ぷにっと海賊団☆柿の種アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 霜月零
芸能 2Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 3.6万円
参加人数 10人
サポート 0人
期間 10/20〜10/24

●本文

『ぷにっと海賊団☆』

 それは、近頃人気の子供向け特撮番組☆ 
 画面の中では獣耳&尻尾や、翼をはためかせたぷにっとな少年少女たちが、これでもかというほど今日も元気に可愛く大活躍!
「てーい、ぷにっとハンマー☆」
「痛いの痛いの、ついでに悪の海賊団も飛んでいけーっ!」
「うわっ、あたしたちはついでかよーーーーーーーーーーーーー!!!」
 ぷにっと海賊団の必殺技に吹っ飛ぶ悪の海賊団。 
「「「正義はぷにっと☆」」」
 勝利のポーズ、きめっ☆


☆次回予告☆
「隣の客はよく柿食う客だ」
 早口言葉でよく知られたそれを、悪の海賊団は呟いてみる。
「隣の客はよく柿食う客だ隣の柿はよく客食う柿だ。‥‥ん?」
 となりの柿は、客を食う?
「これだよ、これ! 食欲の秋っつーし、いっちょやるかあ!」
 ぱん!
 何かを思いつき、悪の海賊団は手を鳴らす。
 瞬間、目の前に柿の怪人が現れた!
「かきかきかっきー☆」
 巨大な柿を被り、身体中に柿をくっつけた柿怪人は、悪の海賊団に嬉しそうに柿を投げて寄越す。
「うんうん、この柿美味いぞ‥‥じゃなくって、おまえ、ひとっぱしりいってとなりの人間くってこーい!」
「かきかきかっかっきーーーーーーーーー!」
 悪の海賊団に命じられるまま、柿怪人は人間を食べに行くのだった。
 
 

☆『ぷにっと海賊団』キャスト大募集☆
 近日放映予定のぷにっと海賊団『柿の種☆』のキャスト大募集!
 毎回主役の違うこの番組では、海賊服に身を包んだ少年少女たちが悪の海賊団と戦います。
 『柿の種☆』では、悪の海賊団orブラック海賊団の操る柿怪人に食べられちゃった人々を救い出してください。
 子供から10代前半の少年少女、『ぷにっと感』に自信のある方、そして敵役に大人のあなた、大募集です♪

●今回の参加者

 fa0074 大海 結(14歳・♂・兎)
 fa0115 縞りす(12歳・♀・リス)
 fa1449 尾鷲由香(23歳・♀・鷹)
 fa1463 姫乃 唯(15歳・♀・小鳥)
 fa1521 美森翡翠(11歳・♀・ハムスター)
 fa2132 あずさ&お兄さん(14歳・♂・ハムスター)
 fa2640 角倉・雨神名(15歳・♀・一角獣)
 fa3579 宝野鈴生(20歳・♀・蛇)
 fa4287 帯刀橘(8歳・♂・蝙蝠)
 fa4563 椎名 硝子(26歳・♀・豹)

●リプレイ本文

●悪の海賊団☆
「ふふふ‥‥あのお方のために‥‥今日も頑張るのよ‥‥うふふふふ‥‥」
 薄暗く、なんだか湿度十割増しな悪の海賊団本部の一室で、女幹部・アナマリア(宝野鈴生(fa3579))は今日も暗い。
 だが何か良い案を思いついたのだろう、いつもよりは顔に明るさがあるようなないような。
「ふふふ、私達とこの柿怪人の力さえあれば、世界征服も夢じゃないわね」
 同じく悪の海賊団のシーナ(椎名 硝子(fa4563))も薔薇の鞭をピシリと鳴らして機嫌がよい。
 二人の前には、たった今召喚された柿怪人(尾鷲由香(fa1449))が控えていた。
「カキカキカッキー♪」
 柿怪人は身体中についた柿を一つもぎ取り、アナマリアに差し出す。
「うふふ‥‥美味しい‥‥わ‥‥でもお前のおやつも‥‥考えたのよ‥‥」
「かきかき?」
 美味しい?
 もっと食べる?
 そんな風に言いたそうな柿怪人に、シーナは命令を下す。
「お前、ちょっと隣の人間食べてきなさいな」
「か、かきかきっ?!」
「なぁに? 嫌だとでも言いたいの?」
 ピシリっ。
 シーナの鞭が驚く柿怪人の足元に飛ぶ。
「かきかきかっきかっきーーーーーー!」
 はいはい、行けばいいんでしょーーーーーー!
 そう言いたげに柿怪人は叫び、人間達を食べに街へと繰り出す。
 その後を、
「うふふ‥‥か、柿怪人、頑張れー‥‥素敵っ! なんちゃって‥‥名前‥‥カッキーでいいかしら‥‥?」
 などと呟きながら、アナマリアとシーナもついてゆく。 
 

●ぷにっと海賊団☆
「はーい、今日は旬の味覚のデザートでぃす☆」
 ぷにっと海賊団海賊船『ぷにっとぷにっと☆』のリビングで、リスリス(縞りす(fa0115))がデザートを振舞う。
 テーブルに並べられたそれは柿とリンゴを交互にあしらい、彩りも鮮やか☆
「むぅ、段々と寒くなって来たですね。これからはお洗濯が辛い時期です。でもリスリスさんの手料理を食べてボクは頑張るです」
 肌寒くなってきた気温にちょっぴりほっぺたを膨らまし、洗濯物を取り込んできたユイ(姫乃 唯(fa1463))はデザートを見て機嫌を直す。
「柿ですか。最近は種無しと種有りがあるけど、どちらも甘くて美味しいです」
 バブルス(帯刀橘(fa4287))は一見女の子に見えそうなさくらんぼ色のお口を大きく開けて、柿をぱくっと頬張った。
「そう言えば、柿といえばこんなのがあるんだよね? 『隣の客はよく柿食う客だ』とか」
「お茶たちょ茶たちょ茶ちゃっとたちょ青竹茶筌でお茶ちゃっと茶たちょ、なんてのもあるわね♪」  
 キャプテン・アザーことアズサとオウム風人形のネイト(あずさ&お兄さん(fa2132))は柿を眺めながら有名な早口言葉をつっかえずに言い切る。
「かえるぴょこぴょこみぴょぴょぴょぴょ! ‥‥ぐすっ」
 うかにゃん(角倉・雨神名(fa2640))も真似て知っている早口言葉を言ってみるが、舌を程よくかんだらしい。
 青い瞳がうりゅりゅと潤んだ。
「大丈夫? フルートさんならお薬持ってるんだよ。‥‥あれ? 彼女は何処なのかな?」
 ムスビ(大海 結(fa0074))が涙ぐんでるうかにゃんのお口を覗き込み、首を傾げる。
 フルート(美森翡翠(fa1521))はぷにっと海賊団の見習い看護師で、色々なお薬が詰まった救急箱を常に持ち歩いているのだ。
「今日はまだ見てないでぃすねぃ」
「いつもならもうそろそろ来る頃ですが‥‥学校が遅かったのかな?」
 成績優秀な彼女が居残りをさせられるとは考えづらいが、そろそろ文化祭の準備などもあるかもしれない。
 そんなことをぷにっとの面々が思っていた頃、フルートは大ピンチに陥っていた。
  

●くるっとぱくっと大ピンチ☆
「ぱく、ごくって‥‥丸呑み?」
 お腹のなかとはとても思えない大ホールを思わせるそこで、フルートは小首を傾げる。
 そこにはフルートと同じように柿怪人に丸呑みされた人々で溢れていた。
 柿怪人のお腹のなかにはスクリーンがあり、外の様子が映し出される。 
 悪の海賊団の二人に命令されながら、柿怪人は次々と街の人々を飲み込んでゆく。
 人が飲み込まれるたびに一瞬だけお腹の蓋が開き、フルート達の場所に人が降ってくる。
 そして最悪なことに、ある一定の時間が経つとお腹のなかの人々を胃酸を思わせる茶色い液体がくるんと包み込み、柿の種のようにすっぽり覆われてしまうのだ。
「と、とにかく、消化されちゃうことは防ぎますの〜。胃酸中和剤〜!」
 フルートは救急箱から『胃酸中和剤』と書かれた缶を取り出すと、逃げ惑う人々と当たり一帯に中和剤をまく。 
 そうすると人々をくるもうとしていた胃酸はたちまち消え去り、包まれてもうちょっとで完全な柿の種になりそうだった人々も何とか救出できた。
「でも‥‥」
 これはあくまで一時しのぎ。
 このお腹の中から出ないことには助からない。
 肉球マークの携帯電話『ぷにっとフォン』をかけてみるが、電波が届かない。
「どうしよ?」
 救急箱を抱きしめて、フルートは途方にくれる。 


●ぷにっと海賊団VS悪の海賊団☆
「悪の海賊団! 食べてしまった人達を返してですっ!」
「人を食べちゃうなんてしちゃいけないんだよ!」
 びしっ!
 ユイとムスビが悪の海賊団に指を突きつける。
 悪の海賊団が街の人々を食べているとの情報を聞きつけ、現場にやってきたのだ。
「とうきょうととっきょきょきょきょきょ!」
 うかにゃんも早口言葉を言いながら華麗にターンするが、やっぱり舌は噛む。
「こ、ここで会ったが百年目! 今日こそ上手くやってあの人に喜んで貰うんだから‥‥!」
 アナマリアが柿怪人に目線で合図する。
「か〜き〜かきかっき〜、かきかき〜」 
 あ〜あ、怪人はつらいよ〜。言いなりだもんなぁ〜。
 そんなボヤキが聞こえてきそうなぐらい柿怪人はやる気なさ気に返事する。
「あら、カッキー。何か文句があるのかしら?」
 ビシリッ!
 そんな柿怪人にシーナの鞭が再び飛ぶ。
「か、かきかっきかき〜」
 な、なんでもありません〜と言う様に柿怪人は首を振り、改めてぷにっと達に向き直る。
「かきかき、かっきーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
 ズババババババンッ!
 柿怪人の全身にくっついていた柿がぷにっと達めがけて飛んでゆく。
 しかも吹っ飛んだ勢いでしゅるしゅると皮が剥け、一口サイズに切れた中身はぷにっと達のお口へぽこっ☆
「うわわっ、食べ物を粗末にしては罰が当たるでぃすよ!」
「柿‥‥美味しそうなのです」
「なんでこんなにいっぱい出てくるかなっ。美味し過ぎだよっ」
 とっさにぷにっとおたまで弾き返すリスリスと、思わず食べちゃうユイ、そしてアズサはついついもっと食べたくなって柿怪人の側へ!
 その瞬間、
「かき〜‥‥」
 申し訳なさそうな柿怪人の声と共に、柿怪人のお腹がぱくっと開いてアズサをぱっくん!
 オウムのネイトがアズサの肩から転げ落ちた。
「きゃーっ、アズサちゃんが食べられちゃったですっ!」
「ほ、ほら見なさい、お仲間が食べられちゃったわ‥‥! もう、お、終わりね!」
 アズサが食べられてパニくるぷにっと達に、アナマリアは勝利を確信する。
「た、助けなくっちゃです!」
「おっと、あなたの相手はこのわたくしよ!」
 ビシッ!
 アズサを助けようと駆け寄るユイにシーナの鞭が飛ぶ。
「美しさでは私の方が上だという事をわからせてあげるわ」
「その勝負、ボク、受けてたつです!」
 薔薇の鞭を構えるシーナと、シャボン玉を散らすユイ。
「じゃあ、あなたの相手は僕がします。
 カエルピョコピョコ三ピョコピョコ、合わせてピョコピョコ六ピョコピョコと書かれた赤パジャマ青パジャマ黄パジャマ茶パジャマを持っている東京特許許可局局長の客はよく柿食う客だっ、ほら、言ってみるです!」
「え‥‥ええ? カ、カエルがピョコで柿が‥‥」 
 いきなりバブルスに早口言葉を振られたアナマリアはしどろもどろ。
 それでも律儀に一生懸命何度も言い直す。


 そしてその頃、柿怪人のお腹の中ではフルートとアズサが脱出の手段を思案していた。
「アズサさん、一人1錠ですの」
「これなにかな?」
 すでにお腹のなかの人々には配っておいた薬をフルートは差し出し、アズサは首を傾げる。
「通ってきた道を逆に辿りたい、けど辿れない時に使う薬ですの。名づけてUターン薬。
 でも、あのお腹の蓋が開かないことには戻れませんの‥‥」
「そんなの、こうやって蹴りでもいれちゃえば‥‥ありゃっ?」
 ぼよよよよん!
 アズサが勢いよくお腹の蓋を蹴っ飛ばすが、弾力が良くてぜんぜん攻撃が効かない。
「だめですの。お腹のなかからの攻撃はぜんぜん通用しませんの」
「みたいだね。でも、外から蹴った時は痛がってたんだよ?」
 食べられる瞬間にアズサはとっさに蹴りを入れていたのだが、柿怪人は確かに痛がっていた。
「だったら、外から柿怪人のお腹叩いたら口とお腹塞いでるあの蓋開くと思うんですけど‥‥2、3秒あれば十分戻れるんです。
 でも、誰かが食べられる時は一瞬しか開かないから、時間が足りないですの」
「そうだ! 外にネイトがいるんだよ。まってて、今遠隔操作でこっちの情報を伝えてみるんだよ」
 アズサがはっと気づき、意識を集中する。


「みんな聞いてー! アズサから今連絡が入ったわ。柿怪人のお腹を攻撃すれば食べられちゃった人たち全員出てこれるって!」
 オウムのネイトがぷにっと達の頭上を飛び回り、アズサから伝えられた情報を伝える。
「柿怪人さん、食べちゃった人たち返してくれたら、もっとおいしい食べ物あげるよっ☆」
 うかにゃんが柿怪人が人を食べることに余り乗り気でない事に気づき、声をかける。
「かきかき?」
 ほんと?
 柿怪人の瞳がきらきらと輝き、攻撃の手が止まる。
「いまなんだよ、ぷにっとバットで飛んでいけだよっ」
 ムスビがぷにっとバットを大きく振って、その風圧で柿怪人のお腹を攻撃する。
 ぽーんと小気味よい音がして蓋が開き、中から食べられた人々が一気に飛び出した。


●正義はぷにっと☆
「そんな、柿怪人は完璧な筈よ!?」
「東京特許許可局の局長が‥‥」
 シーナは柿怪人が破られ動揺し、アナマリアは何度も早口言葉の間違いをバブルスに指摘されて状況に気づいていない。
「水の魔法で、悪い心もキレイキレイ‥‥うかにゃん・バースト!」
「必殺、シャボン玉イリュージョン!」
 うかにゃんの聖なる水が悪の海賊団を押し流し、ユイのシャボン玉が悪の海賊団を包み込む。
「悪い子は飛んでいけーでぃす☆」
「ホームランなんだよ!」
 リスリスとムスビがバットとおたまでシャボン玉に包まれたアナマリアとシーナを大空の彼方に吹っ飛ばす。
「隣のかくはよくきゃき食う‥‥舌噛んだわ〜っ!!」
「またあの方に嫌われるのは、いーーーーやーーーーーーーーーーーっ!」
 断末魔の叫びを上げて星になる悪の海賊団。
 くるっ!
 うかにゃんの魔法で悪の海賊団の呪縛から解き放たれた良い子な柿怪人と一緒に、ぷにっと達がカメラ目線で振り返る。

「「「「「正義はぷにっと☆」」」」」

 勝利のポーズ、きめっ♪
 こうして、今日も世界の平和と美味しい柿が守られたのだった。