【AoS】フラアタ!:白アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
切磋巧実
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
やや難
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報酬 |
8.2万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
08/01〜08/05
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●本文
――AoS
Athletic of Summer――早い話が『芸能人水泳大会』である。
様々な競技が繰り広げられる訳だが、その前に様々なエキシビジョン競技が行われた。
その一つが『ローションでろでろバトルッ! フラッグアタック!』である。
趣旨がとても分かり易い企画だ。海面に浮かせた110枚分の発泡スチロール板を床として、水の代わりにメロンローション(緑色)を装填したウォーターガンで、水鉄砲によるサバイバルゲームを行い、グラビアアイドルの艶かしさや、タレントのマヌケな姿に笑いを取ろうという意図である。
やってみなければ競技として成立するか分からない。
何とも品のない企画だが、それは実行される事となった。
●演歌歌手の犠牲者
「えぇっ!? 芸能人水泳大会のエキシビジョンに参加ですかぁ!」
悲鳴に近い声をあげたのは、演歌歌手の紗亜弥だ。予想通りの反応に壮年の男が髪を掻く。
「イベント参加はキャンセルしたが、その代わりにテスト競技に参加して欲しいって話だ」
「で、でもっ、ろーしょんでろでろばとるって‥‥いったい何をするんですか? あたし、演歌歌手で水着にならなきゃいけないなんて思ってもいませんでしたよぉ」
年頃の少女としては不安だ。何気にタイトルがやたらと危うい匂いがする。
「水鉄砲で撃ち合うだけだ。格闘技のエキシビジョンやリザーバーよりは楽な仕事だぞ?」
「でも‥‥わ、わかりました。‥‥行って来れば、良いんですね?」
一抹の不安に思わず上目遣いで男に瞳を向けると、事務所長は苦笑いを浮かべていた。
ドアを隔てた一室では、クリスティが両手を組んで懺悔していた事だろう――――。
●フラッグアタックローカルルール
1:競技の目的は相手チームの旗守から旗をゲットする事である。
2:ウォーターガンで撃たれても退場しない(落下しても退場しません)。
3:それぞれ役割がある。
●役割
☆【旗守】1名のみ:旗を立てたヘルメットを被ってエリア内横1ラインを逃げ回ります(ガン所持不可)。
○【奪主】2名まで:旗守から旗を取る事が出来ます(ガン所持不可)。
△【遊撃】複数OK:相手陣地に移動し妨害します(味方陣地には戻れません)。旗守を攻撃可(ガン所持射程1)。
×【防撃】複数OK:自分の陣地固定移動不可。妨害します(ガン所持射程2)。
・MAP
左から右へA〜Kとなります(形が崩れるのでご了承下さい)。
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●進行手順。
両チーム横一列に整列。ピストルの音と共に両者役割事に移動配置(【防撃】は動かないという事で予め決定済み(主催者に報告済み)のスチロール板が抜けてある中へ飛び込み待機)。【奪主】【遊撃】は、妨害や旗守から旗を取るべく行動。
●プレイングの書き方。
1:【旗守】【奪主】【遊撃】【防撃】を選択して下さい。
赤はライン1から横へ、白はライン10から横に並んだ状態からスタートします(【旗守】【奪主】の初期配置は確定済み)。
2:それぞれの役割に応じて配置して下さい。尚、視界を妨げる障害はウォーターガンの攻撃以外ありませんので、(射程内に)捕捉したら攻撃または旗取りを試みます。つまりルート選択は重要になり、戦術次第では様々な妨害が可能でしょう。
(配置移動ルート例)
・例1:白【防撃】の場合。
H10→I8(固定)
・例2:白【遊撃】の場合。
J10→J3→B3→B1→F1(【遊撃】は方向転換は5回まで、【奪主】は10回まで)
3:台詞や行動(相手のどこを狙うか、または名指しして誰を狙うか等)、自己アピール、どんな水着を身に着けているのか等(尚、水圧は高めなので水着はしっかり結んでおく事をお勧めします)。
相手陣地の【遊撃】がいるルート進行時は、攻撃を回避できた場合、踏み付けて行こうと自由です。
●参戦予定NPC
・紗亜弥(演歌歌手):仕事が無いので事務所に騙され不安を感じつつ出場予定。
参戦させる場合、彼女の役割を代表者が記して下さい。
●サポート参加
サポートが入りますと練習してとして、相手と相対する能力が同一の場合、【旗守】軽業【奪主】軽業【遊撃】射撃【防撃】射撃 の能力が有利に展開させられるかもしれません。
NPCサポートの場合、上記の他に水着制作も可能です。
本人の事は気にせず自由に作成して下さい(笑)。
●リプレイ本文
●ライン上に並ぶは8名?
ジリジリとした炎天下の海岸で競技は行われようとしていた。
ラインA10から順に並ぶは、6名の女性と2名の男性だ。
「ここでビキニを着る勇気は僕にはないですよ‥‥」
濃いめの色に彩られたワンピースに細身を包む、宝野鈴生(fa3579)が恥かしそうに水着を整える。ウォーターガンを所持している事から、【防撃】か【遊撃】だろう。
『あの〜、ここ赤の陣地なんですけど〜』
「にゃ? にゃにゃ?」
前屈みになって目線を合わせた娘に、ルージュ・シャトン(fa3605)が素っ頓狂な声をあげた。彼女は何故かA1にいたのだ。A10の間違いとしても既に鈴生がいる。慌てて戻った銀髪の少女は、青い瞳と赤い瞳を困惑させながら、空いているB10へ着いた。青のセパレート水着から覗く胸の膨らみは、年齢の割りにグラマラスだ。13歳にしては反則的な肢体といえよう。‥‥尤も、本人は大人しくスクール水着にしたかったらしいが色々とあったらしい。
そんな少女を複雑な心境で見下ろすのは、白のシンプルなワンピース水着に細身を包む、織石 フルア(fa2683)だ。
「やはりビキニだと目立つからな‥‥胸が‥‥」
思わずライトブルーの瞳で自分のツルぺたな胸元と比べてしまう。無愛想な風貌に小さな溜息が洩れた。
(「兄さんはGラインか‥‥。たとえ血を分けた兄妹といえど、勝負とあらば全力で挑むのが私の流儀」)
携えるウォーターガンに力を込める銀髪の少女。ここまでの3名はガンを所持している。
Dラインを抜け、Eラインに立つ長めの銀髪青年は【奪主】を担う、神塚獅狼(fa3765)。水着は紺色のトランクスタイプだ。
(「おそらく足下を狙われるだろうから、気を付けて移動することにしよう。上手く敵の旗守を襲撃できたらいいんだが‥‥上手く行くか?」)
フッと獅狼が苦笑してみせる。不敵な笑みを浮かべる寡黙な青年の隣で、不破・美影(fa3342)が黒のワイヤービキニでサービス満点の魅惑的肢体を晒す。当然、トップスとボトムも紐タイプだ。流石はグラビアアイドル。中途半端なサービスはしない。頭に乗った白旗も愛嬌と言えよう。
(「私は水鉄砲がないから、白兵戦になるのか? 同一フィールドに入った赤組が女性だった場合、積極的に水着を狙いにいこう。男性は‥‥やめとこう」)
続いて隣でガッシリとした肉体に虎のマスクを被った海パン姿の、ジャスティスタイガー(fa4130)が太い腕を組んでいる。虎マスクは伊達じゃない。彼はプロレスラーだ。
「ジャスティスタイガーだ! 無敵で行くぞ!」
奪主を担う青年の隣であるHラインで、ウォーターガンを携え、富士川・千春(fa0847)が絹の様な黒髪を揺らして「レッツらドン☆」と拳を胸元で固める。細身を包むは、白にレインボーカラーの刺繍を施した水着だ。
「あの『Athletic of Summer』を盛り上げるお仕事が出来て嬉しいです♪ 両チームのみなさん、よろしくおねがいします☆」
最後のラインを飾るは、千春と同じ演歌歌手の紗亜弥だ。鈴生のアドバイスを受け入れ、ビキニに魅惑的な肢体を包んでいる。事務所からの仕事とはいえ、とても恥かしそうだ。尤も、リングで一度水着姿を晒しているので、場所が海なら未だマシというものである。
「‥‥えっと、遊撃担当の紗亜弥です。れ、れっつらドン☆」
何か演歌歌手にしか分からないヒミツがあるようだ。
こうして1名遅刻の中、競技は行われようとしていた。
●攻める者達
――甲高い空砲が蒼穹に響き渡った。
一斉に両チームが動き出す。
一気に直進するは【防撃】のフルア、【奪主】の獅狼とタイガー、【遊撃】の千春と紗亜弥だ。鈴生とルージュは互いに位置を交差させ、【旗守】の美影が左のラインへ駆け出した。【防撃】の白いワンピース水着の少女が発泡スチロール板の空いた海面に跳び込み、次いで青のセパレート水着少女が飛沫をあげた。濃いめの色に彩られたワンピース水着の少女は未だ中央へ向け駆けている。
「えっと、どこ、あの娘どこに‥‥って! 明らかに届かないー!」
彼女の視界がビキニの上にハーフパンツを重ね着した美女を見つけて落胆の色を浮かべた。直ぐに飛沫をあげて穴に跳び込んだからだ。視界を過ぎるように前進する獅狼を捉える。
(「敵陣の遊撃か‥‥!?」)
瞳に映る迷彩服の少女が慌てた様子でガンを撃つものの、苺色の洗礼を巧みな身のこなしで躱してゆく。
(「まだまだっ! ‥‥! あれは奪主?」)
軽快なステップで突き進む青年は、同じく疾走する光沢のある黒ビキニ少女を捉えた。やたら布地の少ない水着で褐色の肢体を躍動させる姿は野生的だ。獅狼は仲間を信じて先を進むしかない。
「あれは奪主ね!」
千春が捉えたのは、青いトランクスタイプに白の毛筆っぽい字で『大漁』なんて記されている水着を履いている青年だ。少女は駆けながらシャコシャコと空気を注入し、トリガーを絞った。抜群の狙いで放たれたメロン色のローションに、忽ち敵の奪主は動きを止める。突き進もうにも的確な射撃に足を滑らせ、情けない声をあげて転倒する始末だ。
「(奪主が相手なら突破させる訳にはいかないわよ!)行って! タイガーさん!」
「おぅ! 任せろ!」
タイガーが立ち上がろうとする青年の脇をスルリと突破してゆく。そんな彼の瞳が行く手に捉えるは、DESの2006年夏の新作水着『クウィーンワイルド』に細身を包む美女の姿だ。赤いラバーをワイヤーで繋いだのみの、セクシーとワイルドさを追求したワイヤービキニは、美女を一際妖美に彩っていた。携えたガンを向けない所を察するに射程距離が足りないか、防撃のポイントに入っていない故か。ようやく飛沫をあげて穴に飛び込んだ事により、彼女が防撃手と分かった。
しかし、眼差しを交互に流して放つローションを、獅狼とタイガーは軽快に躱してゆく。
「さぁ来たまえ! そして私の正義を知れ!」
その頃、千春の進行と合わせて駆けていた紗亜弥の視界に、ピンク色のビキニ少女を捉えた。
「ふえぇっ! 反撃しなきゃっ」
セミロングの黒髪を揺らす少女と紗亜弥は互いに遊撃同士でもあり、赤と緑のローションが交錯する凄まじい戦場と化す。
後に演歌歌手は更に前進し、白いワンピース水着の少女と、ピンク色のビキニ少女に挟み撃ちとされ、散々な有様となる。
●防ぐ者達
「ニャ〜当たれニャ〜〜〜!!」
たわわな胸元を揺らして駆けて来る赤いハイレグワンピース水着少女を捉え、ルージュがメロン色の洗礼を放つ。短い悲鳴と裏腹に、次々と躱してゆくと、遊撃の射程に入った娘が反撃に入った。逆に苺色に彩られる始末だ。
「うにゃん!」
同じ刻の中、フルアの瞳に迷彩服の少女を映す。
「‥‥ターゲット確認‥‥そこだっ」
射撃に優れている訳ではないが、同じく敏捷性に優れていない少女は避ける事が敵わず、メロン色の粘液を放たれて悲鳴をあげていた。
その隙を掻い潜り、旗守へ黒ビキニ少女が迫る! 行く手を阻むべく駆ける鈴生が防撃ポイントに跳び込み、飛沫を上げた。
「これ以上は僕が行かせません!」
褐色の少女へメロン色の洗礼をビシャビシャと叩き込む。射撃が得意な訳ではないが、敵陣の奪主とて敏捷性に優れている訳ではない。畳み掛ける水圧に前進を阻まれていた。
●僅差の攻防
(「あそこかっ!」)
防撃手の美女が放つ苺色の洗礼を潜り抜け、獅狼が敵の旗守へ迫って行く。そんな中、背後で少女の悲鳴が響き渡った。
「悪よ! この世に私ある限り、正義の心ある限り、お前達に栄光はないと知‥‥ッ!」
タイガーが敵の防撃手を跨いで行こうとした刹那、ローションに足を滑らせ、狭い穴に嵌まったのだ。
『‥‥あ、あの〜』
「(これはラッキーというものか‥‥スレンダーながら見事な‥‥いかん! 危うく女幹部の幻惑に堕ちる所だった)す、すまない! そんなつもりでは‥‥」
穴から出ようと足掻いた刹那、白雪の如き柔肌を弾ませ、美女が頬を染めながら切なげに声を洩らす。
『あぁんッ! そんなに、激しく動かないで下さ‥‥んんッ! やんッ! 水着がたくし上げられて‥だめぇッ』
「(おぉッ、なんて捨て身の攻撃だ!)しかし‥‥このままでは気持ちが良過ぎて‥‥いや、ゲームに復帰できないのだが‥‥」
その隙を突いて旗守が反対方向へ逃げようとステップを踏んだ。その頃、美影は――――。
「防撃2人の後ろになるように動いて時間は稼げたが‥‥味方が相手の旗をとってくれるかもしれない。最後まで諦めはしないけど」
視界に鈴生を下敷きにズルズルと這い迫る褐色の少女を映した。照り返す緑の粘液は艶かしくもホラーのようにも覗える。遠くで獅狼が腕を伸ばす!
――貰ったっ!!
そんな中、笛の音が鳴り響き、旗が取られた事を知らされた。
巧みな敏捷性で次々と突破した獅狼が、強面の眼光に怯まず赤旗をゲットしたのである。
こうして、フラッグアタックは白組が勝利したのだ――――。
「ふふ☆ 私の傍を走ったあなたのミスね♪」
終始散々メロンローション塗れにした青年へ手を差し延べる千春。
「野生の勘が外れちまいやしたっす。これでも足には自信あったんすけどね」
「せっかく海で撮影していることですし、最後に出演者一同で海を楽しみましょう☆」
実験競技が終われば同じ芸能人同士。今回の出会いが新たな物語になれば幸いである‥‥。