獣人ドクターズ撮影編1アジア・オセアニア
種類 |
シリーズ
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担当 |
龍河流
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芸能 |
2Lv以上
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獣人 |
フリー
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難度 |
やや難
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報酬 |
4万円
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参加人数 |
7人
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サポート |
0人
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期間 |
04/20〜04/26
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●本文
●特撮番組『獣人ドクターズ』とは
主人公達は、人間と動物が混じったような獣人である。種類は色々いる。その気になれば、人間の姿になることも出来る。
主人公達は、その獣人が住む世界、獣人界の公務員である。配属は衛生局防疫課。全員が医療従事者なのだ。
主人公達は、獣人であるからして、空を飛んだり、壁を地面と同様に走ったり、宙高く跳んだり、様々なことが出来る。
主人公達は、多くの獣人がそうであるように、音楽をこよなく愛している。人間界で、クラシック音楽に目覚めた。感染者の身柄確保の方法は、主人公達の魂のこもった歌や演奏である。
主人公達は、謎のウィルスによる伝染病『フッキョーワヲーン』感染者を追い求めて、異世界の人間界にやってきている。
主人公達は、『フッキョーワヲーン』の影響で騒音魔と化した同胞を探し出し、捕まえて、ワクチンを投与した後に獣人界に送り返す任務をおっている。
けれども、主人公達はすべての感染者へのワクチン投与を完了し、彼らを獣人界に送り返すまでは戻ることが叶わないのであった。
●特撮番組『獣人ドクターズ』の撮影状況は
放送開始までカウントダウンが始まった『獣人ドクターズ』の撮影スケジュール管理をしている弱小番組制作会社『るうぷ』に衝撃が走った。衝撃がどんな姿で、何本足なのかは誰も知らないが、とにかく走った。ものすごい勢いで。
「プロデューサーが、三話と七話を差し替えろと、そう言ったわけか」
『るうぷ』の会計担当にして、現在の社長代行である英田雅樹の声は、地を這うようだった。それはもう、すでに四話目の製作に入っていて、それでもスケジュール的にはかなりぎりぎりの綱渡り状態である『獣人ドクターズ』の撮影で、これまでに最大のアクシデントである。
だが、プロデューサーが無理難題を言ったわけではない。いや、スケジュール的には無理難題なのだが、ストーリー的には素晴らしい発案だった。誰が見ても、七話が先に来たほうがストーリーが格段に分かりやすいのだ。獣人とはどういうものかが、一話目からの繋がりでよく理解できる。
役者、撮影スタッフ、脚本家から何から、ほとんど特撮は初めてか、新人、駆け出しに分類される人々で撮影されている番組の『獣人ドクターズ』は、番組内容上短期のアルバイトスタッフにさえ人間は一人もいない。このため『獣人的常識』が浸透していて、ちょっと不自然だったところに気付かなかったのだ。それに撮影スタッフはぎりぎりの人数で、綱渡り操業だった。
「スポンサーもそれがいいねって言ったんだけどー、撮影をする人が捕まんないのよー。そもそも人数が足りないから、無理に撮らせたら倒れるかもー」
気の抜けた笑い声付きで、『るうぷ』の皆川紗枝が英田も知っている事実を述べた。そう、これ以上無理をさせたら、撮影スタッフから入院患者が出る。彼らの同僚で撮影班の金山圭吾は撮影に行ったまま、もう二日帰ってこない。昨日、差し入れに撮影所に行ったときには、寝袋に包まってコンクリートの床の上で死んだように熟睡していた。
そんな状態なのである。
「特撮の撮影が出来る奴に、心当たりなんかないが‥‥もともとの七話ってどんな話だった?」
「確か、あれよ。獣人能力びしばし登場の、特撮とCG処理がたくさんのやつ。あ、これこれ」
ストーリー一覧の内部資料に、七話の脚本を取り出した二人は、内容の確認を始めた。なにしろ、人を集めるにしても仕事の内容が指定できなければ始まらないのだ。
●特撮番組『獣人ドクターズ』第三話(旧七話)あらすじ
『フッキョーワヲーン』感染者を探す獣人界衛生局防疫課人間界出向組の面々の元に、情報がもたらされた。とある公園で、数日前からドラム缶を叩きまくって騒音を発生させる男が現れたというものだ。
現場に急行する主人公達。そこにいたのは、間違いなく『フッキョーワヲーン』感染者の獣人だった。しかも、獣人の姿で騒音を発生させている。
人間が集まらないうちにと、感染者の身柄確保を目指す主人公達。しかし主人公達の歌も演奏も、感染者の騒音行動を止める役には立たなかった。対応に悩む主人公達を、感染者が襲う。
人目もはばからずに獣人能力を使おうとする感染者を、人間の姿のままで取り押さえようとする主人公達。追いつ追われつの舞台は公園から近くの山へと移って行く。山の中で獣人の姿を現して、ようやく感染者にワクチンを投与するも、彼は共に人間界に来た感染者達が方々に散っていると話したのであった。
●特撮番組『獣人ドクターズ』撮影スタッフ募集
番組制作会社『るうぷ』では、特撮番組の撮影スタッフを追加募集しています。
・通常のテレビ番組撮影並びに特殊効果撮影の技術者。CG、模型製作者等も含む。
・スーツアクター、スタント等のアクションに自信がある方。
・番組音楽の作成(主にクラシックの編曲)が出来る方。
・番組脚本作成に参加できる方。
いずれも経験は問いません。そのほかの技術職等で、参加を希望する方もご応募ください。
注)今回の追加募集は撮影スタッフ等であり、出演者ではありません。
●リプレイ本文
不健康な修羅場ライフ。
そんなことは甲斐 高雅(fa2249)に言われるまでもなく、今回の『るうぷ』の募集に応じた全員が察していたことではあった。けれども。
「これだけぎりぎりなのは久し振りですねぇ」
山田悟志(fa1750)が、彼の外見とその後に分かるのんびりした性格を裏切るうつろな笑い声を上げたくらいに、スケジュールは厳しかった。今更嘆いても仕方がないので、まずは手早く全員で作業手順を打ち合わせ、参考に完成している前二話分を観る。
その時、蓮城久鷹(fa2037)と桐生董也(fa2764)の二人が笑んだ理由は、当人達以外にはかなり不明だ。龍 美星(fa2426)は、ヒーロー役の『ドクターズ』が最低八人もいることに、妙な感心をしている。これがまた獣人界なる世界の公務員なのだが、昔の特撮戦隊ものには国連所属の設定もあったので、あんまり気にしない。
全員が気にしたのは、Kanade(fa2084)が指摘したことだ。
「大半のBGMがクラシックみたいだが、編曲した場合の録音はどうなっているんだ?」
細かい曲名などが分かるのはカナデだけだが、大抵は誰もが聞いたことのある曲が多い。OPからして、クラシックなのだ。
「時間が取れれば、スポンサーが演奏者集めて録ってくれる。そうでないのは向こうが抱えている音源から拾ったり、専門家に頼んで作ったな」
つまり、今回の仕事には使用できなくても、頼んでおけばいずれは番組に使えるよう編曲されたクラシックが出来上がってくる寸法だ。この後、挨拶回りを兼ねてトウヤとカナデが『るうぷ』の英田とスポンサーのところに出向いて、音や細かいアイテムの設定などの了解を取り付けてきた。
そのために、ダミアン・カルマ(fa2544)と山やん、カナデがいきなり徹夜でアイテムの設定図を描いたり、紙製試作品を作ったり、譜面とにらめっこしたりする修羅場ライフに突入したのである。
だが、そんなものは序の口だった。
第二話で催眠術っぽい便利能力を用いて喫茶店を乗っ取ったとしか思えない『ドクターズ』の面々は、第三話以降、そこを拠点として活動をしている。この喫茶店の奥のスタッフルームでミーティングをしたりするのだが、これがまた両方ロケである。喫茶店は本物の店を借りて撮影、スタッフルームは『るうぷ』の応接室を使う低予算っぷりである。セットを作って、それを保管するスタジオなり倉庫の賃貸料をケチって、最低限しかセットは作っていないらしい。
この両者の距離は地下鉄三つ分、車で十分足らず、いざとなったら歩けない距離でもない。走れるかどうかは、人による。
「またこの店でコーヒーを飲むことになるとは思わなかったなぁ」
「なんですか、こんないい店知っているなら通わなきゃだめですよ」
ダミアンと山やんがマスターにコーヒーを振舞われながら、新しい小道具の搬入をしていた。この後、ワンカットだけ公園に行く前のシーン撮りがあるのだが、その際に新開発の感染者探知機のお披露目があるのだ。お披露目して、すぐに反応があるベタな展開。
劇中の展開では、この店は生演奏も聞かせる本格的なクラシック音楽の喫茶兼カフェバーだ。実はダミアンは以前、この店で劇を上演する手伝いをしたことがあった。マスターは人間だが、撮影スタッフにコーヒーを振舞うと席を外してくれるので気兼ねも少ない。挙げ句に耳を疑うような賃料で撮影させてくれるのだから、ありがたい店だった。
大体、普通の喫茶店は撮影に必要だからと運び込んだアップライトピアノを、そのまま全話撮影が終わるまで置きっぱなしにはさせてくれないだろう。撮影以外では、常連の劇団が大喜びで使っているようだが。
なお、先程音響の確認によったカナデは『調律しないと使えない』の一言を残して、スポンサーから借り受けた大量のBGM用曲データを抱えて『るうぷ』に戻って行った。彼には脚本とコンテに合わせた、曲のアレンジが待っている。地下にある店なので、入口から外への階段を上るときに少し足元が怪しかったが、彼とて竜獣人、多少のことではへこたれまい。
というより、へこたれている暇はどこにもない。働いて働いて働いて、さらに働かないと間に合わないのだ。ダミアンと山やんは、山やんが珈琲党なこともあって、一日何杯のコーヒーを飲んでいるか分からない。絶対に胃に悪いうえに、カフェインもそろそろ効かなくなってきているようだ。カナデも同様だろう。
「この、立ったまま寝てる人はまだ起こさなくてもいいのかな?」
マスターが冷めたコーヒーを片付け様に、撮影準備と役者の到着を待っている間に器用な寝方に突入したカイ君を見て尋ねてきた。小道具の配置は終わったが、役者が到着しなければ撮影は開始されないので、まだ寝かせておいても一応大丈夫。
そんな返事をする前に、コーヒーを飲んだばかりの山やんとダミアンも睡魔に連れ去られていた。僅か十分かそこらのことだったが至福のひとときである。
「あー、ここのシーンでフッキョーワヲーンウィルスの解説がこう入りますから。後ほど声だけ入れていただくので、よろしくお願いします」
撮影そのものは、ワンシーンだしそれほど問題もなく終わった。幸いにして、ここの撮影に関係した三人共に『ドクターズ』の役者陣の複数と知り合いなどで、不用な緊張感が漂うこともない。
「あと、この後使う携帯電話型の近距離探知機、今は全員同じ曲にしてますけど変更は可能ですから。お好きなタイプを選んでくださいね」
携帯電話型も何も、電器店で不用になった携帯電話見本品の見栄えがよく、もとから着信音にクラシック曲が入っていたものを安価で譲ってもらった本物携帯電話が、ダミアンの鞄からずらり。充電は手回し式充電器で移動中にやったなんてことは秘密だ。
「ちょっとなら、模様を描いたり、飾り張ったり出来ますよ」
山やんも、首から下げたタオルで汗を拭き拭き、細かい注文に応じる体勢である。撮影で人がぎゅうぎゅう詰めだから、彼はずっと汗を拭いていた。ダミアンが二枚目のタオルを差し出した時には、多分絞ったら大変なことになるくらいに汗をかいていただろう。
こんなに疲れても、今度は『るうぷ』で編集と今後使う小道具の製作が待っていたりするのだ。
でも、マスターが皆の健康を気遣ってか、作ってくれたサンドイッチは食べていかねば。
同じ頃。トウヤとヒサ、美星の三人は『るうぷ』の紗枝に連れられて、ロケ場所の山に来ていた。どこかと思えば、ヒサが以前の撮影に協力した折のキャンプ場近くである。これまでの人脈その他を使いまくる『るうぷ』だった。
「こりゃいい、あの時かなり歩いているからな。人払いは完璧か?」
紗枝が頷いたので、ヒサはさっさとどこかを目指して歩き出した。山の中にオートキャンプ場があるのだが、ゴールデンウィークに入るまでは営業をしていないそうだ。ぎりぎりの日程で、撮影が可能である。
「このまま、甲斐さんの希望のシーンだけは撮って帰るか。美星嬢、いきなりで大丈夫か?」
「だいじょぶヨ。いつでも走れるからネ」
「なら、ついでに本番でどういう具合になるかの資料も撮っておくか。出演者連れてきてから、今ひとつだったじゃ時間の無駄だ」
自分以外は全員一回りくらい年上に見えるので緊張していた美星も、こと仕事になれば元気だった。ヒサが目星をつけ、トウヤと細かい確認や相談をしているのを横目に、柔軟体操をやっている。彼女の仕事は感染者の逃走シーンのスタントで、かなり派手に茂みを突っ切ったりする予定だ。
そのうちに相談がまとまって、ヒサが決戦場と定めたオートキャンプ場入口近くの平地に皆を案内した。もちろん普通にワゴン車も入れる道があるのだが、その緩やかに曲がりくねった道をショートカットする形で一直線に下から土手を駆け上がる。傾斜はそれほどでもないが、問題は。
「場所と天気は問題ないが、この場所でカメラ担いで、美星嬢に追いつけるか? 獣化するなら、場所は変更だぞ」
「それなら、アタシがスピード合わせるヨ。それでどうアル?」
トウヤの懸念ももっともだが、実際に懸命に走る演技をしながら速度をカメラマンに合わせるのは困難だ。一度試しに走ってみるかと話していると、紗枝が車からなにやら取り出してきた。
「重り着ければ、スピード落ちるんじゃない? 片足五百グラム。危ないかなぁ?」
「それ以前に、なんでそんなもんを積んでるのか‥‥いい、教えるな」
ダイエット用具にしか見えない足首に巻く重りを美星が着けてみて、まずは舗装されていない道を走ってみる。たいして重さも感じないようだし、足もきちんと上がっているので、それで数回ダッシュをして、その間にヒサは自分が通る部分を作っておき、撮影を決行した。何回か駆け上がって、感染者視点の逃走シーンとスタントシーンのデモ撮りが終了した。
その間にトウヤは第三話の山場になるはずの平地の広さを測り、斜度もおおまかに確認して、後日の撮影に備えていた。天気予報は地点指定で専門会社に頼んである。そろそろ『るうぷ』にFAXが届いているかもしれなかった。それと撮影スケジュールを照らし合わせて、戻ったらすぐにスケジュールを組まなくてはならない。
レギュラー出演者も大変なことだが、撮影する側もただ事では無い状況なのである。
その割に、紗枝が野菜スープと栄養補助食品ビスケットを持参していたりと、変なところが充実していた。
ところで、この頃のカナデはといえば。
「ディスクが足りない‥‥使っていいのは、これだったかな」
BGMの作成に必死になっていた。皆がいるときには美星と一緒にムードメーカーになって明るい彼だが、現在は疲れもあって仏頂面一歩手前だ。ついつい細かい音の振幅や聞こえ具合も気になるので、なかなか満足いくものは出来上がらない。
だからといって仕事に手を抜く性格ではないカナデだが、今回は特に力をいれる理由があった。この番組は、OPが五曲、EDが三曲用意されていて、各話の内容に合わせて切り替える珍しいことをしているのだが、現在撮影中の第三話のEDタイトルは『Beasts night Oratorio』。カナデの友人達が作った曲だ。彼らに負けてはいられない。
「次は火星、違った、木星。よし、木星だな」
アレンジしたBGMはこまめに複数の媒体に保存して、撮影に回った人々が帰ってきたら一緒に確認してもらわねばならない。一度は別班の音響担当者も来てくれることになっていた。
と、『るうぷ』の英田がなにやら大荷物を抱えて戻ってきた。カナデの顔を見て。
「一時間半で飯にするから、キリがいいなら仮眠しろ」
それはいいかもと、さすがにカナデも横になった。応接室のソファの上で。
それから小一時間ほどして、撮影に向かっていた人々が次々と戻ってきた。その頃には『るうぷ』の社内になにやら料理の匂いが漂っている。
「ん。これは中華系の匂いですね。しかもレトルトではないような」
撮影で使った小道具のうち、乗用車搭載型の探知機をダミアンと運んでいた山やんがものすごく幸せそうな表情になった。中国出身の美星は『なんか違うような』と鼻をひくひくさせているが、日本風アレンジが利いた中華料理なのだろう。そうカイ君とトウヤとヒサとダミアンは思ったが‥‥料理もするダミアンは紗枝の姿を見て、首を傾げた。紗枝はさも当然のようにこう言ったが。
「うちの料理担当は雅ちゃんだから。お弁当だと栄養偏るしねー」
この際コンビニ弁当でもいいから、とにかく何か食べようと思っていたヒサや、作業合間の軽食は片手で食べられるものと実際に作っていたダミアンも、これには大賛成だった。美星も『これはこれで』と納得していたので、他の面子に文句はない。言うとしたら、山やんのつまみ食いと、なかなか起きないカナデに対してだったが‥‥
「ココロを鬼にして叩き起こすネ!」
と、完全獣化して蹴りを見舞おうとした美星は、さすがに止めた。ソファが壊れたら、間違いなく弁償させられるからだ。
そうして、スタントの美星以外がまた必死に働いている真夜中のこと。
「今はここで吸ったらいけません。揮発性塗料使ってますからね」
山やんに追いやられたトウヤが応接室に移動すると、カイ君が甲羅の中に引っ込んで仮眠中だった。時間指定で『起こして』とメモが甲羅に張ってあるので、起こす。
「ああ、一服?」
「ちょっと煮詰まってね。あ、吸うか?」
寝ぼけ眼のカイ君が煙草を受け取ったところに、やはり顔付きが冴えないカナデがやってきた。こちらも携帯灰皿持参で一服だが、カイ君を見て吸うんだとちょっと驚いていた。
途端に。
「吸わない! 禁煙してるから! 入籍の条件なのに、ここで吸うわけには!」
フロアに響き渡る叫び声がした。ダミアンや山やん、ヒサに英田も何事かと駆けつけて、事情を聞くと揃って『ああそうかい』と言う顔付きになった。
「そこまでお話が進んでいたんですか。じゃ、煙草じゃなくてホットレモンにしましょう」
「さすがにこの時間にコーヒーは胃に悪いので、僕はカフェオレを淹れましょう」
「旦那、この間送ったプロモ、返してもらわなくてもいいけど、引き取るか?」
「プロモ? そんな顔しなくても聞かないよ。聞いたらいけないんだろ」
応接室でちょっぴり休憩モードに入った男性陣の様子などまったく知らず、別室では美星と紗枝がぐうすか眠っていた。
それでも数日後、なんとか第三話はめでたく撮影、編集終了したのであった。
例え後に死屍累々たる光景が広がっていたとしても。