Cake Panic☆南北アメリカ
種類 |
ショート
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担当 |
切磋巧実
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芸能 |
4Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
やや難
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報酬 |
20.7万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
12/27〜12/31
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●本文
●或る閉鎖的な小さな町
クリスマスも終えた朝。降り積もった雪を除雪車が掃いてゆき、ケーキショップには半額でも売れ残ったクリスマスケーキがゴミとして集積所に纏められていた。ごく普通の空気と光景だ。
しかし、一人の若い娘がベッドで目覚めた時、町の異変に巻き込まれている事に気付く。
ベッドに甘い香りが漂い、何事から起き上がると、少女は全身が白い事を知った。指で触れれば柔らかい。これは生クリームだ。
――どうして?
パーティでケーキ塗れのまま眠ってしまったのか? しかもどうして一糸纏わぬ姿なのだろう? 確かに着替えた筈だ。シャワーを浴びようと鏡から離れた時、戦慄が走った。
腕のクリームを拭き取ってみると皮膚がスポンジ生地だったのである。
――これじゃ、私がケーキになったみたいじゃない?
そう、彼女の身体はケーキと化していたのだ。そんな中、外が騒がしく感じて窓から覗く。
路上に悲鳴を響かせて逃げ惑うケーキ人間たち。それを追う町民たち。思わず身を退くとベッドに尻餅をつき、TVのリモコンが作動した。映し出されるローカル放送。
『本日未明、町の食料が忽然と消えて、人々がケーキと化す超常現象が起きています。町は逃げ惑うケーキ人間と、食べようと襲い掛かる人間でパニック状態です。皆さん、落ち着いて下さい。彼らはケーキではありません。我々と同じ人間なのです』
食料が消えた町で、ケーキと化した人間と普通の人間(イーター)が、生き残る為に闘う。
クリスマス後にお届けする。お子様も大人も安心して観れるナンセンスサバイバルコメディホラー。
あなたはケーキが好きですか? 友達(恋人)とどっちが好きですか?
●設定と演技に関して
・ケーキ人間:何故かフルーツやチョコなどデコレーションされているタイプもあるようです。
基本的に全裸にプロポーションが分る程度にたっぷりの生クリームを塗って演じて頂きます。これは衣服を着ると汚いクリーム塗れで人間と判別できない事と、セクシーさを損なうからです。設定的には身体に纏ったものは何故か腐食してしまい服が着れないとします。因みに何故か首から上はクリームが付いていません。
映像ではCG加工するので安心して下さい。食べられるシーンも合成で血が出たりお腹のものがハミ出したりしません。
・イーター:ケーキ化しなかった人間で、ケーキ人間の一部はそう呼びます。
食料が消滅した為、ケーキ人間達を食べるべく襲います。尚、食べてもケーキ化する訳ではありません。
尚、町から外へ物資補給等は考えないとして下さい。ナンセンスコメディですから☆
●募集区分
・ケーキ人間(主人公):女性1名
予告編に登場した主人公です。主に序盤の戸惑いと動揺を演じて頂きます。割と常識人です。
・ケーキ人間:性別不問1名〜
主人公と関わるケーキ人間です。悲観する者もいれば、大好きなケーキになって喜んでいる者など様々です。
・イーター:性別不問1名〜
主人公たちを食料と見なして襲います。町程度で収まる組織や集団、単独でもOKです。ケーキ人間と関連付けしておくと物語も盛り上がるでしょう。
・脚本:役として登場頻度を抑える方は、脚本構成して頂く事が可能です。1〜3で全体進行を纏めて下さい。但し相談なく単独で進行させた場合はアクターを尊重します。
●基本構成
予告編を序章に生き残る為のサバイバルが展開されます。食べられ役は何番目に誰に食われるか、食べる役は誰を食べるか打ち合わせて下さい。物語は主人公の結末で終わります。
この超常現象の発端や状況を解決する必要はありません。怖さとバカバカしさをメインに構成して演じて下さい。
●演じる為に必要な書類項目
・配役:ケーキ人間(主人公)/ケーキ人間/イーターから選択。
・役名:登場人物の名前です。本名で出演してもOK。
・設定:どんなタイプ(設定)のキャラクターを演じるか明記して下さい。
・関連:登場人物との人間だった頃の関係です。無くても構いません。
・補足:その他アピールしたい事があれば記して下さい。
・行動や演出、台詞などを以下の構成に沿って記して下さい。
1:サバイバルの始まり。
2:食べる者と食べられる者(食べられる順番がそのまま展開順となる予定)。
3:ある少女の場合(エピローグに収束させて下さい)。
4:メイキング(フイルムに余裕ある場合、生クリームの感想や心境など流れるかも)。
●サポート関連:衣装作成/脚本協力など。
「‥‥また低俗な物語ですね、監督」
「ふふっ★ 褒め言葉として受け取るわ。TVで放送できるゾンビ系の完成よ! スプラッター無しでお色気アリ!」
「でも監督‥‥全身タイツでも良いんじゃ」
「つまらないわ。見えそうで見えない所がいいんじゃない。それにケーキ人間になった複雑な心境も表情に顕われると思うわ。でも根本は別よ! 食うか食われるか! 以前の人間関係が立場によって変わる現実! そこに葛藤などの感情はあるのか? 感情のないゾンビじゃ出来ないテーマよね♪」
「ナンセンスコメディですよね? 監督‥‥」
●リプレイ本文
●食うものと食われるもの
―Cake(case)1
「どうしたらいいの‥‥? クリームとスポンジを全て落としたら‥‥ううん、完全にケーキになってたら、体が全部なくなっちゃう」
シャワールームに逃げ込んだユキは、鏡に映った生クリーム塗れの肢体を見つめながら動揺の色を浮かべていた。するとノックの音。美少女は豊かな膨らみをぷるんと弾ませ、微笑みを浮かべる。
「サツキ、治療法が見つかったの?」
ドアが開き、友人が姿を見せた。コクンと喉を鳴らした刹那、サツキの手から本が落ちる。
「私、ずっと前から貴方の事を‥‥食べちゃいたいと思っていたの!」
切なそうな表情で詰め寄る娘。ユキは魅惑的な肢体を庇いながら身を退く。
「サツキ!? 正気になって!」
「大丈夫、痛いのは一瞬だけだからッ」
首筋に噛み付こうと一気に飛び込むと、少女はスルリと躱してドアへ駆け出す。
「いやあっ! はぁんッ」
再び襲い掛かりユキの腕を引っ張ると、生クリームを舞い散らせてスポンジ化した左手が千切れた。構わず逃げる中、サツキがケーキと化した腕に齧り付き、恍惚とした微笑みを浮かべる。
「美味しい☆」
―Cake2
「うぅん‥‥」
霞む視界に映ったのは床にグッチャリと落ちたケーキだった。うつ伏せに倒れたのだろう。自分の生クリーム塗れとなった腕が見える。カレンが起き上がると共に視界が上がった。
「やだ、私ったらケーキを作っていたら倒れてしまったのね。手が生クリーム塗れ‥‥えっ?」
ペタンと座り込んだ美少女は驚愕に戦慄く。一糸纏わぬ肢体は白い生クリームに包まれていたのだ。赤い瞳が震える中、足音に視線を流す。
「カレン! 大変だよ。町から食べ物が‥‥っ!?」
「あ、あなた‥‥これは、えっと‥‥」
一瞬にして石化された如く固まる青年。気持ちは分る。愛らしい幼妻が裸体をクリーム塗れにして恥らっていれば、誰だって驚く。何も知らなければ営みの趣向かと興奮したかもしれない。だが、アキラは報道で全てを悟っていた。
「あぁッ、カレン! 何てことだ! キミがケーキ人間になってしまったなんてッ!」
「ケーキ人間? 私、ケーキになっちゃったの!?」
―Cake3
「OH! Goddamn! Jesus Christ!! No! No!!」
ガンショップの中、巌岩要塞の如き筋骨逞しい男がゲシゲシと壁や床に頭を打ち付けて悶えていた。鈍い音と共に鮮血が弾け、傍から見れば、見ぬ振りをしたくなるか病院に連絡したい光景である。幸い店内に『今はもう』客がいない。
「ハァハァ‥‥」
パックリと割れた額から血を滴らせ、眼光を見開く。白いTシャツから窺える鍛え抜かれた腹筋に手を当てれば、空腹感を訴える情けない音が鳴った。ドタドタと四つん這いで動き回り、横たわったクリーム塗れの脚を見つめる。無駄に爽やかな顔を近付け、あんぐりと開いた口を寸でピタリと止め絶叫。
「Noーッ!! ブラザーを食べるなんてミーには出来ませえぇんッ!!」
どうやら魂のブラザーを気絶させたものの、理性と本能の狭間でせめぎ合いを続けているらしい。しかも、筋金入りの甘党人間だが筋肉の為に制限していた為、食い散らかしたい衝動に拍車が掛かっていた。M・Jは再び壁や床に頭を打ち付けて悶える。
―Cake4
『彼らはケーキではありません。我々と同じ‥‥』
「ショーンも、ケーキになってるかな?」
薄暗い部屋で報道を途中で消し、ゴスロリ衣装の娘が抑揚のない声を紡ぐと、腰をあげてドアを開ける。
「美味しいケーキだと良いな‥‥」
その頃、少年は混乱と戸惑いも露に、物陰へと身を隠しながら町を歩いていた。映し出された細い後姿は素っ裸。所々に刻んだチェリーの実が生クリームに混ぜ込まれており、真っ赤なチェリーの果実もそのまま飾られている。格好つけたいお年頃には情けない姿だ。ショーンの瞳に恋人が映る。
「サティ! あー良かった無事だったんだね。って何なんだよこれは! 俺どうかしちまったのか!?」
「ショーンも、ケーキになったんだ‥‥あぁ、ショーン☆」
恍惚とした笑顔を浮かべると、サティは近付いて来た少年に抱き付いた。抱き合う事も許さなかった彼女の熱い抱擁に、ショーンが照れながら腕を回す。
「お、おう‥‥」
「私は、ショーンが大好きだよ‥‥だから、誰にも渡さないの♪」
薄っすらと瞳を開き、少年の首に口を開くサティ。ショーンの生クリームに熱い吐息が吹き掛かる。
●分かつ世界で愛を叫ぶ
―Cake2
他人に食われる位ならいっそ自分が‥‥。
アキラはカレンの背後から襲い掛かろうとしては思い止まる事を、壊れたビデオの如く繰り返していた。一方の幼妻は気配にピクンと肩を跳ね上げるものの、逃げる気配はない。耳に流れるは啜り泣く夫の嗚咽。少女は彼に向き直り、苦悶する青年に濡れた眼差しを上げる。
「あなた‥‥私を食べて。ちょっと甘いけど‥‥人一人分ですもの、お腹いっぱいになれるわ」
「カレン‥‥違う意味でもキミを食べたいさ! でも‥‥」
「いいの! お腹をキューキュー鳴らして苦しそうな姿はもう見たくないわ! ただ、せめて大好きなチョコでトッピングしてもらえるかしら?」
視線を逸らして頬を染める幼妻。アキラはコクンと喉を鳴らした。
「分かったよ、秘蔵のチョコレート板や砂糖菓子にローソクでトッピングするからね」
息を荒げながら、震える手でカレンの裸体を飾ってゆく夫。
「んッ☆」
「ごめん、痛かったかい?」
「‥‥ううん‥‥何だか変な感じがして‥‥あは、チョコの香りがいっぱいね。見て、私綺麗かな‥‥?」
「今までで一番綺麗だよ‥‥カレンッ!!」
唇を重ねて覆い被さると、アキラは彼女の全てを味わうように至る所に口を運んだ。
「んんッ、あなたの、はぁんッ、食べてる顔が見れて‥‥嬉‥し‥☆」
―Cake3、4
「グッドです! スゥイィィートです! デリシャスブラザーーッ!!」
遂にM・Jは空腹感に負け、解き放たれた如く魂の兄弟を貪り食らっていた。
刻を同じくして――――。
「ちょ、ちょっと待て、お前バカだろ! こんな時に冗談言ってる場合か!」
危険を察したショーンが逃げる。サティは泣きそうな顔で愛情に訴えかけて追う。
「ショーンは、私が嫌い?」
「き、嫌いじゃないけど、ってかお前も俺が好きなら食うなよ! 化けて出るぞ!?」
近くにあったピコハンを拾い、振り回しながら後ずさる中、軽やかな音と共にサティがよろめき、咄嗟に手を握ってしまう。涙に濡れた彼女の瞳がキュンと胸を突いた。ピコ☆ と音を鳴らして玩具が路上に落ちる。
「くっ! そ、そうだよな‥‥恋人を助ける為に食われるなんて‥‥男前だよな‥‥そうだっ、お前に食われるならいいかもしれない!」
爽やかに両腕を広げてサティを受け入れる。「あぁ、ショーン!」と呼びながら飛び込むサティの開いた口に、少年は音速で我に返った。
「いいわけあるかー!! あ〜〜」
しかし、ケーキと化して脆くなったのか、そのまま押し倒されてしまう。クリームに塗れるサティが艶かしい。
「一人じゃ、食べきれないかも‥‥でも、頑張るからね‥‥♪」
「まッ、そこは俺の‥チェリー‥‥はうぅッ」
―Cake1
「なんで逃げるの‥‥? どうせ治らない病気なんだから、いっそ私と一つになりましょう‥‥」
ここにも一人、錯乱気味な事を口走りつつ獲物を探し回る娘がいた。ユキは公園の茂みに隠れてサツキが通り過ぎると胸元に手を当て安堵の息を吐いた。刹那、茂みに飛び込んで来る人影。
「みぃつけた♪」
不気味な程爽やかに微笑むサツキから、慌てて胸を弾ませ走り出す。しかし、公園は既にイーターに取り囲まれていた。M・Jも美味しそうな獲物に白い歯を輝かせる。その時だ――――。
「あぁ、美味しいよカレン‥‥この辺の膨らみなんか最高‥‥? なんじゃこりゃー!?」
喘ぐ幼妻を貪るアキラの衣服は溶け、自分もケーキ化していた。その現象は例外なく町の住人に降り掛かる。夥しいケーキ人間と共にサツキがユキに迫ってゆく。
「見て☆ 私も貴方と一緒になっちゃった‥‥お互い貪り愛し合いましょう♪」
――そんなに‥‥たべたいの‥‥?
●CAST
「ヌードっぽい女せ‥もとい、ケーキ人間とは素晴らしい! 真剣に仕事に取り組む為にも、メイクから見学させて貰いましょう。特に女性が素肌にクリームを塗りたくってる所なんかこう‥見えないかなあ♪ うわ!」
*アキラ:鍵穴から覗いて仰け反る北沢晶(fa0065)
「ほれ北沢殿、妾の裸同然の姿、存分に堪能するが良いぞえ♪」
*サツキ:惜しげもなく魅惑的な肢体を晒す各務・皐月(fa3451)
「誰かドアの外にいるのかな? ん☆ 美味しい♪」
*カレン:手にべったりと付いたチョコクリームをぺろりと舐める桐沢カナ(fa1077)
「クリーム塗れって、なんだかえっちー」
*サティ:ミステリアスな演技から一変して屈託なく笑う由比美紀(fa1771)
「‥‥親には見せられないですよ、これ」
*ショーン:恥ずかしそうに笑うシーザー・N(fa4450)
「OH! ハプニングが残念デス」
*M・J:眉をハの字にリアクションするジョニー・マッスルマン(fa3014)
「なかなか出来ない経験ですね。きちんとCG処理してもらえるんですよね? きゃあん☆」
*ユキ:クリームが流れて慌てて豊かな胸を庇う際どい瞬間の御神・由希(fa2137)