炭酸戦隊333!特別編アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 霜月零
芸能 1Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 易しい
報酬 1万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 10/25〜10/29

●本文

 それは、突然起こった。
 大地を揺るがし、天を焦がすエネルギー。
「ふふん、地球のやつらも大したことないじゃないか」
 宇宙から突如飛来した悪の女王は宇宙船の上に立ち、天変地異に泣き叫ぶ人々を嘲笑う。
 ボンテージファッションに身を包んだいかにもな彼女は、鞭を振るい悪の怪人達を次々と地上へ送り出す。
「この世界にはほかにも悪役がいるようだが‥‥このわらわ以外に悪は不要。正義もろとも、滅ぼすがいい!」
 ただただ破滅を望む女王の命を受け、宇宙怪人達は正義も悪も関係なく襲い掛かる!
 助けて、炭酸戦隊333!!!


〜炭酸戦隊333! 特別編出演者募集〜
 特別編出演者を大募集いたします。
 いままで出演した事のある方は、出来るだけ同じ役で出演してください。
 ただし、ストーリー的に前回の役だと出番がない場合は、他の役への変更可能です。


〜ストーリー〜
 突如として現れた本物の悪を倒し、地球に平和を取り戻してください。
 敵は、悪も正義も関係なく襲い掛かってきています。
 女王を倒す為に、炭酸戦隊とジョッカーの共闘もOK。
 

●今回の参加者

 fa0748 ビスタ・メーベルナッハ(15歳・♀・狐)
 fa2791 サクラ・ヤヴァ(12歳・♀・リス)
 fa4235 真喜志 武緒(29歳・♂・狸)
 fa4286 ウィルフレッド(8歳・♂・鴉)
 fa4578 Iris(25歳・♂・豹)
 fa4946 二郎丸・慎吾(33歳・♂・猿)
 fa5345 ルーカス・エリオット(22歳・♂・猫)
 fa5353 澪野 あやめ(29歳・♀・ハムスター)

●リプレイ本文

●悪の女王、襲来!
「うふふ、面白い所ね‥‥思いっきりメチャメチャにしてあげましょう」
 悪の女王・クィーン・クローナル(澪野 あやめ(fa5353))の妹、カミュラ・クローナル(ビスタ・メーベルナッハ(fa0748))は円盤の上から地上の人々を悠然と見下ろし、嗤う。
 いま、地上は彼女達姉妹の放った怪人達により地獄絵図が展開されていた。
 逃げ惑う人々の叫び声が心地よく、カミュラはうっとりと青い瞳を細める。


「悪の女王ですか。これは、ぜひともスカウトしなくては」
 しぇー! しぇー! しえええええぇっ!!!
 早朝から悪の掛け声も爽やかに、日々悪の道を極めんと努力するへたれ怪人・ジョッカー(ルーカス・エリオット(fa5345))の一の部下A(真喜志 武緒(fa4235))は企画書を握り締める。
 ジョッカー様はそれはそれは強く優しく格好良い(?)悪の中の悪なのだが、なぜか憎っくき正義の味方・炭酸戦隊に負け続けているのだ。
 ここらで一つ強力な仲間をスカウトし、ジョッカー様に勝利の白星をプレゼントしなくては。
 部下Aはしぇーの発声練習のし過ぎで喉が痛かったりするのだが、敬愛する上司の為、TVに写る女王達の出現地域へと走り出す。


「え、レッドもブルーも出張中? ‥‥俺一人ー?!」
 そんな叫びと共にに画面に食い入るのは炭酸イエロー・樋野エンジ(Iris(fa4578))。
 ジョッカーとは一味も二味も違いそうな宇宙からの悪の女王の襲来に、そりゃ叫びたくもなるだろう。
 だが叫んでも何してもレッドとブルーは今はいない。
 イエローが頑張らねば地球の平和は誰が守る?!
 愛と正義の為に炭酸イエロー、一人バイクに乗り込み現地へと走り出す。


「バックに何かついたのか、それとも別組織か‥‥いずれにせよ、早急なパワーアップが必要だ」
 事件を知った元炭酸ブルー・塩津早太(二郎丸・慎吾(fa4946))は秘密基地に乗り込む。
 そこでは地球の平和を守るべく、炭酸戦隊パワーアップアイテム開発を行っているのだ。
 そう、悪の女王とその妹は、今までの敵とは明らかに違う。
 塩津にはわかったのだ。
 今のままの炭酸戦隊では太刀打ちできない事も。
 サラリーマンたる世を忍ぶ仮の姿を捨て去り、塩津は徹夜で基地に篭る。
 勝利を導くアイテム開発の為に。


●本物の悪は、どっちだ?!
「あら‥‥この子、可愛いわね。いいわ、貴方は殺さないであげる」
 怪人を操り、自らも地上へと降り立ったカミュラは、泣きじゃくるサクラ(サクラ・ヤヴァ(fa2791))に目を細める。
 幼いサクラの側に倒れているのは母親だろうか?
 カミュラに見つめられ、サクラは恐怖で息が止まりそうになる。
「‥‥連れて行きなさい」
 サクラの恐怖に満ちた表情を存分に楽しんで、カミュラは側にいた怪人にサクラの連行を命じる。
「やめろぉ、お姉ちゃんを離せ!!」
 どんっ!
 五浦結城(ウィルフレッド(fa4286))は精一杯の力で怪人を突き飛ばす。
 野球の帰りに事件に巻き込まれたのだろう、五浦はユニフォーム姿で手にはバットを構え、目の前で誘拐されかけている見ず知らずのサクラを庇おうとする。
 だがもちろんそんな事では怪人はビクともしない。
 怪人が邪魔な存在とばかりに五浦の首に手を伸ばす。
「だ、だめっ!!」
 ぎゅっ!
 サクラが咄嗟に五浦にしがみ付く。
 攻撃すれば捕獲対象のサクラも傷付く状況に、怪人は身動き取れなくなる。
「構わないわ。二人とも連れて来なさい」
 だがそれも一瞬のこと。
 カミュラの一声で怪人は腕を伸ばし、二人とも縛り上げてゆく。
「ところで」
 カミュラの朗報に現場に合流したクイーンがすっと目を細める。
「そこに居るネズミは何用じゃ。姿を現すが良い!」
 ピシっ!
 豪奢な羽根突きの扇子をクイーンが飛ばす。
「‥‥見事な手腕ですね」
 拍手と共に部下A、物陰から姿を現す。
 その足元に扇子が落ちる。
「何ヤツじゃ。わらわに何のようかえ?」
 ボンテージファッションに金刺繍の豪奢な打掛を羽織った女王は、優雅に問う。
 突然の来訪者に少しも動じない。
「貴方をスカウトに参りました。ぜひ、ジョッカー様の部下として貴方をお迎えしたい! ジョッカー様はこの地球で一番の悪で‥‥」
「何を馬鹿げたことを‥‥」
 クイーンは部下Aがジョッカーの素晴らしさを語りきる前に鼻で嗤って遮り、妹へと目線を送る。
「貴方、いいカラダしてるのね‥‥良かったらウチに来ない? もっと、もっと逞しくシテあ・げ・ちゃ・う♪」
 うっふん♪
 ピンクのオーラを撒き散らし、カミュラがするすると部下Aの身体に擦り寄る。
「え、わっ、えっ?! 僕はジョッカー様の部下で‥‥わああああっ!?」
 部下A、カミュラのお色気に撃沈!
 どんな風にお色気だったかは想像に任せよう。
「流石はカミュラ‥‥」
 妹の鮮やかな手腕にクイーンは満足げに微笑む。
 

●集え、炭酸戦隊!
「遅い!」
 プリプリプリプリッ!
 へたれ怪人・ジョッカーが不貞腐れながら現場に訪れる。
 その手にはなぜか二人分のカップラーメンが。
「またこれは‥‥随分おかしなやからが現れたものじゃのぅ」
 あふぅ。
 ジョッカーをまるっきり眼中にないとばかりにクィーンは欠伸を漏らす。
「ラーメン伸びちゃうだろ! あっお前がクィーン・クローナルか?! 部下Aがこっちにきただろ、どこだ?」
 どうやら部下Aとカップ麺は食べるつもりだったらしい。
 あんまり帰りが遅いから心配になって様子を見に来たのだろう。
「あら、この子のコトご存知なのかしら? ‥‥でも、きっと貴方達の知るこの子とは、もう違うのよ」
 カミュラの腕に抱かれた部下Aはサングラスをかけている。
 だが、そんなもので顔を隠していても超部下Aを信頼しているジョッカーにはすぐに誰だかわかった。
「もう違う‥‥? お前ら、部下Aに何をした‥‥うっ!?」
「‥‥覚悟!」
 部下A、いいや、カミュラに洗脳された部下αがジョッカーに殴りかかる。
 フェイクでなく本当に殺意を持ったその攻撃に、ジョッカーは目の前が暗くなる。
(「ドッキリだろ‥‥?!」)
 自分だけを慕い、いつも支えてくれた部下A。
 その部下Aが敵として自分の前に立ちはだかるなんて!!
 信じられない思いで立ち尽くすジョッカーを、部下αはここぞとばかりに殴る蹴るの暴行を加え続ける。
(「例え洗脳されようと、アイツは大事な部下A! 攻撃なんて出来な‥‥痛ッ」)
 ジョッカーもへたれとはいえ怪人、それなりに体力に自信はある。
 だが防戦一方ではやられるのも時間の問題だ。
 部下Aとの楽しい思い出が走馬灯のようにジョッカーの脳裏を駆け巡る。
「ふふっ、防戦一方とは、地球の怪人はあっけないのぅ‥‥」
 情けないといわんばかりに見下し、高笑いをするクィーン。
「‥‥甘いな」
 とどめといわんばかりに部下αが拳を振り上げる。
 その瞬間、
「ちょーっとまったああああああ!!!」
 ズザザザザザザッ!
 バイクで砂利を吹き飛ばし、炭酸イエローが飛び込んでくる。
「悪党ども、お前らの好きにはさせないんだよ! 食らえ、スパークリングビーム!!!!」
 シュワワワワワワー!
 激しく缶を振るようにイエローが腕を振り、スパークリングビーム発動!
 爽やかレモン味の麻痺ビームが女王と部下αに襲い掛かる。
「ちょっと待て、お前今俺達を一括りにしたろう?! 俺様はそんじょそこらの悪党とは違うんだぞっ、世界一の悪役なんだぞっ!」
 死にかけていたのが嘘のようにジョッカーがプンスカと抗議。
 クィーン達と『悪党共』と一括りにされたのが気に入らなかったらしい。
「悪役なんてこっちからしてみたら何でも同じだよ。でもむしろあっちの方が悪役っぽくない?」
 ビームに痺れてはいるものの一向に動じない女王にイエローの額に冷や汗が浮かぶ。
 はっきり言って、ヤバイ。
 イエローの攻撃手段は主に補助系なのだ。
 スパークリングビームも強弱はつけれるものの所詮相手を痺れさせるだけのもの。
 決定打にはなりえないのだ。
「ふむ。中々に面白い技を使うものよのぅ? じゃが、わらわの敵ではないようじゃ。お前達、やっておしまい!」
 パチンとクィーンが扇を閉じる。
 その瞬間、無数の怪人達がどっと溢れ出し、イエローに襲い掛かる!
 イエローも必死でビームを飛ばすが圧倒的な数にビームはあらぬ方向に飛んでゆき、徐々に後退していく。
(「俺を苦しめたコイツらが‥‥?」)
 そしてジョッカーはそんなイエローの姿に戸惑いを隠せない。
「‥‥危ないっ!」
「えっ!?」
 ドンッ!!!
 戸惑うジョッカーに振り下ろされた怪人の拳から守るように、洗脳されているはずの部下αがジョッカーを突き飛ばす。
「あぁああ!! 私は‥‥何故‥‥!!」
 本能的な自分の行動に苦悩し混乱する部下α。
 その部下αの上にとどめといわんばかりに瓦礫がゴーン!
 屋根の上から落ちてきたそれを顔面で受け止めた部下αの洗脳は、すっきりさっぱり解けた。
「はっ! 僕は今まで何を‥‥? 最後に見たのは綺麗なおねーさんは好きですかとか何とかっ」
「何を羨ましい事を言ってるんだ! でも元に戻ってくれて嬉しいぞ部下A!」
「ジョッカー様!!!」
 抱きゅーーーーー☆
 思わずモザイクを入れたくなる暑苦しい抱擁を展開し、感動の再開を果たす二人。
 画面の下に『これはホ○ではありません。友情の証です』とテロップが流れた。
「ふふっ‥‥雑魚が‥‥」
 そしてその裏では、クィーンの怪人に今まさに倒されようとするイエローの姿。
 地球は、このまま支配されてしまうのか?!
 絶体絶命のその場所に、けれど天の助けが舞い降りる。 
 

●勝利は333ヴィクトリー!!!
「間に合ったようだな」
 バイクの爆音を響かせて元炭酸ブルー、参上!
 その手には新開発のスーツと武器が握られていた。
「受けとれ!」
 絶体絶命のピンチに陥っていたイエローにそれを投げ渡す。
「‥‥よぉ。いっちょお前さんも、変身してみる?」
 イエローを守る為に怪人と戦いだしたジョッカーにもブルーは変身スーツを投げ渡す。
「俺が?!」
「おうとも。お前さんからしっかりとした炭酸パワーを感じるぜ!」
「‥‥何かコショばゆいが、一緒に闘ってやるぞ! フンッ!」
 一瞬面食らったものの、地球をというより部下Aを守る為、ジョッカーはスーツを受け取る。

「「「炭酸戦隊333!!!」」」」

 三人揃って変身!
 イエロー、ブルー、そしてオレンジ。
 三色の炭酸戦隊が女王達に立ち向かう。
「頑張れジョッカー様! ファイトだ炭酸オレンジ!!」
 雑魚怪人を追い払いつつ、主にジョッカーを激しく応援する部下A。
「オレンジって、赤と黄色の中間色かよ!」
「黙れだまれっ、赤じゃなきゃいけないという決まりはないだろ、フンッ!」
 強化スーツで圧倒的に強くなったイエローとオレンジはさっきまで苦戦していた怪人達を次々と倒してゆく。
「地球のタンサニウムを一杯吸い込んだ炭酸戦隊にかかれば、おまえ達なんかちょちょいのちょいだ!」
 人質として囚われている五浦もご機嫌に応援。
「そうだわ、こちらにはお前達がいたのよ。炭酸戦隊、この子達がどうなっても良いのかしらねぇ?」
 五浦応援の声にはっとし、カミュラが怪人からサクラを奪い取る。
「た、助けて‥‥」
 囚われの身のサクラは必死にもがき逃げようとするが、出来ない。
「わらわはクィーン・クローナル! 愚民ども! ひれ伏すがいい!!」
 勝利の予感にクィーンの高笑いは止まらない。
 だがさっきイエローが放ったスパークリングビームが紆余曲折してなぜかカミュラの胸に!
「ああ‥‥ビリビリきて気持ちイイ‥‥♪」  
 うっとり。
 カミュラはなぜかビームにメロメロに!
「いまだっ!」
 その隙をつき、サクラと五浦をそれぞれブルーとオレンジが奪い返す。
「ああん、気持ちよすぎるのよ、でも身動き取れない?! お姉様、助けてぇ!」
 イエローのビリビリになぜかはまって受け続けたカミュラはもぅ完全に身動きが取れない。
 だが姉は冷たかった。
「己の不始末は己で始末せい!」
 せっかくの勝機を駄目にした妹には呆れの感情しか湧いてこない。
 くるりと踵を返し撤退しようとする。
 だが。
「逃がさないぜ!」
「?!」
「「「333・デルタガイザー!!!」」」
 ブルー、イエロー、オレンジの放つ三色の光の波がスクリューのように一つになってクィーンを打ち抜く。
「くっ‥‥! 何故‥‥?!」
 扇子で防ぎきる事ができず、吹っ飛んでゆく女王。
「そ、そんな、こんな子達に‥‥ああーーーーーーーっ!!」
 そしてカミュラも余波にやられ、同じように夜空の彼方へ。
「終わったな」
 敵の消え去った空を見つめ、炭酸戦隊はぐっと肩を組んだ。