神の遣いとの諍い中東・アフリカ

種類 ショート
担当 龍河流
芸能 1Lv以上
獣人 5Lv以上
難度 難しい
報酬 27万円
参加人数 10人
サポート 1人
期間 10/05〜10/07

●本文

 WEAそのものではないが、ほぼ下部組織と言える獣人の集団が幾つか、慌しい動きを見せていた。非常事態といって差し支えないが、WEA本体は更に上を行く緊急非常事態態勢なので、比して『慌しい』動き。
「カクテル同好会、二十三名。射撃手十五名、後方支援五名、前線対応三名‥‥前線?」
「その名前で呼ばない。前線は本当に人手が足りない時でお願いしようかしらね。我々も六十に入って久しいので、反射神経が衰えてて」
 WEA本体は、エジプト国内のある遺跡の中で発見され、封じられていたものが活性化しているオシリス、イシスと呼ばれるナイトウォーカーの相手をする獣人を捜している。始末されずに封印されいたような代物だから、そちらはかなり戦闘に慣れた熟練者でなければ向かえないし、向かわせるわけにもいかない。
 けれどもこちらでは、もう少し経験が足りないか、体力が不足している者もかろうじて対応可能として、国内外で心当たりに片端から声を掛け捲っていた。
 用件は、遺跡から大量流出しているナイトウォーカーを殲滅すること。つい先だっても似たような事件があって、ようやくのことで収めたばかりだが、その再発である。オシリス、イシスの遺跡に直結しているのかどうか、新たにナイトウォーカー達が突き崩して作ったと思しき穴から大小、形態も様々のナイトウォーカーが溢れ出しているのだ。人里に辿り着く前というより、人目に立たないところで殲滅せねばならない。
「ご大層な名前はないが、加勢する。総勢十一名だ。うち三名、カクテル同好会の孫だけどな」
「お友達にも電話しましたの〜。もうちょっと増えるかもですわ」
 文字通り戦闘服の集団がいる中に、場違いな服装の男女二名を加えた一団が合流している。場違い二人以外は、一般人が国内で所持できない武器弾薬類を抱えていた。単なる武器弾薬だが、通常のナイトウォーカーには十分効果がある代物だ。
 ただ、彼らが諸手を上げて歓迎されないのは、一団を率いてきた男がダークサイドだと噂されているからだ。そこまで言わなくても、彼の上司はダークサイドであろうと裏では断定的に語られることがある。
 なにより、今回の騒動の中心にいるだろう女と、この騒ぎを引き起こす元になった『封印』をやり取りしているのだから、警戒されて当たり前だった。何か企んでいるのではないかと。
 とはいえ。
「どうもシェイドの指示と違う方向に動いているようなんでね、一応仲間としては不始末の尻拭いをして、点数稼ぎをしなきゃ駄目だろうと駆けつけたわけだ」
 戦力が一人でも欲しい現在、多少怪しかろうが前線で働くというなら働かせたいのも事実だ。そのくらいに、人手は足りない。

 ナイトウォーカーの活動地域は半径一キロの園内。数は不明、百より少ないことはなく、どんどん増えているところ。
 補給物資はかなりあるとはいえ有限で、治療可能な能力者も片手で足りる人数しかいない。補給のために走り回ってくれる人々が六人ばかりいるが、このうち四人が六十代である。
 実際に戦える人数は、掻き集めに集めて現段階で射撃手を含めて四十名ほど。応援が来たとしても、囲い込みは多分無理。
 それでも、ここの防衛ラインが崩れると、より強力なオシリス、イシスに向かった人々が後背から攻撃を受けることになりかねず、それは取りも直さず人里へのナイトウォーカーの大量流入にも繋がる。
 非常に不利だが、それでも戦ってくれる人が一人でも多く駆けつけるのを、皆切実に待っているところだった。


【関係者一覧】
・カクテル同好会
 五十代から六十代の、元ナイトウォーカー戦の練達者の集団。名称は通称で、当人達が名乗るものではない。
 ナイトウォーカー大量発生の報で駆けつけたが、主戦力は射撃手。

・アルファベット・ナンバーズ
 劇作家のエイが率いてきた集団。名前は今回便宜上で付けたもの。
 今回の騒ぎが起きる原因を作ったシャルロに協力していた節もあるが、現在はナイトウォーカー殲滅に乗り出してきた。WEAに対する点数稼ぎが目的の模様。
 こちらの主戦力は前線戦闘員。

 この他に、フリーランスや元々エジプトに住んでいる獣人が駆けつけており、総勢五十名余が集合済み。
 移動手段と現地での通信機器は準備されている。

●今回の参加者

 fa0154 風羽シン(27歳・♂・鷹)
 fa0898 シヴェル・マクスウェル(22歳・♀・熊)
 fa1674 飛呂氏(39歳・♂・竜)
 fa1758 フゥト・ホル(31歳・♀・牛)
 fa2670 群青・青磁(40歳・♂・狼)
 fa3611 敷島ポーレット(18歳・♀・猫)
 fa4840 斉賀伊織(25歳・♀・狼)
 fa4892 アンリ・ユヴァ(13歳・♀・鷹)
 fa5256 バッカス和木田(52歳・♂・蝙蝠)
 fa5925 レジェ(14歳・♂・竜)

●リプレイ本文

 今回の事件は、緊急も極まっていた。よって、役割分担の打ち合わせに時間は掛けられない。武器の融通、弾薬など消耗品の取り分け、各方面の担当決めなど、ほとんど同時に進められていた。
「飛呂氏、その装備とこれだと、どっちが使えそうだ? おまえなら、これでも使いこなせると思うが」
「射撃よりは武器のほうが得意だな。ありがたく使わせて貰おうか」
 それでもシヴェル・マクスウェル(fa0898)が飛呂氏(fa1674)に貸し出したギガントアクス程の大物となると、右から左に渡すだけでも少しばかり時間が掛かる。
 持ち運びが出来るものでさえそうだから、バッカス和木田(fa5256)は手配した銀製グランドピアノのフォルテッシモの移し変えは、他の装備品も積む都合で大変な騒ぎだった。それでも載せられるトラックがあって、移動が出来れば、このピアノは大変な武器となる。
 ただ。
「演奏者の手配は? 曲目はなんでもいいと思いますが、とにかく慣れた人でないと走っているトラックの上で演奏はさすがに」
「キールのおじ様とエイさんが頑張ってくれますわ。『エリーゼのために』と、ええと『猫踏んじゃった』ってどんな曲か分かりませんけれど」
 大丈夫ですわよねと、シンデレラが答えている。前者はともかく、後者の曲は日本の音楽事情に少し詳しい者なら耳を疑ったかも。この曲は別の国々では『ねずみのワルツ』他、様々な曲名で流布している。
 更に、敷島ポーレット(fa3611)が持参したマイク方のオーパーツFIRE ROCKも、シンデレラが『歌がうまい人が使うものなら』と渡した相手が。
「ふふん、シンデレラも分かってるじゃねえか。任せろ、俺の演歌でナイトウォーカーどもなんぞ蹴散らしてやる!」
 覆面演歌歌手の群青・青磁(fa2670)だった。演歌と聞いて、日本の歌謡曲に知識がある人は『猫踏んじゃったと演歌?』と思ったかもしれない。
「全力は尽くしますが、なんとなくイメージと違いますね」
「僕、慣れてないから音に気を取られない様にしないと」
 斉賀伊織(fa4840)とレジェ(fa5925)は、装備を幾つか外したり、借り物に変えたりして、より素早い動きを取れるようにしている。この辺りはカクテル同好会からのご指導だ。
「早く、ああいうレベルに到達したいものです」
 フゥト・ホル(fa1758)の呟きは、何かが間違っていると聞いた者に思わせたかもしれない。カクテル同好会のことを知っている人には。
 だがその中の一人であるはずのアンリ・ユヴァ(fa4892)は、一葉の写真を見ながら、
「‥帰ったら、子供が生まれるんですよ‥‥」
 ほんの少し目を細めて、皆が振り返るような一言を口にしていた。
「ちょっと焦点がぼけてるな。終わった後に時間があったら、合わせ方憶えるか?」
 たまたま写真を覗きこんだ風羽シン(fa0154)が、皆の視線に気付いて『ペットの小鳥』と教えなかったら、アンリは前線から強制送還を食らっていただろう。
 ただし何事をするにも、遠方で砂煙を上げているナイトウォーカーを全て平らげてからのことになる。

 相手の数が非常識を極めているため、集まった人数が一箇所で展開することはない。大雑把に対空、地上、後方支援と分けて、後は臨機応変となっているが、
「敵の移動ラインがずれた。向かって右手に追い込め」
 人の居住している地域は離れているが、その方向に逃がすことは出来ないので、布陣は厚めになっている。単純にそちら方向にナイトウォーカーが多いせいもあるが、余計に気が抜けない状態だ。
 シンとアンリを中心に、飛行可能な人々が飛んで戦線を抜けようとするナイトウォーカーと対峙している。息の根よりは、進行を止めることが目的だ。叩き落せば、地上担当と一緒に潰していける。
 とはいえ。
「弾の残りが、二十を切りました」
 地上は補給担当が二輪、四輪で走り回り、弾薬が不足する事態はない。だが上空は飛べる人数の都合で、自ら降りないと補給が受けられなかった。そのため、残り弾薬数は小まめに報告しあうことになっている。アンリがそう口にしたのは、上空の敵の姿が片手で数えられるようになった時だ。全員分の残り武装で確実に落とせるだろうと、合間合間に地上へのナイトウォーカー進軍行路まで知らせていたシンが全員に視線を巡らせていると。
 不意に、一度落ちたナイトウォーカーが跳ね上がるようにして飛んだ。すかさず全員が銃弾を打ち込んだが、アンリが体勢を崩して地上に手を伸ばすように落ちかけて。
「写真なら、撮り方を教えてやる!」
 小鳥の写真がナイトウォーカーの群れの中に落ちたと、悲しんでいた。シン達は肝が冷えたことだろう。
 それでも、今度は地上での掃討戦が待っている。

 一度掃討戦が始まると、終わるまでは昼夜関係ない。戦闘員の消耗も激しいが、それを癒す人々も厳しい状況に陥っていた。
「交代要員がもう一人いたら‥‥単なる贅沢なのは承知してます。ええ、しておりますとも。でも年寄りなんですよ、僕」
「それだけ話せれば、元気やね。さ、はよご飯食べてえな」
 BGMはエリーゼのためにと猫踏んじゃった。切れ切れに聞こえてくるのは、それが大分遠いところで奏でられているからだ。ただし耳のよい和木は、ポーよりも良く聞こえているだろう。
 和木の計画とマックスの助言で、市街が近い方向に主戦力を置いた一同は、しかしナイトウォーカーをその方向に追い込んでいる。フォルテッシモとFIRE ROCKでナイトウォーカーにあまねくダメージを与え、それを個別に潰していく作戦だ。とっくに百体を超えて、二百も多分突破し、そろそろ三百の大台が見えてきた敵を虱潰しにしていくには、全体にダメージを与えられることが大事だ。
 代わりにその範囲では弾薬の消費が非常に激しい。フォルテッシモの音で一時的に足が止まったところに、機関銃掃射、それで動いている残りを個別射撃、まだ突っ込んでくるのは最前線が迎え撃つ。この時にも銃を使う者もいるので、補給担当のポーはひたすらに走り回っていた。
 今はようやく小休憩で、皆に食事を配っていた。和木は当初射撃に参加していたが、交戦開始三時間後から延々とヒールミストコートでの回復に努めているので、相当にへばっていた。ただの演奏会ならこれほど消耗しないだろうが、ここはいつ敵が突っ込んでくるか分からない場所で、挙げ句に怪我人を癒す役目である。
 それでも、ゼリー状の栄養剤を飲み下した二人は、速やかに立ち上がった。弱音を吐く力があったら、その分仕事に振り分けたほうがいい。

 この頃、交代で休みを取ったばかりの群青は、FIRE ROCKを握って熱唱していた。乗っているのは補給物資満載した駆動四輪だ。屋根はない。
 覆面姿でうなっているのは、こぶしをきかせた演歌。
「あ、おじさま。あそこのナイトウォーカーは轢きますわよ〜」
 本人いわくの日本の心を特等席で聞いているのはシンデレラだ。以前に群青から叱られた暴走兎。でも道もないので、ナイトウォーカーを轢きながら爆走中。
 この二人は周囲から『変な動きをするな』と『別の歌はないのか』と『どっちも落ち着け』を言われ続けているが、まったくの無傷だ。
 彼らが休んでいる間、FIRE ROCKで流れていたのはオペラ歌曲。
 そしてキールとエイが奏でる初心者向けの曲が重なり合って、別の意味でも音響兵器ではないかと、前線の人々は思わなくもない。だがいずれもほとんど休みなしで演奏と歌を続けているので、文句を言う筋合いではないだろう。

「所長のカレーのほうが美味いがな‥‥さて、あちらはどうやっていることか」
 マックスは昇天カレーで夜間戦闘に向けての気合を入れたが、同席したハトホルはそのカレーに声を失っていた。とにかく辛い。挙げ句に眠気が吹き飛ぶとは言うが、カクテル同好会がどこからこれを二十五袋も手に入れてきたのか不明だ。しかも食べるのは若い順。
 とんでもないものを食べてしまったと二人とも思いつつ、戦線に戻る。彼女達の担当は、フォルテッシモ効果範囲へのナイトウォーカーの追い込みだ。熊と牛、体力に自身はあるが最前線での格闘は危険で厳しい。小まめの休息と治療を、カクテル同好会から事前に厳命されていた。
 けれども二時間後に、二人は負傷しているが、向かい合うナイトウォーカーを放って逃げ出せるかという気分に陥っていた。これは昇天カレーより、ハトホルの高揚炎気の効果もあるだろう。なにより、どちらも責任感は強いほうだ。
 だが実はこれまでで一番危険な状況に陥っているので、二人には先程から一時撤退の指示が出ている。ヒールミストコートで治せる範囲をとっくに越えているので、治療担当の一角獣を載せた四輪が、回収に走ってきているところだ。暗い中、マックスの幻惑光鎧がいい目印になっている。
 当然、二人ともそちらと合流する手筈を整えていいところだが、夜間に取りこぼした敵は追跡が困難だの、まだ動けるからだのとやっていたところ。
 救援隊に足元を狙撃されるハプニングに出会った。言うことを聞かない『小娘』にはお仕置きらしい。マックスは度肝を抜かれただけだが、ハトホルはあと数センチで当たっていた。
「後輩育成に携わりたいところですが、私もまだまだですね。次は怒られないようにしませんと」
 晴れ晴れとしたハトホルの言い様に、聞いたマックスの心情は、当人が語らないので不明だ。気を抜かないようにしないと、と呟いてはいたようだが。

 この夜何度目かの、レジェの悲鳴が響いた。
「今のなしっ。僕はまだまだ余裕ですから!」
 スプラッタな品物が顔にぶつかっての悲鳴を必死に否定しながら、レジェは三節棍を棒状のままで勢い良く振り回した。触手を巻き取られたナイトウォーカーが引っ張られたところに、飛呂氏が一撃を加えている。この重い一撃で、小型のナイトウォーカーなら大半は息の根が止められた。その前のフォルテッシモが、手間を減じている。
 ただ引き寄せていたものが突然失われて、レジェは後方にひっくり返りそうになり、伊織が半身を使って支えている。腕を出すと武器がおろそかになるからだが、どちらも格闘の心得はあっても戦闘経験が他と比べればないに等しく、飛呂氏がギガントアクスを振り回して平然としているのに対して、息が上がっていた。たまに何かに驚いて悲鳴が上がるのも、大抵はこの二人だ。その割に怪我をしないのが不思議なところ。
 それでも度胸は据わっていて、伊織は突撃してくるナイトウォーカーの近距離射撃を担当し、飛呂氏が討ち漏らすとレジェが叩き切る。竜獣人二人に挟まれると、狼の伊織もたいそう華奢に見えるが、この三人で潰したナイトウォーカーもすでに数え切れない。
 とはいえ、何時間も動き続けられないのは皆一緒で。
「そろそろ一時撤退時間だが、二人とも動けるのか?」
「大丈夫です、今度はちゃんと体力残しておきましたから」
 前回の交代で、そこまでに全力を尽くした結果だが飛呂氏に担がれて、伊織は補給用の四輪に乗り込んだのだ。レジェも似たような状態で、四輪ジープの荷台に放り込まれている。流石にこれを二度繰り返すなど、二人ともごめんだった。
「あー、喉が渇いた。皆さん、上手に戦いますね」
 ちょっと休んだら、すぐに前線に戻りますからと意気盛んなレジェの言葉は、結局果たされなかった。なぜなら、三人が『無茶して怪我すると迷惑』と休憩を強いられていた間に、残っていたナイトウォーカーが殲滅されたからである。

 ただ、この直前の頃合には。
「い、今、オルトロスの顔が見えたで」
 最前線が文字通りの殲滅戦に入ったため、補給物資をひたすらに運んでいたポーが、彼女の腕前であろう事か二輪で転倒した。もう絶対にナイトウォーカーに食われると思ったが、物資受け取りに来ていたマックスに助けられている。
「所長? さては心配されてるな」
「向こうのほうが死にそうな顔しとった」
 マックスが怪訝そうな顔になったが、ポーに怪我がないので前線に戻っている。
 また、別の場所で。
「シンデレラっ、何してるんだ!」
「エイさんが、すごく疲れたからどうしてもって」
「それでチューするな!」
 本来目的と非常にずれたところで、マイクに向かって叫んでいる群青がいる。キスではなく、ちゅーと言う辺りが、彼の動揺を示しているのかもしれないが‥‥歌わないとナイトウォーカーが寄ってくるので、ものすごい勢いで歌を再開した。
 なかなかとんでもない声で耳を押さえたかったハトホルが、先輩方にじろりと睨まれて慌ててソードを構えなおしたりもしたが、まあささやかなことだ。実は皆命が危なかったとしても、とりあえず戦場ではささやか。
「バンクルもそろそろ役目を終えたかどうか。最後までは粘ったろうな」
 最後に全部の息の根がきちんと止まっているのかを確かめていた時に、バンクルを使用した仲間の状況に少しばかり思いを馳せていたシンが、ぐしゃぐしゃになった一葉の写真を見出した。
「これは、幸運のお守りになるかも」
 今回最大の負傷をして、治療中のアンリが珍しくも少しだけ微笑んだ。小鳥の全身が何か変な色に染まっているが、大きな破れがないところが幸い。
 同時に、和木が奏でるオーパーツのオーボエの生み出す霧の中、寝袋から半ばはみ出したレジェと、しっかりと収まった伊織が、他の人々と一緒にすやすやと寝ていた。疲労回復には効果があるか判らないが、ここまで運んでくれた飛呂氏共々、ようやくゆったりとした寝顔である。
 実際は、全員が頭から大量のお湯でも浴びないととても見られないし、近付き難い悪臭がする状態でも。