ゾンビvs水着ガール3南北アメリカ

種類 ショート
担当 切磋巧実
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 9.4万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 10/13〜10/17

●本文

●正式タイトルLivingDead vs SexyGirl 3
 ――あの惨劇から1年
 アメリカの町を惨劇へ塗り替えた死霊の群れは増殖の一途を辿っていた。
 世界の死霊侵蝕を制限するべく、ゾンビ地帯と化した地域は『デッドセグメント』と呼ばれ、軍による管理下に置かれる状況である。
 しかし、この事実はパニックを抑えるべく、民間人には殆ど知らされていなかった‥‥。

●惨劇の舞台はリゾート地の離島
 主人公達はバカンスを愉しむべく離島のリゾート地へ訪れる。
 燦々と陽光が照り付けるパラダイスは開拓が為されたばかりで自然豊かな島で、一部のセレブ級に用意されたと例えても過言ではないだろう。
 しかし、デッドセグメントから逃れた死霊は海を渡り、パラダイスに近付いている事など、誰も知る由はなかった‥‥。

●監督が用意したプロット(相談により変更OK)
・Scene1:集う人々
 お嬢様学園のセレブなクラスメイトの提案と招待で、少女達は自家用ジェットで島を訪れる事になる。
 早速ホテルにチェックインを済ませ、海水浴を愉しむ少女達。
 遠泳が得意な少女Aは沖まで泳ぐと、デッドセグメントから逃れた死霊に足を掴まれ襲われてしまう。何とか抵抗して逃れるが、足首を噛まれた事で災いの種になる事を彼女は知る由もなかった。

・Scene2:侵蝕の種
 死霊に襲われた少女Aはホテルで体調が悪くなる。ホテルの医者は風邪だろうと判断し、少女も自分の所為でバカンスが台無しになるのを危惧し、懸命に我慢するのだった。
 翌日、自分に構わずバカンスを満喫して欲しいと告げる少女に応え、看病を引き受ける少女Bを残して海へ赴くお嬢様たち。しかし、少女Aは急に悶え出し、少女Bの首筋に噛み付く。
 死霊と化した少女はホテルを彷徨い、遭遇した客や従業員を襲い始め、ホテルの周囲は死霊の群れに侵蝕されるのだった(登場人物によりカットされる場合があります)。

・Scene3:お嬢様とクラスメイトは個性派
 砂浜で寛ぐ少女達の瞳に映るのは死霊の群れ。セレブなお嬢様たちは持参した銃や刀、または己の体術で奮闘する事となる。しかし、多勢に無勢、次々と少女達が襲われる中、軍用ヘリが飛来。
 救いを求めるものの、ヘリは降下する気配を見せない。その時、ヘリの下部から何にかが落下する。
 それは重厚な装甲に覆われた一人の兵。言葉を発さず次々と死霊を葬るが、その動きと風貌は死霊に酷似していた。アンデットソルジャーは、噛まれたり腕を引き千切られても苦痛の色もみせず攻撃してゆく。
 そんな中、ようやくヘリは降下。奮闘するアンデットソルジャーを残し、生き残った少女を救助するのだった‥‥。

・Scene4:救出とその後
 ヘリに乗っていた士官らしき人物に訊ねると聞かされる現実。既に世界各地で死霊侵蝕は続いており、収拾がつかない状況である事。アンデットソルジャーは、軍の研究により死霊に処置を施し開発された事。元々死体を戦力として運用するべく開発されたウイルスは、死霊の凶暴化により破綻したかと思われたが、この凶暴性を逆手に取った結果だったのである。
 つまり、デッドセグメントとして死霊を隔離している事は、サンプル収集と実験施設をかねていた訳だ。味方に安全で独自識別して敵を葬るタフな兵士は、軍の望む商品だろう。
 その実験も兼ね、ヘリは降下を遅らせたのである。
 聞かされた事実に少女達は驚愕と戸惑いを浮かべた。仕官は注射器を取り出す。

*この展開は2のエピローグに酷似しますが、アクターに軍が絡む場合のプロットです。
 水着少女達の奮闘で終わらせても構いませんし、自家用ジェットで脱出でも問題ありません。

●募集区分
 ゾンビに襲われて、やられちゃう場合は順番を明記して下さい。

・クラスメイト:(複数OK)
 本編を彩る水着ガールです。主人公グループはクラスメイトという設定ですが、メイドや引率者も水着で登場する場合はコチラに入ります。招待という事で、セレブでなくても構いません。

*記入用紙
 役名:演じるキャラの名前です。芸名でもOK。
 性格:演じるキャラの設定です(招待したお嬢様かクラスメイトか区別して下さい)。
 水着:どんな水着を着けるか決めて下さい。
 武器:ゾンビと戦う時に使用する得物です。
    実在する格闘武器〜射撃武器までOK。何故か日本刀なんかも用意されていたりします。
 演技:要の部分です。シーンごとに登場場面を演出して下さい。台詞歓迎☆

(水着ガールA:1名)
 序盤で襲われる少女です。少女Bを襲いますので、打ち合わせに差異が無いよう努めて下さい。中盤以降ゾンビとして登場します。
 記入用紙:武器項目以外適用。

(ガールB:1名)
 ガールAに襲われます。打ち合わせに差異が無いよう努めて下さい。中盤以降ゾンビとして登場します。
 記入用紙:武器項目以外適用。

・来客or従業員:(性別不問・複数OK)
 ホテルで中盤に襲われる人物です。それほど必要な人物ではない為、アクターがいなければカットされます。中盤以降ゾンビとして登場します。
 記入用紙:水着・武器項目以外適用。

・執事や少女達と親しくなる人:(性別不問・複数OK)
 少女の執事、来客や現地人ですが、それほど必要な人物ではありません。メイドがいるなら執事も‥‥な感じです(笑)。
 記入用紙:水着は適用しても構いません・執事は武器項目適用して問題ありません。

・軍人orアンデットソルジャー:(性別不問・各1名)
 軍用ヘリシナリオの場合に適用される人物です。クライマックスに登場します。
 記入用紙:水着項目以外適用。

・前作(vs1、2)までの生き残りガール:(複数OK)
 2で予定されていたプロットとなり、記憶を消されたまま半永久カードによりホテルで暮らしていたという設定です。序盤に主役と知り合う等、適度に演出して下さい。武器所持でも構いませんし、借りるのも問題ありません。
 記入用紙:全て適用でもOK。

・ゾンビ:(1名・性別不問)。
 簡単な短い単語と呻き声が基本。序盤でガールAを襲うゾンビです。水着ガールAと打ち合わせに差異が無いよう努めて下さい。いない場合はガールAの演技に合わせてエキストラが務めます。
 記入用紙:水着・武器項目以外適用。

・その他:(複数OK・性別不問)。
 プロット変更等の場合、物語を面白く出来る配役も募集します。

☆尚、TV作品なので臓物描写はNGです。
☆私服は性格設定に付け加えても構いませんが、尺の都合でカットされる場合もあります。

●今回の参加者

 fa1170 小鳥遊真白(20歳・♀・鴉)
 fa1771 由比美紀(20歳・♀・蝙蝠)
 fa1790 タケシ本郷(40歳・♂・虎)
 fa2137 御神・由希(17歳・♀・ハムスター)
 fa2378 佳奈歌・ソーヴィニオン(17歳・♀・猫)
 fa2552 守山脩太郎(45歳・♂・竜)
 fa3776 コーネリアス・O(32歳・♂・猿)
 fa4020 ロゼッタ・テルプシコレ(17歳・♀・犬)

●リプレイ本文

●サミィ監督はアクターを指差し数えた。
「ふふ‥これが私の最後の作品ね‥」
 闇に堕ちない事を祈る――――。

●はじまり
 ――蒼穹の中、自家用ジェット機が白い雲の上を滑空してゆく。
 後方から覗く窓に次々と少女達の寛ぐ光景を映し出し、外を物静かに眺めるニコル(ロゼッタ・テルプシコレ(fa4020))を捉える。はしゃぐ声を背中に、金髪の愛らしい美貌は穏やかだ。
「間もなくです皆様方」
 壮年の男が紡ぐ落ち着いた声が流れ、少女が青い瞳を向ける。操縦席に捉えたのは執事を務めるコーント・東上(タケシ本郷(fa1790))の背中だ。
 機体は雲間を抜け、自然豊かな南国の島へ降下してゆく――――。

 LivingDead vs SexyGirl 3

「綺麗な空に海。さあ、存分に楽しみましょ♪」
 ビーチで水着姿のニコルが微笑む。黒いフリルのあしらわれたビキニから覗く胸の谷間は肉感的で艶かしい。水着に彩られたクラスメイトの少女達は招待してくれたお嬢様に応えると、海水浴を満喫してゆく。穏やかに眼差しを和らげる中、ガッシリとした肉体美を褌に包む東上が微笑ましく見守る。
「さ、二コルお嬢様もお楽しみ下さい」
「そうね。皆さんの事をお願いします」
 少女は上品に駆け出し、露出の際立つハイレグの黒い競泳用水着姿のカーラに辿り着くと、二人でエメラルドグリーンの海に飛沫を散らせた。執事の眼差しが追う中、競うように沖へ泳いでゆく。
 ――陽光が虚ろ気に映る海中を少女達の肢体が掻き分ける。
 視界はゆっくりと泳ぐようにハイレグの脚に近付いた。
「きゃっ!?」
 カーラが短い悲鳴と共に一瞬沈む。親友が溺れ出したので、二コルは慌てて傍に寄った。
「どうしたの? んぁッ!?」
 刹那、愛らしい風貌が引っ張られるように海中に消える。気泡と共に眼下に捉えたのは、ぼんやりと映る人のような影。必死の抵抗で足掻き、掴まれた足から手を払い除けると、カーラと共に海岸へ戻ってゆく。肩を二コルに支えられた少女の姿に、友人達と東上が駆け寄った。
「もう、最低の気分よ‥‥ウツボか何かかしら‥‥」
「コーント、彼女をお願い。足を噛まれたみたい‥な、の」
 力尽きた二コルが気絶する中、少女の名前を呼ぶ執事の声が暗転した視界に響く――――。

●侵蝕
「うぅん‥‥!?」
 少女はホテルのベッドで目覚めた。どうやらそのまま医務室に担ぎ込まれたらしい。視界を泳がせる中、捉えたのは隣のベッドで苦悶の呻きを洩らすカーラと看病を担う項垂れた少女の背中だ。椅子に坐ったまま疲れて眠ったと察したのか、二コルが近寄る。
「大丈夫? 水でも貰って‥‥! どうしてカーラの口に血が‥‥きゃあッ!」
 驚愕する中、看病していた少女の首から滴る鮮血が床を鳴らす。刹那、突然少女が凶悪な形相で襲い掛かった。懸命に喰らいつこうとするものの、何とか凌いだ二コルが部屋を飛び出す。
 ホテルの通路を駆けてゆくと、白の紐ビキニ姿も魅惑的な美少女を捉える。vsフリークには懐かしい由希(御神・由希(fa2137))だ。二コルの後姿を見送る中、美少女の背中に女の声が飛び込む。
「随分無防備な姿でいるわね」
「私はここに住んでるんです。ホテルの屋内プールで泳いでいて、なぜか身体を鍛えておかないとって思いがあるんですよ」
 黒髪とたわわな膨らみを“たぷん”と揺らして振り向く由希の瞳に、黒いミニのワンピースに白衣を羽織ったティシャ・ナカサト(由比美紀(fa1771))が映った。凛々しい風貌のクールビューティに、フリークは軍関係のマッドサイエンティストと気付くだろう。
「そう、いい心がけだわ」
 不敵な笑みを浮かべる中、響き渡る悲鳴。何事かと向かうと、緩慢な挙動のカーラがズルリと変わり果てた姿を覗かせた。奥の通路では死霊と化した少女が襲い掛かっている。既に一郭は血塗れだ。
「こ、これって‥‥私、前にも‥‥」
「海も渡れるなんて、予想外も良いとこだね」
 ティシャが白衣から拳銃を引き抜き、戦慄の色を浮かべる由希へ差し出す。
「慣れないものは使わない主義なんだよね〜。記憶が戻ったなら戦闘は任せるよ」
「えっ? あなたは‥‥!? あの時の!?」
 化物との死闘がフラッシュバック。ティシャは携帯無線機で交信を試みる。
「私だけど‥‥そう、例の島でゾンビ化よ、すぐに迎えを。ついでにアレのテストもしちゃおうか」

●死闘
 二コルと東上はホテルを飛び出し飛行場に向かっていた。路上に響き渡るは悲鳴と断末魔。カーラを襲った死霊が上陸したのだろう。既に島は夥しい化物の徘徊する地獄と化していた。
「なんて悪趣味な!」
 射撃が趣味の少女はビキニの胸元を揺らしながら二丁拳銃を撃ち捲くる。次々と襲い掛かる死霊を倒す度、白い肢体が返り血に染まった。そんな中、執事の男が無駄に筋肉を誇示しつつ褌に豪腕を突っ込む。
「こんな事もあろうかと鍛えに鍛えたこの体!」
 引き抜いたのは対戦車ライフルだ。重厚な咆哮を響かせ、死霊を肉片へと変容させてゆく。しかし多勢に無勢。瞬く間に弾が切れると、今度は滾る豪腕に日本刀の刃を煌かす。
「お嬢様、ここは私が血路を開きますぞ!」
 鋭い眼光を背後で銃声を響かせる少女へ流し、軍用アサルトライフルを路上に落とすと、東上は死霊の群れに飛び込んだ。雄叫びと凄惨な響きが溢れる中、血肉が周囲に飛び散る。
「コーント! ‥‥あ、あなたは?」
「私はこっちの方が扱い慣れています」
 執事の置き土産を構え、白い紐ビキニを返り血に染めた由希が不敵に微笑んだ。視線を交錯させて二コルが頷くと、銃声のセッションを奏で捲くる。そんな激闘を隠れながら窺うティシャ。
「へぇ、結構やるみたいだねぇ。‥‥来たわ」
 ローター音に空を見上げる中、軍用ヘリの機影を捉えた。眼下の惨状を部隊長のマルドゥン(コーネリアス・O(fa3776))が冷静に眺める。
「これは凄まじい増殖振りだね。さて、ムナックを試してみるか」
 男が緑色の眼差しを背後に流す。瞳に映るは、リボンをあしらった長い三つ編みの艶やかな黒髪に、お札の貼られた帽子を被っており、ホッケーマスクで素顔を覆い隠した人影。一見、何がなんだか分からないものの、上半身に浮かび上がる二つの膨らみは女性である事を主張していた。
「アンデットソルジャー・ムナック投入! 死霊共を殲滅せよ」
 マルドゥンの指示をパイロットが反復しながらスイッチを押す。ヘリの下部が左右に割れ、無楽=ムナック(小鳥遊真白(fa1170))が地上に落下した。オリーブドラブの軍服の上半身のみ水着という奇抜な衣装の兵士が、ホッケーマスクから覗く瞳を淡く輝かせる。
<最優先=マスター設定による生存者の安全確保‥‥マスター指示=他対象の殲滅‥‥>
 新たに舞い込んだ獲物に死霊が緩慢な挙動で迫る中、無楽が機関銃の洗礼を奏で、重火器の咆哮を轟かせた。忽ちゾンビ共は風船の如く弾け跳び、鮮烈な血の華と化してゆく。マルドゥンのガトリングガンが唸ると共に、降下して来るヘリを由希が捉えた。
「あれはティシャさんが呼んだ軍用ヘリです! 行きましょう!」
「ヘリ? あ、誰か走ってゆく‥‥きゃあッ!」
 気を取られた二コルの背後に迫った死霊が白い肢体に絡みつく。組み敷かれながらも抵抗する中、無楽が肉片を奪われるのも構わず、ゾンビの波を掻き分け助けに向かう。
<生存者の‥安全‥確保‥‥>
「い、いやあッ」
 死霊の歯が柔肌に当たった刹那、僅かに動きを止めたゾンビの首が振り上げた刃によって宙を飛ぶ。
「お嬢様、遅れて申し訳ございません」
「コ、コーント‥?」
 返り血に塗れた執事は少女を抱きかかえ、奮闘する由希へ視線を流すと、上空のヘリと向かって来る無楽を捉える。
「ゾンビの次は死神ですか‥‥。どうやら彼女が道を作ってくれる様子‥皆様、行きますぞ!」
 二コルと由希が無楽の崩す死霊の障壁を反対側から銃声で沈めてゆく。ホッケーマスクの兵士はナイフで切り刻みながら進み、片腕を食い千切られるまで拳を薙ぎ叩き込んだ。少女達と交差する瞬間、ゾンビの攻撃で仮面が割れる。美貌の中で切れ長の眼差しは二コル達を捉え、和らいだように見えた。

●離脱
「なかなかの戦果だね。これなら実用化も近い、かな?」
 生存者を乗せたヘリが離陸する中、孤軍奮戦する無楽を見下ろすティシャが微笑んだ。対面のマルドゥンが、東上、二コル、由希を捉える。荒い息を弾ませる度、ボロボロの水着から覗く胸の隆起がセクシーだ。
「驚いたかね? 彼女は軍の研究により死霊に処置を施し開発されたアンデットソルジャーだよ。既に死んでいる。悲しむ必要はない‥‥さて」
 死霊侵蝕は既に世界各地で続いており、収拾がつかない状況だと説明すると、男は注射器を取り出した。一般市民の知らない現実‥‥そのまま返す訳にはいかない為、記憶を消すと言う。
「私は、従います」
 返り血に濡れた腕を差し出す由希。東上は二コルに眼差しを向ける。
「ここは素直に忘れておいた方が良いでしょう。覚えていても罪悪感に苛まれますので‥‥お嬢様? 大丈夫ですか?」
 仰け反りながら苦悶の色を浮かべ吐息を洩らす少女が弱々しく唇を開く。
「もう大丈夫‥んあぁっ」
 死霊の血に汚れた脚を捉える中、僅かに浮かぶ噛まれた切り傷が蚯蚓腫れを膨らます。
 マルドゥンが二コルの腕を取り、注射針を当てたその時、弾けるように少女は男に噛み付いた――――。