BEAST KING FINAL南北アメリカ

種類 ショート
担当 雪端為成
芸能 フリー
獣人 フリー
難度 難しい
報酬 1.3万円
参加人数 6人
サポート 0人
期間 10/25〜10/29

●本文

【プロレスマッチ 「BEAST KING」 参加者募集】

>ルール

 ・<<男子限定>>
 ・体重制限なしのフリーウェイト制。
 ・ナックルパート(正拳)での殴打は禁止。
 ・頭髪・コスチュームを掴むことの禁止。
 ・金的等の急所攻撃・目潰しの禁止。
 ・鼻を掴む・鼻、口に指を入れる・耳を引っ張る・噛み付く等の危険行為は禁止。
 ・ロープブレイクあり。
 ・試合判定はドクターストップ・ギブアップ・ピンフォール・ノックアウト・反則。
 ・ピンフォールとは競技者の両肩がマットについた状態で3カウントのこととする。
 ・ノックアウトとは戦闘不能状態で10カウントのこととする。

>注意事項
・異種格闘技戦ではなく全員プロレスラーとしての参加してください。
・シングルマッチ・もしくはタッグマッチで
 3名以上によるバトルロイヤル形式でのマッチも、試合組み合わせに端数が出た場合のみ許可。

●補足
・セコンドや解説者やラウンドガールとして参加することも可能です。
 しかし、その場合選手よりは画面に映る可能性がぐっと減ることは了承いただきます。
 なので可能ならば対戦を行ってください。
・ショー要素もありですが、基本は真正面からのぶつかり合いです。
 お互いの精神力と体力の削りあい、真剣で本物のプロレスが期待されています。
・サポート参加者は依頼期間、初日のみの登場となります。
 審判や解説、ラウンドガールなど全体に関わる行動をとることは出来ません。

・対戦相手が欠場、もしくは参加者に端数が出た場合リザーバー選手との対戦を行います。
 リザーバーは、団体『BEAST CAGE』より参戦の予定。

●タイトルについて
 プロレスマッチ「BEAST KING」ではタイトルが導入されている。
 現在は暫定王者が決定しているのみだが、王者の枠はたった一人。
 現王者と挑戦者の戦いで次の王者が決定、ベルトが受け継がれていく。
 もし、現タイトル保持者が出場しなかった場合は、タイトルは返上。
 2人の挑戦者によって、タイトル挑戦が行われる。
 なお不在によってタイトル防衛を逃した元王者は、一度だけ優先的に挑戦権が与えられる。

●今回の参加者

 fa0126 かいる(31歳・♂・虎)
 fa0536 新堂 将貴(28歳・♂・獅子)
 fa0728 SIGMA(27歳・♂・猫)
 fa2572 キング・バッファロー(40歳・♂・牛)
 fa2748 醍醐・千太郎(30歳・♂・熊)
 fa4878 ドワーフ太田(30歳・♂・犬)

●リプレイ本文

 本物は、常に最後を考える。何故? なぜなら格闘技は常に死と隣りあわせだからだ。
 ならばプロレスラーたちは恐怖しているのか? 否、それは断じて否である。
 彼らは口元に笑みを、背中に誇りを、そしてその手に勝利を。
 極限を超える胆力、それこそが彼らをリングに立たせるのである。

●SIGMA(fa0728)VSリザーバー
 シグマは歴戦のレスラーだ。観客たちは誰もがその実力を知っている。
 果たして、彼に立ち向かうのはだれだろう。すると花道に影。
 音楽とともに入場するのは“ライオンハート”レオンであった。
 体格ではシグマをわずかに上回る。
 だが、かなり絞り込まれているレオン、体格でほとんど差は無いだろう。
 豪奢な金髪に白磁の肌、王者の風格を放つレオン。
 対するは黒髪と鋭い視線で王者を威嚇する野獣のごときシグマだ。
 獅子と黒豹の戦いだ。
 ゴングの前に、シグマがバク転を見せればレオンも対抗。
 体のキレも双方一歩も譲らず、いよいよゴングである!

 開始とともに両者リング中央で機をうかがう。
 誘いをかけたのはシグマ。ロックアップの誘い。
 それにはレオン、プライドのせいか、やすやすと組み合う。
 そこでシグマは組んでいないほうの手を大きく振り上げる。
 もちろんレオンはそれに警戒して腕を翳して防御するが、それはシグマの誘いだ。
 その隙に乗じて、シグマは腕を引いて強烈な膝蹴り。
 ゆるんだ隙の一撃は、強烈だったのかレオンの動きが止まる。
 その瞬間シグマは膝を狙ってローキックだ。
 テクニカルファイターは足が命、足を殺されるのは致命的だ。
 あわてて距離をとろうとするレオン、だがシグマの追撃のドロップキックがレオンを襲う。
 これを受けて吹っ飛ぶレオン。だが、まだ余裕があるとばかりに倒立で悠々と立ち上がりアピールだ。
 体格から考えれば、投げも不可能ではないこの両者。
 続いて仕掛けたのはレオンだった。がっしりと中央で組み合う両者。
 ロープに投げられるシグマ、戻ってきたところにレオンのローリングソバット!
 強烈な一撃でもんどりうったところで、すかさず追撃。レオンはスコーピオンデスロックを決める。
 しかし、まだこの大技には早い。すぐさま返すシグマ。
 相手の足をかにバサミで挟んで倒し、狙うは膝十字。
 しばしの力勝負の末、強引に転がって抜けるレオン。
 転がったレオンに一足先に立ち上がったシグマがエルボードロップ、狙うは膝!
 一撃目は被弾、レオンが悶絶。二発目はレオンが回避、シグマの自爆!
 レオンは転がって避けて、そのままリング外へと飛び出すのだが。
 そこでシグマ、狙ってたとばかりに大技突貫、トペ・コンヒーロだ。
 トップロープを飛び越えて、前方宙返りをしつつ背中から相手にぶち当たる大技!
 場内が沸いたその瞬間、更なる歓声が!
 なんと飛んできたシグマの腰を逆さでつかんで、パワーボム!
 硬い場外に叩きつけられたシグマは悶絶。レオンのチャンスだ。
 しかしここでレオンは椅子攻撃などはせずリングに戻ってゆっくりとシグマを待つ。
 余裕を見せているのだ。だがこれが、果たして試合展開にどうでるのだろうか‥‥。
 やっと回復したシグマ、リングに戻って仕切りなおしだ。
 再び両者、技の応酬だ。膝を狙うシグマと、それを辛くもしのぐレオンという構図。
 だが、全体的なダメージはシグマが多いように見える。
 やはりスター的なレオンにシグマは勝てないのか。
 だが、そのとき。コーナーにシグマが追い詰められたところにやってきたレオン。
 それをシグマは飛び上がって避けつつ、レオンの背を蹴るようにしてロープ上部、ターンバックルにつっこませる!
 さすがにレオンも利いたらしくふらつく、そこでシグマはレオンともどもコーナーポストに。
 そこから、なんとシグマは雪崩式リバース・フランケンシュタイナー!
 脳天からマットにぶち当たるレオン。沸く場内。
 しかし、レオンは立ち上がるのだが‥‥がくりと膝が抜ける。利いていたのだ。
 そこにシグマが強烈な蹴りを側頭部に。バズソーキックの一撃でふらつくレオン。
 そこで、うつぶせのレオンにシグマはキャメルクラッチ式のドラゴンスリーパー、通称ドラゴンクラッチで締め上げる!
 1‥‥2‥‥‥‥3!!!
 カンカンカーンとゴングが鳴り響き、轟々と沸く場内。
 初戦を飾ったシグマはこうして大金星を獲得したのだった。
 これならば、シグマの実力にも箔がつくだろう。きっと軽量級のベルトをその腰に巻く日も近いだろう。


●かいる(fa0126)VSドワーフ太田(fa4878)
 次なる試合は、巨漢同士の戦いだ。
 橙のレスラーパンツにブーツ、虎のマスクはヘヴィーカーペンターとなったカイ、怪獣の足音とともに入場。
 対するは巨漢ながら身長で劣るドワーフ、堂々と豪壮な曲で入場である。
 だが、2人ともその筋肉は一目瞭然。
 見るからに全身を筋肉で覆ったカイ、その姿はまさに重戦車。
 ドワーフは小柄がゆえに全身を鋼のような筋肉が包み、まさに砲弾のような体躯である。
 試合のための筋肉を見せてやるといきまくドワーフに対してカイは。
「久しぶりだな、ドワーフさん、今のところ一敗一分けか、一年間鍛えたこの体で今日こそ潰れて貰う!」
 とのマイクパフォーマンス。
 いよいよゴング!

 試合開始と同時にカイが飛んだ!!
 100キロを軽く超えているその体躯で繰り出される強烈なドロップキックはスレッジハンマーと呼ばれる。
 鍛冶屋の巨大な槌の名の冠されたその一撃の破壊力は、乗用車の正面衝突並みだ!!
 が、それを真っ向から受けるドワーフ!
 胸板でそれを受けてさすがに後ろにふっとぶドワーフだが、なんと踏みとどまる!
 雄たけびと、どぉんと倒れこむカイの爆音で場内は沸きかえった。
 だが、まだまだ攻防は終わらない!
 今度はドワーフ。立ち上がりかけたカイに強烈なチョップ。
 胸板に叩きつけられる鈍器のようなドワーフの一撃。
 だが、カイも負けじと豪腕をふるって応酬、両者一歩も引かずにチョップの交差。
 しかし、試合巧者はドワーフだったのか、一撃でぐらりと膝を突いたのはカイだ。
 そこに繰り出されたのは、ドワーフの得意技ドワーブンアックスと呼ばれるアックスボンバー!
 これにはなんと後ろに倒れるカイ。どよめく場内。
 しかし、カイはすぐさま起き上がり、お返しとばかりに強烈なミドルキック。
 今度はぐらりとよろめいたのはドワーフだ。
 その隙を逃がさず、カイは狙い定めて強烈なラリアット!
 これには吹き飛ぶドワーフ、飛距離は先ほどより上だ。
 だが、ドワーフも負けられない。両者リング中央で組み合って、ドワーフがカイをロープに放る。
 戻ってくるカイ、それを得意のドワーブンアックスで一撃しようとしたところ、カイはリーチの勝利で先にラリアット一撃!
 これにはドワーフも怒り心頭なのか、再度ロープに投げる。
 何度やっても同じだろうという雰囲気のなか。なんと今度はドワーフのスピアー!
 強烈なタックルでカイに突貫、なんとカイは空中を吹っ飛ばされて一回転!
 轟音とともに叩きつけられるカイ。だがそのあとのラリアットの応酬の果てに、初の投げ技は勿論体格で勝るカイだった。
 100キロを超えているのにもかかわらず、カイはドワーフを持ち上げてボディースラム!
 こちらも爆音とともにマットが揺れて、いやがおうにも歓声は高まる。
 だが、この2人、パワーファイターゆえにダメージも大きく。
 両者の本気の激突の果て、そろそろ決着が見えてきた。
 マット上に倒れているドワーフを狙って今度はポストの上からのボディプレスを敢行しようとしたカイ。
 その巨体が今まさにドワーフを潰さんと落下するがそれをドワーフが避ける!
 自重でマットを降らしダメージを受けるカイ、すかさず立ち上がったドワーフが取った行動は驚くべきものだった。
 転がっているカイを強引に立たせて、ふらつくカイを‥‥。
 なんと、アルゼンチン・バックブリーカーの形で持ち上げる!!
 自分より二周りは大きく見える巨体を担ぎ上げるドワーフ。
 全身の筋肉細胞の最後の一つまで全ての力を搾り出しての決死のリフト!
 そしてそのまま、前に放り投げる! アルゼンチン・バックブリーカードロップ、フロント式だ!
 背中から強烈に叩きつけられたカイ。自重とドワーフのパワーの相乗効果は彼の意識を朦朧とさせていた。
 そしてカイの意識がやっと戻ってきたその瞬間、カンカンカーン! とスリーカウント。
 健闘を見せたカイが惜しくも破れ、ドワーフが体格で勝る相手を破る興奮の試合展開だった。
 がっしりと握手をする両者、カイはドワーフの手を高々と掲げて勝利をたたえ、割れんばかりの拍手と歓声に包まれて二人はリングを降りるのであった。

●新堂 将貴(fa0536)VS醍醐・千太郎(fa2748)
 最後の試合は、現チャンピオン新堂と挑戦者醍醐の試合だ。
「そろそろ総合より、ハードコア出身の俺がベルトをいただいてもいい時期だと思わないか?」
 チャンピオンに向けて挑発混じりに醍醐が語りかければ。
「相手にとって不足無し。王者として挑戦を受けて立つ!」
 と、現チャンピオンは返し。
 両者、実力は本物。同タイプのパワー型でありつつテクニックも十分。
 二試合目の重戦車同士の戦いとはまた違った戦いが見られるだろう。
 さあ、泣いても笑ってもこれが最後!
 いよいよ最終試合、開始のゴングが鳴り響くのだった。

 序盤、両者距離をとって様子をうかがいつつ、双方徐々にテンションが上がっていく様子。
 新堂の総合仕込みの強烈な蹴りを醍醐が腕でがっちり受け止め。
 対する醍醐、がっしりと蹴りを受けきりその丸太のような腕で強烈なチョップ。
 蹴りは腕の三倍の力といわれるが、醍醐の腕の場合はどうだろう。
 この豪腕の一撃ならば、その公式は当てはまらないのかもしれない。
 両手でブロックしている新堂もさすがにチョップの連打には辟易したのか。
 腕を取ってのアームブリーカー。
 なんど怪力で振り解かれても、再度ロックアップからアームブリーカー。
 距離のとり方を絶妙にしつつのミドルキックで、じわじわと責める新堂。
 それを一撃で押し戻す醍醐、ショルダータックル一撃で、新堂に大きなダメージを。
 こうして、序盤の攻防は徐々に進むが、これからが本当の戦いである。
 醍醐のラリアットを狙い済ませて蹴りで迎撃する新堂。
 倒れこんだ新堂へと腕十字、即座に醍醐はロープに逃げるが、ロープに逃がすまいと新堂の位置取り。
 ぎりぎりと腕を締め付ける新堂、大分腕にダメージが蓄積しているようだ。
 そこでやっとロープブレイク。
 腕のダメージは深刻かと思われるのだが、今度は醍醐、新堂の蹴りを真っ向から受けて足をつかんで。
 そこから一気にボディスラム! 位置の高い強烈なボディスラムがマットを揺らす。
 だが両者はまだまだ余裕があるようだ。
 醍醐のラリアットを回避して、新堂がローキックでひるませて。
 パイルドライバーへと移行するのだが、今日はちょっと違う。
 そう、天国へと旅立った無冠の帝王の名をもつ、ゴッチ式パイルドライバーだ!
 相手の腰を抱えるような形で強烈なパイルドライバー、さっきのボディスラムが帳消しになるような一撃だ。
 だが、崩れ落ちた醍醐。新堂の足をつかんで引きずり倒し、リング外の攻防へ。
 醍醐は豪腕で新堂を捕らえて、鉄柱攻撃。響く鈍い音。
 ぐらりとよろめく新堂、だが醍醐はとまらない。椅子をひっつかみ椅子の一撃。
 一転、場の空気は醍醐有利だ。なんども椅子攻撃を繰り返すのだが、新堂は引きながらリングにもどり醍醐も追う。
 そこで、醍醐の椅子攻撃を受け止める新堂。椅子を奪い取り醍醐に反撃。
 倒れこみながら醍醐はそれを難なくブロック。しかし、それこそが新堂の狙いだ。
 倒れた醍醐の腕をロックして膝で顔面を圧迫、十字腕に取りに来たのかと警戒した醍醐の動きを逆手にとって決めたのはくルックヘッドシザース!
 これもまた、プロレスの神様へのリスペクト技だ。
 だが、腕はある程度動かせる余裕が。醍醐はすかさずロープブレイク!
 畳み掛ける醍醐、アックスボンバーを避けて新堂が行き過ぎて、戻ってきたところをブレーンバスター!
 醍醐の身長と腕の長さを加味すれば2メートルの高高度から叩きつけられる新堂。
 さすがにぐらりと足元がふらつく。
 だが、戦いも終盤。すでに気力の戦いだ。王者を決めるのは気力の勝負。
 再度必勝パターンを狙う醍醐、ラリアットを繰り出すがそれを回避する新堂。
 すかさず後ろに回って腰をクラッチ、その形に沸く場内。
 そう、ジャーマンスープレックスだ。
 天国に届けとばかりの美しい弧を描くジャーマン。爆音とともに醍醐は叩きつけられるのだが‥‥。
 醍醐は立ち上がった!
 両者椅子攻撃で多少の流血、足元をふらふらとさせながら再び向かい合う醍醐と新堂。
 2人は気力だけで立っている。
 そして、ここで醍醐が必殺のベアータッチ。
 新堂の頭をつかんで叩きつけようとして、なんと新堂も醍醐の頭をつかみ。
 両者同時に顔面からマットに、全体重でお互いを叩き込んだ!!
 ‥‥両者が次に目にしたのは、マットを照らすまばゆい証明、そして鳴り響くゴング。
 両者ノックアウトで引き分け。王座は空位。
 プロレスの神様の技とそれを受けきってなお最後の一瞬まで戦った最高の試合、引き分けでも不足は無い。
 王者は決まらず、この王位を狙うためにまた新たな戦いが始まるに違いない。

 これにて全試合終了。