新作映画 G・G・G!南北アメリカ

種類 ショート
担当 雪端為成
芸能 1Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 難しい
報酬 0.7万円
参加人数 10人
サポート 0人
期間 10/22〜10/24

●本文

 題名『G・G・G!(GANG・GANG・GANG)』
 ストーリー解説:
 現代のアメリカの都市の暗部を題材にしたアクション映画。
 ギャングたちの抗争の中で、弟分を殺されてしまう主人公。
 復讐を誓う主人公は仲間たちとともに敵対する組織との戦いを繰り広げる。

 主人公以下重要キャラクターの配役は決まってはいるものの、数名の空きがあるので出演者を募集する。
 ・主人公の仲間として登場するカップルのギャング。(人物1・2)
  恋人同士という演技を織り交ぜて、シーンを飾れる華のある俳優を求む。
  カーアクションのシーンと、クライマックスの戦闘シーンに登場する予定。
 ・主人公の仲間として登場する車の運転が得意なギャング。(人物3)
  男女は問わない。車の運転に卓越した俳優を求む。スタントはなし。
  カーアクションのシーンでのメインキャラクターとして登場する予定。
  クライマックスの戦闘シーンでも登場する。
 ・敵組織の刺客として登場する暗殺者。(人物4)
  脚本では刀を使う壮年の人物。
  しかし、適役が見つかれば、初期イメージは変更する可能性がある。
  クライマックスで主人公たちを足止めする役として登場する予定。

 シーン構成について:
 募集するメンバーが登場する主要なシーンについて。
 ・カーアクションのシーン
  敵組織の追っ手から逃げる主人公たち。絶体絶命と思われたときに人物3が操る車が到着。
  間一髪で車に飛び乗る主人公たち(人物1・2含む)。
  その後、追っ手とのカーチェイスとガンアクション。
  このシーンのアクションの流れは未定のため、出演者たちの意見も取り入れる予定。
  車種の選択、武器の選択、アクションの流れを考えてもらいたい。

 ・クライマックスバトルのシーン
  遅い来る敵組織のギャングたち、同士討ちを避けるために、ナイフや鉄パイプなどで武装したギャングたちに主人たちは囲まれる。
  一瞬の隙をついて、ヒロインを捕まえて逃げる敵のボスを追う主人公。
  その主人公を行かせるために敵の刺客と雑魚ギャングを引き受ける仲間たち‥‥というシーン。
  主人公側の視点は、既に主人公役の俳優が撮っているので気にする必要はない。
  登場予定は刺客役の人物4と登場予定の仲間全員(人物1・2・3)。
  アクションの要となるバトルなのだが、内容はまだ未定。
  雑魚ギャング7名ほどと入り混じってのアクション全編の動きと台詞等は、基本的に俳優の希望が通る場合がある。

 なお、未定の部分が多いので、俳優と同時にスタッフも募集する。
 アクションの流れを管理するためのスタッフ。監督経験や殺陣師などが適任だろう。
 登場人物の衣装などを管理するスタッフ。追加される登場人物の衣装は未定なので、美術スタッフが必要である。
 なお、美術系の経験があるスタッフは、車の改造や装飾にも携わってもらいたい。
 演出家や脚本経験のあるスタッフなら、未定の2シーンの台詞や演技などのサポート祖してもらう予定である。

 以上が募集要項のようである。
 新人、実力者の区別はつけず、平等に募集するのでもしかするとブレイクのチャンスかもしれない。

 さて、どうする?
 

●今回の参加者

 fa0122 高邑千早(16歳・♀・兎)
 fa0184 池田屋つきみ(34歳・♀・兎)
 fa0203 ミカエラ・バラン・瀬田(35歳・♀・蝙蝠)
 fa0413 フェリシア・蕗紗(22歳・♀・狐)
 fa0613 (20歳・♂・狐)
 fa0794 村上 繁昭(32歳・♂・蝙蝠)
 fa1137 ジーン(24歳・♂・狼)
 fa1206 緑川安則(25歳・♂・竜)
 fa1257 田中 雪舟(40歳・♂・猫)
 fa1674 飛呂氏(39歳・♂・竜)

●リプレイ本文

●舞台裏
「あの、この小道具はどこに運べばいいんですか?」
「ああ、それはあっちのトレーラーに入れといて。しかし君、なかなか英語うまいね〜」
 その言葉に照れくさそうに笑みを返したのは高邑千早(fa0122)だ。
 趣味の語学が役に立ったようで、なかなか重宝されているようだ。
「でも‥‥現場を肌で感じて学べるなんて良かったわ」
 監督が檄を飛ばしている所をぼーっと見ながら千早は言う。
「Hey、チハヤ! そろそろ出番だぞっ!」
「あっ、すいません、今行きます!」
 ちょっとボーっとしすぎていたようだった。

「ねぇ、ここはこのシーンを前に持って来たほうが良いんじゃないかしら?」
「フム‥‥ミズイケダヤのアイディアはアリかもしれないな」
 脚本家と話しこんでいるのは池田屋つきみ(fa0184)。
 脚本やシーンの演出にアイディアを出しながら、演技指導も手伝う多忙さである。
「カーアクションのところだけど、ベルトをフェリシアが掴んでる感じがいいかしらね?」
「うーん、それだと後ろを向いて銃撃するのが大変だから、腰に抱きついた方がいいかもしれないな」
「なるほど、それじゃそれで行きましょう」
 脚本ではアイディアを取り入れつつ細部をまとめたり。
「いいかしら! 刺客に対して雑魚たちは恐怖を覚えてる、というのが大事。わざとらしく一歩引いたりすることで、無意識の恐怖を表すというのもいい動きだと思うわ」
 演技指導にも熱が入っているようだ。

「いい、パイプを振るときは重さに流されないように。端を持たずにコンパクトに握りなサい!」
 戦闘シーンの演技指導をしているのはミカエラ・バラン・瀬田(fa0203)だ。
 敵側に出てくる脇役の女性や、カップルの女性役のフェリシア・蕗紗(fa0413)の演技指導もしている。
「美しく、でも嘘ではない演技に近づけるのが大事なのですワ! フェリシアさんの動きはいいわよ♪」
「ん、ありがと。でも‥‥やっぱりスカートの方がいいと思うの?」
 演技指導をされながらフェリシアが問う。するとミカエラは、
「やっぱりヒロインは、スカートはいて翻してナンボヨ♪ ゴージャス! グラマラス!」
 フェリシアはこっそり自分で好みに合ったジーンズと皮の上着を選んだのだった。

「それぞれ好きな銃を取ってくれ。自分の役割と雰囲気に合った銃を考えてな」
 そんなこといいながら、拳銃の整備をしているのは緑川安則(fa1206)。
 映画では空砲を撃つとはいえ使用するのは本物の銃か、もしくは少しだけ改造しただけの銃。
 空砲でもしっかりスライドが戻るようにした改造銃も構造は実銃となんら変わりない。
 ちなみに注文したものには、M16やMP5クルツ、果てはフランス陸軍のFA−MASまで含まれていた。
 しかしもちろん、ギャングがそんなものを持ってるわけがなく、普通の拳銃が採用されることになったとか。
「いかにもって感じがいいよな。改造は〜。ボンドカーとか思い出しちまうぜ。あこがれたもんな〜」
 敵側が使用する予定の改造ハマーに弾着を仕掛けながら言う安則。めげていないようだ。

「ふむ‥‥なかなかいいモノですね。この日本刀を使うといいでしょう」
 その存在感で場をまとめているのは田中 雪舟(fa1257)だ。
「それにしても、人物4は希望者がこれほど多いとは‥‥私としては村上さんに演技指導をしてもらって、飛呂氏さんが人物4をやってもらうのがいいと思いますが」
 監督にそう具申する雪舟。様々なアドバイスや、管理などで非常に役立っているようだ。
 今回は実際に腕の立つ人間が多く集まったが、それでも演技指導などを欠かさず行っている。
「あまりオーバーアクションにならないように!」
 オペラ歌手にとってはかなり毛色の違うな活動場所だが、なかなか堂に入っているのであった。

 そしてフィルムは完成に向かう。

●アクションッ!
「先に行ってエリック! ジーンを連れてくるのよ!」
 エリックという主人公に向かって叫んだのはフェリシア。
 カメラは無言で頷き走りさるエリックを映してからフェリシアたちに切り替わる。
「さあ、私たちの番よ。とにかく逃げるわよっ、エン!」
「ああ、すぐ後ろまで来てるからなっ!」
 薄暗いビルから走り出す2人はフェリシアともう1人。主人公の親しい仲間役の縁(fa0613)だ。
 後ろからは怒号と共に追いすがる敵対組織の下っ端たち。
「エン、ちょっと待ってて‥‥私に任せて」
「フェリシア、何をする気だ?」
 フェリシアが放り投げたディスクを掴み取ると、とめてある車の陰に隠れる2人。
「ちょっとした悪戯をね‥‥はい、できあがりっ」
 ちょちょいとピンで鍵をいじると、がちゃりと鍵が開く。
 そして中のダッシュボードをこじ開けるとヒューズをいじって無理やりエンジンを指導させる
「これで時間稼ぎって訳か!」
 心得たとばかりの縁の言葉に、フェリシアはポニーテールを弾ませて笑みを返す。
 そして、アクセルをかませた車が追ってくる集団へとツッコミ、向かいの壁にぶつかって爆発!
 そこでついに組織も車をだして、重要なディスクを奪っていった2人組を追いかける。
 走って逃げる2人が追っ手に見つかってしまい、あわや絶体絶命といったそのとき。
「待たせたなっ!」
 サンルーフが開くタイプのワゴン車が2人の前に滑り込んでくる。
 運転するのはジーン(fa1137)。
「遅いわよっ、ジーン!」
「悪い悪い、なかなか良いのが見つからなくってさ」
 先に乗り込んだフェリシアの文句に軽く返して、車を急発進させるジーン。
 すると主人公エリックがおいてあったドラムバッグの中から自分の拳銃を取り出して、ベルトに挟み、後部座席の2人にもそれぞれ銃を手渡す。
「これを使って後ろの奴らにご退場願おうぜ」
 にやりとエリックが笑い、縁はコルトガバメントのスライドを引き、サンルーフを開けて顔をだして、後ろの車に銃を向ける。 その腰に抱きつくようにして支えながら、フェリシアも横から腕を突き出して銃をかざし、引き金を引く!
 突如郊外への道を舞台にして、銃撃戦が始まったのだ。
「ちょっとゆれるから捕まってろよっ!」
 銃撃戦の合間を縫って、近づいてきた敵の車にテールを振って体当たりをかますジーン。
 スピンした敵の車は、横に立っていた消火栓につっこみ水を撒き散らす。
「ちょ、ちょっと! 赤信号よ!」
「‥‥このままつっこむぞ!」
 横から来たバスをハンドル捌きで避けると、続いて対向車の大型のロールスロイスと軽く接触してサイドミラーがふっとぶ。
 そして、ついに最後の一台となった改造ハマーに雨あられと縁の銃弾が降り注ぎ、エンジンに引火したのか、郊外の道のガードレールをぶち破ってハマーは落下しながら爆発したのだった。

「‥‥オッケー!! それじゃー次のシーン行くぞ!」
 監督の声が響き、慌しく次のシーンへの準備が始まったのである。

●クライマックス
「ちくしょうっ! その娘を放せ!」
 主人公エリックの怒号が響き渡る。対するは敵組織のボスだ。
「ふ、この娘は例のモノと交換としましょう!」
 そういうと、ボスは数名の手下を引き連れて去っていく。
 ボスが、一般人の運転する高級車を無理やり止めて、雪舟扮するエリートサラリーマンを引きずり出し、車を乗っ取るシーン。 そして場面は、再び一同がいる港の倉庫の中に。
「くそっ‥‥一刻も早く追いかけなきゃならないのに‥‥」
 エリックが呟く。とそのとき、足止めの雑魚たちの一角が崩れつっこんでくる車が!
「今だっ、ここは俺たちに任せてお前はあの娘を追いかけるんだ!」
 叫ぶ縁。車の突入で奇しくも開けた道を主人公エリックは、走り抜けると雑踏へと消えていった。
 そして再びカメラは3人を映し出す。
 武器も持たずにやってきたジーンとフェリシアと縁。すると雑魚の1人が言う。
「その女とお宝残してくれれば命だけは助けるぜ? もっとも半殺し確定だけっどよ!」
 下卑た笑い声を上げ、特殊警棒を伸ばすしたのは安則だ。着崩した軍服にパンキッシュなルックスである。
 その声を元に戦いが始まった!
「えぃっ!」
 普段ののんびりさからは創造がつかないような身軽さを見せているのは千早だ。
 しかし、悲しいかな所詮は雑魚役。とび蹴りをフェリシアに避けられ地面を転がる。
(いてて‥‥でも、これも勉強になるんだから‥‥)
 と心の中で思いながら倒れたままで、気絶した振りをする。
 そして、数名を倒したところで、1人の雑魚が。
「せ、先生方! こいつら意外に強いんですっ!!」
 ゆらりと倉庫の暗がりから歩み出たのは、なんと2つの人影。
「ク、ク、ク、ク‥‥今日は実に運がいい‥‥」
 にやりと狂的な笑みを浮かべているのは黒スーツに身を包み、太刀を持つ戦闘狂な刺客を演じる村上 繁昭(fa0794)。
「‥‥‥‥」
 そして無言で、黒塗りの刀を持つサングラスに白スーツの刺客を演じるのが飛呂氏(fa1674)だ。
「なぁに、そう気張ることはない‥‥お前たちは何ら感じる事も無く事切れておるだろうからなぁ!」
 そういって呵呵大笑する黒スーツに、無言で手招きをする白スーツ。
 クライマックスシーンだ!

「うわっ!! ‥‥い、居合い?」
 無言で刀を抜き払った白スーツの刺客はいつの間にか刀を振り切っていた。
 見れば、ジーンの右肩口が切り裂かれ、かすかに血がにじんでいる。
「やばいな‥‥」
 敵から奪ったバールを握りなおすジーンであった。

「邪魔するなよ? もし邪魔すれば切り捨てるっ!」
 味方であるはずの雑魚たちを一喝すると、黒スーツが走りよりながら刀を振り回す。
 それを辛うじて受け止めるフェリシア。
「くっ‥‥」
 ポニーテールをしばる紐がばっさりと切り裂かれ、髪が解けるのを見て、フェリシアと縁の顔が驚愕に歪む。
 太刀筋が一切見えなかったからだ。
「‥‥勝てる気がしねぇよ‥‥」
 絶望したような台詞が、縁の口をついて出る。

 再びカメラはジーンの方へ
「くぅ‥‥そろそろきつい‥‥」
 ジーンは弄ぶような白スーツの一撃をなんとか受け止めつづけていた。
 しかし、何箇所も浅く切り付けられ、ところどころ衣装が紅くにじんでいる。
 そのとき、ジーンの何気ない一撃がかすかに白スーツのサングラスをかすり、サングラスがはずれ落ちた。
 すると今までは達人然として静かな表情を浮かべてい白スーツが、突如として悪鬼のごとき表情を浮かべると、
 GOOAAA!!!
 咆哮した。すさまじい演技である。
 そして、突進してくると息もつかせぬ日本刀の連打連打連打である。
 周りの雑魚を巻き込みながら、なんどもジーンに攻撃をくわえ、ジーンは見る見るうちに傷が増えていく。
 しかし、ジーンはその絶体絶命のなかで、活路を見つける。
 自らの技に酔い、驕り高ぶる飛呂氏を、倉庫の天井から下がるクレーンの下に誘い込むと、傷を受けながらも、クレーンの留め具を叩き壊す!
 すると上から落ちてきたクレーンのフックに白スーツの刺客は下敷きにされてしまうのだった。

 一方同時にフェリシアと縁の方も大ピンチに陥っていた。
「よくもエンを!!」
 縁が切りつけられ血を流しジーンズの太ももを真っ赤に染め、それを見たフェリシアが叫んで隙を見せたのだ。
「フハハハッ、万事休すだなっ! さて、どうするかね?」
 その結果フェリシアの喉元にはぴったりと刀を突きつけていた。
 そして縁はどうすることもできず、傷跡が残る目を大きく見開いて悔しさに震えていた。
 じりじりと後ろに下がるフェリシアからつかずはなれず刺客は縁を見回す。
 フェリシアの靴がこつりと鉄パイプにあたり、それがころころと遠巻きに眺めていた縁の足元へと転がる。
 その瞬間、縁は足先で鉄パイプを跳ね上げると、それで力いっぱい黒スーツの刺客の手を打ち据えた。
 予想外の反撃で思わず刀を取り落とす刺客。その瞬間フェリシアが、敵の落とした刀で相手を刺し貫いたのだった。
「‥‥ぐぅ‥‥修羅となりしわが生涯‥‥もはや悔いなし」
 がくりと倒れ伏す刺客。それをみて雑魚たちは逃げていく。それを見届けて縁がポツリ。
「‥‥無事だったか? お前に何かあっちゃ俺が困るんでね」
 それを聞いてフェリシアはくすぐったそうに笑みを浮かべ、ジーンもその2人を眺めてにやりと笑うのだった。

「‥‥はい、オッケー!! 完璧な出来だよっ!!」
 こうして、撮影は終了したのだった。どうやらなかなかに映画の評判はなかなか高いようである。