ぷに海賊☆チョコぱに☆アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
霜月零
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芸能 |
1Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
1.2万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
02/17〜02/21
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●本文
『ぷにっと海賊団☆』
それは悪の海賊団と正義のぷにっと海賊団が戦うお子様向け特撮番組だ。
毎回のようにキャストが変わるこの特撮は、今日も今日とて可愛いぷにっと感溢れる子供達が元気に悪の海賊団をやっつける☆
「ぷにっとシュートッ!」
必殺技が炸裂し、吹っ飛ぶ悪の海賊団。
「正義はぷにっと☆」
勝利のポーズ、決めっ☆
そうして今日もキャスト募集開始♪
☆ぷにっと海賊団次回予告☆
「ココアパウダー!」
街中で、板チョコを繋ぎ合わせたようなチョコレート怪人がその両手から魔法のココアを撒き散らす。
ココアを浴びせられた人々はみるみるチョコレートに!
「実に素晴らしい光景です。世界はチョコレートに包まれる!
ハーッハッハッハッハッハッ!」
黒いマントをばさりとなびかせ、シルクハットを目深に被った悪の海賊団・シルクハットダンディが嗤う。
チョコレート好きの彼は、世界中のチョコレートを手に入れ、尚且つ全てをチョコレートへと変えるつもりなのだ。
このままでは恋も機械もみーんなチョコレートに!
助けて、ぷにっと海賊団!!!
☆『ぷにっと海賊団☆』キャスト大募集!
ぷにっと海賊団『チョコレートパニック☆』のキャスト大募集☆
毎回主役の違うこの番組では、海賊服に身を包んだぷにっと感溢れる少年少女たちが悪の海賊団と戦います。
チョコレートパニックでは、悪の海賊団に作り出されたチョコレート怪人と戦っていただきます。
怪人の必殺技は『ココアパウダー』
浴びると、身体がチョコレートになってしまいます。
なお、今回は『ぷにっと海賊団☆VT服』にて製作された下記の衣装を着て頂きます。
〜衣装詳細〜
基本海賊服は、黒を基調としたものになります。
『男の子用』
トップスは貴族子弟的ジャケット。
アンダーは半ズボン
赤いソックスに黒エナメルの靴。
幅広い赤レザーのベルト付き。
襟の縁取り、袖口、大きなボタンに赤を使用。
銀のハートマーク、板チョコ型アクセサリーが所々に配置されている。
『女の子用』
トップスはセーラーカラーでパフスリーブ。
動きやすいミニスカートにドロワーズのセット。
フリルやリボンを多用。
主要なリボンは赤。
腰には特に大きなリボンあり。
随所に赤でハートマークを配し、靴は赤エナメル。
赤黒の縞模様オーバーニーソックスをあわせ、長さ変更可能。
スカートは後ろが割れてペチコートを見せるデザイン。
尻尾を出せるようになっている。
『ぷにっとコック服』&『ぷにっと整備士服』
以下の二つの衣装も今回以降使用可能です。
コック服はチャイナドレスを基調とし、ゆったりとした袖口にはお玉型ステッキなど武器を隠せます。
整備士服は、様々な場所に歯車をつけ、歯車型の髪飾りもセット。
機械好き設定の女の子&男の子にぴったりです。
『見習いぷにっと服』
セーラーファッション。
赤い襟が魅力の上着と動き易さに重点を置いたキュロットパンツに、ハート型錨のワンポイント入りのハイソックスのセットです。
●リプレイ本文
●秘密の入口☆
学校の裏山で。
チヒロ(麻倉 千尋(fa1406))は小さな山小屋に忍び込む。
もう何年も使われていないそこは、ぷにっと海賊団本部への秘密の入口☆
「22*22#、ぷにぷにだよ♪」
肉球マークの付いたぷにっとフォンを押すと、光り輝くドアが現れる。
そのドアをくぐればそこはもうぷにっと海賊団本部・海賊船『ぷにっとぷにっと☆』!
「あ、いい匂い!」
海賊船の中だから、ぴょこっと狸耳&尻尾を生やしてチヒロは鼻をくんくん。
ぷにっとぷにっと☆ では、チャイナドレスを基調としたぷにっとコック服に身を包んだリスリス(縞りす(fa0115))を中心にチョコレート作りが行われていた。
「今日はみんなの為にクッキーを作ってたんだよ〜♪ あ、本命さんはナイショだよ?」
チヒロに気づいて、ミユミユ(猫見みゆ(fa0044))が作りたてのハート型チョコクッキーをふりふり。
「チョコ作ってるんだ、そういやもうバレンタインだもんねえ」
「チヒロさんも一緒に作るんだよ。リスリスさんの教え方上手だから、すぐに美味しく作れるんだよ」
ほっぺたやぷにっとコック服にチョコレートが付いているのはご愛嬌☆
お料理上手なリスリスに教わって、こちらもハート型のチョコレートの型に湯煎したチョコを流し込んでいたタテポ(神代タテハ(fa1704))が笑う。
「そういえば、お姉ちゃんにチョコチップクッキーの作り方習ったんだ。あたしはいま本命いないから皆と交換会したいな♪」
「交換会も楽しそうでぃす。リスリスはチョコレートケーキでも作るでぃす☆」
ココアから本格的にチョコレートを作っていたリスリスは、ぽんと手を叩いてケーキのスポンジ用の小麦粉を取ろうとして‥‥どんがらがっしゃん!
ものの見事にすっころんだ。
「リスリスさんっ?!」
「うわっ、真っ白なんだよっ」
頭っから小麦粉を被ったリスリスは、
「大丈夫でぃす〜。いつものことでぃす☆」
と照れ笑い。
そんな時、緊急警報が鳴り響いた。
●大変! 街中がチョコレートになっちゃった?!
「遅かったな。お前達、何をしていたんだ?」
慌てて厨房から飛び出して、船長室に飛び込んだぷにっと達を出迎えたのは、いつもの妖精ではなかった。
ターバンで顔を隠し、鷹を思わせる鋭い羽を持つ迷彩服の女性(尾鷲由香(fa1449))は、ぷにっと達に厳しい目線を送る。
「あなたは‥‥どなた‥‥かな?」
リトルスノー(紗雪(fa2853))が赤い瞳を瞬かせてまったりと小首を傾げる。
「名乗るほどのもではないだろう。それよりも、これを見るんだ」
謎の女性が指を鳴らすと、空中に巨大スクリーンが映し出され、そこにはチョコレートに変えられた街の姿が!
「これって一体なんなのかなっ?!」
「チョコレートだらけでぃす」
「あっ、あそこになんか変なのがいるんだよっ」
赤いセーラーカラーの見習い海賊服をたぽっと着こなした幼いルゥ(江見澤るう(fa1320))が背伸びして画面の端を指差す。
画面はその指先に合わせてズームイン☆
するとどうだろう?
逃げ惑う人々に板チョコを繋ぎ合わせたような怪人(尾鷲由香(fa1449)一人二役)が魔法のココアパウダーを放射してチョコに変え、シルクハットを被った美貌の青年・シルクハットダンディー(ルーファス=アレクセイ(fa1511))が高らかに笑っているではないか!
「チョコレートの怪人だよっ。悪の海賊団って事かな?!」
「バレンタインにまで暴れるなんて許さないんだよ!」
「でも、妖精さんはどうしたでぃすか?」
みんなが怒る中、リスリスが素朴な疑問を口にする。
いつもはこういった情報は水晶の妖精からもたらされるのだ。
「妖精は別の事件で力を使い過ぎて、今は水晶の中で静養している為に急遽あたしがここに来た。あたしを信じる信じないは勝手だが、いま襲われている人々を助けるのが先決ではないか?」
顔を見せず、正体のわからない謎の女性の言葉は、けれど真実だった。
彼女が誰であろうと、いま襲われている人々を早く助けなくては!
「わかったでぃす。助けに行くでぃす!」
拳ぐっ。
気合を入れて、ぷにっと海賊団たちはチョコレート怪人の元へ急ぐのだった。
●戦闘開始! ‥‥って、返り討ち?!
ぷにっと海賊団が現場に駆けつけると、そこはチョコレートの世界だった。
見渡す限り甘くて美味しそうなチョコレート☆
「ちょこ、おいしそうなの」
ぷにぷになお手てでルゥは思わずチョコになった植木をツンツン。
うん、間違いなくチョコレート。
「街を‥‥チョコレートにするなんて‥‥駄目‥‥かも」
チョコレートよりも実は生クリームのほうが大好きな甘党のリトルスノーはちょみっと不満。
「おやおや、貴女達がぷにっと海賊団ですか? これはまた愛らしい。敵同士なのが残念でなりません」
現れたぷにっと海賊団にシルクハットダンディーが心底残念そうに呟く。
ゴスロリ風味の黒を基調としたフリルやリボンを多用した女の子衣装はもちろんのこと、半ズボンに赤いソックスを合わせ、黒エナメルの靴を履いた男の子用衣装も愛らしく、それらをぷにっと着こなす少女達の魅力は天井知らず。
敵とはいえ、シルクハットダンディーが残念がるのも無理はない。
「出たなーっ! こういう日くらい暴れるのはよすんだよっ、みんなが迷惑するじゃない!! ぷにっとぱーんちっ!」
本命チョコを作りそびれたミユミユの怒りは凄まじい。
両手を合わせるとハート型になるバレンタイン特別グローブを装着して怪人に向かって怒りの肉球ぷにっとパンチを繰り出した。
「されど敵は敵。チョコレート怪人、やっておしまいなさい!」
『チョコチョコチョコーーーーーーー!』
マントをなびかせて命令するシルクハットダンディーに従い、チョコレート怪人の両手から魔法のココアパウダー発射!
「危ないんだよっ」
咄嗟にチヒロがぷにっとアンカーソーサーで怪人を攻撃し、ココアパウダーの標的をミユミユからずらした。
「‥‥って、えー?! グローブがチョコになっちゃったんだよう?!」
全身に浴びることは防げたものの、ちょみっとココアがかかってしまったミユミユのだぼっとグローブは美味しそうなチョコレートの塊に!
「なら‥‥これはどう‥‥かな」
リトルスノーがぷにっとスノーで作り上げた暖かい日でも溶けない雪玉で攻撃っ。
「ふふっ、愛らしいですね。ですが‥‥ローズイリュージョン!」
シルクハットダンディーが胸の薔薇をかざすと、そこから薔薇の花びらがあふれ出し、チョコレート怪人のココアパウダーと混ざり合い効果が二倍に!
ちなみに二倍の比率はシルクハットダンディー談による。
「チョコレートに‥‥雪は効かないの‥‥残念なの‥‥」
当然のことながら一瞬にして雪球もチョコレートに代わり、避け切れなかった衣類のあちこちがチョコレートに!
「触れたら危険でぃす!」
「ココアパウダーをどうにかしなくっちゃ‥‥」
「ここは一旦撤退だっ!」
体勢を立て直すべく引き上げるぷにっと海賊団。
でも、
「あうっ?!」
「でぃすっ?!」
こけっ☆
リスリスとミユミユの不幸属性ドジっ子コンボ炸裂!
お互いの足が絡まって転がってなぜかシルクハットダンディーの目の前に。
「大丈夫ですかレディ、貴女達の様な人にこんな荒事は向きませんよ?」
すっと手を差し伸べ、わたわたしている二人を優しく抱き起こすダンディー。
顔を見合わせるミユミユとリスリス。
(「もしかして、基本はいい人っぽいのかなっ?」)
(「それっぽいでぃす?」)
「二人を放すんだよっ!」
遠くから見れば捕まったようにしか見えないその状況に、チヒロは慌ててソーサーで攻撃っ。
「ありがとうなんだよっ」
「ありがとうでぃすっ!」
ソーサーに怯んだダンディは二人から手を離し、でも二人は律儀にお礼を言って逃げてゆく。
「私はチョコレートが好きなのです。世界を大好きなものに変えたいだけなのですよ」
駆け去るぷにっと達を、ダンディは特に攻撃もせずに見送った。
●必殺アイテム、開発☆
海賊船『ぷにっとぷにっと☆』の整備室。
ここでは主に妖精さんとぷにっと整備士が海賊船の整備やら武器の整備をしている場所だ。
でも今回は緊急事態。
妖精さんはお休み中だし、様々な場所に歯車の飾りの付いたぷにっと整備士服に着替えたぷにっと達全員で新武器の開発に当たる。
「ココアパウダー、すっごい効果なんだよ」
「あれをどうにかしないと、勝機はないでぃす」
「妖精さんがいないから、自分達で頑張らなくっちゃだよ」
邪魔にならないように長い髪を歯車型の髪飾りでまとめ、スパナやらネジやらわけのわからないものなど色々組み合わせていく。
そうしてみんなで頑張って作り上げた武器は、果たしてココアパウダーを防げるのか?!
●リベンジ〜勝利の女神はどちらに微笑む?
「おや、またいらしたのですか?」
新武器を携え現れたぷにっと達に、ダンディーが眼鏡を押し上げる。
「もう負けないんだからっ! ぷにっとハリケーン!」
ミユミユが肉球の形が可愛いぷにっと奥義をぶんっと振り回す。
するとあたり一面に突風が吹き荒れ、シルクハットダンディーとチョコレート怪人を攻撃!
「ふっ、これはまた素晴らしい攻撃ですね。ならば私もお見せいたしましょう」
バッとシルクハットを左手で脱ぎ去り、
「はい、此方に取り出したハートのエース。種も仕掛けも御座いません。ですが、ほらっ!」
一斉に真っ白い鳩が何羽も飛び立ってゆく。
「うっわーっ、綺麗なんだよ」
戦闘中な事も忘れて思わず見惚れてぱちぱちと拍手☆
「お褒めに預かり光栄です」
そんなぷにっと達に優雅に一礼してダンディーは立ち去ろうとする。
「ちょっと待つでぃすよ! このまま逃がすわけには行かないのでぃす!」
「いまのは綺麗だったけど、街中を元に戻してもらわなくっちゃ困るんだよっ」
「逃げちゃ駄目なの!」
びしっと指を突きつけて正気にかえるぷにっと達。
手品は綺麗だけれど、チョコレートのままでは困るのだ。
夏場になったらきっと溶けちゃうし。
「ふむ、仕方ありませんね。チョコレート怪人!」
ダンディの命令で、再びチョコレート怪人はココアパウダーを発射!
『ウゴゴゴゴゴゴッ!』
なんだかじたじたと駄々っ子のようにパウダーを連射する姿はまるでどーして大好きなチョコを作るのを邪魔するんだといわんばかり。
「その攻撃はもう効かないのでぃす☆」
「ぷにっとパラソルで防いじゃうんだよっ」
タテポが傘を開いてみんなをパウダーの攻撃から守り、リスリスがぷにっとコック服の懐からぷにっとオタマを取り出してくるくると旋回させると、パウダーは一気にチョコレート怪人へ逆戻り☆
『チョコチョコチョコー?!』
断末魔の叫びを上げて、チョコレート怪人は見事チョコレートのオブジェに成り果てた。
「雪だって‥‥チョコレートを倒せるの‥‥!」
とどめにリトルスノーがチョコレートになっちゃった怪人をぷにっとスコップでぺちん☆
って、雪関係ないし!
哀れ怪人はぺっちゃんこに。
「なんてことでしょう! チョコレート怪人が倒されてしまうなんて。これでは、世界をチョコレートに変えることがもう出来ない‥‥」
野望を断たれ、シルクハットダンディーはがくりとその場に膝を付く。
「これ、あげるんだよ」
ミユミユが懐から手作りチョコを手渡す。
「これは‥‥なぜ私に?」
「チョコレートが大好きなだけなんでぃすよね?」
そういって、リスリスもチョコクッキーをダンディに。
タテポもルゥも、そしてチヒロもリトルスノーも次々とハート型ポシェットからチョコレートを取り出してダンディにプレゼントする。
「魂の篭っていないお菓子なんてつまらないでしょ? チョコ好きなシルクハットダンディーに、プレゼントだよっ」
「これは‥‥そう、これだったんです。私がずっと求めていたもの。愛情の篭った、チョコレート!」
どんなにチョコレートで埋め尽くしても埋まらなかったシルクハットダンディーの胸が温かいもので満たされてゆく。
「私の負けです。ふふふ、美しいものは美しく散る。それが美学と言うものですよ」
パチン。
儚く微笑んで、ダンディーは指を鳴らす。
チョコレートにされていた街中が次々と元に戻ってゆく。
そして‥‥。
「さようなら、美しいお嬢さんたち! 御機嫌よう」
両手いっぱいにぷにっと達の愛情チョコレートを抱いて、シルクハットダンディーは薔薇の舞い散る風と共に散っていった。
くるっ!
カメラ目線で振り返るぷにっと達。
「「「「勝利はぷにっと☆」」」」
勝利のポーズ、きめっ☆
こうして、世界の平和は今日も守られたのだった。