ポリスフォースvs若者南北アメリカ

種類 ショート
担当 雪端為成
芸能 3Lv以上
獣人 3Lv以上
難度 普通
報酬 10.2万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 06/15〜06/21

●本文

「むぅ、ジャンボジェットは流石に無理か‥‥残念だ!」
 のっけから物騒なことを言っているのは映画監督のイザーク・ハイネマン。
 爆発と破壊をこよなく愛すちょっと危険なおっさんである。
「‥‥ふむ、今回は無軌道で向こう見ずな若者って線でいってみるかね」
 さて、今回はどんな映画だろうか?

●新作映画出演者・スタッフ募集
 ・新作映画「ポリスフォースVSヤングギャング」の出演者とスタッフを募集。
 ・脚本家‥‥ストーリーのアウトラインを設定
 ・出演者‥‥暴走警察ポリスフォースの一員か、敵の若者ギャング団の一員に
 ・その他裏方も募集

●設定
>ストーリー
 はみ出し警官によって更正されたポリスフォースが今回受けた指令。
 それは、最近凶悪化してきた若者たちによるギャング団の壊滅である。
 流石に殲滅は出来ないので、ボスや幹部を捕らえることを目的にポリスフォースは動き出す。

「ポリスフォース」
 さまざまな問題を抱えておちこぼれの警察官たちが集まる部署。
 周囲の迷惑を考えないような捜査方法や、強引な手段が問題視されて左遷されたのである。
 そんな彼らはその有り余る武力・暴力からポリスフォースと呼ばれていた。
 >個性豊かな暴走警察官として登場してもらう。

「ヤングギャング」
 若者たちで構成されるギャング団で、バイクや車による暴走から恐喝・強盗などの犯罪行為まで。
 最近とくに凶悪化してきたので、彼らを排除しようとするポリスフォースと真っ向から衝突することになる。
 >構成人数は数十人いるが、出演者はボスか幹部クラスをやってもらうことになる。

●その他
 現在ポリスフォースには二丁拳銃の女警官や爆発物マニア、バイク乗りのスピード狂がいるらしい。
 その他、刀剣マニア、カンフーマニアなどなんでもあり。

 娯楽アクション映画であり、残酷描写は禁止。
 あまり凄惨になり過ぎないように気をつけてください。
 また、監督は爆発などの派手さを求めているので、ストーリーの構成でも派手さを重視しましょう。

●今回の参加者

 fa0269 霧島 愛理(18歳・♀・一角獣)
 fa0413 フェリシア・蕗紗(22歳・♀・狐)
 fa1482 武厳皇(34歳・♂・亀)
 fa2431 高白百合(17歳・♀・鷹)
 fa2748 醍醐・千太郎(30歳・♂・熊)
 fa2964 黒崎・幸次郎(28歳・♂・鷹)
 fa3308 ヴァールハイト・S(27歳・♂・竜)
 fa3569 観月紫苑(31歳・♀・熊)

●リプレイ本文

●出動は大騒ぎ!
 大通りを突っ走る一台の巨大なトレーラー。
 そのトレーラーは銀行へと近づいていって金網や塀をものともせずにそのまま直進!
 そしてトレーラーはそのまま銀行の壁を粉砕して停車する。
 トレーラーの後部荷台の扉が大きく開くと、そこには思い思いの格好をした若者たち。
「いい? ここでしっかり働けば暫くはお金には困らないわよっ!」
 戦闘に立っているのはまだ若いが凛々しいブルネットの女性。霧島 愛理(fa0269)演じる『アイリ』である。
 アイリの声に応えて、雄たけびを一同は雄たけびを上げると若者たちは次々に銀行内部に突進していく。
 そしてその後に残ったのはアイリと幹部たち。
「さぁ私たちも行くわよ」
「はは、楽だったなぁ♪」
 ジーンズに何故か『大安売り!』と書かれたTシャツを着ている若い女性は高白百合(fa2431)演じる『ユリ』。
 乱暴な口調とそこで拾った鉄パイプを手に持っているところからも粗暴な性格が見て取れる。
 しかし、その外見は不釣合いなほど気弱そうな少女のそのものであった。
「なぁ、今日の襲撃が上手く行ったら‥‥いてっ」
 アイリの肩に手を伸ばそうとしてぴしゃりと叩かれているのはヴァールハイト・S(fa3308)演じる『ダニエル』。
 シルバーアクセサリーやら革ジャンが目立つ巨漢でいかにも腕っ節が立ちそうである。
「冷てぇなぁ‥‥そこがまたたまんねぇんだけどよ」
 と、アイリに冷たくされてもめげない様子だ。
「うふ、うふふ‥‥撃っても良いのよね」
 大きな体を丸め、垂れた前髪の隙間から周囲を見ているのは観月紫苑(fa3569)演じる『ファジー・リー』。
 片手にショットガンを下げ、引きつった笑みを浮かべている不気味な女性である。
 そして個性的な幹部たちの下で、ヤングギャングたちは略奪を始めるのだった。

 タイトル。『ポリスフォースVSヤングギャング』と大写し。そして場面は警察署へ。

 口には懐紙、日本刀の手入れをする女性警官が。
 どこか熱を帯びた視線で刀身を眺めている様は‥‥何処からどう見ても刀剣マニア。
 彼女は『ブリジット』、演じるのはフェリシア・蕗紗(fa0413)だ。
 そこに電話のベルが。
「俺がでる‥‥はい、了解しました」
 愛用のミニガンやらグレネードランチャーの手入れをしていた巨漢が電話に出る。
 彼は爆薬愛好者のゴンザレス、演じるのは武厳皇(fa1482)。
 そして電話は上司からの仕事の指令だったようだ。
「出動か?」
 尋ねるのはこの場には珍しくまじめな警官『マイクス』、演じるのは醍醐・千太郎(fa2748)。
「最近被害が増えてたヤングギャングどもが今度は銀行強盗だと」
「ふむ、若気の至りって感じだな」
「まったくだ。取りあえず今いる3人で出る。途中でジョージも合流する予定だと」
 と、そこでマイクがブリジットに声をかける。
「ああ、そういえばブリジット」
 ブリジットは愛刀『斬姫丸』を佩いて準備万端。その彼女にマイクが拳銃を渡す。
「拳銃を忘れずに渡してくれって署長から釘を刺されてな」
「‥‥拳銃は嫌いだけど、仕方ないわね」
 そして彼らは出動し、場面は暗転。

●追跡は大混乱!
 場所は市内の大通り、そこをカーチェイスするのはポリスフォースの警官たちの車と巨大トレーラー。
 トレーラーの開いた後ろ扉からパトカーを見据えているファジー・リー。
 手にはバズーカ砲。そしてリーは躊躇することなく発射。
 広がる爆炎とひっくり返る一般車、吹き飛ぶ窓ガラス。それを見てリーは呟く。
「きれいすごくきれい‥‥」

「若いのに、なかなか運転がうまいじゃないか」
 交差点を減速せずに突っ切るトレーラーを眺めながらマイクス。
「おい、もうちょっと寄せてくれ!」
 ショットガンを撃ちながら吼えるゴンザレス。それに応える運転席のブリジットは、
「無茶ばかりリクしないで」
 拳銃でバイクにのったギャングの一員に応戦。前輪を撃ち抜いてパンクさせて彼女は不満そうに呟く。
「‥‥手ごたえが無くて拳銃はつまらないわ」
 どこまでも怖い女性である。

 同時刻、のんびりと午後のカフェを楽しんでいる男が一人。
「でもよ、ウェーブはやっぱり色っぽさでストレートに勝ると‥‥」
 昼日中から、喫茶店の常連客と謎の激論を戦わせていたのはポリスフォースの一員。
 黒崎・幸次郎(fa2964)演じる暴走バイク警官の『ジョージ』である。
 そこに徐々に近づく爆音と暴走する車の地鳴り。とっさにバイクの警察無線を起動すると飛び込んでくる事件の知らせ。
「おい、マスター! 金はここにおいてくからな!!」

 しかし追跡劇はギャングたちに軍配が上がる。
「‥‥そう簡単には追いつかせないわ♪ 逃げ切るわよっ!」
 姿を現すアイリ。そして彼女は手に持っていたスイッチを押す。
 すると、道路周辺にあらかじめ仕掛けられた爆弾が次々に爆発!
 郵便ポストマンホールが次々に爆裂してついにはパトカーが停止するのだが‥‥
「ちぃ、ジョージ! あとは任せたぞっ!!」
 無線に対して怒鳴るゴンザレス。するとジョージは停車したパトカーの脇を走り抜けながら無線で応える。
「任せとけっ!」
 トレーラーは爆走を続け、爆発で生まれた障害物が行く手を阻むのだが、ジョージは次々に障害物を飛び越える。
 時には爆風を倒れた金網を助走台にして、塀を越えて再びトレーラーが見える位置にやってきたジョージ。
 彼は器用にバイクを運転しながら、片手でライフルを構えるとトレーラーへと撃つ。
 その発信機つきの弾は見事トレーラーに打ち込まれるのであった。
「まったく、あんなふうに若いうちからアクセルを踏みすぎていてはロクな大人にならないと思うがなぁ」
 暴走族上がりのスピード狂警官は、人事のように去っていくトレーラーを見つめていった。
 そして場面は暗転、ついにクライマックスへ。

●激突は大爆発!
 発信機をたどったところ、とある港の廃倉庫がアジトと判明した。
「おっさん、一人で乗り込んでくるたぁいい度胸じゃねえか、俺が指しで勝負してやるぜ」
 啖呵を切るダニエル、対するは温厚そうなマイクス。
「まあ待ちたまえ。若いうちの罪ならばやり直しも‥‥」
「うるせぇなおっさん! とっとと来いや!」
 話し合いを持ちかけるマイクスだったのだが、それに耳を貸さずにダニーの先制パンチ。
 その一撃を受けたマイクスだったのだが、彼は倒れもせずに踏みとどまる。
 そしてマイクスが顔を上げると、そこには先ほどまでの温厚な表情はなかった。
 彼もポリスフォースの一員、ちなみにあだ名は「キングコング」マイク。一度キレた彼を止められるものは無いのだ。
 防弾チョッキで弾をとめ、ザコを2人同時に振り回すマイクス。ダニエルも応戦するが、まったく攻撃が効かず逆にマイクスの攻撃はなんと金属製の支柱すらへし折る一撃!
「こんなの相手してられっか‥‥ぎゃーーー!」
 逃げようと思ったダニエル、しかし逃げられるはずも無くダニエルの叫びが響き渡るのだった。
 
「てめーらびびってるんじゃねぇ! ポリ公ごときに俺達が止められるか!」
 部下をあおるのはユリ。アイリもその様子を静かに見ていたのだが、なんと彼らのいる倉庫最深部の壁が突然崩れ落ちる。
「行くわよ斬姫丸‥‥面倒だし斬った方が早いのに」
 壁を切り裂いたのはブリジット、その奥からはゴンザレスがガトリングガンを手に姿が表す。
「さて、俺はお前らのボスと爆破勝負だ」
 ゴンザレスの全身にはダイナマイトがびっしり。対するアイリも負けじと言い返す。
「ふ、飛んで火にいる夏の虫ってとこね。こっちも行くわよっ!」
 決戦の始まりである。

 最初は元気だったものの、釘バットを手に逃げ回っているのはユリ。
「ちょちょちょっと待てー! お、おおお前等それでも警察かっ!」
 それもそのはず、ブリジットで彼女は刀を振り回して次々に資材や柱を切り倒す無差別攻撃!
 次々に崩れる資材の山でさすがのユリも降参である。
「いたい‥‥いたいいたい」
 泣きながら逃げ回るのはファジー・リー。相手はゴンザレスだ。
 彼はゴム弾をガトリングガンでばら撒きながら、次々に爆弾を爆発させていく。
 アイリはゴンザレスに対抗して爆薬をばら撒いて着火するのだが‥‥
「そっちには予備の爆薬が!」
 たまたまゴンザレスのゴム弾にはじかれた手榴弾が倉庫の一角に飛び込むと、今までに倍する爆発が巻き起こる!!
「ブリジット! こっちの壁を開けてくれっ!」
「また、無茶なリクを‥‥」
 文句を言いつつ壁を斬るブリジット。するとそこから飛び込んできたのはジョージ!
「あああ死ぬのはいやぁぁぁ!」「嘘ォ!」
 間一髪、リーとアイリを救い出してジョージは大爆発する工場から逃げ出すのだった。

●決着は大団円?
「あ、オムツ?! 今仕事なんだけど‥‥あ、はい買ってきます」
 恐妻家で有名なゴンザレスは奥さんからの電話にびびりつつ。
「悪ぶっているあの若者達も、きっと話せば分かってくれるはずですね」
 大暴れしてなぜかすっきりした顔をしているマイクス。
 そんな様子を見ながら、つかまったヤングギャングたちのボス、アイリはポツリと呟く。
「‥‥ねぇ、私たちもポリスフォースに入れば今までと同じぐらい暴れられると思わない?」
「あ」
 ぽんと思わず手を打つユリと全身包帯のダニー。
 どうやら、ポリスフォースにはまだまだトラブルが待っているようだ。

 END?