わたしはすずめアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 霜月零
芸能 1Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 易しい
報酬 0.9万円
参加人数 8人
サポート 1人
期間 10/18〜10/22

●本文

 たいへんたいへーん!
 ねえねえ、そこのひと、聞いてくださいってば。
 わたしのご主人様がまた悪人に騙されてるんですぅっ!
 ご主人様ってばぼんやりしていて抜けている‥‥げふんげふんっ、人がよくていっつもお金取られちゃうの。
 夜も昼も朝もいっぱい働いてるんだけど、だからご主人様とってもびんぼーなんだよ。
 それなのにわたしにいつもお米くれるの。
 こう、アパートのベランダにわたし用のお米がまかれているのよ。
 わたしはその辺の芋虫さんついばめばだいじょーぶなんだから、その分のお米はご主人様が食べればいいのにぃ!
 え?
 わたしが誰かですって?
 見てわからないですか?
 すずめですよ、すずめ。
 ご主人様はわたしをサブレって呼んでるけど、れっきとした雀なのよ。
 この茶色い羽が何よりの証拠‥‥って、あれ?
 あれあれっ?!
 羽が無い?
 わたし、あなたと同じぐらいおっきぃ?
 ってゆーか、これって人間?!
 うわーん、うそつきじゃないですよぅ、さっきまでわたしは雀だったんですってば。
 あ、でも。
 もしかしてこれって大チャンス?
 大好きなご主人様に恩返しが出来るって感じぃ!
 きっと神様はわたしがよい子だからご褒美をくれたのよ。
 あ、まって。
 あなたどこ行くの?
 ダメダメ、絶対逃がさない!
 ご主人様を助ける為に協力してもらうんだから。
 お願い、一緒にご主人様を助けて!!!



☆出演者募集☆
 ほのぼの特撮ドラマ『わたしはすずめ』は、ある日突然人間になってしまった雀のサブレが、ご主人様を悪者から守ろうと頑張るお話です。

 
主人公:雀のサブレ。女の子。ご主人様大好き。
ご主人様:サブレが愛してやまない貧乏青年。
通りすがりの人:サブレに偶然捕まってしまった人。強引にお手伝いさせられます。
悪い人:ご主人様を騙し(?)お金を取り上げてしまっています。

 ここにない役も、参加メンバーに合わせてどんどん設定OKです。
 そして主人公は一人でなく複数も可能です。
 例えば『ご主人様がベランダにまくお米を一緒に食べていたサブレのお友達も一緒に人間になっていた』などといった設定もできます。
 また、OPではサブレは少女の雰囲気ですが、妙齢の女性でも『ご主人様の好みが大人の女性だったから、サブレの姿も大人になってしまった』などの設定にし、演じることが出来ます。
  
 
☆テンプレート☆
『わたしはすずめ』参加者様は下記テンプレートを埋めてプレイングを送ってください。

役名:演じる役名を明記してください。芸名のままでもOKです。
役柄:希望役柄を明記してください。
性格:演じるキャラの性格を書いて下さい。(例:お人よしだけど実は計算高い、などなど) 
行動:自分のキャラの行動を書いて下さい。
台詞:各シーンで言わせてみたい台詞を演じるキャラになりきって書いて下さい。
 (台詞例)
 挨拶:「ご主人様って、何処のメイド喫茶よ?!」
 主人公に頼まれた時「嫌よ、あたしは仕事があるの。‥‥ああ、もう、泣かないでよ〜」

 *台詞例はあくまで例です。自分の演じる役に合った台詞を考え、プレイングに盛り込んでください。
 *テンプレート以外もどんどんプレイングに明記OKです。  

●今回の参加者

 fa0443 鳥羽京一郎(27歳・♂・狼)
 fa1058 時雨(27歳・♂・鴉)
 fa1628 谷渡 初音(31歳・♀・小鳥)
 fa2564 辻 操(26歳・♀・狐)
 fa2726 悠奈(18歳・♀・竜)
 fa2772 仙道 愛歌(16歳・♀・狐)
 fa2957 ぇみる(19歳・♀・パンダ)
 fa4181 南央(17歳・♀・ハムスター)

●リプレイ本文

●プロローグ
 見渡す限りの白い雲海。
 そこに、一人の女神が舞い降りた。
 稲穂を手に携え、朝日を背に金色の光を纏った女神―― 美穂津姫命(谷渡 初音(fa1628))は、急ぎ集まってきた雀のサブレとチョコに優しく微笑む。
「女神さま、聞いてくださいです。ご主人様が大変なんです〜っ」
「ご主人様というと、いつもそなた達が餌を貰っている人間のことね?」
「サブレちゃんがご主人様と呼ぶ湊さまは、本当に良い方なんだよ。でも、悪い人に騙されているのに、私達は何にもできないんだよ‥‥」
 女神はふむ、と頷く。
「そなた達は、恩返しをしたいのね? それなら、ほら!」
 ふわり。
 女神は手にした稲穂をサブレの上にかざす。
 稲穂から金色の光が溢れ、サブレを優しく包み込み、光がすべて消え去った時、そこには一匹の雀ではなく一人の人間の少女が佇んでいた。
「ええー?!」
 サブレ(南央(fa4181))は突然姿の変わってしまった自分に慌てふためく。
「サブレ。お前に仮の姿を与えましょう。期限は一週間です。今まで湊に受けた恩をこれで返して御覧なさい。
 でも良いこと? 正体が雀である事は湊以外に知れてはなりま‥‥」
「女神様、ありがとうですっ。私、絶対にご主人様を助けてみせますっ!」
 女神が最後まで言い終わらないうちに、サブレは元気いっぱいに地上へと駆け出していく。
「ああ、行ってしまったわ。あんなに慌てん坊さんでは心配ね。‥‥あら?」
 つんつん。
 チョコが女神の裾を嘴でついばむ。
「女神様、私もサブレちゃんを手伝いたいんだよ」
「まぁ、チョコ。そなたも人間になってあの子を追うと申すのですね? 良いでしょう。あの子一人では少々心配ですから、そなたがしっかりとサポートしてあげてね?」
 女神が微笑み、チョコの頭上に稲穂を掲げた。


●ご主人様っ、サブレですっ!
「ご主人様、私です、雀のサブレです!」
 突如として湊(鳥羽京一郎(fa0443))の目の前に振ってきた少女は、開口一番そうのたまった。
「君が‥‥サブレ? 馬鹿なこと言うなよ。君は人間の女の子だろ、どこからどう見ても」
 湊はサブレに一瞥をくれてそのままスタスタと歩き出す。
「ご主人様、どうしてわかってくださらないんですか〜っ」
 だが、湊がサブレを無視してもサブレはわたわたと涙ぐみながら後を付いてくる。
「君ね、家は何処だ? 送ってあげるから、ね? 今の時間はまだ明るいからいいけれど、この通りは夜になると結構危ないんだよ。族も出るし」
「えっと、私のお家は、ご主人様と一緒です。ご主人様がいつも撒いてくれるお米が大好きですっ」
 ぐぐっ。
 サブレ、拳を握って言い切り、湊は頭を抱える。
 湊の借りているアパートに植えられた植木が、雀だった時のサブレの住処なのだ。
 たまたまベランダに遊びに来ていたサブレとチョコを見て、湊がお米を撒いてくれたから、それ以来ずっと其処に住み着いている。
 けれど湊にはそんなことはわからない。
 ある日突然見知らぬ少女に雀のサブレだと言われても‥‥ん?
「君、どうして雀の名前をサブレだと?」
 ベランダに来る二匹の雀に付けた名前は、湊と二匹の雀しか知らないはずだった。
 まさかという想いが湊の胸を掠めたとき、
「それ、何て言うご主人様プレイ?」
 二人の背後から声がかかった。
「早紀!」
 豪奢な金髪が印象的な早紀(辻 操(fa2564))は、きわめて冷ややかに兄たる湊を見つめている。
「ええ、そうよ兄さん。天下の公道でいい趣味ね?」
 ふと気がつくと、周りに軽い人だかりが出来ていた。
「君、とにかくこっちへ!」
 早紀とサブレの手を握り、湊は全力で家に向かって走り出す。
 

●悪い人から守ってみせるの! でも‥‥。
「サブレちゃん、見つけたんだよ〜。湊さまと一緒だったんだね〜」
 湊のアパートに着くと、人間の姿に変わったチョコ(悠奈(fa2726))が三人を迎えた。
「兄さん、しばらく会わない間に二人も彼女を作ったのね」
「まて、違うっ! これには深い事情が‥‥あるのか?」
 新たに現れた少女とサブレ、そして早紀をかわるがわる見て頭を抱える湊に、早紀は聞こえよがしに溜息をつく。
「早紀さま、私は雀のサブレです。『彼女』とかじゃないのです。ご主人様を助けに来たのですっ」
「サブレちゃん、湊さま以外にはばらしちゃ駄目なのよ〜? ‥‥あれ? 遅かったかなぁ?」
 一生懸命早紀にも説明するサブレに、チョコはワンテンポ遅れて注意してちょっぴり冷や汗。
 湊以外にサブレとチョコが雀だとばれてはいけないのだ。
 だが早紀は超リアリストだったらしい。
「そういうシチュエーション設定でプレイなのよね? ‥‥お兄ちゃん、マニアックだね。やるときは大胆にやる男の子になったのね」
 前半はチョコとサブレに、そして後半は実の兄に向かって早紀は言う。
 特に後半の口調はとっても棒読み。
 その目線は激しく生あったかかったり。
「‥‥ああ、もう、お前たち勝手にしろ。俺はこれから用事があるんだ」
 妹の勘違いっぷりと謎の少女さらに増殖で偏頭痛を起こしつつ、湊は蘭(仙道 愛歌(fa2772))との約束の為に三人とアパートを後にする。
 

「ごめん、待たせたか?」
 待ち合わせ場所に佇む蘭に、湊は声をかける。
「ううん、ぜんぜん‥‥きゃっ!」
「おっと!」
 湊に駆け寄ろうとした蘭は何もないところでコケかけて、湊に支えられる。
「あはは、いつもごめんねぇ」
「いいや、慣れっこさ。今日はどこに行く?」
 二人、手を繋いで街中へと歩いてゆく。
 そしてその背後を、こっそりひっそりサブレとチョコはくっついてゆく。


「コレって、死んじゃったお婆ちゃんに貰ったのと同じ‥‥でも、この間空き巣に‥‥」
 蘭はショーウィンドウに飾られたブランド物のスカーフを見つめ、これ見よがしに悲しげな表情を作る。
 すぐさま湊は財布を取り出し、店に入ってゆく。
(「ご主人様、相変わらず優しいのです‥‥」)
 蘭の為に色々なものを買う湊を、サブレは物陰から見つめる。
 と、外で待つ蘭の携帯が鳴った。
「ん? ああ、いまアイツと一緒。そそ、湊よ。‥‥バッカねぇ、何いってるのよ。アタシがあんな冴えない男と本気で付き合う訳無いじゃん。ビジネスよビジネス。いまもスカーフ買ってもらったトコロ。アンタにもあとで貸してあげるわよ」
 湊の前とは打って変わったイマドキな嗤いを浮かべる。
 物陰で一部始終を聞いていたサブレとチョコは顔を見合わせた。
「サブレちゃん、湊さま騙されてるわ〜」
「助けるですっ」
 拳を握り、サブレは物陰から飛び出した。
「あなた、悪い人ですっ! ご主人様から離れてです〜っ」
「ちょっと何よこのオンナ!」
「あなたこそ何ですか! 雀の風上にもおけません〜!」
 サブレに詰め寄られた蘭は、湊の前では決して見せない素の口調でサブレの手を振り払う。
「蘭、一体どうし‥‥君、どうしてここへ?」
「湊っ、助けて!」
 演技たっぷりに湊の背に隠れ、蘭はほくそ笑む。
 自分の背に隠れた蘭の表情に気づかない湊は、サブレとチョコを睨みつけた。
「彼女を傷つけることは許さない!」
「ご主人様‥‥私‥‥わたしは‥‥っ」
 湊を助けたかったのに怒らせてしまったショックで、サブレはその場から駆け出した。
「サブレちゃん、まって〜」
 その後をチョコが追いかける。
    
 
●どうしたら喜んでもらえるの?
「あなた達、こんなところでどうしたのかしら?」
 公園のベンチでしょんぼりと落ち込む二人に、通りすがりの女性―― 理恵(ぇみる(fa2957))が声をかける。
「ご主人様に、嫌われてしまったのです‥‥」
 ぽろぽろぽろ。
 サブレのほっぺたを涙が伝う。
「ご主人様? あなた、何を言っているの?」
 理恵は首を傾げる。
 アルバイト先で叱られたのだろうか?
「サブレちゃんは湊さまに怒られちゃったんだよ」
「湊さま? ‥‥んと、よくわからないけれど、怒られてしまったのなら、次は怒られないようにすればいいと思うわよ」
「ご主人様を助けたいのです‥‥喜んでもらいたいのです。でも人間のことって良くわからない‥‥おねえさんは、何をされたらうれしいですか?」
 に、人間?
 理恵はさらに首を傾げつつ、それでもサブレの真剣な瞳をみて一緒に悩んでみる。
「そうねぇ。仕事から帰ってくると、掃除とか食事とかついつい適当に済ませちゃうのよね。だから、きちんとしてくれる人がいると嬉しいかな?」
「お掃除なら、私得意ですっ」
 理恵の言葉に、サブレは顔をぱっと輝かす。
「そう、なら良かったわ。お仕事がんばってね」
 よくわからないけれど、二人が元気になったのを見て、「暗いから、気をつけて帰るのよ?」と言い残し、理恵はその場を去ってゆく。


●お別れの時‥‥
 サブレとチョコが押しかけてきて早一週間。
 湊はきちんと片付けられた部屋を見て感心する。
(「蘭の事も、誤解だったし‥‥」)
 蘭に詰め寄ったサブレが駆け出した後、蘭の携帯から友人の声が響いたのだ。
 きっと揉み合った時にスピーカー設定になったのだろう。
『渚に貢がせるんだったら、今度はバックにしてよ。あんたなら簡単でしょ?』
 頭から水をかけられた気分だった。
 正体がばれた蘭は一言だけ湊に詫びて去って行ってしまった。
 良い所もいっぱいあったけれど、たぶんもう彼女とは付き合えないだろう。
 その後、家に戻るとサブレがいた。
『一生懸命頑張りますから、ご主人様の側にいさせてください!』
 涙ぐむサブレを無碍にも出来ず、ずるずると今日まで来てしまった。
 サブレがいつの間にか側に来て、湊の顔を覗きこむ。
 その黒目がちの瞳にどきりとする。
「いや、なんでもない」
 湊はどぎまぎと目を逸らす。
「散歩にでも行こうか?」
 サブレの手を取り、二人は街へ出かける。


「おうあんちゃん、俺ンちの族に入らねぇかい?」
 爆音を響かせ、ムラサメ(時雨(fa1058))はバイクに跨ったまま路上の湊に声をかける。
 毎度毎度断っているのだが、ムラサメは湊を族に誘うのだ。
「おうおう、無視かぁ?! こんなに‥‥こおおおおんなにお願いしてるってのによう、おう!」
 ムラサメがバイクから降り、湊の前に立ち塞がる。
「ご、ご主人様に近づいちゃ駄目ですっ!」
 うるうるうる。
 長身でみるからに強面なムラサメに、サブレが涙ぐみながら抗議する。
「お‥‥おう‥‥なんじゃ‥‥可愛いじゃんかワレ!」
 自分を上目遣いにうるうると見つめるサブレにムラサメはどぎまぎと後ずさった。
「サブレちゃん、必殺技よ〜」
 何処からともなく、チョコの声が響く。
「必殺技‥‥えいっ!」
 ぴこんっ☆
 サブレのでこピンがムラサメの額に炸裂した。
「うわああん、指が痛いです〜っ!」
「きゅ、きゅん死にさせるつもりかオラァ!!」
 初めてのでこピンに指を抑えるサブレと、サブレのあまりの可愛さに顔を真っ赤にするムラサメ。
「ムラサメ、何度も言っているが、僕は族に入る気はないんだ」
「しゃあねぇな‥‥可愛い子には‥‥きょ‥‥興味がないんじゃボケェ‥‥っ!」
 ギクシャクとバイクに跨り、ムラサメは走り去る。
「ご主人様、私はご主人様を守れましたか?」
「うん。ありがとう」
「良かった‥‥」
 ほっとして微笑むサブレの身体が、金色に輝く。
「サブレ?!」
「‥‥お別れです、ご主人様」
「え?」
「女神様との約束のなんです‥‥一週間を過ぎたら、私は雀に戻ってしまうのです‥‥それまでに、ご主人様を助けることが出来て、本当に良かった‥‥」
「まってよ、まってくれ! 君が居なくなるなんて嫌だ、ずっと一緒に居られると思ったのにっ!」
 突然告げられた事実に戸惑う湊の目の前で、サブレは涙交じりの笑顔で光と共に掻き消えた。


●エピローグ〜みんなみんな幸せに☆〜
「女神様、私、ご主人様とずっと一緒に‥‥人間になりたいんですっ」
 雀に戻ってしまったサブレは、再び雲海に降り立った女神に願いを口にする。
「人になるということは、空を舞う自由も、仲間と共にアマテラスの目覚めを詠う喜びも‥‥二度と得られぬのですよ?」
 女神の問いに、サブレは頷く。
「人として生きることは、人の業も背負うということ。喜びだけでなく悲しみも苦しみも雀の時より大きく重くのし掛かる‥‥それでも、人として生きたいと申すのですね?」
 サブレは再び頷く。
 人として一緒に過ごした時間はたったの一週間。
 雀として過ごした時間に比べたら、ほんの一瞬の出来事だ。
 それでも、サブレはもう一度、湊と手を繋ぎたかった。
「わかりました。‥‥チョコ、お別れをなさい。サブレに望む姿を与えます‥‥彼女の記憶と引き換えに」
 サブレとチョコ、二人の間に衝撃が走る。
 そんな二人に、女神は茶目っ気たっぷりにウィンク。
「‥‥と、本来は言うべき所ですが折りしも今は神無月‥‥妾は出雲に居ねばならぬ身なのです。でも実は夫と喧嘩してただ今諸国漫遊中‥‥妾の恩恵を受けた事、内緒にしてて下さいね?」
 唇に人差し指をあて微笑む女神に、サブレとチョコの満面に笑みが広がる。


「ご主人さまっ!」
 出会った時と同じように、突如として現れたサブレを湊は優しく抱きしめる。
「君と一緒に居られるんだね‥‥。これからも、ずっと」
 こつん。
 湊は額をサブレの額にくっつける。
 サブレと湊、二人の手はしっかりと握られていた。
(「雀のみんなと話せなくなることや、空を飛べなくなることは悲しいけど、ご主人様と手を繋くことはできるのです」)
 幸せそうな二人を、雀のチョコがチュンチュンと鳴いて見送った。