ぷにっと海賊団☆お正月アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
霜月零
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芸能 |
1Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
1万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
01/06〜01/10
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●本文
『ぷにっと海賊団☆』
ぷにっと海賊団☆
それは、海といわず空といわず、悪の海賊団と戦う獣耳な少年少女たちが主人公の特撮番組だ。
毎回パターンは同じだが、主役が毎回変わることがひそかな人気の秘密?
ぷにぷになほっぺにぷくぷくなお手て。
子供特有のぷにっと感は、大人から子供まで見るものを和ませる最強の武器だろう。
「あなたたちの悪事は、これでおしまいなのですっ!」
今回の主役がバズーカ砲(もちろん偽物)を担いで、ちゅどーんと悪の海賊団に討ち放つ。
「あーれー、おゆるしを〜〜〜〜〜〜〜!」
月並みな台詞と共に、空の彼方に消えてゆく悪の海賊団。
こうして、今日も世界の平和は守られ、ぷにっと海賊団は勝利のポーズを決めるのだった。
☆『ぷにっと海賊団』キャスト大募集☆
近日放映予定のぷにっと海賊団『利用された万葉集』のキャストを大募集!
毎回主役の違うこの番組では、海賊服に身を包んだぷにっと感溢れる少年少女たちが悪の海賊団と戦います。
『利用された万葉集』では、主人公が大切にしていた万葉集に悪の海賊団が魔法をかけ、擬人化してぷにっと海賊団を襲うようになってしまいました。
止めるためには、百人一首で擬人化万葉集を倒さなくてはなりません。
子供から10代前半の少年少女、『ぷにっと感』に自信のある方、大募集です☆
●リプレイ本文
●狙われた万葉集。
「ふぅん? 随分と面白いアイテムが眠っているじゃないさ?」
悪の海賊団本部の鏡の間で、海賊団・Dが呟く。
その鏡に映し出されているのは万葉集。
ぷにっと海賊団の弱点を探そうと、Dはずっとぷにっと海賊団の魔力の欠片を探していたのだ。
「こいつは使えるねぇ? ふふふふふっ」
黒く塗られた唇を青い舌で舐め、悪の海賊団・Dは行動を開始した。
●大変! 万葉集が盗まれちゃったよっ!
「ぷ〜に〜ぷにぷに〜♪」
肉球ぷにっ☆
ぷにぷに猫さん肉球をくっつけたり離したりしつつ、ミユミユ(猫見みゆ(fa0044))がご機嫌に妙な鼻歌を歌っているとき、事件は起こった。
「みなさん大変よっ、ぷにっと海賊団の万葉集が盗まれたわ!」
ぴかぴかっ☆
ぷにっと海賊団の海賊船『ぷにっとぷにっと☆』の船長室に置かれた魔法の水晶が輝き、中からぷにっと海賊団の妖精『マキ(槇島色(fa0868)』が飛び出してくる。
前回現れた妖精・セナは愛らしい感じの妖精だったが、今回のマキはショート金髪に蒼い瞳、赤い振袖の似合うお姉さま。
CG処理でほんのりと光り輝きながら、美貌と美声を誇る冷静な彼女は猫耳と猫尻尾を逆立てて珍しく慌てていた。
「どうしたでぃす? 悪の海賊団でも出たでぃすかねい?」
ぷっくりとしたリス尻尾を揺らしてリスリス(縞りす(fa0115))が首を傾げる。
「まあ、悪の海賊団ったら正月明け早々に暇なんですのね? わたくしなんて新しいドレスの整理で大忙しですわよ。おーっほっほ!」
天下御免の生粋の金髪令嬢・ルー(トール・エル(fa0406))は休み中に海外で買い貯めたドレスを両手に抱えて高笑い。
「万葉集ってなんなの〜?」
くるんっ♪
身軽に宙返りをして、タイガーリン(ホァン・メイリン(fa1138))も白虎な白と黒のしましま尻尾をもてあそぶ。
「まさかとは思いますが‥‥ぷにっと海賊団の秘法の一つ、『ぷにぷに万葉集』のことじゃないですよね?」
しましまの海賊服の上に白衣を羽織り、頭脳明晰な博士タイプのカコ(山田夏侯惇(fa1780))がトレードマークの左目の眼帯に手を当てて深刻な表情を浮かべる。
「そのまさかよ。よりによってぷにっと海賊団の力の源の一つである『ぷにぷに万葉集』が悪の海賊団に奪われてしまったのよ!」
「それは、もしかすると大事なのではないでしょうか?」
人一倍臆病なユーリ(百瀬 悠理(fa1386))がウサギ耳を震わせて不安そうに大きな瞳を潤ませる。
「もしかしなくても、大事よ。早く取り返して封印の祠に戻さないとこの船が落ちかねなくてよ」
「大変なのでぃす。はやく悪の海賊団をやっつけるでぃす!」
「ハッハー! ここはファリーにお任せダヨ!」
慌てるリスリスにどーんと胸を叩いて格好付けるファリー(マリアーノ・ファリアス(fa2539))。
「‥‥なにをどう、任せるの?」
「努力と根性と気合デース!」
うっきーっ☆
お猿のしっぽで手すりにぶら下がって言い切るファリーに、頭を抱えるマキ。
「ねえ姐さん? 悪の海賊団の居場所はわかってるんだよねっ?」
「それが、私の感知能力で居場所がつかめないのよ。盗まれることを予知することも出来なかったし。
もしかしたらぷにっと万葉集には妖精の力が阻まれるのかもしれないわ」
マキは悔しげに唇をかむ。
「‥‥見つけました。この場所は埼玉です。擬人化した万葉集が暴れています!」
ぴっ☆
メインコンピューターをカコが素早く操作して、巨大なスクリーンが空中に投影される。
そこに映し出された身体中に万葉集を貼り付けたモンスターは、おそらくぷにっと万葉集の成れの果て。
「わおっ♪ ストレンジな万葉集ネ!」
「あら、中々にやるじゃありませんか。カコさんも隅に置けないわねぇ」
「この船でなら、すぐに着きますわ」
「ぷにっと海賊団、出動だよっ☆」
ごうんっ。
それぞれが位置につき、海賊船『ぷにっとぷにっと☆』が動き出す。
マストをはためかせ、大空を飛び、いざ、巨大化した万葉集のもとへ!
●暴走する万葉集を止めるんだ!
そこは、酷い有様だった。
擬人化した万葉集がビルを壊し、逃げ惑う人々に強引に百人一首を迫っている。
その後ろには、満足そうに微笑む悪の海賊団・D。
「うふふふふん? 中々にいい感じじゃないさ。さぁ、マンヨウモンスターよ、全てを破壊しつくすがいい!」
Dが手を振り上げたその瞬間。
「まてーいっ!」
空から声が降る。
見上げたそこには、
「ぷにっと海賊団!!」
そう、ぷにっと海賊団☆
「悪の海賊団めっ! このミユミユ様の耳と尻尾の先っちょが白いうちは悪さなんて許さないぞ!」
ミユミユは海賊船『ぷにっとぷにっと』のマストの上から「えいっ!」と掛け声も元気よくDの前に飛び降りる。
「ヘイッ! ここはユーの思いどうりにはさせないネ!」
「このわたくしに楯突いたこと、一生後悔させてあげますわよ!」
ファリーとルーも飛び降りて、次々に海賊船から降りてくるぷにっと達。
「おのれ現れたな、ぷにっと海賊団! だが今日は貴様らに負けはしないぞ。いけっ、マンヨウモンスター!!」
『うごごごごっ! 俺様が相手になるのだーーーーーーーーーーー!』
両手を挙げて濁った声で吼える!
「みなさん、ぷにっと万葉集を傷つけてはいけないわ。あいつを止めるには、百人一首で勝つしかないのよ!」
今にも飛び掛りそうだったぷにっと海賊団を妖精・マキが止める。
「こんなこともあろうかと用意しておきましたー」
カコがいそいそと『ぷにっとカード』を胸ポケットから取り出して、肉球マークの付いた携帯電話にそっくりな『ぷにっとフォン』にスラッシュ!
「準備は完璧なのです。百人一首!」
呼び声にあわせて光り輝くぷにっとフォンから現れたのは、巨大な百人一首。
飛び出したそれは自分でそれぞれ路上に並びだす。
「ふんっ、いいだろう。相手になってやるさ!」
マンヨウモンスターの咆哮をBGMに、悪の海賊団・Dとぷにっと海賊団の勝負、開始!
●読み手も味方も見かたしだい?
「風をいたみ〜 岩うつ波のをのれのみ〜」
ゴスロリ風味なユーリが歌うように読み上げる。
『うごごごご?』
「みゅ〜。わかんないの〜っ」
「ハーイ! これネ!!」
全員が悩む中、ファリーが勢いよく札を叩く。
「まちなさいファリー! それは違う札よ」
「とにかく早く叩けばいいんでショ?」
「ちっが〜うっ! 百人一首は上の句と下の句があって、対になってるからそれを取らなきゃだめなんだよっ」
勘違い炸裂なファリーに突っ込むミユミユ。
「オゥケーイ。まあ、猿も木から落ちるってこトサ」
肩をすくめておどけるファリーは、本当に理解したのかしていないのやら。
ぷにっと海賊団、お手付き一回!
次々にカードが取られていく中、
「むーんうぉーくで、あめりかおうだん」
カコがすっとぼけてとんでもない句を読む。
「『きりたちのぼる 秋の夕暮れ』さっ」
Dが勢いよく引っかかってお手付き!
「ふふ‥‥この作戦には、いちぶのすきもありませんよー」
まんまと敵を騙せたカコ、くるんと丸まった豚尻尾をふりふり。
「きいっ、よくも騙しやがったわね! 次はこうはいかないよ!」
ガシガシと頭をかきむしって叫ぶD。
「次々いきますよ。我がそでわ〜 しほひにみえぬ おきのいしの〜」
「おーっほっほっほ、こちらですわっ!」
ルーが華麗に宙を舞い、札を手に取る。
ツインテールの金髪と白いリスしっぽが風になびく。
外国育ちのルーには百人一首などはわからないのだが、お嬢様オーラというものは全てを凌駕するモノらしい。
「寂しさに〜 宿をたちいでてながむれば〜」
「こいつできまりだねっ♪」
ぽむっと肉球ぷにっでカードに飛びつくミユミユを、しかしマンヨウモンスターは見逃さなかった。
『マンヨウビーーーーーーーーームっ!』
ちゅどんっ。
マンヨウモンスターから放たれたビームがミユミユを吹っ飛ばす!
「ミユミユに何をするの!」
「ふふん。勝負とは常に勝ったものが正義なのさ」
吹っ飛ばされたミユミユを嘲笑い、Dがカードを手に入れる。
「ミユミユさん、大丈夫ですか?」
ぐったりと地面に倒れ伏すミユミユを、カコが抱きかかえて白衣から取りだした『ぷにっとパウダー』を振り掛ける。
きらきらと輝くそれは、傷だらけの彼女の身体を癒してゆく。
「ほらほらどうしたんだい? さっさと次の句をお読みよ!」
ニヤニヤと笑うDに涙目になりながらユーリが次の句を読み上げる。
「次のカード、いきます。‥‥忘らるる〜 身をばおもわず ちかいてし〜」
『うごごごごーっ!』
マンヨウモンスターがカードに飛びついた。
瞬間、
「そのカードいっただきーっ」
どっかーんっ☆
タイガーリンのドロップキックが炸裂!
勢いよく吹っ飛ぶマンヨウモンスターとなぜか巻き込まれて顔面にキックがめり込んでるファリー。
「痛いヨ、あんまりだよリン。顔が潰れたネ!」
「ごめんごめんっ、最初から潰れてるから大丈夫っ」
さくっとひどいことを言って、悪気のないリンはデラ笑顔。
「なんでファリーだけこんな目にあうヨ!」
とほほと凹んでファリーは潰れた顔をひっぱって治す。
「うぬぬぬ、おのれぷにっと海賊団っ。卑怯じゃないさ!」
「先に卑怯なことをしているのはそっちでぃす。大切な万葉集をかえすでぃす!」
ブチキレるDにびしっと人差し指を突きつけて、リスリスは一歩も怯まない。
「次で決めるよ。覚悟おしっ!」
悪の海賊団とぷにっと海賊団。
いままでに取ったカードの枚数は同じ。
残ったカードは2枚。
次でカードを取った側が2枚のカードを手に入れる!
「最後のカード、詠みます。‥‥山側に〜 かぜのかけたる しがらみは〜」
意を決して、ユーリが最後の句を読み上げる!
「もらったさ!」
Dが素早く反応して飛び掛るよりも早く。
倒れていたミユミユの瞳に闘志が燃え上がる!
「私だって‥‥私だってぷにっと海賊団なんだからーー!!」
とうっ!
Dと百人一首の間に飛び込み、
「くらえっ、必殺の神速猫パ〜〜ンチ!!」
必殺技、炸裂!
勝利を象徴するように宙高く舞い上がる百人一首。
『ウゴゴゴゴガガ‥‥ガ‥‥ガッ』
マンヨウモンスターの身体が光り輝き、もとの『ぷにっと万葉集』に姿を戻した。
「お、おのれぷにっと海賊団! 覚えているがいいさっ!」
身を翻し、逃げてゆく悪の海賊団。
ミユミユを中心に、カメラに向き直るぷにっと海賊団。
「「「正義はぷにっと☆」」」
勝利のポーズ、決めっ☆
こうして、今回も無事にぷにっと万葉集を取り戻し、悪の海賊団から世界の平和を守り抜いたのだった。