『SURVIVE』�Wアジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
雪端為成
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芸能 |
フリー
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獣人 |
フリー
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難度 |
難しい
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報酬 |
0.8万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
11/11〜11/15
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●本文
人の強さを測るのはなんだ。
何枚の瓦を割れるか? どれだけ重いものを持てるか?
‥‥そんなものでは人の強さは測れない。
一番強いのは、最後まで生き残った奴、最後まで立っていた奴だ。
『生き残れ』という単純なルールの新進気鋭の格闘イベント、それが『SURVIVE』である。
参加資格は無く、ルールも最低限。
目つきや金的など急所攻撃の禁止と武器使用の禁止である。
試合に参加する双方の合意が得られれば、それがルールとなる。
試合の判定も単純、残ったほうが勝ち。
どこで試合を止めるかすらも双方の合意の下に決まる。
意識を失ったら? ギブアップあり? ドクターストップ?
よほどの危険行為でない限り、ほとんどのことは許される。
試合は一般的なリングで行われ、放送はされないライブイベントである。
参加する選手も、プロから素人までなんでもあり。
ケンカが強いただの不良だって参加することができる。
ただ自分が強いと信じるものだけが参加できるのだ。
●補足
対戦相手との合意の下に詳細なルールを定めてください。
立ち技系でも関節技系でも、総合格闘技系でもかまいません。
ただし、危険行為や残虐行為がまかり通るルールはさすがに禁止です。
死人が出そうなことはもちろん避けてください。
まずは話し合いで自分の相手を決めましょう。
1対1でもタッグでも、3対3も可能。トライアングルマッチもありです。
また、なるべく男女混合の試合も避けてください。
ですが、全員が試合を出来るように心がけてください。
サポートで参加する場合、全体に関わるような役職につくことは出来ません。
セコンド程度が限界だと考えてください。
なお、今回はイベントとしての参加枠はなしという事で。
さて、どうする?
●リプレイ本文
●思惑と実際 すれ違い
格闘競技者といえども人の子、スケジュールの合わないこともある。
今回はその不幸な偶然が重なりなかなかの大混乱。
とはいえイベントの成功こそが目的であり、そのために急遽さまざまな変更が行われるのだった。
告知されたイベント/ネットあるいは口コミでの評判。
広がる予想と興奮/集まる選手たちのファンに格闘技を好むフリークス。
そして、いろいろと未知数のまま、ついにイベントは始まるのだった。
レフェリーとしてリングに立つのはリネット・ハウンド(fa1385)。
しかし、その他は‥‥
●第一試合 MAKOTO(fa0295)VS鮎川 雪(fa3702)
初戦は異色の対決。
確かな技術で華麗な戦いを見せる実力派格闘家であるマコト。
対するは初参加、なんとグラビアアイドルのユキがその相手としてリングに立ったのである。
「今日も元気に行ってみよ〜〜!」
ファンの声援に答えつつマコトがリングサイドに手を振れば、
「僕のこと応援してくれてありがとう〜」
ユキにはアイドルとしてのファンがちらほら。こちらはどうやら心配といった面持ちだ。
しかし、リングに立つ事を決意したのはユキ、勝負の時はいやおうなしにやってくる。
そしてついに試合開始のゴング。明白な実力の差、しかしユキは一切諦めていなかった。
アイドルっぽい振る舞いでゴング直前まで愛想を振りまいていた。
試合に身が入ってないと思われるような行動、しかしそれは作戦であった。
試合開始のゴングと共に飛び出したのはユキ。先手必勝とばかりに両手突きをくりだす。
山突と呼ばれる上段・中段を同時に狙った撹乱の突き、これには流石のマコトも面食らう。
とっさに掲げたガード、頭部は間に合うも腹部には鈍い衝撃。膝を上げてのガードが間に合わなかったのだ。
しかしそれで揺らぐマコトではない。ファイティングポーズをとって、拳を構える。
放たれる左右の拳、高速で刻まれるワンツー。これをなんとかガードするユキ。
しかし左右の弾幕に注意が上に向いた瞬間、すぱんといい音を立ててローキック!
グラビアでは読者を魅了しているであろうユキの脚線にはローキックのあとがくっきりと刻まれるがユキは倒れない。
さらに追撃のマコト、スープレックスを狙って腰へのタックル。
それをなんと受け止めるユキ。重心をすとんと落としてタックルを解くのは柔術の動きだ。
そしてゴング、第一ラウンド終了と共にリネットがさっと間に入れば、両者コーナーへ。
そして第二ラウンド。
今度はユキのローキックからスタート、しかしそれを上手く刈り取ったマコト、グラウンドの攻防へ。
脚を取ってアキレス腱を固めようとするも、ユキも同じく脚をとって両者鏡のように脚を決めあう。
そのまま双方、決めきらずタイムアウト。こんどもリネットがブレイク。
そして最終ラウンドの攻防。
さらに速度を上げたマコトのワンツー。それをぎりぎりでさばくユキ。
手を取って捻りあげようとするが、これはマコトが一枚上手。素早く転がって捻られた腕を振り解く。
双手刈、つまり両足タックルで相手を倒そうとするユキ。しかしそれはマコトの膝で迎撃。
そこで、なんとユキは起死回生の作戦。なんとガードを下げての背水の陣だ。
もちろんマコトはチャンスとばかりに顔面への直突。最速で放たれた拳が一直線に伸びる。
顔が命のグラビアアイドル、悲鳴と興奮の叫びが錯綜する中、なんとユキは一歩踏み込んで額で拳を受ける!
そのまま腕を取ろうとするユキ。そのまま固めて大逆転かと思われたその時。
密着状態で、マコトがどすんと強烈な踏み込み。そして腕を掴んだままぐらりと膝を突くユキ。
至近距離から鳩尾に叩き込まれた寸勁、好試合を演じたもののユキが破れ試合は幕を下ろすのだった。
●第二試合 飛鳥 夕夜(fa1179)VS尾鷲由香(fa1449)
二試合目は非常に珍しい武術を修得した2人の格闘家の試合と相成った。
アスカは日本の古流、侍の格闘術である小具足術。
対する尾鷲=イーグルはテコンドーとジークンドー。大陸に息づく二つの攻撃的な格闘技。
道義姿のアスカとタンクトップ姿のイーグル。双方、緩やかに構えると試合の開始を待つのだった。
試合開始のゴング。攻め手はイーグル、対するアスカは待ちの姿勢。
獲物を狙う密林の虎が如く腰を落として、姿勢は半身。相手の攻撃をすべて裁く姿勢。
様子見のイーグルは、まず上段の回し蹴り。これはアスカがすっと引いて回避。
脚を引き戻してそこから前蹴り、それをアスカは鋭い手刀で裁いて末端にダメージを。
そこで低空の蹴りから踏み込んで距離を詰めるイーグル、真っ直ぐに腕を取りに行くのだが、これは逆にアスカが迎撃。
相手の腕を払いのけながら鋭い拳の一撃で顎を狙う、しかしこれをさらにイーグルが防御。
防御しながらもう一方の手を使ってのするどい裏拳。これをアスカは辛うじて回避。
ぎりぎりで拳を繰り出し、回避し受ける両者のハイレベルな攻防に場内は沸き、両者は距離をとった。
アスカの防御はさながら剣。自分の軸に相手の攻撃が近づかないようにさばいて落とす。
イーグルの防御は、とある銀幕のスターを髣髴とさせる動き。
攻防一体の詠春拳の動きで防御の動作と攻撃の動作を同一のタイミングで行う。
お互いクリーンヒットが無いまま、攻防は続き中盤に。
イーグルはダッシュからの浴びせ蹴り。しかしこれを待っていたアスカ。
相手のジャンプのタイミングに合わせて、蹴りに体重が乗る前にイーグルをキャッチ。
そのまま相手の重心を崩しつつ、投げ落とす!
しかし、倒れながらも低空の蹴りで牽制して、距離を取るイーグル。
そしてそこから体勢を立て直して、両拳の打撃。しかしこれは辛うじてさばくアスカ。
試合は終盤へ。ますます速度を増すイーグルの攻撃。
風を切って放たれる回し蹴り、それを避けて引いたところに左右のラッシュ。
さらに、そこからアッパー! 状態をそらしてよけるアスカ。しかしさらに追撃するイーグルは膝蹴り。
ここまでは受けきるも、鋭いミドルキックがついにアスカに直撃、ぐらりと体勢を崩す。
そこに止めとばかりに追撃。ローキック一閃から左右のコンビネーションに繋げるイーグル。
そこで、アスカは体勢を低くしてローキックを受ける。受けきってさらに接近。
アスカの体勢はまるで居あいぬきのよう、鋭くはなった手刀がイーグルの拳をかいくぐって脇腹に直撃。
その一撃で一瞬息が止まったイーグル。その瞬間、勝敗は決した。
関節をとられてイーグルはタップ。完全に決まった羽交い締めは解けず、決着。
がっしりと握手を交わすイーグルとアスカであった。
●第三試合 リュアン・ナイトエッジ(fa1308)VSミゲール・イグレシアス(fa2671)
予定されていた選手が不在につき、急遽リングに上がったリュアン。
対するは巨漢ミゲール。リュアンも高身長だが、15センチは高く体重では数十キロ違うだろう。
急遽用意された試合だけに、ほとんどエキシビジョンマッチといった様子だが、それでも観客の興奮は変わらないよう。
双方オープンフィンガーグローブに道着。
拳法使いどうしの真っ向勝負、たった5分のエキシビジョンとはいえ、いよいよ試合開始である。
リュアンの合掌礼、試合の開始と共に双方ゆっくりと距離とつめる。
ミゲールは古流、轟風を上げて突き出される拳をフットワークで躱すリュアン。
反撃はリュアンのハイキック、腰をどっしりと落として廻し受けするミゲール。
様々な格闘技を修得して、いいところを併せ持つリュアンの動きはさながら流水。
軽やかにフットワークを刻み、速度と手数で押す。
対するミゲール、古流が持つのは巌の堅さ。
リュアンの拳を掌で払いのけるのは虚の動き。防御の瞬間息を吸う。
そして相手の攻撃を受けた瞬間、鋭い呼気。裂帛の気合と共に強烈な前蹴り。
飛び退って衝撃をへらすも息をついて腹部を押さえるリュアン。
しかしリュアンも負けじとコンビネーションで対抗。
飛び込んでの上段足刀、それを受けたところで脚は軌道を変えてミドルキック。
さらに脚を踏み込みの一歩に変えて裏拳。そして再び前を向いてのハイキック!
頭をさげて回避するミゲールだが、体を下げた瞬間、リュアンは蹴り足を変化させて踵落し!
これがミゲールの肩口に直撃、もしこれが頭に当っていたら、と恐怖を覚えるような強烈な一撃。
こうして両選手一撃ずつの痛みわけ、エキシビジョンはこれにて終わりであった。
●エキシビジョン 特別試合 リネット・ハウンド
対戦相手は、選手予備軍から選ばれた女性カポエラ使い。
独特の足運びとキレのある足技を生かした格闘家に対抗するのは審判を勤めていたリネットだ。
審判の衣装を変えたリネットが着ているのはいつものリングコスチューム。
ブルーのコスチュームのリネット、最後のエキシビジョンマッチのスタートである。
先手はカポエラ使い。後ろ足を引く独特の動きから、地面に手をつきながら下からの跳ね上げ回し蹴り。
これを低空タックルで回避するリネット、そのままテイクダウンを狙うのだが、カポエラ使いは背を向けたまま前転。
距離を開けながら両足を後ろに突き出してリネットを牽制。
試合は振り出し、今度はジャンプして踏み降ろしと蹴りを同時に放つカポエラ使い。
しかしこれには流石にレスラーのリネット、なんと受け止めてボディスラム。
そしてさらに関節に入ろうとするリネットだが、これはカポエラ使いの足に阻まれ失敗。
さらにここでカポエラ使いが強烈な後ろ蹴りを放つのだが、それにあわせるようにしてリネットも蹴りを放つ。
ほぼ同じ軌道で交差する後ろ蹴りとトラースキック。しかし速度はリネット有利。
カポエラ使いの蹴りがリネットに触れる前に、リネットの蹴りがカポエラ使いを吹き飛ばす。
芸術的ともいえるトラースキックでの迎撃、この一撃でエキシビジョンは幕を閉じるのだった。
選手の不在が表面化した今回のSURVIVE。
この事を重く見た運営側はなにやら外部からの固定選手の獲得を考えているという噂も。
ともかく、今回のイベントもつつがなく終了。
観客たちの歓声がいつまでも響くのだった。