プロレスマッチ 8月アジア・オセアニア
種類 |
ショートEX
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担当 |
雪端為成
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芸能 |
2Lv以上
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獣人 |
2Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
3万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
08/22〜08/26
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●本文
【プロレスマッチ参加者募集】
>ルール
・体重制限なしのフリーウェイト制。
・ナックルパート(正拳)での殴打は禁止。
・頭髪・コスチュームを掴むことの禁止。
・金的等の急所攻撃・目潰しの禁止。
・鼻を掴む・鼻、口に指を入れる・耳を引っ張る・噛み付く等の危険行為は禁止。
・ロープブレイクあり。
・試合判定はドクターストップ・ギブアップ・ピンフォール・ノックアウト・反則。
・ピンフォールとは競技者の両肩がマットについた状態で3カウントのこととする。
・ノックアウトとは戦闘不能状態で10カウントのこととする。
>注意事項
・異種格闘技戦ではなく全員プロレスラーとしての参加してください。
・男女混合戦は認められません。
・シングルマッチ・もしくはタッグマッチで
3名以上によるバトルロイヤル形式でのマッチも、試合組み合わせに端数が出た場合は認めます。
●補足
・セコンドや解説者やラウンドガールとして参加することも可能。
しかし、その場合選手よりは画面に映る可能性がぐっと減ることは了承いただきたい。
・ショー要素もありですが、基本は真正面からのぶつかり合いです。
お互いの精神力と体力の削りあい、真剣で本物のプロレスが期待されています。
・サポート参加者は残念ながら審判や解説、ラウンドガールなど全体に関わる行動をとることは出来ません。
●リプレイ本文
「さぁ、まずは選手の入場です!」
軽快な音楽と照明に照らされて、今日もプロレスマッチが開催された。
若手からベテランまでさまざまな選手が集まった今回のマッチ。
気合の入った実況と解説が叫ぶ中、いよいよ試合が始まるのであった。
●ファントム芽衣子(fa4385)VS氷神 ユカリ(fa4386)
「相手が誰であっても‥‥やることはいつも‥‥同じだし」
どこかボーっとした雰囲気でのらりくらりとしゃべるまだ若いレスラーはファントム芽衣子。
すらりとした細身で飛ぶのが大好きという快活なレスラーである。
「実力未知数の新進気鋭! 天性の空中戦のセンスはどう光るか! ファントム芽衣子選手の入場です!」
彼女は軽快な音楽とともに入場、だっとリングサイドまでかけてくると、トップロープに手をかけて一気に飛び越える。
黒のリングコスチュームに身を包んだ彼女はのんびりと対戦相手を待つのだった。
「ヒール? ノンノンノン。あたしはそんな枠には捕らわれないよ。好きな様にやるだけさ」
バイクの、しかもとんでもない排気量の化け物バイクの排気音が突然鳴り響く場内!
ぱらりらぱらりらなんて音が響いてきそうな剣呑な雰囲気の中、ずずいと現れたのは氷神ユカリ。
背中に背負った『美人薄命』、黒の特攻服に身を包み、木刀担いだヤンキースタイル。
「喧嘩上等! 氷神ユカリ参上! ‥‥夜露死苦ぅ!!」
「さぁ、古式ゆかしい女番長。もしや背中に昇り龍?! 気合と根性の異色レスラー、氷神ユーカーリィー!!」
雰囲気に酔ったかのごとき実況の声と歓声。
第一試合は2人の個性的なプロレスラーの対戦。どんな試合が見られるのか観客は興味津々である。
「そういえば‥‥」
「ん? どうしました、解説のアクセルさん」
「いやぁ、空中技が得意なファントム芽衣子選手とヤンキーな氷神ユカリ選手を見ててふと思ったことがありましてね」
「はぁ、どんなことを?」
「あー‥‥『飛行少女』VS『非行少女』の対戦だな〜と‥‥」
「‥‥‥‥」
解説のアクセル、ギャグが思いっきりすべってみたり。
そんな解説と実況の掛け合いは置いといて、いよいよ試合の始まりである。カーンとゴングが鳴り響く!!
序盤は対照的に始まった。
氷神ユカリは手をかざして、手四つを誘う体勢。一方ファントム芽衣子は距離をとって様子見の体勢。
しかし、ロックアップを誘われて断れるのはレスラーではない。双方がっちり組み合う。
技能でほぼ並ぶ両選手、がっしりと組んだ状態で硬直‥‥それを破ったのはやはり氷神ユカリだった。
にやりと浮かべた獣の笑み、がっしりと両手を組んだまま大きく頭を振りかぶって‥‥強烈な頭突きっ!!
「おーっと、最初からヘッドバットっ! 飛ばします、氷神ユカリ!!」
ふらつく両選手、先に立ち直ったのはもちろん仕掛けた氷神ユカリだ。
額を押さえてよろめくファントム芽衣子、その彼女に向かって氷神ユカリは強烈なラリアート!
倒れるファントム芽衣子、その彼女に追い討ちをかけるように踏みつけ攻撃をしかける氷神ユカリだがそれは回避される。
転がりながらなんとかストンピングを回避するファントム芽衣子。
なんとか起き上がったファントム芽衣子だったがそれを捕まえる氷神ユカリ。
ロープに投げて再びラリアートを狙う氷神ユカリだったが、ここでファントム芽衣子が反撃!
なんとセカンドロープを足場にして跳躍、後方に一回転して着地したのは追ってきた氷神ユカリの背後だ。
そこから近距離ドロップキック、吹っ飛ぶ氷神ユカリ。
倒れた氷神ユカリに対して追撃をするファントム芽衣子、トップロープからムーンサルトプレス!
さすがのこれには氷神も悶絶。しかしここは根性の勝負、氷神は気合で立ち上がると、強烈な張り手!
ひるむファントム芽衣子にさらに張り手の連打! 徐々に追い詰められていくファントム芽衣子。
しかしファントム芽衣子、ロープ際であえてロープに体重を預けて反動を使った強烈なエルボー!
顔面に一撃決まって、氷神ユカリは顔を押さえて後ずさり。
しかし、この攻防は氷神ユカリの闘志に火をつけたようだ。
だっと後ろに距離をとると、走りこんでのフロントハイキック!
ガードするもしりもちをついたファントム芽衣子の髪の毛をがっしりつかんで、コーナーへ。
そして氷神ユカリがその顔面に向かって足を振り上げる!!
「ここで氷神ユカリ選手は顔面ウォッシュかっ!!」
顔面を連続で削るように靴底で蹴り付ける顔面ウォッシュ。整った容姿のファントム芽衣子の顔にその攻撃が決まると見えた瞬間、場内は盛り上がる!!
しかし、そこで天性のバランス感覚を持つファントム芽衣子。
とっさに相手の足をつかむとそのままドラゴンスクリュー!
そして再び距離をとった両者、そろそろ双方の大技が出る時期である。
「ここで仕掛けたのは氷神ユカリ!! 抱えあげて強烈なボディスラムだ!!」
力比べで勝利した氷神ユカリ、一気に頭上まで抱え上げるとボディースラム一撃。
倒れたファントム芽衣子を再び抱えあげて、こんどは肩口で抱えかえてのパワーボムへと移行したのだが、
「氷神ユカリはパワーボムの体勢! っと、ここでファントム芽衣子、返した!!」
抱えあげられた瞬間、相手の頭を足で挟み込むファントム芽衣子、そのまま前方に振り飛ばす!
高角度で決まったヘッドシザースホイップ、すでに両者はぼろぼろだ。
ここで、倒れた氷神ユカリを起こすファントム芽衣子、ふらつく対戦相手をコーナーに向けて立たせると、自分はコーナーの上に。
ここからがルチャの真骨頂、コーナーから相手の肩の上に前方回転して飛び乗る!!
そこからおもいっきり反り返りながら相手の股下を潜るような形で相手の上半身を前方に振るファントム芽衣子。
そして氷神ユカリの両肩がマットについた時点で、相手の両足をがっしりと両脇で固めて、完成!
高角度後方回転エビ固め。いわゆるウラカン・ラナ・インベルティダ!
飛びつき式で放たれたこの技は、ドラゴン・ラナと呼ばれるのだった。
カウント! ワーン‥‥ツー‥‥ここでなんとか返す氷神ユカリ! そして今度は逆襲だ。
再びコーナーに上がったファントム芽衣子、ここで氷神ユカリは気合の叫びと共にファントム芽衣子の頭をがっしりと掴む!
大きくジャンプして反動をつけて、相手の頭を引っ張りブン投げる!!
雪崩れ式アイアンクロースラムが直撃! そしてそのまま押さえ込み‥‥ワーン‥‥ツー‥‥‥‥スリー!!
カンカンカーンとゴングが鳴ってついに試合は決着するのだった。
勝敗を分けたのは、ほとんど同じ技量の2人で唯一ことなっていたお互いの体力。
わずかに体力で勝った氷神ユカリが勝利を手にしたのだった。
「今の技の名前は、その名も『現在技名募集中』だ! 会場のお客さん命名、夜露死苦!!」
氷神ユカリの声が響くなか、死力を尽くして戦った両選手に拍手がおくられるのだった。
●エミニー・デルオート(fa3770)VSエレクトラ・テーム(fa3793)
盛り上がる会場に突如響く弦楽の調べ。クラシックが鳴り響き、第二試合の選手が入場してくる。
「さぁ、まずはセレブなベビーフェイス! エミニー・デルオートの入場です!」
スポットライトの中、純白のワンピース風リングコスチュームで現れたのはエミーことエミニー・デルオート。
手に優雅に持ったのは真紅の薔薇。リングに登るとエミーはその薔薇を観客へと投げてアピールだ。
「ただの爆乳お色気女じゃないこと、しっかり見せてあげる、そういって意気込みを見せた対戦者、エレクトラ・テームの入場です!」
反対側の花道をゆっくりと進むのは、エレクトラ。
彼女の衣装はいつもの過激なものではなく、シンプルな白のワンピース風。
リングに上がるとぐっと拳を掲げて闘志を見せるのであった。
双方黒い肌を白のコスチュームに包んで、体格においてもほぼ同じな対戦。
エミーが差し出した手をぎゅっと握ったエレクトラ、いよいよ試合開始である!
ゴングと共にエミーはフットワークを使って、リング内を移動、しかしそれを追うエレクトラ。
アマチュアレスリング仕込みの高速タックルで密着戦を狙うのだ。
しかし、タックルはプロレスラーも十八番。つっこんできたエレクトラの頭をそらしてタックルを捌くエミー。
そして対峙、今度はエミーが仕掛けて相手の腕を取る。
そのまま回転して相手の腕を背中に捻り上げるハンマーロック、しかしこれはエレクトラも返す。
同じく相手の腕を取って、同じ技で意趣返し。こんどはエミーがもう一回転して技を外して仕切りなおし。
幾度かの攻防、次の展開に進んだのは、エレクトラだった。
近距離からタックルで、エミーをテイクダウンして、取ったりとばかりに袈裟固め。
ぎりぎりと締め上げる事で消耗を誘うのだが、流石にこれには本職のプロレスラーも黙っちゃいない。
なんとか袈裟固めを解くと、今度はエミーの攻撃。遅れて立ち上がったエレクトラに向かってセカンドロープを使ったドロップキック!
ドロップキックの直撃で倒れるエレクトラ、それをフォールしようとするエミーであったがここでエレクトラも反撃。
ネックロックをとって今度もぎりぎり締め上げる。
「打撃系やルチャ技を使うエミニーと締め技や関節などグラウンドが得意なエレクトラ、なかなか対称的な対戦ですね」
「どちらが自分の土俵に持ちこんで戦うかですね」
試合も中盤、双方距離をとっていたのだが、エレクトラが距離をつめたところエミーは後ろを向いて走り出す。
そのままセカンドロープを蹴って大きく飛び上がり、ムーンサルトアタック。
空中で反転して相手の体におもいっきり体当たりをするという技、それをセカンドロープでやってのけたエミー。
見事に決まったラ・ブファドーラでエミーはそのままエレクトラをフォール。
しかし、エレクトラも反撃、回転してフォールを返すと相手の体を一気に肩口まで抱えあげる。
そしてそのまま横に倒れつつ相手の背中を叩きつける。
ファイヤーマンズキャリー、別名飛行機投げでの反撃にエミーも大ダメージ。
しかし、そこでも双方の攻撃は止まらない。次に攻めたのはエミーだ。
相手を抱えあげてボディースラム、そして相手を転がしてうつぶせの体勢で再びハンマーロック。
再度腕を痛めつけられるエレクトラ、なんとかこれを返すと再びテイクダウンを奪おうとするが‥‥
「さぁ、再びエレクトラはタックルでつめますが‥‥と、ここでエミーが捕獲!!」
突進してきたエレクトラをエミーは頭をわきで抱える形でキャッチ。
そのまま相手の頭頂をマットに叩きつけるDDT! これをエミーは狙っていたのだ。
そして倒れ伏した相手に向かってポストから高高度のムーンサルトプレス!
さすがのこれにはエレクトラもスリーカウントを虚しく聞くしかないのであった!
勝敗を分けたのは場数の差か、わずかな戦闘経験の差が大きな違いを生んだようである。
僅差の勝負を繰り広げた両選手は、固く握手を交わしてリングを降りるのであった。
●ドン・ドラコ(fa2594)VS黒崎・幸次郎(fa2964)
雅楽の調べが聞こえる‥‥その調べに乗って、しずしずと花道を進んできたのは、一人の貴人姿の男。
平安時代貴族風の水干に烏帽子を被り笏を持って登場したのはドン・ドラコだった。
リングサイドでその衣装を脱ぐと、その下には赤いブーツに赤いショートタイツ。
肘と膝に赤いサポーターといったいつもの姿が現れるのであった。
そしてコーナーに上るとぐるぅりと会場を見回して、口から毒霧!!
「あたしのサムライ・ソウルに勝てるかしら?」
まず平安貴族姿だったし、どうみても彼はラテン系の外見。
筋骨隆々たる30男、しかも身長2メートルちかくといったパワフルな容姿だけにいろいろとツッコみたいが、みんなそれは飲み込んだとか。
対して対戦相手の黒崎もなかなかに気合の入った入場である。
入場曲が鳴り響く中、軽快に花道を駆け抜けるとリングへと。
すでにリングで待つドラコにはとりあえず構わず、マイクを受け取って、
「また会ったね、みんな。ちょっとインターバルが空いてたけど、俺の名前を覚えてるかい? そう、BFM’sのコージだ!」
コージー!! との観客の声に嬉しそうに手を振り替えしながら、今度は視線をリングの中に。
びしぃっとドラコを指差すと、大音声で挑発だ。
「やいコノヤロー、この前はよくもやってくれたな。はたして絶好調の俺に勝てるかな!?」
これに対しては、ドラコも再びぶはーっと真っ赤な毒霧を吐いての返事。
ぎりぎりとお互いに闘志を高める2人、抑えきれんとばかりにゴングが鳴り響く!
開始早々、仕掛けたのはドラコ、相手の腹目掛けて強烈なショルダータックル!
スピアーの名の通り、槍よ貫けとばかりの突進力であったが、これは黒崎なんとか回避。
反撃とばかりに繰り出したのは、牽制のソバットからハイキック!
これは10センチの身長差で胸板直撃、流石のドラコもよろめくのだったが、これしきでダメージを受けるドラコではない。
反撃のドラコ、チョップ一撃! その一撃の強烈な音に会場はどよめく。
体力で遥かにまさるドラコ、対してスピードにおいてはぐっと上回る黒崎。
一撃の重さには如実に差が現れているのだった。
反撃の黒崎、フットワークで捕まらないようにしつつ、ミドルキックとローキックの連打。
避けようともしないドラコの脚はダメージは加わっているのだろうが、それでもドラコは止まらない。
がしっと掴んだ黒崎をロープに走らせるドラコ。黒崎が戻ってきたところに待ち構えていたのは靴の裏だ。
高々と上げた正面からのハイキック、その靴裏が顔面をけり抜く!
ほとんど半回転して巨漢の黒崎がふっとぶ。
何十発も当てて、蓄積さ<させたダメージがこの一発でひっくり返るほどの一撃、これで再び勝負はわからなくなるのだった。
なんとか起き上がった黒崎、そこに待ち構えていたのはドロップキック!
これはなんとか後ろに飛んで威力を流す黒崎だったが、さすがに強烈、しびれる手足を引きずって黒崎が狙ったのはサブミッションだ。
相手の体格を利用してのSTF。ステップオーバートーホールドとフェイスロックを組み合わせた強力な技で反撃である。
これでぎりぎりと脚を痛めつけられるドラコ。返しても、アキレス腱固めや四の字。
反撃とばかりに攻撃してきたドラコの腕を取って、たったまま脇固めで肩と肘を痛めつける。
しかし、それでもドラコは止まらない。
ネックハンギングツリーで、黒崎をなんと持ち上げる。
そしてそのままコーナートップに乗せようとするがさすがにそれは無理だったか、そのままボディスラム。
それでも強力なダメージで黒崎もふらふら。しかし黒崎は諦めない。
反撃の一撃は強烈なミドルキック! レバーに的確に入ったけりの一撃でドラコが悶絶。
ドラコを引き倒して、コーナーに上る黒崎。がっと拳を掲げてのアピールに会場は盛り上がる!
そのままアピールつきのボディプレス! 流石のこれにはドラコも身動きすることは出来ないのであった。
ドラコの重い攻撃をなるべく回避した黒崎は攻撃を重ね続ける事で体力で優位にあったドラコをなんとか倒したのである。
黒崎のぼろぼろになっての力闘に会場は大いに沸くのだった。
●新堂 将貴(fa0536)VSマリアーノ・ファリアス(fa2539)
最後の闘いは、キャリアでも体格でも差のある選手による対戦。
困惑と期待がない混ぜになった緊張感で場内はざわめく。
そこに入場してくるマリアーノ・ファリアス。まだ少年といっても過言ではないマリスは静かにリングインするのだった。
そして悠然と花道を進むのは、新堂だ。レガース着用のいつもの姿で堂々とリングイン。
新堂はマイクを借りてマリスへと一言。
「全て受け止めてやるからかかってこい。新堂流の楽しい楽しいプロレス教室の始まりだ!」
しかしリングは何が起こるかわからない世界、もしや金星も‥‥そしてゴングが鳴り響く!
新堂は動かない。仁王立ちで打って来いといわんばかりだ。
それに応えてマリスが近づく。まずは連続チョップ! かなり鋭いチョップが雨あられと新堂の胸板に降り注ぐ。
しかし新堂はそれを微動だにせずに受けきる。そしてもっと来いとばかりに手招きしての挑発だ。
こんどはマリス、綺麗なローキックだ。的確にポイントをついて膝の上に命中するローキックはその格闘センスを物語る。
しかし、何発打っても新堂は耐える耐える。
そして、初めて新堂が動いて‥‥今まで自分が連打で受けたローキックを一閃。
しかしその重みが違う。これにはマリスも一撃で膝ががくりと折れそうになる。
マリスは変形足掛け延髄斬りで反撃。新堂がマリスのハイキックを受け止めたその瞬間、そこを足場に相手の後頭部に足が伸びる。
蛇を意味するセルピエンテとの名が冠されたこの技、必殺技となりうる延髄切りだけあって、新堂もニーリフトで反撃。
強力な一撃には、同じく強力な一撃で返すというのが新堂流である。
次は新堂から、マリスへと一撃が、ドロップキックを狙ったのかロープにマリスを走らせる。
しかしこれにはマリスが機敏な反応、ロープに向かって走るとロープ際で飛び込んで逆立ち。
いわゆるハンドスプリングの体勢でロープに体重を預けると、ロープの反動で起き上がる!
しかしこのときにロープの反動で加速、その加速を載せたまま高速のエルボーが新堂へと直撃!
強打された新堂は流石に膝をつく、そこにすかさずマリスは追い討ち。
相手の膝を足場にして、側頭部をけり抜くシャイニング延髄斬り! これも強烈に決まる!
一般人なら倒れているだろう強烈な一撃の連続技、しかしプロレスラーは止まらない。
がしっとマリスに組み付くと、強烈なボディスラム! そしてなんとそのままマリスを場外に引きずり落とす。
「場外戦の怖さも教えてやらないとな!」
鉄柵にどかんとぶつけられて朦朧とするマリス、辛うじて受身を取るもさすがになれない場外戦はダメージが大きい。
そして再び両者はリングに戻る。
体力が限界に近いマリス、最後とばかりに大技で攻める!
マリス・エスペシャルと名づけられた未完成の大技、走りこんでからのハンドスプリングで大きく跳ね上がる。
そしてそのまま顔面にドロップキックを狙うのだが、これは新堂もがっしり受け止める。
マリスは再び距離をとると、今度もダッシュ。大きくジャンプしてからのえぐい角度の回転裏拳!
トルナド・メヒカーノ。トルネードの名に相応しい豪快で強烈な技だったが、これは新堂受けきる!
全身ボロボロになりながらも新堂、すべての技を受けきった。
そして新堂のフィニッシュ。
マリスの体をサイドからクラッチ。マリスを横に抱えあげると、そのまま大きく横に反り投げるサイドスープレックス!
プロレスの歴史と共に古くからある名技の一つでマリスはスリーカウント。
結果として、マリスは負けてしまったが高いセンスを見せ、新堂はその磐石の実力を見せた。
格差のある試合となるかと思いきや、かなりの派手な攻防となり会場は多いに盛り上がったのだった。