ベルトレスの旗南北アメリカ

種類 ショート
担当 切磋巧実
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 7.9万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 11/03〜11/07

●本文

●次回予告編Mission02(どちらかを選択)
【敵試作機を強奪せよ!!】
『索敵編成中心のシルフィード部隊により、アルマイトの次期試作機の存在が判明した。データ分析したものの、その大きさ、外観と性能は我々の技術を遥かに上回っており、謎が多過ぎるとの見解だ。そこで、脅威的な敵軍の兵器を強奪する作戦を要請する。次回、敵試作機を強奪せよ!!』
<シナリオの流れ>
01:輸送機よりグランドキャニオンに降下し、基地を目指す(SG、生身いずれかを選択)。
02:敵(エキストラ)を得意の戦法でなるべく静かに排除してゆく中隊。
3A:基地に潜入、強奪までを演出。
3B:敵の妨害に合い失敗時の演出。

*強奪した場合、そのまま退却となります。失敗時は撤退となります。

【基地発見を阻止せよ!!】
『索敵編成中心のシルフィード部隊により、アルマイトの次期試作機の存在が判明した。しかし、敵軍も沈黙している訳にはいかぬだろう。恐らく、ベルトレス軍デンバー基地を発見しようとする筈だ。部隊には基地周辺の防衛任務を要請する。次回、基地発見を阻止せよ!!』
<シナリオの流れ>
01:日常を演出する者と森林地帯を警戒任務演出(SGor生身)いずれかを選択。
2A:敵の偵察部隊が現われたら発見、手傷を負わせて撤退させるまでを演出。
2B:敵が来ない場合を演出。

☆どちらのシナリオもAB両方を演出して下さい。

●キャスト募集
 ベルトレスの旗では、大型SG輸送機部隊員を募集します。
【大型SG輸送機部】名称未定=相談で決めて下さい。
 機体に合わせた編成員8名。性別不問。
・配役:階級明記。
・役名:登場人物の名前です(本名で出演してもOK)。
・設定:どんなタイプのキャラクターを演じるか明記(設定なければ口調はアクター)。
・得意:操縦・索敵・攻撃・回避・防御・援護から選択。
・内部:単座or複座。
・機体:搭乗するSGの名称/タイプ選択/カラー。
・外観:SGの外観特徴です。
・特性:SGの性能的な特徴を1つだけ(例えば飛行可能とか追加武装など)。
・<シナリオの流れ>に合わせて演技及び台詞など。

☆SGガーメントの主な仕様は以下の通り。
 ベルトレス軍SG『ガーメント』の発展型。直角的なシルエットを模る鋼鉄の機体は、用途に合わせてフォルムがそれぞれ異なっており、衣服を意味する名称から、基本ベースに装甲を『着る』事で、様々な局面に対処できるよう設計されている。
・搭乗型である。
・単座or複座。
・機体タイプ。
【索敵重視】ノーマルより性能は高い広域レーダー装備型。武装無。
【ノーマル】平均的な性能。肩:ミサイルポッドorビームキャノン砲or腕:ガトリングガン。
【装甲重視】機動性は劣るが装甲は厚い。肩:小型ミサイルポッド 腕:ビームガン。
【装甲排除】機動性は高いが装甲は無い。腕:ビームガン・スピア。

●NPC
 ラサ少尉(男)20代後半。
 やや少年ぽさが抜けない青年士官。階級は大尉だったが、敵新型SG強奪失敗と部隊員戦死者が出た事で少尉に降格。前線から遠いグランドキャニオン近辺を大型移動基地で偵察任務に転属。
 結構無鉄砲。恋愛に関してはかなり鈍感である。
 彼の追加設定して頂けると採用される場合があります。

●サポート参加
 大道具、小道具の設定及びSGデザイン補足など。所謂裏方を担当して頂きます。

●今回の参加者

 fa0043 皇・皇(21歳・♂・一角獣)
 fa0558 クールマ・如月(20歳・♀・亀)
 fa2573 結城ハニー(16歳・♀・虎)
 fa2712 茜屋朱鷺人(29歳・♂・小鳥)
 fa2832 ウォンサマー淳平(15歳・♂・猫)
 fa3014 ジョニー・マッスルマン(26歳・♂・一角獣)
 fa3308 ヴァールハイト・S(27歳・♂・竜)
 fa4930 マモル・ランスロット(20歳・♂・豹)

●リプレイ本文

●a flag the beltres――Mission02
「以上が敵基地の内部構造よ」
 大型SG輸送機部隊『シュバルツシルト』機内のブリーフィングルームで説明を終えたニコール・マックス上級大将(結城ハニー(fa2573))は、金髪を揺らし、猫のような青い瞳を部隊員に流してゆく――――。
『イシル曹長‥‥おいッ』
 呼ばれている事に気付き、イシル・プラネス曹長(ウォンサマー淳平(fa2832))は肩を弾ませた。真っ先にアイドルフォトが飛び込み、視線を流した先に捉えたのは青年の訝しげな顔だ。
「ラ、ラサ少尉!? な、何ですか‥‥」
「何ですかじゃないだろ? 様子が変だから見に来たんじゃないか!」
 余計なお世話です。と告げてから、少年は視線を逸らしながら静かに口を開く。
「ニコール上級大将‥‥アルマイト軍の亡命者って話じゃないですか。ラサ少尉なら兎も角、敵の裏切り者を部隊の指揮官に任命するなんて、正直納得できません」
「やれやれ、俺は敵の次に納得できない存在か。俺の事はどうでもいい。だが」
「分かっています! 命令である事と仲間も乗り気だし、指示には従いますよ」
「それでいい、早くハッチ閉じろよ」
 薄く微笑み、SGへ駆けて行くラサの姿をモニター越しの視界に捉えたのは、マリィ・エン=グランツ曹長(クールマ・如月(fa0558))だ。
「ったく。敵の新型奪取だなんて、まるで英雄サマの仕事だよねェ‥‥くそっ! なんであんなのが気になる! きっとアタシの前を横切ったからだ! こちら『鈍亀』配置についた、指示を待つ!」
 苛立ちを通信機へと露にぶつける。輸送機オペレーターからの返答は「指示まで待機」との事だった。切ってから暴言を吐き散らすと、接合している依存型SGアナザーヘッドからリョウ・テンガ准尉(皇・皇(fa0043))の声が飛び込む。
『変装潜入の基本は一つ、「自分の基地だと思うこと」。リラックスしていこうぜ?』
「緊張なんかしていませんよ! 退屈なだけです! 皆は狭いコクピットで何してんでしょーね?」
「さあ? よし! 潜入組の情報をアルマイト軍籍データに書き加えたぞ♪」
 自前で用意したアルマイト軍(准尉)服に身を包んだ青年は、薄暗いコクピットでキーボードを叩いていた。モニター光を眼鏡に反射させながら微笑む姿はマッドだ。
 その頃、ポエニクス伍長(茜屋朱鷺人(fa2712))は精悍な風貌で一点を見つめ、無駄のない作戦遂行の為に時間を割り出していた。
「潜入組が試作型の格納庫まで行くのに大体6〜7時間。陽動側が潜入から八時間ほど過ぎたら襲撃開始という目安で、自分はセンサーをパッシブ限定にして待機が妥当か」
 ヴァールハイト・シュテルン少尉(ヴァールハイト・S(fa3308))は、瞳を閉じ、太い腕を組んで静かに精神を集中させる。豪放磊落な肉体派らしい落ち着き振りだ。
 マモル・ハーネット特務少尉(マモル・ランスロット(fa4930))は、恍惚とした満面の笑みを浮かべている。
「愛しのミナルディーちゃん、今日も今日も頑張るっすよ♪」
 コンソールパネルにガッシリと覆い被さり頬を摺り寄せる姿は、異様なまでの愛着振りで、デンジャラスだ。
 ラサは瞳を閉じ、ヘッドフォンでリルケの詩集に耳を傾け、心を落ち着かせていた。
 そんな中、通信機からニコールの声が飛び込む。
『グランドキャニオンに到着したわ。全機降下スタンバイ!』
 シュバルツシルトの『腹』が割れる。フックで固定されたSGガーメントが開放されると、眼下に映る屹立する崖や多彩な断層によって作られた雄大な光景に次々と落下してゆく。
 そして順番はJ・M伍長(ジョニー・マッスルマン(fa3014))に差し掛かる。巌岩の如き逞しい肩の筋肉を滾らせ、軽く口笛を鳴らすと、無駄に爽やかな白い歯を光輝かせた。
「CooLだぜ! Go! バッファロー! YAH!!」
 奇声を棚引かせてSGは落下する。モニター越しの視界が一気に地表に迫るスリルを楽しみながら空中制御を行い、ギリギリでパラシュートを開いて降下してゆく。
 脚部が対地ショックを和らげる中、ガーメントはグランドキャニオンへ降り立ったのである。

●敵試作機を強奪せよ!!
「任務ご苦労」
 アルマイト軍服姿のリョウ、イシル、ラサの三名は平然と格納庫の兵に労いの言葉を掛けた。照合データも問題ない為、最近赴任して来た仕官達に彼らは敬礼で応える。基地に入ればその後は容易だ。尤も、基地に潜入するまで、階級章の裏に仕込んだ麻酔銃や、怪しむ兵をヴァールハイトが沈黙させた訳だが‥‥。
「試作機の視察をしたいのだが」
「殆どロックが掛かっておりますが、聞いていませんか?」
「そんな事は准尉だって承知している! 視察できる機体は無いのかと聞いている!」
 イシルが威圧するように声を荒げた。背筋を伸ばして敬礼で詫びると、三人を案内してゆく。話に因ればパイロットが確定していない機体はロックが解除できるとの事だ。
 三人はそれぞれ聳え立つSGDのコクピットへ導かれ、難なくシートへ腰を降ろす。最低限の操縦機構のシンプルさが目立つ。
「ふむ、これはそのままにしてくれ。他の機体と乗り比べたいが問題は?」
 どうやら作戦分のSGDは確保できそうだ。リョウが腕時計を眺めたその時――――。
 ――轟音が巻き起こると共に、サイレンのけたたましい音が鳴り響いた。
 銃声が響き渡り、彼方此方で派手な爆炎が吹き上がる。喧騒が散らばる中、捉えられたのは五機のベアトレス軍SGガーメントだ。
「ハッ! 鉄の棺桶だ、安心して花火をあげられるねェ! さあ、派手に行くよ! GOGOテっキぃーラ!」
 マリィの鈍亀は追加装甲の代わりにミサイルポッドを装備しており、派手に白煙を棚引かせて爆炎を描いていた。単眼をギンと輝かせ、左右対称のシンメトリカルな外観のJ・Mが駆るバッファローも、哨戒任務の敵SGを精密射撃で沈黙させたと対照的に、派手にミサイルを放つ。同じく、両肩にゴツイ衝角(ラム)状の追加装甲が施されたヴァールハイトのSGバイソンは、両腕に装備された小型ミサイルポッドの白煙をあげ終えると、着脱させて次の攻撃に転じる。
「ちっ、もう弾切れか! 使えねえ」
 しかし、これだけ派手に暴れれば、敵のSGとて防衛に姿を見せるものだ。改善されたガーメントとはいえ、性能差は厳しい。尤も、標準配備型の話である。
「瞳は嘘をつくが、センサーは欺せない」
 爆炎や硝煙に霞む視界にターゲットマーカーを合わせ、ポエニクスが不敵な笑みを浮かべると、ロングバレル型SGが長距離射撃で支援。捕捉できない敵の洗礼に、機体が黒煙を噴いて崩れる中、戸惑う敵機へバイソンが肉迫すると、衝角のショルダータックルで装甲をブチ抜く。
「俺はこっちのほうが性に会ってるぜ」
 コクピットで青年は緑色の瞳をギラつかせて微笑んだ。
 戦況はベルトレスの奇襲が優勢と窺えた。だが、試作機体実験基地とはいえ、敵の懐に変わりない。アンリミテッドや攻撃的なフォルムの高機動型試作機ゼファーが銃声を響かせる。
「SHIT! 悪いジョークだぜ!」
 横殴りの雨の如き洗礼を、バッファローが滑るように機動を変えて潜り抜け、鉄拳を叩き込む。しかし、多勢に無勢。数発の弾丸が機体に火花を迸らせる。それでも機体の体格から想像を絶する機動力で最小限のダメージに抑えて、反撃に転じた。
「合体承認!! アケボノウイングモード!!」
 ニコールが叫びながらSGアケボノを前のめりスレスレで疾駆させる。機体に合わせ、翼を広げて飛来するのは、細い逆関節の脚部を持つマモルのミナルディーだ。
「攻撃は任せるっす!」
 アケボノの背中に結合すると、二機のSGは一つに重なった。
 金髪の娘がコクピットから飛び降りる中、飛翔する機体は上空から銃弾をバラ撒いてゆく――――。

「戦況は良くないな。敵機迎撃の為、出撃許可を願う!」
「急げ! このまま被害を広げて良いのか!」
 リョウとイシルに急かされ、三機のSGDが起動する。高い位置の視界とAIがサポートする違和感を覚えながら、巨人は格納庫から解き放たれた。向かうは陽動班のガーメント部隊。その時、擦れ違うようにニコールが格納庫に駆け込む。セクハラ上官の罠に掛かりクーデター首謀者に仕立て上げられた事実を現場は知らない。況して、彼女はアルマイト13人衆の一人『陽気な亡霊』だ。
「SGDが動かせるのか!?」
「二コール少尉!? あ、はい! 敵機迎撃の為に先ほど出撃したばかりです」
 彼女の青い瞳は敬礼して告げる兵の後方に注がれた。
「この中世の騎士のような機体は何だ!? 動かせるなら使わせてもらう!」
 難なくコクピットへ滑り込んだニコールも、敵機迎撃と称して飛び出してゆく――――。

「‥‥そろそろ時間だぜ、少尉殿。死ぬなよ‥‥死んでくれるなよ‥‥突っ込む馬鹿、英雄サマ‥‥か。似てるよねェ‥‥ちっ、未練かよ!」
『こちらポエニクス、マリィ、タイムアウトだ‥‥ん、来たか!』
 巨人と戦闘を繰り広げるガーメント。それも計算の内だ。陽動班は銃弾とミサイルを撒き散らしながら撤退を開始すると、SGDが追撃してゆく。合わせてアルマイト軍SGが続く中、殿を務める金色の装飾煌く翼を得た機体が空から銃弾をバラ撒いた。
「この先はチケットが無いと通れないっすよ♪」
 こうして、SGDはベルトレスに渡ったのである――――。