ロボVSミュータント A南北アメリカ
種類 |
ショート
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担当 |
雪端為成
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芸能 |
1Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
1.3万円
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参加人数 |
6人
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サポート |
0人
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期間 |
01/24〜01/30
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●本文
『機械化部隊VSミュータント 鋼の魂』
映画原案を手にとって見ている一人の青年。
長らくご無沙汰していた彼の名は、ヨハン・トビアス。
B級どころかZ級映画でシリーズを作る彼を人は万年怪作監督と呼ぶとか呼ばないとか。
それはさておき、かなりのインターバルのすえに彼は帰って来た。
彼の生み出すB級映画に、B級映画ファンは垂涎! とかそうでもないとか。
「はー‥‥久しぶりの仕事がコレ、と‥‥」
「む、姉さん! やる気満々だね!!」
幾分ずれた会話をしているのは監督のヨハンとその姉、エリザだ。
「まぁ、久しぶりの仕事で腕はなるけどさー‥‥それのしても好きだねェ、このネタ」
「うん、しかも今回はSFだよ、SF! もう心躍るというか体ごと踊っちゃうね!」
なぜかフラダンスを始めるヨハン。
「んで、今回はどんな敵?」
「ロボット!! というか、改造された兵士?」
「何故に疑問系‥‥ま、おそらく改造された兵士が反乱を起すとかだろう?」
「‥‥さては姉さん宇宙人?! こずみっくぱわーとかかっ!!」
「いや、王道を行くのがお前の持ち味だろうに‥‥予想とか以前にこのストーリーはお約束だし」
「ふーむ、斬新だと思ったんだけどなぁ‥‥」
「オマエ、本当に他の映画見てるのか?」
とまかこんな感じ、クランクインである。
●映画『機械化部隊VSミュータント 鋼の魂』スタッフ募集
・監督、脚本、美術、小道具、メイクなどスタッフ全般を募集します。
・映画の製作に伝わることになり、またメイキング番組に出演することになります。
●映画原案
ミュータント部隊も所属する米国軍。そこに新たな特別部隊が設立された。
高度に発達したバイオテクノロジーと機械工学によってサイボーグ戦士たちが誕生したのである。
全身が武器であり、また驚異的な身体能力も併せ持つ彼ら機械化部隊。
生身の部分は脳と脊髄の一部分だけであり、その元の持ち主は戦場で死んだ歴戦の兵士たちであった。
最強の体とそれを補う歴戦の経験、その結果彼ら一人で一小隊を圧倒できるとの戦力があるらしい。
その体に染み付いた戦場の経験以外の記憶は消去され、冷酷な究極戦士が誕生したのだ。
ところが、その中で最初期に作られた特務小隊が暴走。
訓練と試験を行っていた特別基地とそこにいた他の機械化兵士を殲滅して逃走したのである。
その彼らはそのまま空母を奪取、太平洋へと進みそして沈黙。
映画はその時点からスタートするのである。
彼らを単独戦力で殲滅できるのはミュータント部隊のみ。
彼らは至急空母から機械化兵士を撃破するために行動を開始するのだった。
なお機械化兵士は指揮官が一体にそれぞれ得意な分野が違う兵士があつまり特務小隊を構成している。
スナイパー、接近戦特化、重装甲、高速機動などさまざまな姿で描くことが期待されている。
●補足
アメリカ政府の秘密部隊、ミュータント部隊の活躍を描く映画です。
ミュータント部隊は、獣化能力(完全獣化)を持つ兵士で、さまざまな経歴を持っています。
(軍隊出身、不治の病を癒す代わりにミュータント化、戦闘力の高い犯罪者上がりなど)
獣化能力と現代兵器を使った戦闘を得意とし、特殊な能力を持っているものも少なくありません。
今回の敵は暴走したサイボーグ兵士です。
記憶を失い戦いだけしか考えない無機質な兵隊、それが望まれている姿です。
特別な能力はありませんが、SFXなどを駆使して超人的な強さでミュータント部隊と戦う。
そのほかのアイディアは企画次第です。
武装や特殊な兵装、どのようなサイボーグなのかなどを自由に企画してください。
スタッフサイドに求められていることは、各キャラクターを設定することと、ストーリーを作ることです。
俳優サイドの参加者との相談も必要でしょう。
キャラクター数は、ミュータントサイドと博士サイド半々のそれぞれ5人。
シーンの数は5〜6で収めてください。
●メイキング番組について
なおストーリーの内容に加えて、インタビューがあります。
番組内でどんな発言がしたい、などのことがあれば明記しておくといいでしょう。
●リプレイ本文
『映画の舞台裏 機械化部隊VSミュータント 鋼の魂』
今日も今日とて新作映画の製作者たちをこっそりしっかり紹介する番組、“映画の舞台裏”が始まった。
場所はいつものとあるスタジオ。
そろそろ今までの蓄積もあり、慣れて来た感もあるミュータントシリーズの新作がそこで作られているらしい。
冒頭は映画の紹介だ。
米国軍で秘密裏に開発が進められていたものの、軍を裏切って空母を乗っ取った適役機械化部隊。
そしてそれを追う我らがヒーロー、ミュータント部隊の活躍を描く映画である。
つぎつぎと紹介されるクライマックスシーン。
乗っ取られた空母に降下作戦を結構するミュータント部隊や、激しい銃撃戦のワンシーン。
対峙する部隊の長同士の緊迫した一対一の決戦シーンが幾つか紹介されて、そこでタイトルコール。
「映画の舞台裏! 今日紹介するのは期待の新作、ミュータント部隊の活躍を描くシリーズの続編です!」
そして番組が始まるといつものようにちまっとマイク片手に映し出される女性レポーター。
番組のレポーターであるセレン・シーモア嬢である。
「さぁ、今日も始まりました映画の舞台裏。レポーターのセレン・シーモアです♪」
そして彼女がびっと指差す方向にはいつものスタジオ、ところがいつもと違うところが一つ。
「今日は、スタッフのなかからナビゲーターがついてくれるとのこと! こちらが‥‥」
と、セレン嬢が紹介したのは真っ赤な髪をぱっつりと切りそろえた理知的な女性だ。
眼鏡をかけた彼女は佳奈歌・ソーヴィニオン(fa2378)、スタッフサイドからインタビューアーを買って出たのである。
「佳奈歌・ソーヴィニオンです。今日はよろしくおねがいしますね、セレンさん」
「こちらこそ、今日はいろいろこの映画の魅力を紹介してもらえるのを楽しみにしていますね!」
こうして始まったインタビュー。
まずは映画の見所を交えつつ、裏方さんたちから映画の裏側を聞きだしていく。
「最近ますますCG技術は進歩していますが、この映画ではどういったところに力が入っているんですか?」
「そうですねぇ‥‥自然であることを目標としまして、この波の様子なんかは‥‥」
SFX担当にCGによる迫力ある映像の成り立ちを教えてもらったりする佳奈歌とセレン。
CGの構成を見ながら波頭を蹴り砕いて進む空母の様子を見せてもらったり。
「そういえば、かなり大規模なセットを組んで今回は撮影が行われているんですよ、セレンさん」
「へー、それは是非見て見たいですね。それでは次は大道具のほうに‥‥」
艦内の様子を詳細に作りこんだセットに佳奈歌とセレンが乗り込んで、なかなかマニアックな質問を佳奈歌はぶつけたり。
「‥‥とすると、ここは重厚さを出すためにわざと廃船になった軍艦の内装をもらってきたんですね。たしかに錆の様子が‥‥」
「あ、あの。佳奈歌さん、そろそろ次のところに行きませんと〜」
とまぁ、ちょっとマニアックになったらセレンが軌道修正していたりはご愛嬌。
そんなこんなで、次なるインタビュー相手は特殊メイク担当だ。
インタビュー相手は特殊メイクチームの一員、宮尾千夏(fa1861)。
シナリオライターとしての本業もあるのだが、今回は芸術の腕を活かしてメイクにも協力しているとか。
「やっぱりCGもいいけど、たまには特殊効果でやるのも良いだろうし〜☆」
後にずらっといろんな怪しげなマスクがならぶ部屋でインタビューを受ける千夏。
「なるほど、ではどういうところに今回は力を入れたのでしょうか?」
「そうね〜、傷付いたときの内部配線とかはやっぱり特殊メイクの方がリアルだしね」
といって、とあるシーンで使われたと言う頬から配線が覗いているマスクを見せたり。
さらに今回は千夏は小道具にも関わっていたようで、まだまだ映画撮影中で途中どたばたと小道具を出したりする一幕も。
「小道具も衣装もけっこう気合入れたから、楽しみにしててね〜」
と忙しいなかで、健気に宣伝する千夏であった。
「ありがとうございましたー、それでは今ちょうど休憩時間のようなので、俳優さんたちにも突撃インタビューをして見ましょう!」
と、セレンが勢い込んで言えば、佳奈歌も一緒にスタジオの休憩所に。
するとそこにはなぜかメイド服の女性。ちょうどご飯時だったせいもあるのか、彼女は料理のお手伝い。
メインは業者のサンドイッチのようだが、寒い撮影期間、スープなんかをつくってるようだ。
それはADのカリン・マーブル(fa2266)、なぜかケータリングには力をいれているようで、なかなか好評である。
そんな中、セレンは果敢に主演の俳優にインタビューをして見たり。
しかし、時間と勝負の映画撮影、どたばたと撮影が開始されれば人の波。
スタッフに出演者がわいわいがやがや休憩所をあとにしたり。
と、そこでハプニングが。
大混雑の中、ちょっと遅めにご飯を食べに来ていたのは宮尾千夏。
ずり下がった眼鏡をくいっと上げながら。
「あら、時間がわるかったわね〜。私の分も残ってるといいんだけど‥‥と、とぉ〜?!」
とそこで、なにもないところでずっこける千夏。
どっかんと机に突撃、舞い飛ぶ飲料水の瓶やらサンドイッチやら。
そこで、すぱっと飛び込んできたのはカリンだ。その服からは想像もつかない動きで、空中に飛び上がった瓶とサンドイッチをキャッチ!
ひらりとスカートの下のスパッツが見えるのもなんのその。思わずセレンが拍手してみたり。
とまぁ、そんなこんなのどたばたのうちに番組はいよいよ終盤。
「監督はこの映画のどんなところをオススメしますか?」
インタビュアーの佳奈歌、今回はセレンの仕事を奪いっぱなしだが、しっかりとしたインタビュアーっぷりで、監督への最後の質問だ。
「今回は、スタッフも少なくて難航したが、いいものができたと思う。次回作にも期待してもらいたいな」
これにて映画の裏側を紹介する番組は、スタッフ一同の笑顔でしめくくられたのであった。