ぷに海賊☆はるはる☆アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
霜月零
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芸能 |
1Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
1.2万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
02/24〜02/28
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●本文
『ぷにっと海賊団☆』
それは悪の海賊団と戦うぷにっとな少年少女たちが主人公の特撮番組☆
海賊服に身を包み、ぷにぷにな彼らの向かうところ敵なし!
今日もげんきにぷにっとな必殺技で悪の海賊団をやっつける☆
「正義はぷにっと☆」
カメラ目線で勝利のポーズを決めっ♪
☆次回予告☆
「さむいのです、早く春を告げませんとっ」
ほわわんほわわんと漂いながら、春の国からやってきた春を告げる妖精が、冬の寒さに震えながらなにやらごそごそと春を告げる準備を開始する。
雪の中でも、彼女の周りだけはほんわかと春めいて暖かい。
それをたまたま偶然見ていたのは悪の海賊団。
「あら? あなたは春の妖精さんね。ちょーっとこっちにきてもらおうかしら」
にっこり微笑んで春の妖精の首根っこを掴んで悪の海賊団本部に連れ帰る悪の海賊団。
彼女はずっと冬の寒さがいやだったのだ。
お部屋の中に春の妖精がいればどれだけ暖かくなるだろう?
「はなしてくださいなのですよーぅっ、春を告げませんと、ずっと冬のままなんですから〜っ」
じたばたと暴れる春の妖精。
助けて、ぷにっと海賊団!
☆キャスト募集☆
次回放送予定『ぷにっと海賊団☆はるはる☆』ではキャストを大募集!
毎回キャストの違うこの番組では、海賊服に身を包んだぷにっと感溢れる少年少女たちに悪の海賊団と戦って頂きます。
ぷにっと海賊団を演じてみたいお子様から10代前半の少年少女で『ぷにっと感』に自信のある方、大募集です☆
☆成長傾向☆
体力、容姿、芝居
●リプレイ本文
●さらわれた春の妖精
「そろそろ春を告げるのだよ〜」
ほわわん♪
雪景色の中をCG効果でほわほわと漂いながら、桃色の着物を纏った春の妖精・はるはる(角倉・雨神名(fa2640))が春を告げる準備をする。
着物の中からいそいそと春を告げるためのアイテムを出そうとしていると、突然、襟首を誰かに捕まれた。
「あんた、春の妖精だな?」
はるはるの首根っこをちまっと掴み、夜の闇を抜き出したかのような暗い瞳の男・闇鴉(闇黒慈夜光(fa2775))がにやりと笑う。
「離して下さいだよ〜。春を告げられないんだよ〜っ」
じたばたじたばたっ。
手の平サイズで暴れるはるはるを、闇鴉は妖刀『ぷに殺し』と名づけたハリセンでぺチンと叩く。
「ふん、これでちったぁ大人しくなるってもんでさぁ」
闇鴉の呟きどおり、へなへなと力尽きて意識を失ってしまう春の妖精。
妖刀ハリセンぷに殺しは、その名の通り愛らしいぷにっとな生き物の力を奪ってしまう力があるのだ!
「ふふふ‥‥悪の海賊団様の為に、一緒に来てもらいますぜ?」
紺色の着物の袖にひょいっとはるはるをしまい込み、闇鴉はその場から立ち去っていった。
●大変! 春が来ないんだよっ!!
「美味しいホットケーキを焼くでぃすよ〜♪」
るんるんるん♪
鼻歌交じりにぷにっとコック服に身を包んだリスリス(縞りす(fa0115))がくるんとホットケーキをひっくり返す。
フライパンの上のホットケーキは甘い香りを漂わせ、タイガーリン(ホァン・メイリン(fa1138))のおなかがくぅ〜と可愛く鳴った。
「みゅ♪ おいしそうなの〜♪ 食べゆ〜」
「いまお皿に盛るでぃす」
ドジっ子のはずなのにお料理だけは別物なのか、リスリスはひょいっと左手でフライパンを跳ねさせて、勢い良く飛んだホットケーキは見事右手のお皿の上へ。
「胡桃サラダも作ったです。付け合せにどうぞなのです」
ぷにっとコック長のチャム(糺 空(fa3050))も大好きな胡桃をまぶしたサラダを用意する。
そろそろ春の妖精が春を告げる頃だから、今日はちょっとしたティーパーティーなのだ。
「ふむふむ、今日のおやつは豪華だね、ネイト?」
「オウムも食べれる親切仕様だわ」
自称キャプテン『キャプテン・アザー』ことアズサ(あずさ&お兄さん(fa2132))は、肩に乗せたオウムのネイトに話しかけつつ、ナイフとフォークを握って食べる気満々☆
そしてさあ、みんなで食べようというその時に、警報が鳴り響いた。
「大変です〜。春の妖精さんが行方不明なんですよ〜っ」
突然の猛吹雪に揺らぐ海賊船『ぷにっとぷにっと☆』の舵を必死に取って、警報を聞いて船長室に飛び込んできたみんなにイズミ(森澤泉美(fa0542))が事情を説明する。
「はるはるは悪の海賊団に捕まっちゃったみたいなんだよっ」
春の妖精を指し示す方位磁石をみつめ、航海士のミッキー(篠依瑞樹(fa2927))が涙ぐむ。
方位磁石はくるくると回り、そしてなにやら黒い霧に包まれていた。
「ぷにっとの妖精さんはどこでぃす? 彼女なら妖精同士で春の妖精さんの居場所もきっとわかるのでぃす」
「妖精さんはぷにっとぷにっとの動力エネルギーを支えにいってるんです。春の妖精が捕まってしまったから、このままだと世界中が凍り付いちゃうんです〜っ!」
一際大きく揺れた船体を、イズミが意外と豪快な手さばきで船の安定を維持する。
「こ、このままじゃ‥‥寒くて寒くてどーにかなっちゃうよぉぉぉ‥‥」
がたがたとミッキーは震える。
「ぷにっとの妖精さんの力で何とかならないでしょうか? どうして急にこんなに寒くなったんですか?」
シュガーチョコを煙草の代わりに咥えたまま、チャムも腕をさする。
海賊船『ぷにっとぷにっと☆』の本部はもうこれでもかというほどにぐんぐん寒さを増し、みんなの吐くい気が白くなるほど!
「こーなったらとにかく出発進行だよっ。春の妖精さんを探して春を告げてもらわなくっちゃ!」
タイガーリンがノリと勢いで叫び、頷くぷにっとな面々。
うん、だって寒いし。
やるしかないでしょう?
「面舵いっぱ〜‥‥お、重いです‥‥」
かじかんだ手で、どうにか舵を取るイズミだった。
●閉じ込められたっ?! ぷにっと海賊団危機一髪!!!
「きやがりやしたね?」
1DK二階建ての安コーポに生息中の闇鴉が魔法の鏡を覗き込む。
そこには、勘と勢いだけで春の妖精の居場所を突き止めたぷにっと海賊団の面々が映し出されていた。
『ちょっとちょっとお? 大丈夫なんでしょーねぇ?』
魔法の鏡に映し出される映像が切り替わり、悪の海賊団が映し出される。
彼女は寒さが大嫌いで、だから妖精狩りの専門家たる闇鴉を雇い、はるはるを捕まえさせたのだ。
「まかしといて下せぇ。必ずや奴らを仕留め、はるはるをあんたの元にお届けしますさぁ」
激しく逆光で影のかかった顔をニヤリと歪め、闇鴉はぷに殺しを片手に部屋を後にする。
「春の妖精さんは迷子ですか〜? イズミ君そろそろ凍え死んじゃいそうですよー‥‥」
はるはるが閉じ込められている洞窟を見つけ出し、凍える大地を根性で突き進むぷにっと達。
「こっちのほうがかすかに暖かいでぃす。きっとはるはるはこっちのほうにいるでぃすよ」
春の妖精だから、自然と周囲が暖かくなるはずだとリスリスがぷにっとライトで洞窟を照らし出す。
その瞬間、背後の入口が閉まった!
「うわわっ、出られなくなっちゃったよぉぉ?!」
「見事にはめられたね、ネイト」
「このまま出られないのかしら?」
おろおろと泣き叫ぶミッキーと、冷静に現状を把握しようとするキャプテン・アザー&ネイト。
『くくくくっ、春の妖精ごとあんたらも悪の海賊団に差し出してやりまさぁ』
どこからともなく、洞窟に闇鴉の声が響く。
「どこにいるんですか?! 卑怯ですっ」
締まってしまった入り口をチャムはぷにっとおたまでぺちぺち叩く。
けれど当然のことながらそんなことではびくともしない。
闇鴉の笑い声が響いた。
●はるはる、発見☆ 反撃開始っ!
「とにかく春の妖精さんを見つけるでぃす」
リスリスの提案で、出られないのならば先に春の妖精を探しだしたぷにっと達は、だんだんと暖かくなる洞窟の奥へ奥へと進んで行く。
「あっ、こんなところに食料庫です〜♪」
洞窟の一室に積み上げられた沢山のお菓子をチャムがそのたぽっとした袖に詰め込んでゆく。
「非常食はきちんと確保しておかないとだよ」
「だねっ☆」
キャプテン・アザーとネイトも一緒になってお菓子物色。
「みゅ〜♪ 食べ物がたくさ〜んだお〜♪ 食べゆ〜♪」
そしてタイガーリンがその場でお菓子を頬張りだすと、あたり一面に甘い香りで一杯になった。
するとどうだろう?
『だれか‥‥いるの‥‥?』
お菓子の山の奥で、かすかに声が響いた。
「そこに誰かいるんですか? どなたですかっ?」
『はるはるなんだよっ。捕まっちゃったのです〜』
顔を見合わせるぷにっと達。
「春の妖精さんがいるんですね? よしっ、ちょっと離れててくださいですっ」
お菓子の山をかき分けて、むき出しになった壁にイズミがぷにっと体当たり☆
か弱い春の妖精を閉じ込める為の壁だから、それほど硬くなかったのだろう。
ぽよんとぶつかると意外とあっさりと壁は崩れてなくなった。
「助かったのです〜っ」
ふわわんと春の妖精・はるはるが中から飛び出してくる。
「やったのでぃす! あとはここから出るだけでぃす☆」
「あっ、天井に穴が開いたです!」
ミッキーが指差す先には、壁が崩れた弾みで天井にぽっかりと穴が開いていた。
「こういうときこそキャプテンの出番だよっ♪」
キャプテン・アザーがぱちんとウィンク☆
ぷにっとフックを懐から取り出して、えいっと天井の穴に引っ掛ける!
「完璧だねっ☆」
「よし、脱出だっ!」
春の妖精とぷにっと達、一気にお外に脱出☆
●闇鴉VSぷにっと海賊団☆
「そう簡単に逃がしはしねぇですよ」
ゆらり。
洞窟から抜け出したぷにっと達を、闇鴉が待ち伏せる。
「気をつけてなんだよ、あのハリセンは危険なの〜」
イズミの背に隠れ、はるはるはぷに殺しを指差す。
「くっくっく。この武器を持ったあっしを倒せるたぁ思わねぇこってすぜ‥‥?」
「そんなの関係ないみゅ! ひっさーつ♪ ぷにっとドロップキ〜ック♪」
どっかーんっ☆
タイガーリンが演出も段取りも現実もさくっと無視って必殺のドロップキックを闇鴉に炸裂!
「ぷにっとチャイナあたっく!!」
ごおおおんんっ☆
チャムが中華鍋をぷにっとおたまで豪快に叩いて闇鴉の鼓膜を直撃、
「ぷにっとパウダー爆弾もくらうでぃす!」
そしてリスリスがコショウのたっぷりと詰まったお手製のそれをえいっと投げつける☆
「こんな攻撃は‥‥へ、へ、へ、へいくしょんっ!」
ぱしゅっとハリセンで爆弾を討ち払った瞬間に爆発して、闇鴉はものの見事にコショウを吸い込んだ!
「どんなもんだいっ、やったね☆」
ぷにぷにと肉球ぷにな手を打ち合わせて喜ぶぷにっと達に、闇鴉はピシリとハリセンを構えなおす。
「よくもやりやしたね‥‥あっしを本気にさせたことを後悔させてやりやしょう。円月殺法‥‥ぷに殺し・縦一文字っっっ!!!」
妖刀ぷに殺しをくるっと回し、次の瞬間、
スッパーンッ☆
目にも止まらぬ音速の一撃で闇鴉はミッキーの頭をハリセンで引っぱたいた!
「あいたッ! って、力が出ないぃぃぃぃぃぃっ?!」
叫んで頭を抱えてうずくまるミッキーは、へなへなになって立ち上がれない。
「よくもミッキーを! こうなったら、必殺・ぷにっとバードアタックだよっ」
キャプテン・アザーが叫び、それに呼応してネイトが巨大化、アザーを乗せて闇鴉にアタック!
ハリセンを構えるまもなくまともにその一撃を食らってふらつく闇鴉に、
「ぷにっとひざかっくんです、とぉっ!」
イズミがすかさず止めの一撃☆
膝小僧が届かないから両手で闇鴉の膝裏をえいっ!
「おわあああっ!?」
ぷにっと達の連続攻撃にがくりと膝をつく闇鴉。
「かわいい‥‥可愛すぎるでやすよ‥‥あっしとした事が‥‥戦いの中で、戦いを忘れた‥‥」
そしてぼとっと死んだかのように首ごと地面に突っ伏した。
くるっ!
カメラ目線で振り返るぷにっと&はるはる。
「「「「「正義はぷにっと☆」」」」」
勝利のポーズ、きめっ☆
●エピローグ〜春を告げる桜吹雪〜
「よかった、おかげで春を告げられるの‥‥」
ぷにっと達に倒された闇鴉を見て、はるはるは微笑む。
「みんなには、ちょっぴり早い春をプレゼントしちゃうね」
そういって歌いだすはるはるに合わせ、ミッキーも歌いだし、みんなで一緒に大合唱☆
あたり一面の雪が次々と溶け出して、緑の新芽が芽吹きだす。
「ぷにっと海賊団のみんな、ありがとう‥‥春が来たら、私の事思い出してね」
春風と共にどこからともなく桜の花びらが舞い散り、それにかき消されるように春の妖精も消えてゆく。
あとには暖かい春が、訪れたのだった。