ポリスフォース南北アメリカ

種類 ショートEX
担当 雪端為成
芸能 3Lv以上
獣人 3Lv以上
難度 難しい
報酬 13.5万円
参加人数 6人
サポート 0人
期間 04/25〜05/01

●本文

「爆発こそが‥‥芸術だっ!!」
 にんまりと笑みを浮かべて発火装置のスイッチを入れるのは爆発と破壊を愛する監督、イザーク・ハイネマン。
 彼の次なる作品は、再び警察を主人公としたものらしいのだが‥‥。
「ふむ、今度の作品はすごいぞ。何より主人公たちが爆発が好きだ!」
 ということで、さぞかし派手な作品になるのは請け合いである。
「‥‥バス、船、車は何十台壊しても良いらしいから、派手にいける!!」
 このような理由で珍しく上機嫌なイザーク監督であった。
 さて、映画はどんな映画になるのだろうか?

●スタッフ募集
 ・脚本や演出などスタッフを募集。裏方も同時に募集。
 ・映画のアウトラインを崩さなければ自由に台詞や動きを考えてもかまわない。
 ・ただし、監督が認めないこともありうる。

●出演者募集
 ・最大8人程度で出演者を募集。
 ・脚本担当などと協議して、どうシーンを作るか考えて出演してもらう。
 ・ただし、その行動を監督が没にする場合もありうる。

●ストーリー
 さまざまな問題を抱えておちこぼれの警察官たちが集まるとある部署があった。あまりに周囲の迷惑を考えないような捜査方法や、強引過ぎる手段が問題視されて左遷されたのである。
 そんな彼らはその有り余る武力・暴力からポリスフォースと呼ばれていた。
 しかしある日、その部署にとある仕事が舞い込んでくる。
 最近つかまった麻薬界の大物の護送である。
 この仕事は他のあらゆる部署が嫌がったのだ。
 なぜなら、確実に強硬手段に訴えた奪還が行われるはずだからである。
 命の保障は無い最悪の仕事。その仕事を成し遂げられるのはポリスフォースのみだ!

●キャラクターに関して
 ・まず敵として麻薬界のボス。悪役然とした行動が求められている。
 >主人公たちにあきらめるように言うなど傲岸不遜で傍若無人。
 ・それ以外のボスの手下はこちらで用意する予定だが、もしやりたい出演者がいるのなら交渉次第である・

 ・主人公側、ポリスフォースはかなり自由度が高い。
 >ガンマニアでとにかく撃つのが好きとか。
 >爆弾解体班所属の爆弾魔とか。
 >スピード狂のバイク警察官とか。
 >格闘術の達人でやりすぎちゃった怖い警察官とか。

 麻薬界のボスをとある留置所から別の場所へと移すその行程で、さまざまな妨害が襲い掛かってくる。カーチェイスに狙撃、銃撃戦に待ち伏せ。
 それをかいくぐって、無事にボスの乗った護送車を送り届けるのがストーリーの骨子である。
 どんな妨害があって、それをどう潜り抜けるのかがストーリーの焦点となるだろう。
 アイディアを尽くして、派手で過激な映画にしてもらいたい。
 

●今回の参加者

 fa0611 蒼月 真央(18歳・♀・猫)
 fa1482 武厳皇(34歳・♂・亀)
 fa1695 羅蓮華(23歳・♀・狐)
 fa2021 巻 長治(30歳・♂・トカゲ)
 fa2076 武宮 美咲(15歳・♀・一角獣)
 fa2964 黒崎・幸次郎(28歳・♂・鷹)

●リプレイ本文

●脚本家へのインタビュー
 映画本編放映前の番組冒頭にて。レポーターはセレン・シーモア。
 インタビューされているのは今作『ポリスフォース』の脚本家、巻 長治(fa2021)である。
「本日はイザーク・ハイネマン監督の新作『ポリスフォース』の魅力について伺ってみたいと思います!」
 元気良くマイクをしゅぱっと向ける笑顔のセレン。彼女はどこでも元気いっぱいのようである。
「本日は脚本担当の巻長治さんに来ていただきました! よろしくお願いしますマキさん」
 それをソファーにゆっくりと腰を下ろしたまま濃い色のスーツに身を包んだ巻は頷いて返す。
「それでは、まず見所から教えていただきましょう!」
「そうですね。派手さをしっかり重視したストーリーでしょうか。監督得意の爆発もいつも以上ですし」
「なるほどー。では撮影の苦労などは?」
「今回はメインとなる俳優が少なかったですからね、危険なスタントなども多くて怪我が絶えなかったとか」
「イザーク監督の映画らしいですねぇ‥‥」
「以前、他の映画でもイザーク監督とご一緒させていただいたことがあるのですが、今回はスムーズに撮れましたね」
「なるほど、それでは最後に一言お願いします!」
「ひたすら派手さを追求した映画です。派手なシーンを楽しんでください」
「ありがとうございました〜♪」
 あくまでも冷静な巻とぶんぶか手を振るセレンが映し出されて、映画の予告編。
 そして画面は本編へと切り替わっていくのだった。

●任務と日常
 とある警察署の控え室。
 その小さな分署はどこもかしこもぼろぼろであった。
 荒れ放題に荒れたその分署、壁にはでかでかとスプレーで派手なロゴで『ポリスフォース』と描かれていた。

 そこで音楽とタイトルロール、軽快なロックとともにタイトルの『ポリスフォース』が表示されて、場面は警察署の中へ。

 薄汚れた机やらロッカーやらが並ぶ警官たちの部屋。
 そこには三名の人影があった。
「ということは、見つからないために護送はたった3人で、ってことですかね!?」
 胸のネームタグには『ゴンザレス』、演じるは武厳皇(fa1482)のその巨漢の警官は電話口に向かってがなりたてていた。
「相手はあの大物ですぜ? たった3人で‥‥」
 しかしそこで電話は無情にもがちゃんと切れ、ゴンザレスは受話器を睨みつけると忌々しげにがしゃんとたたきつける。
 そしてその場に残っている残り2人の同僚に声をかけるのだった。
「われわれ三人だけで護送だとさ。他は運転手ぐらいで応援は無し、だ」
「それは大変だな‥‥忙しいからといってそんなに軽く見ていいものなのだろうか?」
 自分のデスクでバイクのヘルメットを磨いていたのは『ジョージ』役の黒崎・幸次郎(fa2964)。
「あたしは何でもいいわよー。この子達が火を吹ければね♪」
 同じく自分のデスクで一心不乱に拳銃の分解掃除をしていたのは『マオ』役の蒼月 真央(fa0611)。
 こうして3人はとある任務につかされるのだった。

 今は半数以上が不在となっている同僚の席。それぞれにはおよそ警察官には似つかわしくない荷物で埋め尽くされていた。
 怪しげな化学薬品が山をなしていたり。中には白煙を吹き上げてるものまであるが、とりあえずは無視。
 ダンベルを初めベンチプレス用の台、プロテインが山積であったり。
 日本刀から西洋の剣までごろごろと転がっていたり。
 なぜか額縁に入ったとてつもなく巨大なブルースリーの写真が立てかけられいたり。
 どう見ても作りかけの時限爆弾にしか見えない装置がいとも平然と放置されていたり。
 そしてなぜか古今東西の怪しげな占いグッズやわら人形が転がっていたりと、非常に個性豊かであった。
 そんな机の一番奥には空席の所長席。ガラスの仕切りの向こう側には壁一面に、新聞記事が貼り付けられていた。
 曰く「“ポリスフォース”再び白昼の大惨事、被害総額60万ドル」
 曰く「火事をダイナマイトで消そうとしてビルごと消える! 奇跡的にけが人無し、また“ポリスフォース”が!」
 曰く「銃撃戦に巻き込まれた住民の嘆き、家を返せ! “ポリスフォース”の横暴がここまで」
 どれもこれも、この警察のあまりにすごすぎる働きを非難したものであった。

 強引過ぎる手段と個性的過ぎるメンバー、彼らが通った後には雑草一つ生えないとの噂のポリスフォース。
 それが、この警察署のメンバーにつけられたあまりにありがたくないあだ名であった。
 今日はその中の三名の隊員、ゴンザレスとジョージ、マオを中心とした話が進むようだ。
 彼らが一体どういう性格の持ち主かはおいおい分かってくるだろう。

●鋼の暴風雨、やっぱり爆発
 彼らの前には一台の護送車が。
 どうやらこの中に今回の護送対象が乗っているとのこと。
 護送車の運転手を含めてたったの4人、そんなメンバーでどうしろと途方にくれながらも、彼らは車に乗り込んだ。
 例外は1人、ジョージだけは自前の白バイ、ただしリッタークラスの大型バイクにサイドカーをつけて先導担当である。
 護送車はワゴンタイプで後部にはたった一人の人影があった。
「へぇ、たったこれだけで護送するつもりかい。さぞかし自信があるんだろうね」
 そうのたまったのは、仕立てのいいスーツを着込んだ細身の美男子‥‥と思いきや男装の麗人である。
「へぇー女の人だったんだ」
「静かにしてるんだぞ」
 思わず驚きの声をあげるマオとどっかりと自分たちの荷物を運び込むゴンザレスであった。
 その様子を、手錠を掛けられたまま、護送車両の前方で笑みを浮かべて眺めている女性。
 彼女こそがアメリカで広範な市場を牛耳っていた麻薬界の首魁の正体であった。演じるのは羅蓮華(fa1695)。
「全部積み込んだぞ。出してくれ」
 ゴンザレスが運転手に告げると、車は動き出し、こうして恐怖の道中は始まったのであった。

 ルートはまず市街地へ向かう道へ。
 先導する大型バイクの後を追うようにして、護送車はのんびりと街中を走っていく。
 護送車の後部、ゴンザレスとマオの2人は、持ち込んだ銃器を点検し、それから少し離れた柵の中でそれをボスが眺める。
 そんな形で何事もなく行程は進んでいったのだが、市街の下町。人通りの減ったその通りで、運転手が声を上げた。
「‥‥後ろからついてくる車があります!」
「ほら、やっぱりねぇ。護送の諸君、ちゃんと守ってくれよ?」
 冗談めかしてボスが言うと、あわててゴンザレスとマオの2人はあわてて後ろの覗き窓から外を見る。
 するとそこには二台の黒塗りの車がするすると音も無く距離を詰めてきているのだった。
「奴らにこの車を止めさせるな!」
 ゴンザレスの声の通り、二台の車は運転席に照準を合わせるべくなんとか車と併走しようとスピードを上げる。
 しかし、そこでコートの内側から二丁の大型拳銃を取り出して笑みを浮かべたのは、マオだった。
「おい、マオ! ここは護送車の中‥‥」
「ふふふふふふっ‥‥ショ〜タ〜イム!!」
 目つきさえ変わって、満面の笑みで両拳銃を後部の扉に向けると、連射!
 扉のちょうつがいを見事に吹き飛ばすと、なんとその扉を、どかんと外に蹴り飛ばした。
「あたしたちの前に行かせないぜー!!」
 もちろん二枚の鋼鉄製の扉は凶器そのもの、一台の黒塗りのボンネットに突き刺さると、その場で黒塗り大爆発!
「さぁ、チキンども!! 死神の熱いキスを受けな!!」
 残る一台の黒塗り、あわてて距離をとるのが、そこにマオの拳銃の弾丸が雨のように降り注ぐ!
「かー無茶やりやがる!!」
 ゴンザレスも負けじと拳銃を打ち込むのだが、マオの弾丸は特別性。それに引き換え普通の拳銃弾をはじく黒塗りの車。
 フロントグラス、タイヤ、ボンネットと次々にマオの弾丸が弾丸を穿ち、ついに二台目も大爆発である。
 その二台目はスピンしながら街灯直撃、そのまま古ぼけた民家へ突っ込んでいく。
「おぃ、ちょっと止めてくれ!!」
 流石のその光景にゴンザレスもあわてたのか、後部の風通しのよくなった護送車は一時停止。
 けが人のうむを確認するのだが、
「あーびっくりした‥‥」
 その場には少女が1人。武宮 美咲(fa2076)演じるアニーである。
「おお、怪我はなかったかい?」
「うん、大丈夫。あ、皆さんもしかしてポリスフォースですか?! 私、皆さんにあこがれてて‥‥」
 アニーがなにかさらに言い募ろうとしたその時、通りの向こうに新たに4台の黒い車の影が。
「ちっ! 急発進だっ!!」
 あわてて護送車に飛び乗り走り出す。しかしその護送車の後部座席にはどさくさにまぎれて、さっきの少女が。
「ごみ掃除はまだ終わらないわよー!!」
 焼け付く銃身にキスをしながら流れるようなマグチェンジ、後続の黒塗りに再び弾雨を降らせるマオ。
「あ、私も銃得意なんですよ! 借りますね‥‥ほら一台げっと♪」
 ひょいとボルトアクション式のライフルを手に取り、それで黒塗りのエンジン一撃、吹っ飛ぶ車を背景にアニー。
「ああ、とにかく急いでハイウェイに乗れー!!」
 叫びながらごろごろと手榴弾を投げて、どかんどかん地面に穴を開けているゴンザレス。
「‥‥全く、あんたらときたら、うちのやつらよりも危険だぜ」
 それを見て女ボスはあきれたように呟くのだった。

●爆発、そしてハイウェイの戦い
 何とか黒塗りの車たちを抜いてハイウェイに乗った一同。
 ところがそこにバイクのジョージから無線が。
「‥‥なぁ、前にいる集団おかしくないか?」
 そこには黒塗りの車の集団があった。
 すっとスピードを落として寄ってくる一団、なんとその一団はこちらへ向かって銃を乱射してくるのだった!
「おぃ、奴らはボスを取り返したんじゃないのか?!」
「そうそう。うちも一枚岩ってわけじゃないんだ。当然この機に俺の命を狙ってくるグループがいるから気をつけろよ」
「そういうことは早く言えー!!」
 ゴンザレスの叫びもむなしく猛烈な銃撃戦が始まるのだった!
「ちぃ、手当たり次第かよ!」
 ジョージのバイクも例外ではない。転倒を誘おうと前から急接近して、追突させようとする黒塗りの一台。
 ジョージも片手のショットガンで反撃、しかも埒が明かないと見るとなんと、突然ウィリー!
「俺の前をちんたら走ってんじゃねぇーー!!」
 そのまま、相手の車の“上”を爆走!! 車をばきばき潰しながら、その前に一瞬にして躍り出る。
 そしてそのまま、フロントグラスにショットガン一撃! もちろん黒塗りは壁に突撃して爆炎を上げるのだった。

「あーもう、しつこい!!」
 逃げようと追いすがる護送車を猛然と追いかける黒塗りカーの一群。
 それをいまだにバーサーカーモードのままがんがん打ち続けるマオ。
「こんなに銃が撃てるなんて素敵〜! ‥‥快・感♪」
 普通のマシンガンに獲物を変えて、後部から弾丸を振らせ続けるアニー。
 そして、ゴンザレスは‥‥なんと、屋根の上に居た。
「車だけじゃなくて、船までもだと! まったくなんてしつこい奴らだ!!」
 ハイウェイを併走する大きな川をすさまじい速度で走っているボートたち、そこからもがんがん銃撃が加えられていた。
「‥‥あー、埒があかねえ!!」
 突撃銃で打ち返すのに飽きたのか、流石の手榴弾も数少なくなったのか、ゴンザレスが取り出したのはなんとロケットランチャー!
「喰らえ!! ジェロニモーー!!」
 なぜか空挺部隊式の雄たけびを挙げながら、ボートと後続の車に次々ロケットを発射するゴンザレス。
 水柱と爆炎、つぎつぎに破壊の嵐が巻き起こり、なにやら妙に晴れ晴れとした笑顔のゴンザレスであった。

●罠を踏み潰して乗り越えろ!
 ハイウェイから再び一般道へ乗り入れ、今度は人気のない工場地帯の広い道路を爆走する護送車。
 既に装甲もぼろぼろになりかかり、ガラスもぼろぼろ。運転手は生きた心地もせずに真っ青になりながらハンドルを取っている。
 しかし、長い一直線の道路の先、なんとそこにはトレーラーを横倒しにして強引に作ったバリケードがあった!
「ちぃ! 罠かっ!!」
 このままでは数十秒でぶつかってしまう。
 いったん車が止まってしまえば格好の餌食、それはなんとしても避けたいところだが‥‥
「俺に任せてください」
 無線機でジョージが言うと、ジョージはバイクのスピードを急激に上げる。
 取り出した拳銃でサイドカーとの連結部分を打ち抜いて、外れそうな状態にしたところでバイク本人は急にスピードを落とす。
 慣性に従ってサイドカーだけが猛スピードで先に進み‥‥バリケードと接触、爆音!
 ロケットランチャーをはるかにしのぐ爆発をあげて、なんと一撃でトレーラーが粉砕。
 そこを超特急で駆けぬける護送車とバイク。
「ねえ、ジョージさん! なにあの装備?」
「‥‥ポリスフォースに居れば人に言えない装備の一つや二つあるもんだ」
 マオが興奮してたずねるのに冷静に返すジョージであった。

●爆発、そして最後の決戦
 なんとかバリケードの窮地も乗り切ってあと少しとなったその時、爆音を上げて近づく二つの影が。
 上空からなんと二機のヘリコプターが近づいてきたのだった!
「ヘリまであるのかっ!」
 ジョージが思わず驚きの声を上げるのだが、ヘリは容赦なく機関銃の弾丸を降らせてくる。
 さらにどこに隠れていたのか大型トラックまでもが現れて併走をはじめるのだった。
 空からはヘリ、地面ではトラックの体当たり攻撃である。
 がりがりと車体を押し付けられて、軋みをあげる護送車。
 しかも空へは討つべき手段は無いと思ったが‥‥。
「こんな時のために用意しておいたのさ!!」
 ゴンザレスが、ひときわ大きい箱から取り出したのはミニガン。
 ガトリングガンとして名高いあの銃を軽々と振り回したゴンザレスは、
「これでも喰らえ〜!!」
 毎秒100発の花火をヘリたちに向けてぶっ放した!!
 しかしなかなか車体が揺れるせいで、命中せずしかもヘリのせいでトラックへ対する手も打てないという悪循環だった。
 そこで冷静になにかを狙っていたのはアニー。
「‥‥今ですっ!」
 狙い済ませたアニーの一撃は、ヘリの中の射撃手を直撃、片方の射撃が止む。
「あたしに任せて!! 最後の大掃除に行ってくるよっ!」
 そこで飛び出したのはマオ。くるりと護送車の上に載りあがると併走するトラックの上へとさらに飛び乗った!
 両手の拳銃をかざして、一気に運転席へと近づいていくマオ。
 そして運転手が予想もしなかった方向、上から運転席の中に弾丸の嵐が降り注ぐ!
 哀れ運転手が倒れ、トラックは道路を外れていくのだが、間一髪飛び降りたマオは、これまた間一髪でマオを拾いに速度を上げたジョージのバイクに無事着地!
 トラックの妨害さえなければ、ミニガンの弾丸にさすがのヘリも勝てずについに両機とも撃墜されるのであった。
 トラックは、ふらふらとよろめいたあと、湾岸の工場道路から海へ向かってのダイブ! そして爆発。
 ヘリコプターは両機とも護送車の後方に墜落して、派手に爆炎をあげて大爆発するのであった。

●大団円?
 何とか約束の場所までたどり着いた三人のポリスフォースと1人の闖入者。
 そこには、べつの地区の警察隊が何十人も護送のために待ち構えているのだった。
 しかし、あまりのその護送車の有様に、声をなくす警官たち。
「いやぁ、それなりの妨害にあいましてね」
「そ、それならわれわれも護送を急ぐとしよう!」
 あわてて警官隊が護送を引き継ぐのを見送りながら、偶然の闖入者アニーが一同の前に出てきて言うのだった。
「高校を卒業したら警察学校に入って‥‥次は皆さんの同僚としてがんばりますね!」
 銃の腕前は見たものの、そのあまりの無謀さに一同は苦笑を浮かべるのだった。
「あー、サイドカーが無くなってしまった‥‥」
 何処となくしょんぼりとしているのはジョージ。
 早くも傷のついたバイクを磨いたりして整備に余念が無い。
「はー、今日はもう一発も残り弾が無いくらい撃ちつくした! たまにはこういうのがあるといいよねー」
 にこにことさっきまでのバーサーカーは何処へやら、どことなくつやつやしたマオは嬉しそうにコートをはためかせ。
「まぁ、今回は無事任務をこなせたが‥‥とちょっと待ってくれ」
 リーダー格であったゴンザレスは、うまく場を纏めようと口を開いたが、携帯電話にどことなく青い顔で出ている。
「いや、今仕事終わったばかりで‥‥、え? これから買い物に? ‥‥イヤイヤ、反抗してるわけじゃないけど‥‥」
 そして、げっそりとした様子で携帯電話を切ると、
「ゴンザレスさん、誰からの電話だったんですか?」
「‥‥いやな、嫁さんがな、仕事が終わったんなら、スーパーで夕食の買出ししてきてってさ‥‥」
 先ほどまでの様子が嘘のようにしょぼんとした巨漢の姿に一同はなんとなく噴出してしまったのであった。

 そして後日、護送先の刑務所で、大規模な脱獄があったとの新聞記事が画面に映し出される。
 脱獄者の中には、もちろん女ボスの名前があったとか‥‥。

 そんな新聞が置かれたポリスフォースの面々のデスクの上。
 今日も阿鼻叫喚の混沌模様のなか、同じようにさまざまな事件が舞い起こってるそうな。
 ぐるっとポリスフォースの警察署が映し出されて、暗転。
 エンドクレジットが流れ始めるのだった。

 END?