プロレスマッチ 7月アジア・オセアニア
種類 |
ショートEX
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担当 |
雪端為成
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芸能 |
2Lv以上
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獣人 |
2Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
3万円
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参加人数 |
10人
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サポート |
3人
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期間 |
08/07〜08/11
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●本文
【プロレスマッチ参加者募集】
>ルール
・体重制限なしのフリーウェイト制。
・ナックルパート(正拳)での殴打は禁止。
・頭髪・コスチュームを掴むことの禁止。
・金的等の急所攻撃・目潰しの禁止。
・鼻を掴む・鼻、口に指を入れる・耳を引っ張る・噛み付く等の危険行為は禁止。
・ロープブレイクあり。
・試合判定はドクターストップ・ギブアップ・ピンフォール・ノックアウト・反則。
・ピンフォールとは競技者の両肩がマットについた状態で3カウントのこととする。
・ノックアウトとは戦闘不能状態で10カウントのこととする。
>注意事項
・異種格闘技戦ではなく全員プロレスラーとしての参加してください。
・男女混合戦は認められません。
・シングルマッチ・もしくはタッグマッチで
3名以上によるバトルロイヤル形式でのマッチも、試合組み合わせに端数が出た場合は認める。
●補足
・解説者やラウンドガールとして参加することも可能。
しかし、その場合選手よりは画面に映る可能性がぐっと減ることは了承いただきたい。
・ショー要素もありですが、基本は真正面からのぶつかり合いです。
お互いの精神力と体力の削りあい、真剣で本物のプロレスが期待されています。
●リプレイ本文
リングに集う戦士たちの戦い。
しかし今日は熱い戦いの前に、一つのイベントが用意されていた。
●GIGA(fa3790)と子供たち
「がおー!」
そんなうなり声を上げて花道をがしがし歩いてくるのは異色の着ぐるみレスラーのギガである。
今日も今日とてブルーの怪獣姿のギガ。そこそこ名前も売れてきた昨今、子供たちの声援が飛ぶ。
「さぁ、それでは怪獣ギガと戦うちびっ子のみんな〜!」
案内のお姉さんの声でわらわらとちびっ子がリングに上がる。
どの子も今日のイベントを楽しみにしてきたプロレス好きの家族の子供たちである。
そして十数人の子供たちを相手にイベントがはじまった。
リングに上ったギガと子供たち。子供たちは警戒してるのかギガのことをおっかなびっくり見つめている。
そこにお姉さんの声が響く。
「みんなでギガとおんなじことをしてみよう〜!」
だだだっとギガはロープに向かって走ると反動でびよんと戻ってごろりと前転。
すると子供たちもきゃぁきゃぁいいながら追いかけてロープワークでころころ転がる。
ギガがどすんとリングに軽くボディプレスをすれば子供たちもぴょんぴょん跳ねて大騒ぎ。
こうして子供たちとしばらく戯れた後、いよいよイベント一番の山場が始まる。
そう、ギガ自身の企画による「子供軍団VS怪獣ギガ」である。
「さぁ、みんなで怪獣を倒そう!」
「わーーーー!!!」
きゃぁきゃぁいいながらギガにがしがししがみ付く子供たち。
べしべしパンチにチョップ、ちょっと大きな子供がばんばん足を踏んだりして容赦ない攻撃の雨あられだ。
しかし、それにもギガはめげずに程よく大暴れ。
小さな子供をがっしり抱え上げて頭上まで放り上げるとがっしりキャッチして場を沸かせてみたり、両手に2人ずつ子供を抱え上げてぐるぐる回ったり。
そして子供たちの相手をしばらくして、彼はゆっくりと倒れる。
やったやったとの子供の声と、急いで押さえ込みにかかる子供たち。
小人に捕まったガリバーのように全身に子供がむらがってついにスリーカウントをとられるギガ。
その後の記念撮影も含めて、大盛況のうちに子供たちと仲良くなるギガであった。
そしてイベントの後、いよいよプロレスの試合が始まる。
審判のリネット・ハウンド(fa1385)の紹介の後、2人の選手が入場するのだった。
●リュアン・ナイトエッジ(fa1308)VSマリアーノ・ファリアス(fa2539)
初戦は非プロレスラー同士のプロレスマッチだ。
プロレスファンにとっては前座試合という感じではあるが、本人たちの実力は本物である。
果たして彼らはホームグラウンドと異なるプロレスのルールでどのように戦うのであろうか。
そんな思いの中、先に入場してきたのはリュアンだ。
道着を羽織っていつもと同じリングコスチュームのリュアン。
リングに上がる時は合掌礼、そして銀のバスタードソードも鮮やかな足首までのレスリングタイツ姿に。
ラウンドガールの富垣 美恵利がぐるりとリングを回っているのを見やりつつリュアンは慣れた様子で対戦相手を待つのであった。
そして対戦相手の入場。響くラテンな音楽にあわせて花道を進むのはマリアーノ・ファリアス。
マリスという愛称で呼ばれる彼はなんとまだ14歳、練習生の身の上ながら今回も相手を恐れずリングに上がる。
彼も背中に「El amor es todo」と描かれたガウンを脱ぎ捨て、戦闘態勢である。
そしてついに非プロレスラー同士の戦いのゴングが鳴りひびく。
「さぁ、今回の戦いどう見ますか?」
「そうですね、体格差もありますからやはり有利なのはリュアン選手でしょうが‥‥っと、マリス選手が先に仕掛けましたね!」
この試合だけ実況を勤める結城 紗那の質問に続き解説の驚きの声。先に仕掛けたのはマリスだった。
軽いフットワークから間合いに踏み込むと、チョップ一閃。
しかし通常ならば避けるであろうその一撃を、プロレスのリングは許さなかった。
それならばとリュアンはその一撃を胸板で受け止める。そして反撃に転じようとするのだがマリスは一撃では止まらない。
チョップを振り切りながら一回転、続くチョップは袈裟斬りの軌道。
そこから裏拳を放つかのように逆回転をして逆の手でチョップ。
ロープに押し付けるようにして逃げ場をなくして滅多打ちにするのだが‥‥
「やはりここでも体格の差が大きいですね」
実況の言うとおりやはり20センチ以上の身長の差は大きな影響を与えているようだった。
体重を乗せて放つ上からのチョップは強力な武器となる。
しかし、体重を乗せることがかなわず手数で攻めるだけのチョップの嵐は大きなダメージにはなっていない。
チュバスコ、スペイン語でにわか雨を意味するその名のとおり雨あられと連打されるチョップ。
マリスによるそのチョップの連打がついに途切れるその瞬間、反撃に転じるリュアン!
「ここでリュアン選手はすかさず強烈ななローキックですっ!」
「さすがは武道家といったところですね。まさしく伝家の宝刀といった切れ味の一撃です」
びしりと強烈なローキックが決まり一発でぐらりとよろけるマリス。
小柄なマリスには機動力をそがれるローキックは致命的である。
そして足が止まったマリスにさらにローキック!
「これは痛いマリス選手! しかし反撃です」
ローキックを喰らいながらも前に一歩足を出すマリス。
警戒したのかリュアンが後ろに下がったその瞬間、マリスは飛び込み前転からいきなり立ち上がってなんと相手に頭から突進!
ヘッドバットが顎に命中する形になったリュアンはさすがによろけるとロープにもたれる。
そこにマリス追撃の地獄突き、体格差があろうがお構い無しの連続攻撃である。
エル・サルダールからペネトラシオンというオリジナル技の連携。
しかしリュアンも負けじと反撃である。
飛び付き腕十字を仕掛けてきたマリスをつかんでロープに走らせるリュアン。
それをすぐさま追って相手がロープの反動で戻ろうとしたその瞬間にカウンターの浴びせ蹴り!
高角度でぴたりと決まったその一撃にマリスはさすがにダウン。
そしてリュアンは立てないマリスをコーナーポストの上に座らせるとそこからなんとパイルドライバー!
プロレス技の中でも高い危険度を誇るパイルドライバーを仕掛けるも、さすがにそこは年上の温情。
叩きつけずに膝で着地してそのままフォール。
健闘及ばずスリーカウントでリュアンの勝利となるのであった。
勝利の咆哮を挙げるリュアン、そして礼儀正しく合掌礼をしたあとマリスと硬く握手してお互いの健闘をたたえるのであった。
●幕間 Dr.ノグチ(fa3080)の場合
「ちっ‥‥俺の試合は無しかい」
不幸にも対戦相手が試合を取りやめたために暇をもてあましているのは参加予定だったドクターノグチ。
そんな彼の目に留まったのは、宣伝映像の中の選手たち。
「ふむ‥‥やっぱり見てるだけよりは、手で触れてみないとなぁ‥‥」
にやりと笑みを浮かべるドクター。手をわきわきと動かしながら会場への通路へと消えていくのだった。
●新堂 将貴(fa0536)VS醍醐・千太郎(fa2748)
第二試合は正統派の組み合わせ。
新堂は元とは言え実力は十分、プロレスファンたちの気合を受けて静かに2人の選手が入場してくる。
特に気合十分なのは醍醐。審判のリネットをはさんでゴング前からお互いに射殺すような視線の戦いだ。
「どうやら醍醐選手は仲間の仇討ちに燃えているようですね」
以前新堂に敗北した選手が醍醐の所属する団体の主催にして彼の古くからの友人なのである。
その仲間のためにも気合の入る醍醐、対する新堂も気合十分。
そしていよいよ待ちに待ったゴングが鳴り響く!
開始とともに組み付いたのは醍醐。手四つの体勢でがっしりと組み合うと力比べだ。
身長はぴたりと一緒な二人の選手。しかし醍醐選手のほうが一回りがっしりとしている。
その差はほんのわずかな差であるが、力比べの軍配は醍醐に上がった。
押し切られてぐらりと新堂がよろめけば、そこにすかさず水平チョップ。
腕の長い選手が放つチョップはさながら鞭のようなのであるが醍醐はすらりと長い腕の持ち主ではない。
彼の腕は丸太のように太い。その腕を豪快に振ってのチョップはさながら巨大な斧の一撃だ。
場内に響き渡るようなびしりという音。真っ赤に腫れる新堂の胸板。
しかし新堂も歴戦の選手、その一撃にひるまず反撃のローキック。
総合のリングで磨いたしなる様なローキックが醍醐の太ももを強烈に一撃。
そして壮絶な近距離の打ち合いが始まるのだった。
チョップをローで返し、チョップの連打にはマシンガンキックで反撃。
お互い序盤から体力と魂を削る強力な一撃での攻防、その流れを変えたのは新堂だった。
ふらついた新堂を醍醐がボディスラム! 大型の選手の迫力ある技に場内が沸いたそのとき、新堂は転がって場外へエスケープ。
叩きつけられた背中を痛がりながらも、降りて来いとばかりに醍醐を見上げる新堂。
すかさず追って場外へ降りる醍醐だったが、それは新堂の狙い通りだった。
止めるリネットを振り切って、なんと椅子の一撃。ふらつく醍醐を新堂はお株を奪うフェイスクラッシャーで鉄柱に叩きつける!
流血はしなかったものの頭への強力な一撃で朦朧とする醍醐。
そこにとどめの一撃とばかりになんと危険なキャプチュード!!
「場外でキャプチュード!! これは危ないっ、大丈夫か醍醐選手っ!!」
思わず叫ぶ実況、それもそのはず。相手の頭を抱え、足をホールドした状態で放つキャプチュードは別名捕獲投げ。
逃げることの出来ない危険な技で受け損なえばそのダメージは深刻である!
そして場外マットの上でのキャプチュードが直撃!
審判のリネットの猛抗議もあって、リング内に戻る新堂は醍醐を引っ張ってもどる。
そして止めとばかりに、新堂は醍醐をリング中央に引き立てるのだったが、そこで醍醐が力を振り絞って新堂をロープに。
戻ってくる新堂、そこに醍醐の強烈なショルダースルー。
さすがの新堂もこの技で弾き飛ばされて頭からマットに叩きつけられてはふらつくしかない。
ふらふらの醍醐は止まらず、さらに抱え上げてのパワーボム!
そこから無理やり立ち上がらせてのロープに再び投げる醍醐。こんどは強烈なラリアートを狙っていたのだが、新堂もさすが。
これは回避して、相手の後ろに回りこむとジャーマン!
轟音を立ててジャーマンが決まるのだが、これはさすがに終盤戦、完全には決まらずお互い息も絶え絶えにしばらく起き上がれない。
タフさで一歩勝る醍醐は、なんとか起き上がって最後の大技だ!
ふらふらしながらも新堂の足をがっしりとつかむ醍醐。
そしてジャイアントスイングの要領でまわし始める。
回転にあわせて起き上がる新堂の体、それをさらに持ち上げるようにしてなんと一気に頭上まで!
遠心力に引っ張られるようにして高々と持ち上げられた新堂。
醍醐はそのままその高い身長を生かして、まっさかさまにマットに叩きつける!!
リングを揺るがすような轟音! 超高高度から叩き落す遠心力つきの叩きつけ。
ジャイアントスイングの体勢によって両脇に足があったことから打点が低く、さらに強烈となったその技の名前は「OZ」
さすがの新堂もこの技にはむなしくスリーカウントを聞くしかないのであった。
こうして、試合は終了。醍醐はかろうじて敵討ちを果たし、両選手は万雷の拍手の中でお互いの戦いをたたえるのであった。
●SIGMA(fa0728)VSキング・バッファロー(fa2572)
最終試合は派手な2人の対決だ。
リネットが審判として再びリング中央に立つ中、響いたくるのはロックンロール。
明星静香作曲・演奏によるSIGMAの入場曲『紫電』だ。
スピーディーなロックナンバーにあわせて、リングインするのはSIGMAはリングでバク転。
彼が拳を突き上げれば場内が大いに盛り上がる。そして一転、続いて響いてきたのはカントリーミュージックだ。
真っ赤なポンチョに白いテンガロンハット。しかもずるずると棺を引きずっての入場はもちろんキングだ。
二メートルに届く巨漢は、リングに上がると黒い野牛の頭が意匠された赤いコスチュームになって一言。
「‥‥神様に会う用意はしたか?」
この棺桶は貴様のためだとばかりに見せるキング、お返しとばかりに首を掻っ切るジェスチャーで応えるSIGMA。
派手な2人のパフォーマンスに場内は沸き返るのだった。
そしていよいよゴングが鳴り響いて試合開始!
‥‥この後の大騒動を、この時点ではだれも予想していなかった。
ゴングの音とともにショルダータックルをぶちかますのはキング。
体重でもかなりの差があるSIGMAは喰らえばかなりの大打撃。これは冷静にサイドステップするとかかって来いとばかりにもう一度手招き。
闘牛士のように挑発するSIGMAにキングはまさに猛牛の突進。
今度も回避しようとするSIGMAだったが、今度の一撃はリーチの長い角がついていた。
猛牛の角は豪腕のチョップ、ミノタウロスの斧という名前のとおり振り下ろされた一撃はSIGMAに直撃!
しかしよろめいたSIGMAも負けじとローキック。鍛え抜かれた筋肉同士がびしりと音を立ててぶつかり合う。
コーナーに追い詰めようとするキングと足殺しを狙うSIGMA。
そしてローキックの猛攻からチャンスをつかんだのはSIGMAだった。
相手の右足を体ごと回転しながらひねり上げ転倒させるドラゴンスクリュー。
そしてそのまま相手の右足を左足の上に折り曲げ、それを自分の右足で外側からロック。
四の字固めのようになった相手の足を右足でロックしつつ、伸びている左足を右脇に締めて伸ばす!!
本来ならここから自分の左足を使って相手の左手を頭の下を通させてロックするという凶悪に複雑な技、ゴライアス・バードイーターが決まった!!
しかし、体格の差もあって相手の腕はホールドできず、相手は腕を使ってSIGMAのロックを力任せに解くと仕切りなおし。
最高に難しい技の一つの登場で場内は盛り上がり、次は一体どんな攻防が繰り広げられるのかと思われたその瞬間。
「俺も混ぜてもらうぜっ!」
白衣をなびかせてリングに飛び込んできたのは、ドクターノグチ!
飛び込むなり白衣を脱ぎ捨て、ネクタイを緩め、めがねをはずして全部リングの外にほうり投げる。
そしてSIGMAとキングの筋肉をじぃっと見つめながら舌なめずりをしているドクターは、まずキングに飛びついた!
がしっと背後から飛びつくドクター。なんとべたべた体に触ってにんまりと笑顔だ。
「キングさんよぉ、良い体してんねぇ‥‥」
「この野郎、試合の邪魔しやがってっ!」
ドクターの頭を肩の上で抱えるキング、そのままコーナーに走ると相手の頭を抱えたままコーナーを使って飛び上がって頭を叩きつけようとする!
名づけてテキサス・ローリングクラッシュ。
不知火という別名を持つその技はしかし、不発に終わってしまう。
コーナーに近づいたキングをさらに加速する形で後ろから押したドクターはそのままキングをコーナーに激突させる。
そしてそのまま仰向けに倒れたキングを、無理やり抱え上げると股ではさみつつパイルドライバーでたたきつける!
さすがのこれにはキングも悶絶。
そしてドクターはあっけにとられて棒立ちのSIGMAに矛先を変えて突進!!
SIGMAをがしっと抱え上げると、自分も倒れこむボディスラム。
そのままなぜかパワーボムのような体勢で相手を抱え上げるのだが、なんだかモーションが変態的。
得意絶頂で技名を叫ぼうとするドクター、
「ノグチ式えき‥‥」
そこまで叫んだ瞬間、予想外の方向からドクターは一撃を受けてSIGMAもろともリングに倒れこむ!
「そこまでっ! それ以上は審判の私が容赦しないわ!」
ドロップキックをかましてドクターを張り倒したのは審判としてリングに上がっていたリネットだ。
「俺ぁ筋肉を楽しみたいだけだ! 邪魔するんじゃねぇ!!」
ドクターは矛先を変えてリネットに追い払おうとするのだが、審判のタキシード姿のリネットがそれを一撃。
高い身長のを持つドクターの喉元に的確にヒットしたのは一度背中を向けてから放つ反り蹴り、トラースキック!
芸術的な角度で下からドクターの顎を打ち抜いたトラースキックにさすがのドクターもふらり。
そのまま相手をロープにもたれ掛からせると、トラースキックが一撃した喉をロープに押し付けて後頭部をキック!
喉へのさらなる攻撃にげほげほドクターがむせ返ってリングに仰向けに転がると、リネットはさらに追撃!
ポストからジャンプしての雪崩式ニースタンプがドクターを狙って放たれる。
そしてドクターへの怒りの両膝は見事腹部に直撃、そこにやってきたのは復活したキングとSIGMA。
ぐったりしたドクターを抱え上げるキング、体制はパイルドライバー。
そして振り下ろす瞬間、SIGMAがロープを使って飛び上がり、ドクターの足をつかんでさらに加速!
加速度を加えた凶悪な一撃はまさに人間杭打ち! ハイジャック・パイルドライバーの一撃が見事に決まった。
そしてドクターはなぜか幸せそうな笑顔を浮かべたまま、悶絶。そのままセコンドたちの手によってリングから運び出されていくのだった。
ようやく仕切りなおしの試合再開。
しかしながら双方体力の消耗は激しい。その中でふらつく体を押して動いたのはSIGMAだ。
体格ではるかに勝る相手に組み付くSIGMA、相手の形と足を抱え上げて、なんとボディスラムの体勢。
どよめく場内、上げられるのかと誰もが不安に思ったその瞬間。
ぐらりとキングの体が揺らぎ、SIGMAがそれを持ち上げる!!!
そしてそのまま、ボディスラム!!!
轟音を立ててゆれるリング! この根性と気迫の一撃に場内はヒートアップ!!
そのままコンビネーションを狙うSIGMA。
起き上がろうとした相手に対して、腹部へのローリングソバット。
それを受けて前かがみになった相手に対して、伝説の大技を仕掛けようとするSIGMA。
相手の背中に飛び乗って、両技を締め上げるパロスペシャル‥‥しかしキングの反撃の前にその技が不発。
振り落とされたSIGMAの腰をキングが抱え上げると、開脚しながら相手を叩きつけるスパイン・ボム。
そして背中を強打して悶絶するSIGMAに対して、キングはとどめの一撃を放つ!
相手を起こし、頭を股下に挟み込んで相手の胴体を両腕でロック。
そのままぐいっと引き上げて肩の上まで持ってくる。
そこで両腕で腰を抱いてホールドしていたのを解いて、両手で相手の腰をつかむ。
さらに相手の体を高く上げるキング。体格の差が可能にするこの大技の名はラストライド!
高角度から叩きつける二段階式のパワーボム、そしてキングはふらつくのをこらえながら勢い良くSIGMAを叩きつける!
轟音とともに後頭部と背中がリングに叩きつけられる。
リングが轟音とともにゆれ、SIGMAは確かに全身の骨がきしむ音を聞いた。
それほどのダメージを受けたSIGMAはさすがになすすべもなくスリーカウントが流れるのを聞くのであった。
「‥‥プロレスラーは鍛えているから危険な試合ができる。良い子は真似しちゃダメだぞ‥‥」
息も絶え絶えになって観客に語りかけるキング。
さすがにこの様子を見ていればそのことは良くわかる。
なんとか立ち上がったSIGMAも、観客たちの割れんばかりの拍手に応えて場を沸かせている。
予想できないの乱入もあったが、無事試合は終わった。しかも乱入はプラスにも働いたらしい。
たとえば審判として参加していたリネットもばっちり見せ場が出来たのだ。
なのでわざわざリネットを見るために来ていたファンの面々も大満足だったとか。
こうして観客たちを大いに盛り上げ、大満足のうちに試合は幕を閉じたのであった。