music festival 後半アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 うのじ
芸能 1Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 難しい
報酬 1.3万円
参加人数 8人
サポート 2人
期間 04/22〜04/26

●本文

 『Battle the Rock』のスペシャル番組の準備に、スタッフは追われていた。
 普段の倍の時間が予定されているが、スタッフの人数は実は変わらないのだ。
 スタッフたちにとって、この場は、いわば戦場なのである。 
 その戦場に、二人の男が居た。
 片方は番組プロデューサーの望月。
 もう片方は、番組ディレクター。
「準備はどう?」
「‥‥だいたい予定通りですね、大丈夫ですよ」
「よかったー。もうちょっとすれば、みんなも休めるから、頑張ってもらわないとね」
「ははは」
 苦笑するディレクター。
「『今回のテーマ』は、『フリー』だから、準備する事が多くて大変なんだよね」
「そうですね、まぁ、アーティストたちの注文が楽しみでもありますけど」
「うんうん」
「サードステージ、どうします? スペシャルで『フリー』のあとは、予定通り『元気』でいいですか?」
「うん、五月病対策のつもりなんだけど、どうだろう? だめかな? あ、でも、サードステージなんだけど、その前にやっぱりマイナーチェンジしたいんだよね」
「‥‥ああ、その話しですか。前と同じようにちゃんとセッティングしておきましたよ」
「ありがとう。助かります。‥‥‥さて、そろそろいいかな?」
「?? 何がです?」
「番宣CMのOKを出すタイミングが」
「‥‥なるほど。もう4時間たってますし、大丈夫だと思いますよ」
「だよね。ありがとう。行ってみる。‥‥あ、お弁当の準備もお願いね。スペシャルなんだから、豪華なやつね。まぁお弁当だからたかが知れてるけど。‥‥あ、出演者だけじゃなくてスタッフの分もね」
 そう言いながら、去っていくプロデューサーに、はいはいと手を振るスタッフ。
 これからしばらく、このスタッフの戦場は続くのだろう。


 スタッフに戦場があるならば、休息所もあるのだった。
 休息所と言っても立派なものではなく、雑魚寝ができるスペースとソファー、自動販売機が置いてある、ただ、それだけ。
 しかし、それだけでも、そこは一息つける天国だった。
 そこへ、番組のプロデューサーがやってきた。
 そのことに気がついたスタッフは、眠い目をこすりながら声をかける。
「ああ、望月さん、おはようございます。番宣のCMですけど‥‥」
「うん、そのことで来たんだ。チェックしました。ばっちりでした。カンパケですー」
 プロデューサーの言葉に、編集をしていたスタッフがほっと息をついた。
「これで一つ仕事が終わりました、ばんざーい」
 今にも倒れそうなスタッフの代わりに大喜びしたのは、OKを出したプロデューサー本人。
「おつかれさま」
 にこりと笑いながら、差し出したのは、一本の栄養ドリンクの箱。
「‥‥ありがとうございます」
 箱を受け取ったスタッフは、箱を開ける。
 すると中にはその栄養ドリンク本体と一枚の紙が入っていた。
 その紙には、必要なものリストと書いて有る。
「これ、用意して置いて。おねがいします」
 そう、これは絶妙なトラップだったのだ。
 栄養ドリンクを受け取ってしまった手前、中に入っていた紙を渡し返すわけにはいかない。
 第一、プロデューサーはすでに逃走していた。
 スタッフは苦笑いをしつつも、箱のわりには小さな栄養ドリンクの蓋を開け、ぐいっと飲み干す。
 いつも飲んでいるのに慣れない、苦いような甘いような妙な後味。
 もっとも、いつも飲んでいるものとは値段の差か、多少苦みが強い気がしたが。
 スタッフは、大きく息を吐きながら立ち上がり、リストに目を通す。
「これならすぐに集めれそうかな」
 そう独り言を言うと、再びスタッフの戦場へ向かっていった。


 そして、スタッフの戦場があれば、出演者の、アーティスの戦場もある。
 それがこの番組、『Battle the Rock』。
 いわばアーティストのサバイバルとも言えるこの番組は、今回はスペシャル番組として行われる。
 アーティストたちが思い思いの歌をぶつけ合う歌の宴、『music festival』が、これから始まろうとしている。

●今回の参加者

 fa0259 クク・ルドゥ(20歳・♀・小鳥)
 fa1362 緋桜 美影(25歳・♀・竜)
 fa1465 椎葉・千万里(14歳・♀・リス)
 fa1609 七瀬・瀬名(18歳・♀・猫)
 fa2073 MICHAEL(21歳・♀・猫)
 fa2957 ぇみる(19歳・♀・パンダ)
 fa3398 水威 礼久(21歳・♂・狼)
 fa3461 美日郷 司(27歳・♂・蝙蝠)

●リプレイ本文

●蜜月
 花のコサージュがついたお揃いの帽子に、お揃いのギター。
 クク・ルドゥ(fa0259)は、相方と共に、ステージに立った。

 二人の少しぎこちないギターの音は、それでも元気良く、リズムを奏でる。
 そして、相方の緊張した声が響く。
 それは、まるで、純真な男の子のような。
 彼がが歌い終わると、続けてククが歌う。

赤く染まるいつもの町で、私は君に出会った
替わらない優しい瞳、背は少し伸びたのかな?
年下の君に不覚にも心を奪われて
そんな心を隠すように、私は君に話しかけた。

 ククが終わると、また、相手が歌い出す。
 同じ時、しかし、違う二人の独白同士のような歌が流れる。
 相手が歌い終え、またククが歌う。

時の流れは速いって言っても
神様コレは反則じゃないですか?
手を繋いで遊んだ小さな男の子が
こんなにも凛々しくなって来るなんて
昔話を紡ぐ夕暮れを不意に駆け抜けた春の恋風。

 バトンタッチが繰り返されて行く中、二人のギターが、一瞬止まり、それから徐々に音を増していく。

不覚にも君の瞳を見れなくて
言葉ばかりが加速して
私の頭は壊れたレコードみたく、くるくるぐるぐる廻り続ける

 最後に、二人の声が合った。
 ギターの音も最高潮に登っていく。

眩暈を起こす心を抑えて
精一杯の勇気をかき集めて
紡いだ淡き言の葉は、2人同時の「「また会えるかな?」」
此処から生まれる春の恋風
赤く染まる見知らぬ街で、2人で紡ぐ恋歌の予兆

 歌が終わり、最後に、二人は帽子を交換したあと、笑顔で、頭を下げた。


●【EST】
 控え室で、そわそわしている七瀬・瀬名(fa1609)。
「あ、あーーーー」
 落ち着かない様子で、発生練習をしている。
 声を綺麗にだすことには慣れていても、音程をつけてだすことには不慣れだと、セナ自身がそう思っているのだ。
 それを見ている美日郷 司(fa3461)が小さく笑いながら言った。
「深呼吸」
「はい?」
「とりあえず、深呼吸でもして、落ち着かないと、でる声も出なくなる。それじゃあ、発声練習しても無駄だ」
 はっきりと言うとツカサは、愛用のギターをもち、弦を一つ弾く。
「そ、そうだね。すいませんっ」
 セナは、何故か謝り、焦りながらも大きく深呼吸をする。
 もう一度、ツカサが同じ弦を弾いた。
「‥‥ド」
「?」
「これがド。いま、発声練習してた音」
「あ‥‥‥。ありがとう。音程がちょっと不安なんだよね、練習に付き合ってもらえるかな?」
「いいよ」
 二人が始めた本番直前の練習に、ぇみる(fa2957)も混ざる。
「私もまぜてっ」
「いいよ。じゃあ、二人とも、歌の最初から歌ってみな」
 ツカサを囲んで、セナとえみるが声をだす。
 納得がいくまで、それは続けられた。
「‥‥これで大丈夫かな?」
「大丈夫だ。安心しろ」
 ツカサは、練習が終わると、手にした本番用の銀色のエレキギターに、軽く口づけをした。
 それを見たえみるが、ハテナという顔をする。
「恋人みたいですね」
 えみるの言葉に、ツカサが苦笑した。
「そうか? まぁ、大事な相方だな、『TATUMI』は」
「たつみ?」
「ああ、このギターの名前だ」
 ツカサの言葉を聞いて、えみるの眼が輝く。
「お名前があるんですかっ! じゃあ、今日は4人のバンドっていうことですねっ」
 えみるの言葉に苦笑するツカサ。
 それからしばらく待つと、三人を呼ぶ声が聞こえた。

「【EST】、【∞】(Infinty!)」
 ピンクを基調にしたえみると、青を基調にしたセナ。
 そして、ヒラヒラした服装の二人とは対照的にシンプルに黒のスーツのツカサ。
 まず最初は、ツカサと『TATUMI』のソロから始まった。

届かない想い 魂に刻んで 今 走り出す Infinty!

 静かだったギターの音も、爆発的に加速する。
 座っていた二人のボーカルも、勢いよく天を掴むように立ち上がった。

永遠の楽園 放棄したのは 何時の日か
時計仕掛けの アンティックドール 片っ端から投げ捨てて!
自由になれると 信じていたの

運命の箱庭 囚われたのは 遠い過去
鏡の中の プラスティックドール 何故私の顔してる?
自由になれたら 全部崩れた!

 縦横無尽と動き回るえみるとセナ。
 それはサビの中も変わらず、よりアグレッシブになっていく。

止まらないで! 嘆かないで! 諦めない! 逃げ出したくない!

 今まで飛び跳ねていた二人の動きが止まった。
 そして、無音状態になり、ギターの演奏が、二人の歌声が、スローに流れてくる。

世紀(とき)が変わっても 貴方が変わっても この手に残る想いがある!
世界が終わっても 私が終わっても 消えない物がきっとある!

叶わない願い 笑顔に隠して 今 走り出す Infinty!


●椎葉・千万里
 控え室の中には、二人の人がいた。
 椎葉・千万里(fa1465)とククだ。
「ええんですか、来ていただいて」
「ぜーんぜん大丈夫だよ。逆に追い出されちゃった勢いだよ」
 ククが笑う。
「そうなんです? あ、ククさんのステージ、モニターで観てましたよー。素敵でしたわー」
「本当? ありがとう。じゃあ、千万里さんも素敵なステージよろしく」
「ええー?!」
 そう言って笑う二人。
「大丈夫! 私の時と同じように、二人で気合いを入れれば、敵無しだよ、きっと!」
「あー、あれですね。もう一度やります?」
「もちろん! じゃあ行くよー!」
 ククの台詞に、二人は、立ち上がり、手を上に上げる。
「頑張るぞ! おお〜っ!」
 気合いを入れた後、チマちゃんはケースを開け、中からバイオリンを取り出す。
「じゃあ、いってきますね、ククさん」
「うん、いってらっしゃい。じゃあ、そろそろ私も」
 結局チマちゃん、ククと、二人同時に部屋を出た。
 しかし、向かう場所は別。
 ククは歩きながら手を振ると、チマちゃんが見えなくなったとき、全力でダッシュして目的地へ向かった。 

「椎葉・千万里、『星より遠い、すぐ隣』」
 名が呼ばれ、ステージに立つチマちゃん。
 その彼女に、観客席から、大きな声で、応援のメッセージが届いた。
「ちまちゃーーーん! がんばってーーー!」
 大きな声の声援に、自然と笑みがでるチマちゃん。
 声の方を向くと、ひょんと跳ねた特徴的な髪の毛だけ見えたものの、相手のことはよく見えなかった。
 それでも、チマちゃんは、小さく笑って、可愛らしい笑顔でバイオリンを弾く。
 ゆったりとした異国の民謡風の音楽に、会場がリラックスのムードに包まれる。
 そして、バイオリンを肩から外し、マイクに向かう。

オリオンが西の空に追われたら
若葉の水気 花の香り
冬は透き通っていた夜風に 地上の吐息がふんわり混じる
「春になると星がぼやける」って 夜空を見上げた貴方は残念そう
「そうだね」って答えたけど 私がホントに残念なのは
「寒いね」ってふざけたフリで手をつなげなくなったこと
貴方はすぐ隣 なのに遠いの

 ゆったりと思いを込めて、歌うチマちゃん。
 間奏部分などにバイオリンの演出を入れ、聞き手を飽きさせない。

隣に居るハズなのに 今は空より
きっとあの小さな星より 遠い

いつか私の手が 届きますように
手を伸ばす勇気を 持てますように

星より遠い、すぐ隣。

 歌が終わり、余韻を楽しむかのように、バイオリンのなめらかなメロディが続き、しばらくして、なめらかな空気に浸り幸せになった。
 そのバイオリンの音も止み、チマちゃんがお辞儀をする。
 そんなチマちゃんに、盛大な拍手が送られた。


●クレイス&ミカ
「レティス姉には悪いことをしちまったな」
「うん。レティスちゃんが本番に出て貰えれば良かったんだけど」
 水威 礼久(fa3398)の言葉に MICHAEL(fa2073)が頷いた。
 ミカエルはそう言いながら、テーブルの上にICレコーダーを置いて、自分のパートを確認している。
 録音したレティス・ニーグの歌声に自分の声、そして、自分の演奏を重ねていく。
「歌に自信がある方じゃないけど、練習もしたことだし、こうなった以上は全力でいかないとね」
 ミカエルが言うと、今度はクレイスが頷いた。
「ああ、真面目にやるぜ。言っておくけどな、俺の真面目はすげえぜ?」
 クレイスが胸をはると、ミカエルがくすりと笑う。
「なんだよ。本当だぜ? まぁ、終わった後の予定を空けておきながら、本番に期待しててくれ」
「予定?」
「ああ、終わったら一緒にお茶でも」
「真面目になったんじゃなかったの?」
「え? かなり大真面目なんだけどな」

「クレイス&ミカ、『デュナミス』」
 舞台から、クレイスとミカが呼ばれる。
 エレキギターがギャルーンと鳴り、スタートから飛ばしたロックビートの曲がスタートする。

がんじがらめに縛られた翼
いつもこの空を見上げ飛べる日を夢見ていた

飛び出すきっかけがなかなか掴めず
規則や義務 世間体や保身
という名の鎖に繋がれ、ただ無意味に過ごす日々
叫んでもこの声は虚しくコンクリートの檻に響き渡るだけ

 間奏。
 クレイスの独奏が始まる。
 言葉よりも巧みに奏でられる音楽は、どこか切ないような印象を与える。

鎖を解いてくれたのは君の些細な詞(ことば)

一つの言葉で飛び立つ勇気をもらった

 そして、今度はミカエルのソロ。
 今度は、明るく弾けた、派手やかな高音をベースにした、独奏。
 二つの独奏が終わると、続いて歌も終わりを迎える。

目の前に広がる可能性という名の大空
共に鎖を振りほどき飛び立つ仲間

 歌が終わる。
 慣れない声と楽器の演奏を全力で駆け抜けたため、普段以上の疲労感を感じる二人。
 しかし、その疲れは、恍惚感にも似た心地よい疲労だった。
 スポットライトと声援を浴びながら、二人はしばし、その疲労感に身を任せた。

●緋桜 美影
 控え室がノックされる。
 順番が来たようだ。
 緋桜 美影(fa1362)は、空になった紅色の缶をテーブルの上に置きながら、ステージに向かう。
 廊下を歩いているだけでも、ステージの熱気が伝わってくるようだった。
「んー、みんな燃えてるなー。よし、俺が完全燃焼させてやろう。消し炭も残さないぜ!」
 んしししし、と笑いながら、美影がステージの袖に到着する。
 出番を待っている間に、ふと、目の前のテーブルに寂しさを感じた。
「んー?」
 テーブルの上にある、小さなネックレス。
 天使の羽がついた卵がワンポイントのアクセントになっている、そのネックレスが、どこか、寂しそうに見えた。
「なんだ、あんたも完全燃焼したいの? ‥‥しかたないな、特別だぞ」
 笑いながら、ネックレスを手に取ると、左腕に三重に巻き付ける。
 急遽ブレスレットになったネックレスに向かって、美影が言う。
「さぁ、燃え尽きに行こうか」

「緋桜 美影、『Enjoy』」
 ステージに呼ばれる。
 美影は軽いステップでステージ中央に向かい、スタンドマイクを手に取った。
 それを合図にして、原色の照明がめまぐるしく動き回る。
 さらに、照明に負けじと、音楽がハイテンポに踊り狂う。
 そして、いきなり始まったトップスピードそのままに、美影の歌声が響いた。

一度っきりの人生だから「後悔しないように」だなんて
未来を映す魔法の鏡 持ってなきゃ無理むりムリだろ
どーせ一度の人生ならば がっつりがっちり楽しまなくちゃね!

今日も朝から学校 仕事家事に育児に予備校
週末が終ればまた一週間
スケジュールと抜きつぬかれつデットヒート!

 休憩なんて無い。
 間奏なんて無い。
 常にフルスロットルの歌声に、休むところを知らずに盛り上げる美影。
 同じく、休まずに、それに答え続ける観客達。
 歌は盛り上がり続ける。

一度っきりの今日だから「一生懸命遊べよ」行くぞー!
未来を計算可能な脳みそ 持ってよがなかろが関係ないよ
声を張り上げ体ぶん回して すっきりきっぱり完全燃焼!

明日は明日の風が吹くさ「省エネ節約出し惜しみ」すんなー!
気力体力使いきれば ストレスカロリー燃焼解消
風呂はいってベッドに飛びこめ 目を覚ませば充電完了!

 歌詞とは裏腹に、明らかに充電完了ではない、全てのエネルギーを出し切った歌と、美影。
 しかし、今日の観客たちのエネルギーは、通常を超えたものだった。
 歌が終わったとき、さらに盛り上がり、大歓声が広がる。
 出し惜しみせずに完全燃焼を求めて、さらにヒートアップする頼もしい観客たちに、美影は、笑顔で輝く左腕を突き上げた。


●エンディング
 8組すべての演奏がおわり、後は勝敗を決するだけになった。
 番組の最後になってやっと登場した、いつもの司会者の二人組が、観客に投票を促す。
「それでは、『judge』。スタート!」
 観客達の手に握られているのは、いつもに増して大量のコイン。
 観客達は、そのコインを自らが思うように分配し、舞台の各ミュージシャンのハコに向かって投げ入れていく。
 コインのシャワーが舞台に降り注いだ。
 そして、今回の勝利者が決定した。

 控え室『A−3』と書かれた扉の中には、三人が控えていた。
「ふむ。労働の後の茶と茶請けはまた格別じゃな」
「って、あれ? 一斗缶の中身が復活してる?」
「驚く事もあるまい。これは、非常用の予備での」
「ああ、だから、さっきはすぐに許してくれたのか。まだあるなら、少し貰おうっと」
 スルスルっと伸びて来た手が、着物美人にぴしゃりとはたき落とされる。
 そこへ、扉が叩かれる。
 要件を聞いて、中から出てきた三人が、最後の〆の歌を歌いに、ステージへ向かった。
 彼らの歌に合わせるように流れるスタッフロール。
 こうして、番組は終了した。