スタブラ 深銀河の銃士南北アメリカ
種類 |
ショート
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担当 |
シーダ
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芸能 |
2Lv以上
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獣人 |
2Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
3.9万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
07/11〜07/17
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●本文
「おらおら、そんなヘナちょこ弾! 鷹の目のJホークに中るわけないだろぅが!!」
敵味方の艦砲の乱れ飛ぶ中、弾幕を掻い潜って共和国連邦カラーの強襲揚陸莢が、細かく軌道を変えながら光の矢のように帝国艦隊に突っ込んで行く。
「総員、対ショック防御ぉ!!」
ベルトで座席に固定された男女が、ニヤリと笑って何かを狙う視線をギラギラとさせている。
ガガンッ!! パリィイン!!
ジブッ、ジブジジジイイ‥‥
ギュィィイイイン‥‥
帝国艦の装甲版をへし曲げ、高熱で溶かし、突入した強襲揚陸莢の突入ボルトが開くと、装備もバラバラな武装集団が艦内へ突入してくる。
「貴様ら! アストロスターどもか!!」
帝国兵ブラストトルーパー小隊のエネルギーガンが通路壁を焦がした。
「うるせぇ! 俺たちは、国家なんて窮屈なものに縛られたりしねぇ!」
着弾を避け、身を隠すついでに、アストロスターのコスモブラスターが帝国兵の胸の装甲板を焦がす。
「そうさ、信じる者のために戦うんだ!!」
アストロスターたちの猛烈な反撃と、正確な射撃に、一瞬でブラストトルーパー小隊は全滅した。
『敵兵力の艦への侵入を確認‥‥ 迎撃を開始し、即時殲滅せよ。進入エリアの隔壁を一時的に閉鎖』
艦内放送により、隔壁が降りるが、アストロスターたちは鼻で笑うだけ。
重エネルギー凝集銃コスモバスターを担いだ熊の大男は、ゴーグルを下げて、目に当てると、反動を押さえ込んで迷わず撃つ!!
隔壁の反対側にいた帝国兵は、どろりと解けた扉が爆発するのに巻き込まれて数人が吹き飛んだ‥‥
〜 スターブラスター・EP6 逆襲のジュダス より 〜
ハミルトン・フィルムのジョーイ・ブラッドストン監督作品・スターブラスター。
その人気といえば、やはり、ゼンの騎士・ジュダスナイトたちの光剣スターブラストセイバーによる殺陣が挙げられるだろう。
一方で人気の一翼を担うのが、アストロスターたちの煌めく光銃コスモブラスターによる銃撃戦である。
辺境惑星での西部劇のようなエピソードがあるかと思えば、星系主要惑星でのガンアクションのエピソードからハードボイルドなエピソードまで、シナリオタイプは多種多様。取り扱いの容易さから、同人の世界で最も活発な分野といっても過言ではない。
今、ブラッドストン監督は、スターブラスターを題材として、自身のやりたかった作品を撮ったり、後輩の育成のために作品監督を任せたりしている。
今回の作品タイトルは『スターブラスター外伝 深銀河の銃士 〜 飢狼、星辰に死す 〜』。
親友だったアストロスターに伴侶を殺され、その上、強盗の罪を着せられたアストロスターの話。
服役を終えた主人公は、選りすぐりのアストロスターたちを仲間に、かつての親友率いる傭兵集団に復讐の戦いを挑む。
‥‥というもの。
監督は若手でアクションアクター上がりのダニー・ダンカン。
キミたちは、限定上映館によるテストショットの役者として彼の元に集った‥‥
●リプレイ本文
●シーン・酒場
ぎぃっ‥‥
軋むような音を立て、スイング・ドアが開く。
鷹の獣星人が酒場のカウンターに座り、軽く手を上げると煙草に火を着けた。
カラン‥‥
「変わらないな‥‥ ここは」
「ウィル。ようやく‥‥出られたか。ここも‥‥」
鷹の獣星人・ウィルことウィリアム=ゴードン(役者:片倉 神無(fa3678))が、バーテンダーを軽く手で制すと、バーテンダーは口を閉じ、グラスを拭き始める。
その静寂を破る者が1人‥‥
「兄貴‥‥ 探したぜ!」
長髪で背の高い、がっしりとした体格のサングラスの鴉の獣星人が隣に座るが、ウィルは身じろぎもせず、酒で喉を潤している。
「シマツリか。久しぶりだな」
「本当さ。また、傭兵やるんだろ? 宜しく頼むぜ、兄貴」
シマツリ(役者:志祭 迅(fa4079))はサングラスをずらし、ウィルの目を見るが、心がないようにグラスを傾けるだけ‥‥
「兄貴が頭を張ってた頃は良かったぜ。嫌な奴らの仕切りで働かないで済んだからな」
鋭い視線を流すシマツリに、ウィルのグラスを傾ける手が止まる。
「奥さんが死んで、兄貴が刑務所に入れられ‥‥ ヤツがこの辺りの傭兵を仕切るようになっちまった」
寂しそうな視線でグラスに口を付ける。
「ユージン・グレス‥‥ 今は、あいつが、ここらの傭兵の束ね役さ」
シマツリの言葉で、ウィルの手がピクッと動き、深く静かに溜め息を吐いた。
「アストロスターは集まるか? それに、武器と情報がいる」
「あいつに恨みを持ってる奴は五万といますからね。仲間は心当たりが何人か。武器の調達と情報収集は任せてください。それからこいつを‥‥」
「これは俺の‥‥」
「スペルのキャストはしてあります。昔のままに」
無骨だが精錬されたデザインのコスモブラスターとホルダーを手に取り、ウィルは初めてシマツリの目を見た。
「すまんな。タダ働きになるぞ」
「報酬は兄貴の復讐でいいさ」
コトン‥‥
カウンターを滑るグラスをシマツリが取り、2人は小さく乾杯した。
●傭兵団
ビシャー‥‥ ビュム‥‥
光線が飛び交っている‥‥
「くそっ‥‥ 先手を打たれた!」
駆けつけたシマツリが抜くのと同時にウィルもコスモブラスターを抜いた。
「くそっ! 他にも仲間がいたのか!!」
挟み撃ちにあった一団は、猛烈に反撃をしてくる。
「援護しろ!」
跳躍と共に羽ばたいたウィルは、空中で連射!
撃たれた敵が態勢を崩したところへ、シマツリの銃光が命中し、ごろつき風の男たちがバタバタと倒れる。
頭から落ちるように空中で軌道を変え、ウィルは敵の懐へ飛び込んで零距離射撃で止めを差してゆく。
「セイバーキッド、生き残りは?」
「俺とスターファルコン号は大丈夫。他の生き残りは少ないみたいだな。あんたがウィルか?」
「そうだ。助勢に感謝する」
「あいつらには追われてたからね」
セイバーキッドと呼ばれた、テンガロンハットとポンチョ風の対レーザー・マントの似合うリスの獣星人の少年・トシロー・ユウキ(役者:勇姫 凛(fa1473))は、ウィルと握手した。
「レナス、生きていたか」
「危うく死ぬところだったわ」
「彼が話していた兄貴だ」
「そう」
シマツリに紹介された兎の獣星人・レナス・レヴァンティン(役者:シヅル・ナタス(fa2459))は、冷たい笑みを浮かべている。
「新型ブラスターの実戦データは取れたけど、まだ不足しているわ」
「死の商人か‥‥」
「よく言われるわ」
眉を顰めるウィルの言葉を流して、レナスは携帯端末を操作し始めた。
●砦
「失敗したか。まぁ、いい‥‥」
猿の獣星人・ユージン・グレス(役者:コーネリアス・O(fa3776))は自嘲気味に鼻で笑った。
机の上の雑多な荷物が崩れ、ノイズの入ったホログラムには、若きウィルとユージン、そして1人の女性の姿があった。
『思い出せば小さな嫉妬の積み重ね‥‥
あんな目に合わせたのは俺を、お前は許さないだろう‥‥
スクールでの成績‥‥ スポーツでの勝負‥‥
決定的だったのは想いを寄せていたスクエアに会わせてしまったことだな‥‥』
気配を感じ、ユージンはホログラムを消した。
「どうしたの?」
さっき映っていた女性と同じ顔、同じ体型の女性が部屋に入ってきた。
「マリアン‥‥ 何でもない」
「スクエアって女のこと思い出してたんでしょ? なら、私を愛して」
竜の獣星人・マリアン・ベル(役者:十六夜勇加理(fa3426))の問いにユージンは答えようとはしない‥‥
●突入
〜 中略 〜
スターファルコン号で降着ハッチに突っ込み、レーザー・ターレットの迎撃コマンドを立ち上げたセイバーキッドは、一足先に強襲をかけたウィルたちの後を追う。
「悪いが、邪魔をする奴は誰だろうと排除する! 正規軍だろうが、なんだろうがな!!」
ウィルやシマツリの射撃が傭兵たちを薙ぎ倒していく。
「銃の腕に自信の無い奴は後方に下がれ! それ以外の奴は、俺に続いて兄貴を支援するんだ!」
シマツリが叫ぶ!
コスモブラスターの光弾だけでなく、試作の高エネルギー収束銃コスモバスターやスターファルコン号の対空レーザーなども乱れ飛び、戦場の明度が一気に上がる。
「突っ込むぞ! 狙うは宿敵の首1つ!!」
「ヤツさえ倒せば終わる! 3名は、この地点を確保! 残りは続け!!」
最後の敵を倒すか倒さないかのタイミングで、ウィルは翼で軌道を変えながら通路に突っ込み、シマツリらも続く。
場所は変わって、コントロール・ルーム‥‥
マスクをした赤の戦闘宇宙服の狼の獣星人に付き従うように、緑の戦闘宇宙服を着た者たちが2人。
「戦いは常に二手三手先を読むものだ。ユージン、何故、子飼いの兵を使わぬ」
「シャルル殿、手応えのない敵に重装備を用いても意味はありません。傭兵は売り込みどころを弁えなければ意味がないのです」
「暗黒騎士団への売り込みという訳か」
「そうです」
「ならば我らは手を貸さぬ」
「御随意に」
赤の戦闘宇宙服に身を包んだシャルル・アスラ(役者:ディノ・ストラーダ(fa0588))に不敵な笑みを浮かべる。
ユージンの後ろには、暗紫の戦闘宇宙服を着けた者たちが集まっている。
シャルルらの戦闘宇宙服に比べ、スパイクもシールドも付いていないが、使い込まれた無骨さを感じさせる。
「行くぞ」
ユージンの声に彼らは一斉に従った。
●戦
センターホールまで辿り着いたウィルたち。
「戦線を維持できません! 増援を!!」
一般的な防弾ジャケットを着けた敵傭兵たちは、新型ブラスターの前に倒れていく。
「ゴミは死になさい」
「HEY! Let’s Dance! with me!!」
奥の通路から2つの影が現れ、マリアンの二丁拳銃と一角の獣星人・J(役者:ジョニー・マッスルマン(fa3014))のコスモブラスターが閃光を放つたび、数人ずつ爆光と共に吹き飛ばされていく。
「兄貴は先に行ってくれ! ここは俺たちが!!」
「すまん!!」
シマツリたちの援護射撃が迸る!
「待ちなさい、ウィル」
「兄貴とヤツの勝負を邪魔させるな!!」
援護射撃を掻い潜り、戦闘宇宙服に被弾しながらも、マリアンは通路に飛び込むウィルを追う。
「俺を忘れては困るZE?」
「くそっ‥‥ 態勢を立て直す!」
1人、2人と倒れていく仲間たちを放ってはおけず、シマツリたちは足止めをくらうのだった‥‥
センターホールの通路を抜けると部屋になっていた。
トラップをかわすと、人影が現れる。
「久しぶりだな‥‥ ムショじゃ可愛がって貰えたか?」
「ユージン‥‥」
暫し沈黙が流れる。
「荒れていたお前は、俺の妻を‥‥ 説得に来たスクエアを殺し、俺を眠らせて罪を着せた。その理由が知りたかった!」
「わかるまい。お前には! だがな、今度こそ殺せる。お前は本物の襲撃犯だからな」
訴えかけるウィルに、返答を無視されたユージンは冷めた目で薄ら笑いを浮かべている。
「抜きな‥‥ 全て終わらせよう、俺と、お前で」
ウィルはブラスターを構えた。
「お前は!いつもそうだ! 俺に何の恨みがあって俺を邪魔する!」
「俺がいつ、邪魔をした」
「スクエアが死んだのだって、お前のせいだ。そうだろ? 俺のものになってれば、こんな事には」
「抜け! お前を倒さなきゃ」
「「この先、一歩も進めない!!」」
「ふん、変わらないな。お前が憎い。殺してやりたいくらいにな。だから生き地獄に突き落としてやったのに‥‥」
ウィルの銃口が僅かに下がる‥‥
ユージンが銃を抜き、2条の光が互いの腕を掠めた‥‥
そこに現れたのはマリアン。被弾した戦闘宇宙服の脱ぎ捨て、メットの下から現れたのは妻・スクエアの顔‥‥
「スクエア?」
「ウィル、愛しているわ」
「くっ‥‥ スクエアの姿で騙るな」
半裸で誘惑し、扇情的な視線を投げるマリアンに、ウィルは銃口を突きつけた。
「さて、貴方に私が撃てるのかしら?」
苦渋の表情を浮かべているウィルに、マリアンは両腕を首に回した。
「それがあなたの限界。ユージンは私のもの‥‥ ククッ‥‥」
右手で左腕を肘から抜き放つと、固定式のサイブラスターを突きつけた。
その瞬間、マリアンの口から血が零れ落ちる‥‥
「スクエアは死んだんだ」
ウィルの目には涙‥‥
●決着
「終わりだな。弾切れだろう?」
シマツリたちはJを追い詰めていた。
「OK、ギブアップだ。降伏する。銃もこの通り、棄てよう」
ブラスターを捨てたJに安心したシマツリたちが、姿を現した瞬間‥‥
「HAHAHAHAHAHA〜〜〜〜〜! WEAPONが手持ちだけだと思った貴様らが馬鹿なのさ!」
指を鳴らすとバックパックが分離し、浮遊砲台と化すと、自動砲撃で乱射し始めた。
「俺の腕を甘くみてんじゃねぇ!」
倒れていく仲間たちに歯噛みしながら、シマツリは砲台のレーザーを撃墜していく。
「さぁ、ここで消えるんDA!」
「そうは、いかないさ! こんなところで負けてたまるかぁ!!」
火を吹くローラーブレイドでダッシュし、迫るレーザーをツインブラストセイバーと対レーザー・マントで防ぎ、避けきれなかったレーザーでテンガロンハットとマントに穴を開けられつつ、セイバーキッドがJに突っ込む。
セイバーを斬り返し、Jの胴を一閃!
制御を失った浮遊砲台が倒れこんだJの上に落ちて爆発を起こした。
そのころ、ウィルは血まみれで地に伏していた‥‥
旧式のブラスターでは戦闘宇宙服に致命傷を与えられない‥‥
「止めだ」
見下ろすユージンの戦闘服の可動部分に僅かな隙間‥‥
ウィルは迷わず引き金を引いた。
どさっ‥‥
「ユージン‥‥ 私を‥‥ 私だけを愛して‥‥」
「スクエア‥‥」
虚ろな目で、最後まで自分を愛してくれなかった男に抱きつくと、マリアンは爆発した。
それを機に傭兵たちは統率を失い、砦の各所で誘爆が続く。
「兄貴、脱出しよう!」
「命を粗末にしないで!」
突入してきたシマツリとセイバーキッドに引きずられるようにウィルは連れられて行った。
「ウィル‥‥ その名前、覚えていてやろう。ジーニ、ストライダー、騎士団に帰還する。レナス」
「わかっているわ、シャルル。新型のデータ収集も終了したし、このステーションのアストロスターはしばらく動けない‥‥ 目的は達成できたわ。御疲れ、ウィル」
レナスは、ステーションのシステムフレームを暴走させ、緑の戦闘宇宙服の2人がマシンガンバスターでコントロールパネルを打ち抜くと、シャルルの後を追った。
傭兵砦の爆発の中‥‥
「俺が作った船で一緒に、この広い銀河を飛びまわろう。そう約束しただろ‥‥ 皆、死なせやしないんだからな!」
操縦桿を握ったセイバーキッドの叫びと共に、スターファルコン号は傭兵砦を離脱していく!
「あばよ、ユージン‥‥」
ウィルらは大宇宙を目指す。
羽ばたく髑髏の紋章に集いし、仲間たちと共に‥‥