W−1GP05秋試合アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 雪端為成
芸能 1Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 難しい
報酬 1.3万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 10/31〜11/04

●本文

『W−1GP’05秋』
 この秋最大級のバトルイベント! そう、W−1の公式大会が行われるのである。
 メインのイベントは新進気鋭のクールファイター『Destruction』のクライス・リース
と、真・ワールドプロレスが誇る秘密兵器グレッグ“キングベア”レックスである。
 キックボクシング出身のクライスは女性ファンも多い二枚目のファイター。
 対する“キングベア”グレッグは、その名の通り怪力が自慢のヒールレスラーである。
 正統派ファイターか、異端のヒールか。格闘技ファンの間では話題沸騰中である。
 しかし忘れてはいけないのは、新人選手たち!
 メインの試合の前に、今大会では新人同士の試合が組まれている。
 無名の選手から、隠れた実力者、マニアの人気者から、異色の格闘家。
 どんな選手が登場し、そして伝説の一歩を踏み出すかそれを楽しみにしているファンも多いという。

「おい、どんな選手たちがでるか決まったか?」
「いえ、まだです。いろいろな所に声をかけてはいるのですが‥‥」
「あんまり時間はねぇからな! とっとと選手かき集めて来いよ」
「はっはい!」
「今回は、男女混合だ。欲しいのはとびっきりの選手だからな!」

 さて、どうする?

●今回の参加者

 fa0295 MAKOTO(17歳・♀・虎)
 fa0347 氷川玲(25歳・♂・竜)
 fa0383 ダイナマイト・アスカ(16歳・♀・竜)
 fa1179 飛鳥 夕夜(24歳・♀・虎)
 fa1385 リネット・ハウンド(25歳・♀・狼)
 fa1738 鉄劉生(25歳・♂・虎)
 fa1879 リスフィア・マーセナル(20歳・♀・竜)
 fa1887 炎虎(25歳・♂・虎)

●リプレイ本文

「さあ、いよいよ始まりましたW‐1グランプリ秋!」
 響き渡る開幕の声。観客の声もおおきなうねりとなって応える。
「さて、メーンイベントの前に早速新人選手たちの試合を見て見ましょう!」
 音楽が鳴り響き、興奮はますます高まる。
「さっそく第一試合! プロレスラー対決だが‥‥この体格差、どうひっくり返す!?」
 そしてファンファーレ、選手の入場である。
「さあ、いぶし銀の魅力か! 一体どんな技を見せてくれるんだー! 実力はプロレスラー氷川玲(fa0347)!」
 黒いガウンでゆったりと入場する氷川。いかにも余裕といった風格だ。
「さて、対するは巨人と戦う可憐な騎士か? 褐色の女闘士、ダイナマイト・アスカ(fa0383)!」
 黒に赤が鮮やかなリングコスチュームのアスカ。そのセクシーさに会場はさらにヒートアップだ。
 そしてゴングが始まりを告げる! カーン!
「おおっと、いきなり仕掛けたのは、ダイナマイト・アスカだ! どう見ますか解説のアクセル小林さん!」
 解説者の隣に座っていたのは、もと総合格闘技の選手で知識豊富な壮年の男アクセル小林である。
「体格差がありますからね。アスカ選手は短期決戦を狙っているのではないでしょうか」
 リングでは、アスカが怒涛のローキックの連打を氷川に見舞っていた。
「おお、綺麗にローキックが膝に入ってますが‥‥氷川選手余り効いていないようです!」
 すると、ローキックを受け止めた氷川は、そのまま足を取って投げに入ろうとするが、それはアスカが華麗に回避する。
 そして、自らロープに走って反動を利用しての、後ろ回し蹴りを放つ!
「渾身の後ろ回し蹴り! しかーし、氷川選手その巨躯にそぐわぬ身のこなしで辛うじて回避すると低空タックルです!」
 攻守は入れ替わり氷川はタックルから、相手を掴みあげて一気にパワーボム!!
「ああ! アスカ選手かなりのダメージですが‥‥かろうじて立ち上がりました。おおーっと、まだまだ蹴りのラッシュだ!」
 アスカは果敢にもミドルキックにハイキックと使い分けて氷川をコーナーへと追い詰める。そして‥‥
「ここで‥‥おお、ロープを蹴ってアスカ選手が宙を舞う!!」
「これは三角飛び延髄斬り! 対格差を補うためにそうきたか!!」
 ロープとコーナーを蹴って氷川の後ろにまわったアスカは強烈な延髄斬り! よろける氷川にそのままパワーボムだ。
「おお、アスカ選手パワーボムかっ!! しかし氷川選手も耐える‥‥やはり力比べは氷川選手!」
「この体勢はパイルドライバーですね!」
 そして氷川はそのまま押さえ込み。無常にもゴングはスリーカウントでゴングを鳴らしたのだった。

「さあ、続いての第2試合、これもまた異色の組み合わせ! 古流武術の使い手と‥‥え? 覆面?」
「私はここだ! トゥ!」
 紹介の声を待たずしてリングに飛び上がったのは虎のマスクにタキシード風コスチュームの鉄劉生(fa1738)だった。
「我が走りは流星のごとく! 我が心は正義を誓う! タイガージェントリーここに推参!」
 びしっと伸ばした指先で胸元クロス! 決めポーズもぱっちりである。
 唖然とする場内。そこにふたたび声が響く。
「‥‥た、対するは古流の流れを汲む格闘家! 異色の闘士、飛鳥 夕夜(fa1179)!」
 そしてゴングが始まりを告げる!
「さぁ、決して飛鳥選手も小さくありませんが、鉄‥‥いえ、タイガージェントリーは見あげんばかりの長身です!」
「飛鳥選手は組み打ち、つまり古流の柔術を使うとのこと。自分よりリーチの長い相手との戦いはお手の物かもしれませんね。この戦い注目です」
 リングの上では待ちに徹する飛鳥にじりじりと動く鉄‥‥先に仕掛けたのはタイガージェントリーだった。
「おおっと、覆面レスラーかと思える格好のタイガージェントリー、最初はショートジャブの連打だ!」
「あれは少林寺の打突ですね」
「それに対する飛鳥選手は‥‥おお、綺麗に捌いて掴みました!」
「掴み技は古流に分がありましたね」
 そのまま、相手の親指を取って投げ飛ばす飛鳥。その華麗な技に会場も盛り上がる!
 しかし、投げ飛ばされても何の痛痒も見せず起き上がると鉄は再び乱打だ。
「そらそらそらそらぁっ!」
 鉄の声が響き、飛鳥も防戦一方である。そして再び隙を突いて飛鳥が掴みかかったその瞬間!
「おおっと、再び投げられるかに見えたタイガージェントリー! 今度は相手の腕を絡め取ってそのまま背負い投げだ!」
 飛鳥が腕を決めようとした瞬間、逆に腕を引いて両手で相手の片手をホールド、相手が手を解こうとした瞬間に投げ飛ばす。
「実力を見せましたタイガージェントリー! さて飛鳥選手はどう出るか!」
 とそこに、止めとばかりに鉄が飛び込んでくる。
「これぞ、我が真髄‥‥流派武零舞、旋空裂脚ぅぅっ!」
 と渾身の蹴り技、しかしそれは一瞬の差で飛鳥に避けられる!
「っとここで急にタイガージェントリーの動きが止まった! 飛鳥選手が軸足を足刀で攻撃しています!!」
 そしてそのまま、相手の懐にもぐりこんだ飛鳥は、顎を掌底でかちあげ、足を払いつつ後頭部から叩きつける。
 ぐったりと伸びてしまった鉄。ゴングが高々と打ち鳴らされるのだった。

「さあ、第3試合は再びプロレスラー対決だ! 美しい二頭の獣はどんな戦いをみせてくれるんだー!」
 その言葉を浴びながら、リングに進んできたのは2人の女性だ。
「実力は未知数! 大舞台でのデビュー戦で彼女はどんな伝説の一歩を踏み出すのか?! リスフィア・マーセナル(fa1879)
!!」
 青の地に白のラインが入ったハイレグをびしっと決めて、すこし緊張の面持ちのリスフィア。
「対するはフリーの実力派! キックと膝の一撃を見せてくれ! リネット・ハウンド(fa1385)!」
 青紫のリングコスチューム姿で華麗にポストに飛び乗ると、拳を掲げて声援に応えるリネット。
 そしてゴングが鳴り響いた!!
「さあ、お互い距離を測りつつにらみ合いです‥‥この試合どう見ますかアクセルさん」
「そうですね。リネット選手の方が打撃系、蹴り技が強力ですが対するリスフィア選手は投げと関節が得意だとか。自分の土俵で戦えるように試合を持っていかなければなりませんね」
「なるほど‥‥おおっとここでリネット選手が仕掛けた! ローからミドルへの連携! かなり鋭い蹴りです」
 数度の蹴りと牽制で、距離は縮まり華麗なジャンプからの強烈なドロップキックをリネットが放つ!
 そのドロップキックを辛くもかわすリスフィアだったが、体勢を崩しなんと後ろからリネットの延髄斬りが直撃!
「今の延髄は強烈ですね‥‥しかしリスフィア選手も負けていません! 低空タックルからグラウンドの攻防です!」
 膝を入れて離れようとするリネットに、執拗に膝を攻撃するリスフィア。そしてついに決まる膝十字固め!
「おおっと、膝が攻撃の要のリネット選手これは辛い!! ‥‥とロープブレイクだ!」
 辛うじてロープで試合は振り出しに。再び猛攻のリネット。
「おおっと、今度はレッグラリアットから連携でDDT! これは効いたかリスフィア選手動きが止まる!」
「ポールに登っての雪崩れ式ニースタンプを狙ってますね」
 その言葉の通りリネットはポストの上から、両膝で相手の上に落ちるニースタンプを決行、しかしリスティア選手は回避!
「あーっとこの自爆は痛い! リスティア選手この隙を逃がさずコブラに入りました!」
 ぎりぎりとコブラツイストが締め上げる。この2人の技量ではほとんど同じレベルだ。
 しかし優勢だったリスフィア選手のクラッチが弱まる。スタミナの差だ。
「ここでリネット選手がコブラをきり返した! チョップからあびせ蹴りへの連携だ!」
 さすがに強烈な一撃を受けてリスフィアもダウン。最後は、勝利したリネットがリスフィアを助け起したのだった。
 これで実力伯仲の第3試合試合は幕を閉じる。

「さあ、最後の試合は奇しくも中国拳法同士の対戦だ!」
 そこに現れたのはリングコスチュームの上に道着を羽織ったMAKOTO(fa0295)だ。
「空手と拳法の融合、これぞ近代格闘技だ! 彼女はどんな技を見せてくれるんだー!! MAKOTO!!」
 道着をばっと脱ぎ捨てて真紅のコスチュームを露わにするMAKOTO。
「対するは生粋の武術家! 4000年の重みに果たして勝てる奴はいるのかっ! 炎虎(fa1887)!」
 ばばっ! とリングに飛び上がると、中国拳法の演舞にあたる套路を披露する炎。
 そしてゴングが鳴らされた!
「さぁ、中国拳法を使えるもの同士の戦いとなりましたが、どうみますか?」
「そうですね。接近戦最強といわれる八極拳をお互い修得しているそうですが、炎選手は広い間合いの掛劈拳も修得してるとか。空手や他流の技術の使いどころですね」
 最初はだらりと腕をたらした不思議な構えの炎。すると大きく上体を振って、腕を鞭のように使う。
 単劈手とよばれる独特の打法。唸りを上げて迫る腕を跳ねるようにかわすMAKOTO。
「空手の中でもあの瞬発力は琉球空手の首里手かもしれませんね。緩急自在の足運びですね」
 MAKOTOは時折牽制で順手の正拳突きを放ち、お互いの実力は拮抗する。
「さて、そろそろ中盤ですが‥‥おおっと、炎選手は足も使い始めましたね!」
 拳法着姿の炎は、素足でリングに上がっていたが、相手の間合いに急に飛び込むような突進力を見せて蹴りも混ぜつつ幻惑する。
「あれは箭疾歩とよばれる八極拳の歩法ですね」
 そして、いよいよ最終の攻防へ試合は進んでいくのだった。
「ああっと、MAKOTO選手! 相手の手刀を受けるとそのまま踏み込んでから肘打ちだ!」
「纏肘から震脚、そして肘頂という流れですね」
 しかし顎を狙った肘も回避され、MAKOTOは最後の攻撃に出る。
 今までの正拳をおとりに使った追い突き! そしてそれを回避されたときの体当たり鉄山靠だ!
「なんと、これまでの順突きは全て布石! しかし、一歩とどきません!」
 炎選手は貫禄をみせ、なんとか回避! そしてお返しとばかりにマットを揺らす強烈な震脚から崩拳!
「ああっと、MAKOTO選手背中から肝臓に崩拳一発! 流石に立てません!!」
 こうして試合は終了!
 メインイベントに向けて、場内は最高潮の盛り上がりを見せるのだった。