ぷにっと海賊団☆結婚式アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 霜月零
芸能 2Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 やや難
報酬 3.7万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 06/30〜07/04

●本文

『ぷにっと海賊団☆』

 それは、悪の海賊団と戦うぷにっとな少年少女たちが主人公の特撮番組☆
 海賊服に身を包み、愛らしいけもの耳の少年少女たちは、今日もビシッと必殺技を悪の海賊団に叩きつける!
「覚えてらしゃーいっ〜〜〜!」
 代わり映えのない捨て台詞を叫び、吹っ飛んでゆく悪の海賊団。
「正義はぷにっと☆」
 勝利のポーズ、カメラ目線でぷにっと決めっ☆


☆次回予告☆
 6月。
 それは、ジューンブライド。
 素敵な花嫁さんの季節。
「純白のウェディングドレス‥‥素敵ですわねぇ」
 TVの結婚式の中継を見つめながら、悪の海賊団はうっとりと溜息を漏らす。
「真っ赤な薔薇のブーケに、幻想的に輝くキャンドル‥‥こんな風にわたくしも早く結婚したいですわ〜」
 うふふっと頬を染める悪の海賊団は、けれどはっと気づく。
「‥‥相手が、いませんわ」
 そうなのだ。
 そろそろいい歳‥‥げふんげふん、結婚適齢期を微妙ーに過ぎつつある今日この頃。
 悪の海賊団にはなぜか(?)恋人がいなかった。
「‥‥この見目麗しいわたくしが結婚出来ないというのに、他の女が結婚するなんてゆるせません。
 ぶち壊して差し上げますわーーーーーーーーー!」
 いつかどこかで同じことがあったようなデジャビュを感じつつ。
 悪の海賊団は高らかに叫んで結婚式をぶち壊しに行くのだった。 


☆『ぷにっと海賊団』出演者大募集☆
 近日放映予定のぷにっと海賊団『卒業式☆』の出演者を大募集!
 毎回主役の違うこの番組では、海賊服に身を包んだ少年少女たちが悪の海賊団と戦います。
 『結婚式☆』では、結婚式を挙げれなくってぶちきれちゃった悪の海賊団と戦って頂きます。
 子供から10代前半の少年少女、『ぷにっと感』に自信のある方、そして悪役をやりたい大人の貴方も大募集☆

●今回の参加者

 fa0074 大海 結(14歳・♂・兎)
 fa0542 森澤泉美(7歳・♂・ハムスター)
 fa0634 姫乃 舞(15歳・♀・小鳥)
 fa1772 パイロ・シルヴァン(11歳・♂・竜)
 fa2057 風間由姫(15歳・♀・兎)
 fa2150 エレーヌ・桜井(19歳・♀・兎)
 fa3605 ルージュ・シャトン(12歳・♀・猫)
 fa3978 アミリア・クラドール(13歳・♀・犬)

●リプレイ本文

●もてない悪の海賊団
「どーして結婚式なんてものがあるのかしら」
 悪の海賊団・エレン(エレーヌ・桜井(fa2150))は街中の幸せそうなカップルを見回す。
「お姐さま、ファイトですわ。きっとお姐さまにも素敵な恋人が見つかりますわ」
 ぴと☆
 エレンの妹分であり、見習い悪の海賊団・ヒメ(姫乃 舞(fa0634))はエレンの腕に手を回す。
 その様子を見ていたカップルの一人がポツリと呟いた。
「最近、ああゆうの多いよね。百合ってやつ?」
 エレンが目を剥くと、他の場所からもちらほらと好機の視線が。
「そう‥‥そうだったのね。私に素敵な男性がいないのは、この子のせいだったのですわっ」 
 えいっ☆
「わわっ、お姐さま、一体なにをなさるんですか〜?!」
 エレンがフラフープを思わせる銀色に輝くリングを出現させ、ヒメの頭から被せて腰の辺りでえいっと引っこ抜く。
 するとどうだろう?
 ヒメの服が真っ白なウェディングドレスに!
「お姐さま、動けないですよ〜。ヒメを置いて行かないで下さい〜」
 真っ白なウェディングドレスは見ているだけなら美しいものだったが、動きづらいことこの上ない。
「手加減はしておいたわ、それほど外しにくくはないはずよ。私を想う気持ちが強いのなら、それ位屁でもないはずだわ」
 身動きとれずにもがくヒメに、エレンはむちゃくちゃな事を言い切り、カップル達を次々とウェディングドレス姿に変えてゆくのだった。 


●ぷにっと海賊団☆
「えいっ、やあっ、とおっ! ‥‥ふぅ、今日の訓練はこれぐらいなんだよ」
 ぷにっと海賊団海賊船『ぷにっとぷにっと☆』の一室で、ユーキ(風間由姫(fa2057))は木刀を下ろして額の汗をタオルで拭う。
「う〜。ジャガイモが上手く剥けないです」
 調理室では、見習いぷにっとのミリィ(アミリア・クラドール(fa3978))がジャガイモ相手に奮戦していた。
「ルージュも上手くできないニャ。皮が分厚いニャ〜」
 一緒に皮むきを手伝っていたルージュ(ルージュ・シャトン(fa3605))も自分が切った皮を一枚摘んで溜息をつく。
 皮と残った実を見比べると、どう見ても皮の方についた実の方が分厚い。
「大丈夫大丈夫。分厚いってことは、揚げちゃえば皮つきポテトフライに出来ちゃうよ。きっと美味しいんだよ」
 がっくりと肩を落とす新人二人を慰めながら、ムスビ(大海 結(fa0074))は涼しげなタンクトップと半ズボンスタイルで、頭にきゅっとバンダナを巻いた。
「今日はお料理上手な彼女がいないから、イズミくんも手伝いますよ〜。‥‥あれ?」
 ぷにっとぷにっとの操舵手・イズミ(森澤泉美(fa0542))は、ふとTVのニュースに目を留める。
 TVの中では、それはそれは美しいウェディングドレスを纏った女性達が、身動きとれずにもがきながら叫んでいる。
「なんだこれ? どっきりなのかな?」
 フェーゴ(パイロ・シルヴァン(fa1772))も青い瞳を細める。
『おほほほほっ、結婚とは愛する者と互いの重荷を分け合う為の儀式。それ位の重荷でへばるような女が、幸せになれると思ってっ?!』
 画面が切り替わり、漆黒のカクテルドレスに身を包んだエレンの姿が映し出される。
「「「悪の海賊団!!!」」」
 ぷにっと達の叫びが重なった。
「なんでウェディングドレスを着せてるのかわからないけど、とにかく現場に急行ですっ」
 イズミがぷにっとぷにっとの舵を取り、全員、大急ぎで現場へ向かうのだった。 
 

●みーんな花嫁になってしまえ?! 悪の海賊団vsぷにっと海賊団☆
「ぷにっと参上、ぷにっと解決!」
「「「「「「ぷにっと海賊団、参上!!!」」」」」」
 とうっ☆
 フェーゴを中心に、ぷにっとぷにっと☆から教会の鐘楼に降り立つ六人。
「来たわね、ぷにっと海賊団。でも私の邪魔はさせなくてよ?」
 でもエレンは少しも怯まずに悠然と構える。
「お姐さま〜。私も協力します! 愛するお姐さまをお一人で戦わせたりはいたしませんっ」
 そしてエレンに無理やり着せられたウェディングドレスを根性で脱ぎさり、なぜか式場のアルバイトと同じ格好をし、手には雑巾を握り締めたヒメが駆けつけた。
(「ううっ、式場のアルバイトと間違われて、今のいままでこき使われたこの恨み、ぷにっと海賊団許しませんわ〜!」)
 ぎゅうっ。
 雑巾を握る手に力がこもる。
「貴方達が何をしようと、世界中の女達の結婚式をぶち壊して差し上げますわ。私が結婚できないのに結婚するなんて、許せないんですのよ、えいっ!」
 しゅるんっ☆
 エレンが教会の鐘楼に立つ六人に銀色のリングを投げつける。
「うわわっ、なんなのかな、これっ?!」
 咄嗟に避けて教会から地上へ降り立った六人だが、ムスビがリングに引っかかった。
 真っ白い、そして豪奢なフリル姿はまごう事なき純白の花嫁。
「僕、男の子なんだよっ?!」
 いや、突っ込むところはそこじゃないような気もするのだが、美麗なウェディング姿に変えられたムスビは身動きが上手く取れない。
「皆さん、ひとまずぷにっとぷにっとに乗ってください!」
 うまくエレンの攻撃を避け、イズミは花嫁姿に変えられた女性達をぷにっとぷにっとに誘導する。
 それを補佐するように、見習いぷにっとのミリィとルージュが手と手を合わせる。
「見習いだって、二人合わせれば一人前ニャっ」
「ジャガイモ爆弾、くらうといーですっ」
 ミリィのぷにぷに肉球がルージュにパワーを与える。
 そしてなぜか持ってきていたジャガイモをぷにっとパワーで爆弾に変え、ルージュがエレンに投げつけた!
 爆弾はちゅどーんと派手な音を立てて破裂し、けれど被爆したのはヒメだった。
「お、お姐さまには、指一本触れさせないのです‥‥がくっ!」
「ヒメ!!!」
 咄嗟にエレンを突き飛ばし、爆弾から守り抜いたヒメは満足そうに雑巾を握り締めてその場に倒れ伏す。
「ヒメをよっくもこんな目にあわせましたわね〜!! ええい、みーんなまとめて花嫁になっておしまいっ!」
 きいっとヒステリックに叫び、エレンは無数のリングをぷにっと達に投げつける!
「うわわっ」
「俺も男だってば」
「まってまってまってー?!」
「きゃー! いやー! やめてー! おかーさーん!!」
 ありとあらゆる叫び声をあげながら逃げ惑うぷにっと達を嘲笑うかのように、リングはぷにっと達を包み込み花嫁姿に変えてゆく。
「まあ、何て綺麗‥‥じゃなくって、こんなことしてもあなたが結婚できるわけではないんだよっ!」
 初めて着る女の子の憧れ、ウェディングドレスに思わずうっとりしつつ、ユーキは気を取り直して木刀を構える。
「俺は、男で、プライドもあるんだーーーーーーーーーーーーっ!」
 その横で真っ赤になって、フェーゴは九十度コーンのファイヤーブレスをあたり一面に撒き散らす。
 もちろん、CG合成だが、オレンジ色の炎は美しくも怖くもあり、エレンもちょっぴりひるんだ。

『他の人の迷惑を考えないから、いつまでも貰い手がつかないんじゃないかと思うです!』   

 思うです、思うです、思うですー!
 イズミはぷにっと拡声器で思わずエコーがあたりに響くくらい叫び、エレンの神経をバリバリ逆撫でる。
「おだまりーーーーーーーーーーっ、身動き取れない分際で、生意気ですのよーっ!」
 えいっ☆
 真っ赤なブーケがイズミの口をぽすっと塞いだ。
「むぐむぐむががっ」
「ふーんだ、喋れないでしょう? 私は無敵に素敵なの。おーっほっほっほ!」
 いや、もう、こんな怖い人とは誰も結婚出来ません。
「こうなったら、もう容赦しないんだよ。必殺、ぷにっと肉球ぱーんち☆」
 ぽよよよよよよん☆
 ミリィの肉球パンチがエレンの顔面にクリティカルヒット!
「なに、この柔らかさとあたたかさ、ああ、幸せ、でもいたーーーーーーーーいっ!!」
 きらんっ☆
 肉球のぷにぷにさに至福の瞬間を味わいつつ、けれどその破壊力に空の彼方に吹っ飛んでゆく悪の海賊団。
「ああ、お姐さま、ヒメを置いていかないで下さいーっ」
「それなら、私が後を追わせてあげるんだよっ」
 えいっ☆
 ユーキが木刀を振ると旋風が巻き起こり、ヒメをそのまま吹っ飛ばす。
「覚えてらっしゃい、ですわ〜〜〜!」
 エレンの後を追えることに嬉しさを覚えつつ、捨て台詞を掃いて空の彼方に消えてゆく悪の海賊団。
 くるっ。
 カメラ目線で振り返るぷにっと達。
「正義はぷにっと☆」
 勝利のポーズ、きめっ☆
 こうして、今日も世界の平和と花嫁達の幸せが守られたのだった。