ぷにっと海賊団☆お星様アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 霜月零
芸能 2Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 3.6万円
参加人数 8人
サポート 1人
期間 06/02〜06/06

●本文

『ぷにっと海賊団☆』

 それは、海賊服に身を包んだ少年少女が悪い海賊団と戦う少年少女の物語☆
 画面の中では、今日も今日とてぷにっと海賊団と悪の海賊団の戦いが繰り広げられていた。
「今日という今日は、負けておいてあげますわー!」
 きらんっ☆
 ぷにっと達の必殺技の前に、さくっと吹っ飛んで夜空の星になる悪の海賊団。
「正義はぷにっと☆」
 ぷにっと海賊団はカメラ目線で勝利のポーズ、きめっ☆


☆次回予告☆
「お空のお星様になりたいんですのよ‥‥」
 しんみり。
 身体のあっちこっちに絆創膏やら包帯やらを巻いた、先ほどぷにっと達に吹っ飛ばされた悪の海賊団は夜空の星を見上げて呟く。
 毎回毎回負けて吹っ飛ばされて星になる自分より、きらきらと自力で輝く夜空の星達のなんと眩いことか。
「私も、輝きたいのです‥‥そうだわ。ぷにっと海賊団には、アストラルストーンがあったはず。
 あれを奪えれば私もきっと星になれるんですのよ。
 そうと決まれば‥‥ぷにっと海賊団に総攻撃ですのよーっ!!!」
 吹っ飛ばされて激しく頭を打ったのか、悪の海賊団は無謀にもぷにっと海賊団海賊船『ぷにっとぷにっと☆』へ総攻撃!
 悪の海賊団の突然の本部攻撃、ぷにっと海賊団は耐えられるのか?
 がんばれ、ぷにっと海賊団! 


☆悪の海賊団情報☆
 今回、悪の海賊団は悪の海賊船『ダークシップ1号Ψ』と、ミニ飛空挺数体使用。
 ダークシップは、真っ黒の帆船で、空も飛べます。
 武器等は不明です。


☆『ぷにっと海賊団』出演者大募集☆
 近日放映予定のぷにっと海賊団『きらきら星☆』の出演者を大募集!
 毎回主役の違うこの番組では、海賊服に身を包んだ少年少女たちが悪の海賊団と戦います。
 子供から10代前半の少年少女、『ぷにっと感』に自信のある方、そして悪役をやりたい大人の貴方も大募集です。

●今回の参加者

 fa0044 猫見みゆ(15歳・♀・猫)
 fa0074 大海 結(14歳・♂・兎)
 fa0115 縞りす(12歳・♀・リス)
 fa0542 森澤泉美(7歳・♂・ハムスター)
 fa2604 谷渡 うらら(12歳・♀・兎)
 fa2672 白蓮(17歳・♀・兎)
 fa2853 紗雪(13歳・♀・兎)
 fa3092 阿野次 のもじ(15歳・♀・猫)

●リプレイ本文

●悪の海賊団
「今日こそは、輝いてみせますのよ」
 紫紺のボレロ付きドレスを身に纏い、悪の海賊団・ハクト(白蓮(fa2672))は柔らかな白い髪を揃いの髪留めで束ねる。
「いでよ、ダークシップ一号Ψ!」
 ハクトが高らかに宣言すると、真っ黒の帆船と共に無数のミニ飛空挺が出現☆
「さぁ! 総攻撃です♪」
 ダークシップに乗り込み、ハクトはぷにっと海賊団へ勝負を挑む。


●ぷにっとぷにっとのお誕生会☆
「正義はぷにっとー‥‥ぷにっとぷにっとご苦労様ー‥‥かも」
 色取り取りなファンシーな飾り付けを船内にしながら、見習いぷにっと海賊団・リトルスノー(紗雪(fa2853))は鼻歌を歌う。
 今日はぷにっと海賊団海賊船『ぷにっとぷにっと☆』のお誕生日なのだ。
 厨房では、いつもよりもより一層力の入ったパーティ料理をリスリス(縞りす(fa0115))が作り、次々とテーブルの上に豪華な料理を並べてゆく。
「うわぁ、美味しそうなお料理がいっぱいなんだよっ♪」
 ちょっぴり食いしん坊なミユミユ(猫見みゆ(fa0044))は肉球をぷにぷにとさせながらご満悦。
 今にもぱくっと食べちゃいそうだ。
「ほんとにおいしそうだよね。今度僕にも作り方教えてもらえるかな?」
 ふんわりと柔らかそうなロップイヤーを揺らし、ムスビ(大海 結(fa0074))も目を見張る。
 リスリスのお料理はいつも美味しいけれど、今日のお料理はテーブルに乗り切らないほど。
「お料理はほんの一手間かけるだけでぐっと美味しくなるでぃすよ。あとは、サラダを盛り付けて、完成でぃす☆」
 ぷにっとぷにっとの為に作られた手料理のなかには、もちろんケーキもある。
 板チョコにホワイトチョコで『ハッピーバースデイ〜ぷにっとぷにっと☆』と書かれ、星型のゼリーが散りばめられていた。
「特に何もないみたいだし、自動操縦に切り替えてイズミ君もご飯食べにおいでよ」
 ウララ(谷渡 うらら(fa2604))が外国に住む両親から送られてきたフルーツティーをリスリスに差し出しながら、ぷにっとぷにっとの操舵手・イズミ(森澤泉美(fa0542))に声をかける。
「さっきから良い香りがしておなかペコペコなんです」
 そういいながらイズミは自動操縦に切り替えて駆け寄ってくる。
「迷っちゃった‥‥かも?」
 そして船内を飾り付けていたリトルスノーが、小首を傾げながら戻ってきた。
 船内は、ついつい迷ってしまうほど大きく、数多くの部屋があるのだ。
「じゃあみんな揃ったし、お祝いしましょう」
「お誕生日おめでとうでぃす〜☆」
 ぱちぱちぱちぱち☆
 みんなでぷにっとぷにっとのお誕生日会を開始したその瞬間、

 ちゅどーんっ☆

 盛大な爆発音があたりに響き、船体が大きく揺らいだ。



●悪の海賊団、総攻撃?!
「今の爆音、なにっ?!」
「いったーい! 何事なんだよっ!?」
「大変ですっ、ミニ飛空挺がいっぱいですっ、悪の海賊団です!」
 めいっぱい壁に重力で叩きつけられ、うさ耳を抑えて叫ぶウララとミユミユに、咄嗟にモニターを映し出したイズミが答える。
 モニターには、画面いっぱいに真っ黒いのミニ飛空挺が映し出されていた。
「あっ、シャークさん?!」
 ムスビがスカイボードを操り、ミニ飛空艇を迎撃する少女に気づく。
 それはぷにっと海賊団創設者、白の女王の直属の部下・シャーク(阿野次 のもじ(fa3092))だった。
 シャークはギターをかき鳴らし、その音波で敵を撃ち落してゆく。
 だがミニ飛空挺の数は半端じゃない。
 シャークが追い詰められるのは時間の問題だった。
「せっかくリスリスが作った料理を‥‥許せないでぃす〜!!」
 めったに怒らないリスリスが、ぐちゃぐちゃになってしまった料理に涙ぐみながら部屋を飛び出してゆく。
 行き先はぷにっと海賊団のミニ飛空挺乗り場だ。
「このー、折角のパーティーを邪魔しないでよーっ!」
 ミユミユもリスリスの後に続き、ぷにっとマークのミニ飛空挺で出撃☆
 だがその間にも悪の海賊団の攻撃は続いている。
 ちゅどーんちゅどーんとミサイルがぷにっとぷにっとに次々と打ち込まれてゆく。
「ここは任せてください、避けてみせますっ!」
 イズミが自動操縦から手動に切り替え、右に左に、紙一重のタイミングでミサイルを避ける!
「ぷにっとぷにっとの‥‥ばーすでい‥‥怪我させたら‥‥駄目‥‥なの」
 リトルスノーがまったりと、けれどとっても怒りながらぷにっとぷにっとに備え付けの機関銃を構える。
 ぽちっとボタンを押すと、雪だるま型の小石がいくつもいくつも飛び出してミニ飛空挺を攻撃☆
 そして、リスリスとミユミユも負けていない。
「食べ物の恨み、思い知るでぃすよっ!」
「これでもくらえー!」
 ちゅどどどどんっ☆
 ぷにっと達の攻撃が次々と悪の海賊団のミニ飛空挺を撃ち落してゆく。
 だが、数が一向に減らない。
 それどころか、撃ち落したはずのミニ飛空挺も復活しているような‥‥。
「ちょっとまって。みんな、下がって、それは幻影だわっ」
 ぷにっとぷにっとのダメージを調べて、修復に当たっていたウララが異変に気づき、叫ぶ。
「陽動? してやられた、後ろだーっ!」
 シャークの叫びも、間に合わない。
 ぷにっとぷにっとのすぐ真後ろに、真っ黒な帆船『ダークシップ一号Ψ』がその姿を現した!
「主砲プリズナー、発射!」
 勝利を確信するハクトがぷにっとぷにっとへ主砲発動!
 虹色のレーザーがぷにっとぷにっとを貫き、貫通したプリズナーはミユミユとリスリスのミニ飛空挺までをも撃墜する!
「ミユミユさんっ、リスリスさんっ!!」
 ムスビが墜落してゆく二人を助けようと、救急ポットを発射。
 肉球マークの巨大風船がミユミユとリスリスのミニ飛空挺を包み込み、ぷにっとぷにっとに強制転移!
 ムスビは全力で二人の元に駆けて行く。
 だが、まともに敵の主砲を食らったぷにっとぷにっとも墜落寸前だった。
「イズミ君、少しでいいから持ちこたえて!」
 アストラルストーンによる反重力装置を作動させながらウララが叫び、イズミは唇を噛み締める。
「くっ! 舵が、効かねぇ!」
 いつものですます調とはかけ離れた言葉遣いは、それだけ事態の重さを物語る。
「ぷにっとぷにっとが泣いてるの‥‥‥‥お誕生日なのに‥‥許せない‥‥っ!」
 リトルスノーが叫び、主砲に走る。
 そして信じられない俊敏さでダークシップ一号Ψに狙いを定め、発射!
「そんなばかなっ?!」
 落ちてゆくぷにっとぷにっとからよもやまさか主砲が発射されるなどとは夢にも思わず、勝利の予感に胸を震わせていたハクトは反応が遅れた。
 
 ちゅどーんっ☆

 派手な音を立て、ダークシップ一号Ψも墜落してゆく。

  
●迷路で遭遇?!
 イズミの類稀な操縦と、ウララのプログラム修正能力でぷにっとぷにっとは地面への激突だけは免れた。
 なんとか地面へと着地し、だがこの状態では低空飛行ぐらいしか当分出来ない。
 そして、最悪な事にぷにっとぷにっとの内部を司るアストラルストーンが欠けてしまったのだ。
「本来この船はストーンの力で有り得ないスペースにぎゅっと押し詰めて、これだけの船内設備を可能にしているのよ。‥‥まずいわね」
 船内の破損データをチェックしながら、ウララは眉根を寄せる。
 既にアストラルストーンの破損による被害が部屋のあちらこちらに出始めている。
 ぎしぎしと嫌な音を立てて壊れ始める室内を、ウララはその頭脳をフルに活用してプログラム修正に全力を尽くす。


「リスリスさんっ、しっかりして。お願いだよ、気がついてっ」
 ムスビが傷だらけでぐったりとしているリスリスを抱きしめて泣きじゃくる。
「大丈夫でぃす〜‥‥ちょみっと気をうしなっちゃってただけでぃす‥‥」
 すすだらけの顔で、リスリスは微かに微笑む。
 だが、見回した周囲にミユミユの姿がないことにリスリスは飛び起きた。
「ミユミユさんはどこでぃす?!」
「‥‥わからないんだ。ここに転移されたはずなのに、いないんだっ」
 ムスビが再び泣きじゃくる。
 確かに救急ポットはリスリスとミユミユを包み、転移させたはずなのに。
「とにかく、探すでぃす!」
 ムスビとリスリスは手をとってドアに手をかける。 
  
 
 その頃ミユミユは、ぷにっとぷにっとの温泉ルームで首を傾げていた。
「いったい、どうなってるのかな?」
 幸い、救急ポットの発動が早くてミユミユは掠り傷程度しかしておらず、元気そのもの。
 けれど扉を開くと廊下に出るはずが医務室に出てしまったり、戻ろうとすると今度はアストラルストーンルームに出てしまったり。
 はっきりきっぱりわけがわからない。
『ハクトさんがキッチ‥‥いえ、温泉です!』
 首を傾げるミユミユの頭上で、イズミの声が響く。
「ハクトさんって悪の海賊団の? 温泉ってここ‥‥あっ! こんな所で何をしてるのっ!?」
「あら、先客ですか」
 ミユミユは突然現れた悪の海賊団・ハクトに即座に戦闘体制を取る。
 だがハクトは悠然と笑い、指を鳴らす。
「ライトニング・サンダーボルト!」
「!!!」
 バチバチバチッ!
 ハクトの指先から稲妻が迸り、ミユミユの身体を一瞬にして貫いた。
『ミユミユッ! くそっ!』
 何処からかこの様子を見ているイズミが舌打ちする。
「ふふっ、邪魔はさせません」
 ハクトはアストラルストーンを目指し、扉を開けてゆく。


「船内がつぶれるのは免れたけど、空間が捩れてしまったわ」
 アストラルストーンの乱れで潰れかけていた船内を、別のアストラルストーンとプログラムにより阻止したウララは、額の汗を拭う。
「ハクトさんがミユミユさんを攻撃したですっ、ムスビさん、リスリスさん、温泉ルームに急いでくださいですっ」
 手元の羅針盤を船内表示に切り替えていたイズミが船内を彷徨うリスリスとムスビに指示を飛ばす。
『イズミ君、ハクトさんはどこだ?!』
 船内に飛び込んできたシャークが館内のインターフォンでイズミに尋ねる。
「あっ、シャークさん! そのドア‥‥今です、開けて!」
 羅針盤とモニターで空間が繋がる瞬間を察知して、イズミはシャークに指示を送る。
 シャークが即座に扉に手をかけると―― そこには、アストラルストーンを手に微笑むハクトが佇んでいた。


●撃退! でも‥‥?
「ちっ、石が! 強引だけど恨むなよ! ‥‥です〜!」
 所々口調が悪くなりながら、イズミはえいっと勢い良く舵を右に切る。
 低空飛行とはいえ浮いていた船は思いっきり右に偏りくるっと旋回!
「「「うきゃおわう〜っ?!」」」
 船内のあちらこちらで重力に吹っ飛ばされた人々の悲鳴が上がる。
 だが背に腹は変えられない。
 アストラルストーンを奪われるわけにはいかないのだ。
 イズミがモニターを確認すると、狙い通りハクトも吹っ飛び、シャークの手にアストラルストーンが握られていた。


「そこまででぃす!」
「観念するんだよっ」
 イズミの指示に従いながら、アストラルストーンルームにたどり着いたリスリスとムスビがぷにっとおたまとぷにっと爆弾を構えてハクトに退治する。
 もちろん、ミユミユは医務室にきっちり送り届けてある。
「いいえ、観念なんてしませんわっ、えいっ!」
「「「あっ!」」」
 それは、一瞬の出来事だった。
 悪の海賊団のミニ飛空挺がぷにっとぷにっとに突っ込んできたのだ。
 壁に盛大な穴を開け、ミニ飛空挺に乗り込んだハクトはそそくさと逃げてゆく。
『この時を‥‥待っていたの‥‥ぷにっとぷにっとを傷つける‥‥悪い海賊は‥‥やっつけちゃう‥‥なの!!』
『みんなの力をぷにっとぷにっとの主砲に集めるんだよ!』
 リトルスノーの声と、いつの間にかリトルスノーの側に移動できたらしいミユミユの叫びが館内に響く。
 そして、次の瞬間主砲再び発射!
 ちゅどーんっ☆
 飛び去るミニ飛空挺をふっとばす。
「いーやーっ!!」
 きらんっ☆
 例によって例のごとく、夜空のお星様になるハクト。
 くるっ。
 画面が八つに分断され、海賊船とぷにっとのメンバーの顔のアップを映し出す。

「「「「「「「正義はぷにっと☆」」」」」」」

 勝利のポーズ、きめっ☆


●エピローグ
「きゃー♪ やりましたわ♪ 小さいけど私だけのお星様です♪」
 吹っ飛ばされたハクトは、身体中に包帯を巻きながら手にした石の欠片に瞳を潤ます。
 シャークと退治したあの時、ポケットに欠片を忍ばせておいたのだ。
 丸ごと一個手に入れることは出来なかったが、欠けていた欠片を手に入れられただけでも十分幸せだった。
 手に取るだけでなにやら力が湧いてくるようだ。
「わたくしは、お星様ですわー♪」
 ハクトの勝利の叫びが月に響いた。


「しょうがない、ですよね」
 石の欠片を盗まれたことに気づいたのは、ハクトの迎撃が終わり、ウララが大方プログラム修正を完了させた時だった。
 ムスビが、はふーと溜息をつく。
 だがしかし、シャークはそんなムスビの背中を叩き、
「夜空の星を見ろ、少年少女。確かにそれは幾ら手を伸ばしても届かないモノかもしれない、だが手を伸ばさなければ決して掴めないモノだ。
 他人の大切なモノを奪い得たとして、それは本当の自分の輝きにはなりえない。それを彼らに伝えるのは‥‥君達の役目だ」
 諦めなければ、いつかきっと取り戻せる。
 そう語るシャークに、ムスビは涙を拭う。
「うん、僕、諦めないよ」
「みんなで力を合わせれば‥‥」
「きっと取り戻せるでぃす☆」
「今度こそ負けないんだよ」
「こんなときこそCoolにならなくちゃね」
「次の作戦を練りましょうですっ」
 ぷにっと達はいつかハクトから欠片を取り返すべく、拳を握り締めるのだった。