lv以上
難度 普通
報酬 3.9万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 04/25〜05/01

●本文

 新作アクションゲーム『グールスレイヤー!』
 爽快ソードバトルアクション。
 画面狭しと迫り来る数百体を超えるグールたちを斬って斬って斬りまくる!!

 ‥‥そんな新作ゲームを借りてやってるのは、プロデューサーのヨハン・トビアス。
 若きプロデューサーは。最近ちょっと個性的な奴ともっぱら評判である。
「てぃ! てぃ! おりゃー!!」
「うーるーさーいーぞー!! ヨハン、またゲームか!!」
「へっへーん、今日のは仕事ー。またゲームのプロモ依頼だよー」
「ほほー、イメージビデオを作るんだな‥‥最近はCGも進んでるからなぁ」
「おうよー、だから僕も楽々ー」
「‥‥いや、しっかり仕事やれよ」
 そんな突っ込みを炸裂させる苦労性の姉、エリザ・トビアスはそういってがっくり肩を落とすのだった。

【ゲームのプロモーションムービーの出演者募集】

●ゲーム内容
 ・グール(食人鬼)と呼ばれる化け物などを倒して進むアクションゲーム。
 ・古城やファンタジーな世界を舞台にして、さまざまな姿の化け物を倒していく。
 ・大量の敵をプレイヤー操るキャラクターが一気に倒していく爽快感あるゲーム。

●キャラクター解説
 ・剣士
 ・魔法使い
 ・格闘
 ・銃使い
 ・その他、ファンタジーな世界観から大きく逸脱しない限り自由に設定しても良い。

●映像内容
 ・各人がそれぞれ短い戦闘のシーンを取ってもらう。
 ・武器と装備に身を包み、派手で華麗なシーンが求められている。
 ・敵の内容は、ゾンビのようなグールから、ドラゴンまでけっこう何でもあり。
 ・アイディアを尽くした魅力的なワンシーンを是非。
 ・複数のキャラクターによる協力もあり。

●今回の参加者

 fa0696 ボルティオ・コブラ(28歳・♂・蛇)
 fa0959 シルクリア(20歳・♀・猫)
 fa0968 シャウロ・リィン(16歳・♀・猫)
 fa2557 メイヤー・E・霧島(28歳・♀・竜)
 fa2608 AKIRA(23歳・♂・蝙蝠)
 fa3090 辰巳 空(18歳・♂・竜)
 fa3308 ヴァールハイト・S(27歳・♂・竜)
 fa3319 カナン 澪野(12歳・♂・ハムスター)

●リプレイ本文

 轟々と風の音が吹く荒野。そこには巨大な城が轟然と聳え立っている。
 怪しく紅く光る大きな満月がアタリを照らすが、そこには生き物の姿はない。
 蠢くのは、既に死した“グール”たち。
 城下町を含めて人っ子一人居ないその死者の町を映し出しカメラが大きく引いて‥‥暗転。

『グールスレイヤー!』

 大きくゲームのロゴが映し出される。そのタイトルロゴもすぐに雲が覆い隠し、舞台は城に近い荒野。
 空から見下ろした視点で映し出されるのは、1人の旅人を放射状に囲むグールの群れ。
 その中心にシルクリア(fa0959)扮する異国の旅人の姿があった。
 藤色の簡素な着物を大胆に着崩したシルク、その手には黒い鞘。
 徐々に包囲網が縮まったその時、ちきりと鯉口を切るとシルクは抜き打ち一閃。
 袈裟懸けに真っ二つとなったグールの体は崩れ落ち、シルクは次々に刀を振るい始める。
 ゆるゆると敵の攻撃を緩やかに回避し、交差の瞬間一刀両断。シルクはすっと群れの外へと抜け出る。
 残された群れの死人たちは手を突き出してこちらに向かってくるのだが、ぱちんとシルクは刀を鞘に収めてしまう。
 しばし瞑目するシルク、そして彼女はすっと目を開くと離れた間合いから居合いの一撃。
 すると銀の刃から生じたのは衝撃波のような斬撃。それは群れを一瞬にして両断しグールたちは次々に塵と化す。
 塵は斬撃の放つ淡い桃色の燐光を浴びて、さながら桜吹雪のように月明かりの中に浮かび上がった。
 巻き起こった剣風に巻かれるようにして舞う桜吹雪、その様を微笑みを浮かべて見るシルク。
 彼女は画面に向かって一閃、豪風がおきたその次の瞬間、既に彼女の姿はなく‥‥暗転。

 のろのろと何者かを追いすがるグールたちの背中、その背中の先には必死で逃げる少女の影が。
 真っ赤なチャイナドレス風の短衣と黒のスパッツの少女は、ついに袋小路へと追い詰められてしまう。
 絶体絶命の危機と思われたその時、くるりと振り向くシャウロ・リィン(fa0968)扮する拳法家の少女。
 彼女は袋小路の左右と奥の壁ととんとんっと蹴り軽々追いかけてきたグールの群れの向こう側に着地。
 猫のような身のこなしで着地すると、逃げるではなくグールと正面から戦い始めるのだった。
 左右のハイキックから後ろ回し蹴りに足払いの水面蹴り。相手の腕を掴んで引きつけて鳩尾へ掌打、青竜翻身。
 飛び上がって相手を足場にして飛び上がって、別の敵の攻撃を避けるアクロバットな動きを次々と見せていく。
 途中怪我をしても臆せず笑みを浮かべ、ますます動きが加速する。
 囲まれても回避しての拳打蹴撃でグールを次々に打ち倒していくのだった。
 そして最後の一体を華麗なムーンサルトキックで沈めると、得意げな笑顔でウィンク一つ、そして暗転。

 続いて城下の石畳の上に立つのは、軽装の女戦士に扮するメイヤー・E・霧島(fa2557)の姿。
 両手にそれぞれ赤と青に燐光を放つ短い剣を持ち、グールの群れに対峙している。
 すたすたと群れに正面から近づくと、グールの一撃を左剣でブロック、右剣で首を一閃。
 続く横からの一撃をかがんでかわすと、まず左剣で胸を横一文字に切り裂き続いて右剣で縦に一撃。
 華麗な足捌きで背後に回りこんで首を刈る一撃や、高速の突きの連撃で次々に敵を屠っていくメイヤー。
 しかしいくら切り倒してもきりの無い大軍勢を前にしてメイヤーの双剣がひときわ強く輝き始めた。
 左右それぞれ赤と青の光が刃の形のまま長く伸び光の刃を生み出した。
 赤と青の残光を残しつつひらめく二つの刃はまるで二色の光翼。
 周囲の一切を舞うような動きでなぎ払った後、周囲の廃墟と化した壁や柱までもが地響きを上げて倒れる。
 動くものの無くなったその場所で、メイヤーは両の剣を腰に戻す。
 するとちょうど画面前方に残った柱が一本倒れてきて視界を塞ぎ、転換。

 ローブに身を包んだまだ若い青年がたっているのは、城の中庭と思しき開けた空間。
 今では見る影も無く荒れているその中庭で、グールの大群相手に奮戦しているのはAKIRA(fa2608)扮する魔法使いだ。
 身の丈ほどの杖を棒術の要領で振り回し、グールの攻撃をしのぐアキラ。
 足を払い、攻撃を受け止め、隙を見つけての魔法攻撃。かざした手から放たれるのは、音波による衝撃波。
 幾重にも繰り返して襲い掛かる衝撃の波がグールたちを数対纏めて打ち倒していくのだが、そこで轟音!
 横の壁を突き破って、ふたまわりも巨大でいびつなグールが突進してくる。
 とっさにかわして魔法を放つアキラだが、巨大なグールは効いた様子も無く攻撃してくる。
 そこでアキラは距離をとり、口の中で何事か呟く。するとその背からは巨大な漆黒の皮翼が生えるのだった。
 その翼を大きく羽ばたかせて空に舞い上がると、大きく杖を振りかざしてから渾身の大魔法。
 中庭の全域を巻き込み、ステンドグラスや古びた彫像、石畳に放射状にひびが入るほどの衝撃の中、巨大なグールも徐々に崩れ始めるのだった。
 そしてボスの倒れる轟音と舞い上がる砂煙の中、彼の姿は消えていき暗転、場面転換。

 再び城を望む荒野、白い神官服に身を包んだ大柄な男が一人戦っているのが見える。
 カメラが接近すると、その異形が明らかに。全身を漆黒の鱗で包んだ龍頭人身であった。
 辰巳 空(fa3090)扮する龍族の神官は、1人孤独にグールの大群と戦っていた。
 先端に巨大な十字と光輪を組み合わせたシンボルをつけた巨大な杖を掲げ、正義の鉄槌とばかりにグールを粉砕。
 上空から飛来した朽ちたドラゴンのような敵に対しては、手のシンボルから幾条もの光の矢を飛ばし撃墜する。
 後ろから近づくグールに龍人らしくしっぽの一撃、数匹巻き込んで弾き飛ばしながら、最後の一匹には手のホーリーシンボルの一撃を下す。
 そして静寂が満ちる荒野で1人呟く龍神官。
「‥‥これは天罰だ」
 ぐるぐるという鈍い唸りの中で静かに響くその言葉を最後に再び暗転、ラストシーンへと繋がっていく。

 城を望む荒野の一角をただ進むグールの大群の中で、一瞬光がきらめく。
 地面を走るようにして、光の六芒星が描かれるとそこを起点に光の柱がはじけた。
 するとそこには、筋骨隆々とした戦士とその肩の上に幼い少年の姿が。
 ヴァールハイト・S(fa3308)演じる戦士は年季を感じさせる皮の部分鎧と鋲の入った篭手や脛当てを身につけ、その両手には大斧と棘鉄球のメイス。
 カナン 澪野(fa3319)演じる召喚術士の少年は少女と見まごう美貌で銀の髪を風になびかせていた。
 その2人の出現にグールたちも気付き襲い掛かってくる。しかしそれを許す戦士ではなかった。
 両手の武器を一閃、グールは味方数体を巻き込んで粉砕される。
「気まぐれなる風の乙女よ、僕に力を貸して!」
 召喚術士の少年の言葉に応じて、空中に漂い出たのは半透明の姿の小さな乙女たち。
 彼女たちの支援を受けて戦士が縦横に敵を撃破していくのだが、そこに現れたのはふたまわりも巨大なグールの親玉。
 突進してくるグールだったが、それを止めたのは召喚術士が描いた光の文様から現れた角を持つ魔獣ベヒモスだ。
「ありがとう、ベヒモス!」
「よし、あとは任せろ!」
 がっしりと攻撃を受け止めるベヒモスに礼を言う少年をみて安心すると戦士は、自分の番とばかりに前へと進む。
 両手の武器を連結させ一本の巨大な兵器とすると、それを頭上で旋回させて、ベヒモスの突進でよろめいた巨大なグールへと一撃!
 グールを真っ二つにしただけではその一撃は止まらず、そのまま地面に直撃。
 地響きと共に地割れを生み、その地割れの中に周りのグールたちも飲み込まれていくのだった。
 
 そこに最後の敵の影。ボルティオ・コブラ(fa0696)扮する巨大な蛇頭の怪人が現れた。
 グールすら蹴散らして進む蛇人間の突進。それを見て召喚術士の少年は呪文を唱える。
 すると地面に浮かび上がる5つの魔方陣。そこからは、5人の戦士たちの姿が。
 吼えながら蛇男が雷を降らせば、龍の神官が不可視の壁を作り出し雷を防ぎ、反撃の光の矢の嵐。
 かざした手から一直線に飛来した雷撃は、蝙蝠の羽で空を飛ぶ魔術師の声無き音の衝撃波が真正面からぶつかり相殺。
 少女拳士は、蛇の豪腕の一撃をかわしてかく乱しながらその頭に強烈なとび蹴り。
 双剣の女戦士は、燐光を帯びた両手の剣で目にも留まらぬ連撃で見る見るうちに蛇に傷をつける。
 そして異郷の女侍は神速の居合い一閃、蛇の左腕を斬り飛ばす!
 そうして生じた一瞬の時間、召喚術士の少年は最後の技を使っていた。
「大いなる幻獣界の王よ! 古の盟約により我の呼びかけに応じよ!」
 浪々と響く声によって現れたのは巨大な龍の影。
「かの者に偉大なる加護を与えん!」
 その言葉と共に、両手の武器を地面に突き立てた歴戦の戦士に影が重なり、戦士は龍へとその姿を変える。
 金の鱗の龍と化した戦士はそのまま燐光を放って蛇の魔人へと一直線に進み、真正面から直撃。
 轟音と膨大な光を放ちながら蛇の魔人を突き破り、魔人は塵となって消えていくのだった。
 そして黄金の龍が放つ燐光が周囲のグールすら消滅させ、一同の下に戻ると龍は消え再び戦士へと戻る。
 そこで暗転。再びタイトルロゴ。

『グールスレイヤー!』