愛の(裸)えぷろんSPアジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
霜雪
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芸能 |
フリー
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獣人 |
フリー
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難度 |
やや易
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報酬 |
0.2万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
07/17〜07/21
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●本文
−−某月某日、TOMI−TV内控え室
「ぷりん君。ホントにこの日の撮影、ボク一人なの‥‥?」
テーブルの上のスケジュール表を見ながら、みるく♂ぷりんの白い方。こんでんす☆みるくは不安げな声を漏らす。
「そないなこと言うたかて、しゃぁないですやん。僕、関西でピンの仕事入ってますし」
みるく♂ぷりんの黒い方、かすたぁど★ぷりんが衣装から私服に着替えながらそう答えた。今回ぷりんに回ってきた仕事というのは、『愛の(裸)えぷろん』の15分拡大SP用のロケなのだが。内容は七夕に引っかけ、『年に一度の秘密の逢瀬! 野郎二人のブライダルプランニング!』というモノだった。
「相手役の人、怖い人だったらどうしよぅ」
「‥‥みるくさんほど、見た目も中身も怖い人おられませんて」
一人オドオドするみるくを尻目に、ぷりんはボソリと独りごちた。サングラスを掛けた今の状態ならともかく、外したときにはみるくと対等に渡り合える男など、そうそういないだろうからだ。
「と、とにかく!」
一つ、咳払いをし。ぷりんはみるくの両肩をしっかりと掴み、サングラスの奥にある不安げな瞳をしっかりと見据える。
「心配せぇへんでも、みるくさんが一生やれへんかもしれない結婚式が出来るんやから。気ィ楽にして、ロケに行って来なはれ!」
☆企画内容について
・ももきゃぶの新人である、巨乳中年グラドル『みるく♂ぷりん』を中心とした料理番組‥‥の、15分拡大SP用ロケ。
・七夕にかこつけて、みるくちゃんと出演者による面白結婚式を行いますが。ただ単に結婚式やっても面白くないですから、野郎二人による結婚式らしい演出を考えてください。その演出の部分が映像に流れる(=リプレイ化される)ことになります(頭からお尻まで考える必要は無いです。考えてもらっても構いませんが)。
・タイトルが『(裸)えぷろん』ですから、当然エプロンの下は裸です。‥‥と言いたいところですが、流石に結婚式なので特に必須というワケではありません(演出的に行う場合は可)。
☆制作について
・みるくちゃんの相手の条件は『男性』『チチがデカい(しっかり『チチ』であれば、実際はバスト88無くても大丈夫です。大きい分には大歓迎!)』『職種はタレント系に限らない』です。企画的に『野郎同士』というのがポイントなので、外見が女性らしき方および女性はご遠慮いただきたく。
・演出(シーン)ごとにみるくちゃんの相手が変わっても構いませんし、一人の相手が通しで撮影に臨むことにしても、2人ないしそれ以上によるプロデュース合戦を行う等、みるくちゃんが相手役である野郎同士の式が行われればOKです(相談掲示板等で上手に決めてください)。
・式場とのタイアップ企画なので、式に必要なモノは大抵借りられます(特別なモノは自腹でお願いします)。
・衣装については、現時点でみるくちゃんは白タキシードの予定です(プレイングにより変更可)。相手役も、少なくとも最初の格好だけはそれらしくして頂けると‥‥(苦笑)。
・スタッフ側は女の子でも構いません。放送は深夜ですが、録りは昼間なので若い子でも大丈夫です。でも、出演者の年齢はお考えください。
☆『みるく♂ぷりん』について
『こんでんす☆みるく』
白い方(肌が白い)。元あっち系のAV男優で、40歳の大台に乗ったコトをキッカケに現役引退。現在、そっち系はグラビアの仕事のみ。表(?)では、タレントとして売り出し中。今回は新郎(その1)役。
厳つい顔でゴーグル型サングラスをかけているが、普段はとてもシャイで実は極度の上がり症。しかし、サングラスを取ると‥‥。
40歳。178cm/85kg。B:118。
『かすたぁど★ぷりん』
黒い方(肌が焼けてます)。元レスラーで引退を機に、ももきゃぶの女社長にスカウトされて芸能界入り。 関西系の喋りで、MCをこなすことが多い。今回は別のピン仕事で出番ナシ。
33歳。156cm/62kg。B:89。
●リプレイ本文
●美打ち
「舞台俳優の月鎮 律人です。よろしくお願いします」
とあるファミレスにある個室にて。愛の(裸)えぷろんSPの美打ち−−美術打ち合わせが行われていた。
「俳優‥‥演者の方ですか?」
取り仕切りを任されていたディレクターが困惑気味の表情を浮かべると、月鎮 律人(fa0254)は手を振って訂正した。
「あ、いや。今回は照明とか、そういうのをお手伝いさせてもらおうかと。ウチの劇団は小さいので、普段からそういうことやってますから」
律人は照れ笑いを浮かべた。獣人は皆、芸能界に係わってはいるが、演者としてだけでは生活できない者も多く。律人同様スタッフとして働く者も少なく無い。
「では、打ち合わせに入りましょう」
「入退場は、ワーグナーの結婚行進曲でどうですかね?」
ディレクターから開始の合図を聞くと、先に挨拶を終えていた門屋・嬢(fa1443)が早速提案を始めた。
「ワーグナー? メンデルスゾーンではなくて?」
「そう。ワーグナーの方がどっちかっていうと、しっとりしてるかなぁと思って」
問いに嬢が答えると、確かにと律人は頷く。
「賛美歌はどうします?」
「さっきの曲もそうなんだけど。あたしがやろっかなって」
ディレクターに向かって嬢が大きく手を挙げた。
「パイプオルガン演奏はちょっと無理があるから、見切れない場所で生のオルガン弾こうかと思ってて。賛美歌も曲はあたしの生演奏で、歌はMDに録って‥‥」
「ちょっと待って下さい!」
嬢の説明に、烏龍茶を噴出しそうになりながらディレクターが待ったをかけた。
「何か問題ありましたか?」
「気持ちは有難いんですが、その‥‥。今回の企画は式場とのタイアップなんで、MD使うってのは向こうさんの印象が悪いですし。演奏も中のを使ってもらわないと」
申し訳なさそうに返すディレクターだったが、彼の言い分はもっともで。スポンサーである式場のことを考えると、嬢も納得せざるを得なかった。
「それじゃ、クワイヤーも用意してあるんですね」
「えぇ。専属の人間ではないんですが」
クワイヤーとは賛美歌の歌い手のことであり、その手配もしてあるのだという。
「さて、照明の配置ですが」
多少ギクシャクしながらも、美打ちは進んでいくのだった。
●顔合わせ
「司会を務めます、志羽 明流です。場を盛り上げなきゃいけない場面もあると思うんで、責任重大ですけど宜しくお願いします」
今日もハネている前髪を気にしながら志羽・明流(fa3237)が挨拶をすると、姫月・リオン(fa1200)がそれに続く。
「牧師役の姫月・リオンと申します」
「彼女の出演には上から意見も出たんだが、普通は女の部分が男になってるんで、逆に普段男の部分を女にするというコトで話を通しておいた」
「そういうことですので、短い間ですが宜しくお願い致します」
プロデューサーからの説明を受け、リオンは深々と頭を下げた。
「続いて新郎の相手役」
「白海龍デス。みるくサンのことはアンマリ知らないんデスが、強ソウな方ですネ」
白海龍(fa4120)は立ち上がると、その巨体を折り曲げて頭を下げた。
「強ぇなんてモンじゃねぇぞ。聞くところによると一日4,5本は食ってたって話だ」
「4,5本‥‥」
意味を解ってか解らずか、白海は真剣な眼差しで呟いた。
「そういや、あと一人はどうした?」
「それが、ちょっと捕まらなくて‥‥」
「あぁん?」
バァンと、プロデューサーが机を叩いた。
「事務所に電話入れとけ! 次に出る時は、ケツの穴まで映してやるってな!」
「は、はい!」
足をもつれさせながらADが部屋から出て行くと、コホンと一つ、プロデューサーは咳払いをした。
「えー、最後にメインの新郎役。みるくさん」
「ど、どうも。撮影とはいえ、け、結婚式なんて初めてなので、緊張していますぅ。どうか、よ、よろしく」
「‥‥みるくさん。名前名前」
プロデューサーに促され、自己紹介を始めたみるくだったが。名前を言い忘れたことに気付き、一旦座った席を慌てて立ち上がる。
「す、スイマセン! ぼ、ボクは『みるく♂ぷりん』の『こんでんす☆みるく』でしたぁ」
中に小さく笑いが起きると、みるくは顔を真っ赤にして再び席に着いた。しかしそのお陰か、緊張気味だった他の演者の表情も若干和らいだ様子だった。
「えー、それでは。撮影は時間も金も無いんで、基本的に録り直ししない方向で行きます。多少のアクシデントはアリアリで、どうしてもの場合は編集で何とかしますから。気合入れてヨロシクお願いしやす!!」
●撮影準備
「これ、着るんですかぁ?」
白海が手にしているモノを見て、みるくは半ば諦めたように呟いた。
「念のタメ、というヤツですヨ」
みるくは観念したように、白海の手から恒例のエプロンを受け取る。
「やっぱり、この下って‥‥」
とみるくが聞き返すよりも早く、既に白海は着ていた服を脱いでいた。元力士という触れ込みの白海だが、丸々と太ったいわゆる『アンコ型』ではなく。『ソップ型』と呼ばれる筋肉質なタイプであり、薄っすらと生えた胸毛を備えた、みるくに負けるとも劣らない立派な胸を露わにしていた。
「白海さん! 見えてますぅ」
片手で顔を押さえながら、もぞもぞと脱ぎ始めるみるく。しかし、片手で押さえたところで視界を遮ることは出来ず。むしろ普通に脱いだ方が手早く済むことに気付いてないようだった。
「こんなカンジですかね」
番組向けにピンクとホワイトを基調としたバラの装飾を行っていた律人は、一段落着いた所で控え室に向かうと。
「用意できましたね」
中にはみるくと白海の二人がいた。とはいっても裸エプロン姿ではなく、共に白のタキシードに着替えている。
「ちょっと待って下さいね」
二人を手で制すと、律人は肩に留めていたバラのコサージュを外して二人の胸に着けた。
「僕のは白になったンですネ」
律人に着けてもらいながら、白海は自分の胸のバラを見て呟いた。
「どうしようか悩んだんですけど」
律人は最初、みるくに白・白海に赤のバラを着けるつもりだったのだが。白海から、みるくにピンク・自分にブルーの花ではどうかと相談されており。結果、白海の意見も取り入れつつも、装飾に合わせてみるくにピンク・白海に白と決めたのだった。
「さて、と。俺はまだ少し準備ありますから。先行ってますね!」
最後の仕上げ。みるくと白海のネーム入りウェルカムボードの設置のため、律人は足早に去っていった。
●新郎*2入場
「新郎のお二人が入場致します。盛大な拍手でお出迎えください」
明流の声と共に結婚行進曲が演奏され、開かれた扉の先に立つ二つの影。律人がライトを当てると、みるく・白海の二人が緊張の面持ちで立っている。
「みるくサン。行きますヨ」
差し出した手をとって腕を組むと、白海のエスコートで歩き出す。バージンロードの前で一礼した二人は、再び祭壇へ向かって進んでいく。
途中、参列者として参加していた志羽翔流(fa0422)の隣に二人が差し掛かった時、厳かな雰囲気の式場に機械音が鳴り響いた。着慣れない礼服姿の翔流はバージンロードの側で片膝をつき、携帯電話で撮影していたのだ。
「フラッシュを焚くのはご遠慮くださいませ」
明流がマイクにて注意を促すと、フラッシュを使っていなかった翔流はお構いなしで写真を撮り続けていたが。程なくして二人が祭壇に辿り着くと、飽きてしまったのか翔流も席に戻っていた。
●誓約
「皆様、ご着席ください」
用意されていたテノールとバスのクワイヤーが行った重厚な賛美歌の後は、牧師に扮したリオンによる誓約である。
「白海龍さん。貴方はみるくさんを夫として受け入れますか」
「ハイ」
「では、貴方はみるくさんを愛し、敬い、慰め、助け、病める時も健やかなる時も、どんな時でも命ある限り誠実に尽くすことを誓いますか」
「ハイ」
静かに白海が答えると、続いてリオンはみるくに声をかける。
「みるくさん」
「はぃ!」
裏返ったみるくの声に今まで欠伸をしていた翔流が思わず噴き出すと、式場にどっと笑いが起きた。
「落ち着いて下サイ」
白海は組んでいた手を解いてみるくの腰に回し、そっと自分の方へ引き寄せ。耳元で深呼吸するように小声で耳打ちすると、笑いの渦が治まった頃には白海のお陰かみるくも幾分落ち着いたようであり。続く宣誓は何とか乗り越えることが出来たのだった。
●指輪交換
「これより、お二人には誓いの言葉を復唱して頂きます。私の後に続いて復唱してください」
「私白海龍ハ、こんでんす☆みるくを夫として受け入レ、今日この日をいつまでも大切にシ、良き時モ、悪しき時モ、富める時モ、貧しき時モ、病める時モ、健やかなる時モ、一生大切に愛し続けることを誓いマス」
誓約が滞りなく進んでいき、続くは指輪交換の儀式である。
「指輪についての説明を致します。指輪は永遠の愛と誓いを象徴するものです。指輪を交換することにより、生涯お互いに誠実であり、愛し合うことを約束します」
リオンから説明を受けた二人は祭壇に手袋を置くと、用意された極太の指輪を受け取る。
「この場所で相手の指に指輪をはめながら、私の後に続いて言葉を復唱してください」
リオンの指示により、白海はみるくの手を取った。
「私はこの指輪ヲ、愛と忠実を誓う印トシテ貴方に捧げマス」
復唱すると、みるくの手が震えているのに気付いた白海はしっかりとその手を握り直してはめてやる。続いてみるくも、白海の太い指にリングをはめた。
「会場の皆様。本日白海龍・こんでんす☆みるくの二人は結婚し、生涯を共にするという誓約を明らかにされました。それは、両手を取り合い、愛を誓い、指輪を交換したことにより象徴されています。それ故に、お二人を正式に夫夫として宣言致します」
高らかにリオンが宣言すると、暖かい拍手が二人を包むのだった。
●誓いのキス
「それでは、お二人には誓いのキスをして頂きましょう」
二人を包む拍手が鳴り止み、明流が切り出すと。律人の用意した照明がミラーボールの如くキラキラと式場を照らし出し。準備しておいたクラシックが流れると、嬢は律人と共に淡いピンクのスポットライトで二人を彩る。
(ちょっと触れるダケでイイんですヨネ?)
頭一つ分ほど背の低いみるくに合わせてやや屈み、恥ずかしそうに俯くみるくの顎をそっと手に取り顔を上げさせると。サングラスの奥にある視線と白海の視線が絡み合う。
「みるくサン‥‥」
まるで新婦のベールをめくるが如く、白海がみるくのサングラスを外した時だった。
「花嫁のキスは俺がもらう!」
そう叫びながら、祭壇へと躍り出てきたのは翔流。
「おぉっと、参列者の一人が誓いのキスに待ったをかけた! 対するみるくさんはどう出るッ!?」
翔流が登場するや否や嬢がBGMを場外乱闘風に変えると、明流もそれに乗っかるようにプロレス調での実況を開始した。
「ほぉぅ。誰が誰のキスをもらうって?」
「おーっと、みるくさんののどわが乱入した参列者に思いっきり決まっています! 顔が真っ赤になって、苦しそうだ、苦しそうだ! だが、それでも、キスへの執念は潰えない!」
覚醒したみるくに顎を掴まれ、喋ることが出来なくなっている翔流。それでも尚、口を尖らせてキスを迫る翔流に。
「白海!」
みるくが顎で指示すると、察した白海は翔流のベルトを後ろからむんずと握って。
「ウォォッ!」
雄叫びと共に、翔流の身体が宙を舞う。
「ここで元力士・白海龍関の昔取った杵柄。キレイな投げが決まったぁッ!」
「どわぁッ!」
明流の実況を背に、悲鳴を上げながら翔流は吹っ飛んでいった。
「さて、と。邪魔者もいなくなったし、続けるか?」
壇上の端でピクピクと痙攣を起こしている翔流を尻目に、みるくが白海を抱き寄せる。それに合わせて、嬢がBGMを元の厳かなものへとスイッチングした。
「僕も負けまセ、ン!?」
鯖折りの如く、みるくを熱く抱き返した白海だったが。その隙に白海の唇はみるくの唇で塞がれ、しんと静まり返る中二人の口付けは行われた。
「‥‥んぁあ」
ゆっくりと白海から顔を離したみるくは小さく吐息を吐き、口の端から垂れそうになった唾液を舌で舐め取ると。呆然と立ち尽くしている白海のベルトを外しに掛かったところで、カットの声と共に一斉に取り押さえられたのだった。
●退場
「新郎新婦が退場致します。皆様、暖かい拍手でお送りください」
明流の締めの言葉によって、ドアが開かれ。白海とみるく(サングラス再装着済み)はバージンロードを後にする。
「おめでとー!」
チャペルから下りてきた二人に向かって祝福の言葉を投げかけると、嬢は手にしていた米を振り掛ける。
「ヒューヒュー!」
嬢に輪をかけて力が入っているのは翔流。籠の中の米をごっそりと掴んでは二人に撒いて(投げつけて?)いる。
(あぁ‥‥。俺も結婚してみたいなぁ)
力強いライスシャワーとは裏腹に、翔流の心中は結婚への憧れが占めていた。‥‥あの二人の式を見ての感想というのが、いささか謎ではあるが。
「あー、ええと。大丈夫‥‥ですか?」
階段から降り立った白海に、耳元でそっと尋ねたのは律人。
「ハイ! ‥‥多分」
未だ興奮冷めやらぬのか、上擦った声で答える白海。それを見た律人は、不謹慎と思いながらも込み上げてくる笑いを抑えるのに必死だ。
「皆! 記念写真取るよッ!!」
嬢の呼びかけに、白海とみるくを囲むようにスタッフらも集まってくる。
「せーのッ‥‥はい、チーズ!!」
カメラのタイマーをセットした嬢が駆け寄ってくると。青空の下、皆の笑顔が一枚の写真に納まったのだった。