ぷにっと海賊団☆総集編アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 霜月零
芸能 1Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 易しい
報酬 1万円
参加人数 10人
サポート 0人
期間 10/23〜10/27

●本文

 『ぷにっと海賊団☆』

 ぷにっと海賊団とは子供向け特撮番組だ。
 画面の中では獣耳&尻尾や、翼をはためかせたぷにっとな少年少女たちが、これでもかというほど今日も元気に大活躍!
「ぷにっとぷにっと、しっぽあたーっく☆」
「ローリングぷにっときーっく!」
 ぷにっと海賊団の必殺技に吹っ飛ぶ悪の海賊団。 
「「「正義はぷにっと☆」」」
 勝利のポーズ、きめっ☆
 ‥‥って、ころんじゃった?

「はい、カーッとカット!! そこはみんなでビシッときめてくれなくちゃ!」
 撮影中の監督がメガホン片手に注意を飛ばす。
 でもその顔は笑顔だ。
 かわいい子供達に本気で怒れるはずがない。
 転んじゃったぷにっと役の少年もてへっと舌を出す。
「このNGもきっちりDVDに収録するわよ〜。みんな、覚悟してね」
 脚本家の志茂月零子も監督の横で笑う。
 そう、今日はいままでのぷにっと達の活躍をまとめる総集編の撮影だ。
 いままでの活躍はもちろんのこと、総集編のみのおまけストーリーなんかもあるかもしれない。
 結果は、DVDが出来るまでのお楽しみというヤツだ。
「ほーら、もう1回行くぞー!」
 そして監督が再びメガホンを取り、撮影が再開されるのだった。
 

〜ぷにっと海賊団総集編出演者募集〜
『ぷにっと海賊団』シリーズ総集編の出演者募集です。

◆出演条件◆
 いままで、ぷにっとシリーズに出演したことのある人であれば、子役、悪役問いません。


◆プレイングについて◆
 NG集や、『○○の場面の実は裏場面』といった行動をされる場合は、ぷにっと海賊団のどのお話の場面であるかを明記してください。

●今回の参加者

 fa0074 大海 結(14歳・♂・兎)
 fa0115 縞りす(12歳・♀・リス)
 fa0265 倉井 歩(27歳・♂・パンダ)
 fa0542 森澤泉美(7歳・♂・ハムスター)
 fa0921 笹木 詠子(29歳・♀・パンダ)
 fa0984 月岡優斗(12歳・♂・リス)
 fa1521 美森翡翠(11歳・♀・ハムスター)
 fa3579 宝野鈴生(20歳・♀・蛇)
 fa3605 ルージュ・シャトン(12歳・♀・猫)
 fa4287 帯刀橘(8歳・♂・蝙蝠)

●リプレイ本文

●ぷにっと海賊団インタビュー☆
「せっかく丸暗記した、世界で一番長い早口言葉が、尺の関係で差し替えのあった事がほろ苦い思い出です‥‥」
 のっけから暗い表情でそう答えるのはバブルス役で出演した帯刀橘(fa4287)。
 今日はぷにっと海賊団DVD撮影会兼インタビューなのだ。
 スタジオのスクリーンには帯刀が一生懸命鏡に向かって早口言葉を練習している姿が映し出される。
 言える様になるまで何度も舌をかんだのだろう、スクリーンに映る帯刀は半分泣き顔で、スタジオの本人もその時を思い出して「ほんとに、頑張ったんです」と涙ぐむ。
「苦い思い出‥‥イズミくん、本当にバスを運転させてもらえると思ってたです。‥‥合成なんて聞いてなかったですよ‥‥」
 帯刀につられてか、操舵手イズミとして大活躍だった森澤泉美(fa0542)もほんのり涙目。
 そんな子役二人を面倒見の良い倉井 歩(fa0265)が良しよしとあやす。
 倉井は海賊団本編ではどうにも憎めない悪役ぶにっと海賊団の総帥・クーラを演じていたのだが、やはり人の良さが滲み出ている。
「そういえば、ぷにっとに初めて出演したときは演技のお仕事ってほとんどしたことなくて、僕も失敗ばっかりだったんだよね」
 芸名の結=ゆいの読み方を変えて出演していたムスビ役の大海 結(fa0074)も過去を懐かしげに思い返す。
 小首を傾げる結の柔らかそうな白のロップイヤーが揺れた。
 当時は中学生だった彼ももう高校生。
 時が流れるのは早いものだ。
 そして高校生といえば、縞りす(fa0115)もそうだ。
 料理上手なぷにっとコック・リスリス役で出演していた彼女は、今日もリスリスの衣装で手作りお菓子を持ってきてくれていた。
「カボチャを使ったお手製のクッキーと、プリンでぃす☆」
 特徴的な語尾もそのままに、縞りすは出演者とスタッフにお菓子を配る。
 小さなかぼちゃのプリンを受け取った美森翡翠(fa1521)は茶色い瞳を輝かす。
「縞りすさんは、いつもオヤツを作って持ってきてくださるんですよね。これも撮影中の楽しみの一つなんですよ〜」
 ぷにっとの看護士・フルートとして出演していた彼女の小さな頭には、番組中と同じくナースキャップがついている。
 しっかりものの印象の強い彼女がお菓子好きとは、少し意外。
 美味しそうにクッキーをぱくつく姿は微笑ましい。
「ニャ〜。こうして縞りすさんのお菓子を食べると、必死で作ったお料理が思い出されるニャ」
 そういって同じようにクッキーを食べるルージュ・シャトン(fa3605)は、ぷにっと海賊団では見習いぷにっと・ルージュとして出演。
 初登場の回にはジャガイモ剥きをさせられ、その剥いたジャガイモは皮についた実のほうがどう見ても多いという状態。
 もちろん役どころとしてわざとそう撮影されたのだが、実際の彼女がきちんと剥けるのかどうかは永遠の謎である。
 

 フッ‥‥。


 突然、スタジオの照明が暗くなった。
「一体どうしたのかな?」
「足元が見えないでぃす!」
 ざわつくぷにっと役の子供達。
 次の瞬間、スポットライトがスクリーンを照らし出し、ブラック海賊団参上!!!
 黒の女王役笹木 詠子(fa0921)を中心に、ちょっぴり暗くて怪しい黒の海賊団・アナマリアを好演した宝野鈴生(fa3579)、そして役どころと同じ白い羽をつけてマントをなびかせる悪の海賊団やんちゃ少年・ユートこと月岡優斗(fa0984)が並ぶ。
「おおっと、仲良く談笑してる所悪ぃが‥‥ぶち壊すため乱入してやるぜ、それが俺のやり方じゃん‥‥!!」
 とうっ☆
 そんな掛け声と共に優斗はぷにっと目掛けて突っ込んでくる。
「あらあら、転んでしまいますよ?」
 笹木が心配するが優斗は一向に気にせず、悪友とも親友とも呼べるイズミ君にキーック☆
 もちろん、本気で蹴ったりはしていない。
「イズミ君、目の前が真っ白になったですよ!」
 猛然と抗議しているようで、イズミ君の目も笑っている。
「よし、ここは一つ俺様のぶにっと海賊団の紹介もしてやろう! 悪はぶにーーーーっと!」
 照明が戻り、ブラック海賊団の派手な登場に負けじと倉井もノリノリにぶにっと総帥を演じだす。
「ぶにっとコック、ぶにっとシェフ、そしてぶにっと板前! みな最高の料理人だ!」
 スクリーンにババーンと映し出される料理人。
 でもどう見ても服装を変えただけの倉井だったりする。
 しかも止めにどの服装の時も手には肉饅だのピザだのお団子だのをしっかり握り締めている。
「「「食うことしかないのかよ!!!」」」
 スタジオ総突っ込みに、
「もちろんだ!!!!」
 きぱっと言い切る倉井。
 そして縞りすのクッキーをぱくりっ☆


●気になる楽屋裏情報!
「NGは‥‥あまり多くはなかったつもりです。大人として子供達の見本とならなきゃ、というのもありましたが」
 NGはどうでしたかというスタッフの質問に、笹木はおっとりと答える。
 役柄の黒の女王とは違い、素の笹木はほやんとした柔らかい空気を纏っている。
「ぷにっとでのNG‥‥それは‥‥『青空!』にアナマリアとして初出演させて頂いた時、思いっきり小道具の『雨雲ほいほいβ』を壊しちゃいました‥‥普通に触っただけなのに!」
 歳よりも大人びて見える宝野は、冷や汗気味に答える。
 凝った造りだった雨雲ほいほいβはなぜかぐしゃっと潰れ、同じものを作り直す制作時間が無くて無理やりそれっぽく作った『雨雲ほいほいβ(修正版)』を本番では使ったらしい。
「私が大破したから‥‥うふふ‥‥すみません‥‥」
 スクリーンに映し出されたほんとにぐっちゃりと潰れている雨雲ほいほいβに宝野はトオイメ。
「あの回はあたしもNGを出しちゃいました。初登場で縞りすさんを下敷きに〜」
 美森が相槌をうつと、スクリーンにはリスリスを覗き込もうとしてよろけ、お布団ごとそのまま縞りすを下敷きにする美森の姿が映し出された。
 スクリーンの中で美森は必死に『きゃああっ!! ごめんなさいごめんなさーいっ』と半泣きで謝っている。
「あれはびっくりしたでぃすよ。でも痛くはなかったでぃす☆」
 その時の事を思い出し、縞りすも笑う。
 布団の上からだった事と、ふわふわのリス尻尾が丁度クッションになって縞りすを守ったのだ。
「NGはあんまり出していないはずだけど、『宿題!』のときはホントの宿題も終わってなくて結構ピンチだったんだよね」
 結は最初の頃は失敗したものの、後半は殆ど取り直しがなかった。
 けれどスクリーンには楽屋で一生懸命本当の宿題を解く結の姿が映し出される。
「実際のこと演じるのが一番やりやすいよね? ねっ?!」
 よもやまさかこんな場面を撮られているとは思ってもいなかった結は、わたわたと誤魔化す。
「「「あっ!」」」
 そして全員、スクリーンの端っこに注目。
 そこには、こっそりひっそり結の宿題に自分の宿題を紛れ込ませようとする優斗の姿が!
「何でカメラさん、カメラ回してんの! 絶対秘密だからな、秘密っ!!」
 いや、もうスクリーンにばっちり写ってます、うん。
「イズミ君の宿題、やけに多いと思ったですよ!」
「僕がギリギリまで終わらなかったの、優斗くんの宿題だったんだね‥‥っ」
 やられたーとばかりに爆笑するぷにっと達。
 きっとこのDVDが放送される時には子供達が真似しちゃわないように、『良い子の皆、宿題はきちんとやろうね』と優斗の声と共に画面下にテロップが流されるだろう。
「楽屋裏も結構撮影されていたんですね。ブラック海賊団はみんな結構仲良くて、悪役同士互いにメイクし合ったりしてたんですよ。スタッフさん、いつだか撮ってなかったかしら」
 ほっぺたを真っ赤にして慌てる優斗にフォローを入れるように、笹木がスタッフを促す。
 すると、笹木が宝野にメイクしているシーンがスクリーンに映し出された。
「皆基本は綺麗な顔してるから、悪役メイクするのがもったいなくて」
 そういってふふっと微笑む笹木。
 宝野のメイク途中の素顔にルージュがふと気づく。
「アナマリアさんが御厨鈴さんだったのニャね」
 そう、悪の海賊団アナマリアとして出演していた宝野は、実は番外編の時に一度リポーター役として出演していたのだ。
 リポーター役の時とアナマリア役とではあまりに印象が違う為、ぱっと見では誰も気づかなかった。 
 そして画面が切り替わり、優斗とイズミ君、そしてサッカーボールに扮した倉井が映し出された。
 これは、『ぷにっと海賊団☆GOAL』の時の楽屋だ。
「うはっ、これはっ‥‥!」
 倉井が思い出して苦笑する。
 スクリーンの中ではなんと優斗とイズミ君が倉井に思いっきり蹴りを入れているではないか。
 サッカーボール姿の倉井が『ちょっとまて、おまえら! やめろー。あれ? どこからか声が聞こえる、じゃないだろー』と抗議しているが、二人の悪がきコンビは知らん振りでサッカー続行!
「ボールそっくりで見分けつかなくてさー」
「イズミくん、休憩中にゆーとさんとサッカーボールで遊んでたら、ボールじゃなくてクーラさんだったです。あれはびっくりだったですねー」
 スタジオの二人は満面の笑顔ですっとぼけ。
 本当は気づいていたんじゃないですか?
 というスタッフの質問にも、
「そんなことあるわけないじゃないですかー、えへへー☆」
 とイズミ君はくふっと笑う。
 天使の笑顔の裏を垣間見た気がする瞬間だ。
 そしてスクリーンには次々と出演者達のNGシーンが流れる。
 縞りすが出来上がったお料理をすっころんで、それがものの見事に倉井の口に収まったり、戦闘シーンで一緒にルージュとすっ転んだり。
 優等生イメージの美森が台詞を間違えるシーンはとても新鮮だ。
 そしてなんとお料理まで作っている場面が映し出される。
「種も洗ってフライパンで炒って塩で味付けして食べましたの‥‥ちょっと前にお母さんに教えてもらってたので」  
 お料理といえば縞りすだが、この日は撮影で使った西瓜の種を美森が炒ってみんなで食べたらしい。
「美味しかったでぃすよ☆」
「ありがとうございますの。あたしも早く縞りすさん位作れたら素敵ですよね〜」 
 お料理の大先輩に褒められ、美森はほんのりほっぺたを上気させる。
 

●〜幻の最終回〜正義はぷにっと!
「撮影の時の思い出というと‥‥やはり二人合わせての合体技ですニャかね〜?」
 思い出の名場面を語るルージュ。
 ぷにっとの見習いという事で半人前扱いだったのだが、半人前なら二人力を合わせれば一人前。
 もう一人の見習いぷにっとと一緒に合体技を発動させ、見事悪の海賊団を撃破したのだ。
「思い出は、やはりブラック海賊団編ラストですね‥‥」
 笹木が幻の最終回を口にする。
 実は、ぷにっと海賊団最終回は既に撮影されているのだ。
 だが諸般の事情でまだ一般公開されていない。
 何度見ても感動するというその最終回の一部がスクリーンに映し出される。


 ぷにっと達の活躍により白の女王が復活し、黒の女王の魔法で記憶を封印され、ぷにっと海賊団にいた白の女王の息子も黒の女王の下を去る。
 そうして、自ら作り出した暗黒の空間に黒の女王は飲み込まれていく。
 抵抗することもせず、全てを運命として受け入れて消え逝こうとする黒の女王に、だがぷにっと達は手を差し伸べた。
「空間を止めるお薬ですのっ!」
「みすみす死なせるかってーの!」
 フルートが暗黒空間に薬を撒き、海賊船『ぷにっとぷにっと☆』になぜか乗っているユートが手摺りから身を乗り出して黒の女王に手を差し伸べる。
「ちくしょう、気流が安定しねぇっ!」
 いつものかわいらしい口調をふっとばし、イズミが必死で舵を取る。
 だが船はイズミの力だけでは支えきれない。
 気流に流されそうになるその小さな身体を、やはりなぜか同乗しているクーラが支える。
「君達の力はこんなものではないはずだぞ。さあ、僕を倒した力を見せるんだ!」
 クーラに励まされ、イズミの手により一層力がこもる。
 流されそうになっていた船が舵を取り戻し、今まさに飲み込まれようとしていた黒の女王に急接近!
 その一瞬のチャンスを決して見逃さず、リスリス、ルージュ、ムスビも手を差し伸べる。
 闇に飲み込まれれば自分達もただでは済まないというのに、ぷにっと達は黒の女王を助けることに全力を傾ける。
 その小さな手達に身体を引き寄せられ、助け出される黒の女王。
 その瞳に涙が浮かぶ。
 くるっ!
 スクリーンの中のぷにっと達と、スタジオの出演者全員がカメラ目線で振り返る。

 「「「「「「「「正義はぷにっと☆」」」」」」

 勝利のポーズ、きめっ☆
 応援ありがとうございました!!!