TJSラジオ収録10月アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 うのじ
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 4.4万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 10/08〜10/10

●本文

「『サンダージェットストリーム』」
 番組名のコールが終わると、軽快なテーマソングが流れる。
「こんばんわ。サンダージェットの上田と」
「下田でーす」
 テーマソングの音量が下がると、司会者の二人の自己紹介が行われた。
 上田と名乗ったほうが、台詞を続ける。
「旬でロックな人物をゲストに登場して貰い、彼らの今を語って貰おう、と言うこの番組」
「今って言うと、例えば学校行事とすると、運動会、まぁ、体育祭と文化祭だな」
 続く下田の言葉に頷く上田。
「文化祭って言うと、今年の文化祭クィーンは誰になるんだろうな?」
「クィーン?」
「そうそう。文化祭とか学園祭で、アーティストが呼ばれてコンサートとか開くことあるだろ?」
「それのナンバー1か」
「結構、毎年、雑誌とかでそういう特集組まれるだろ?」
「‥‥まぁ、そうだけど。俺としては、気になるクィーンっていうと、ミスなんとか、だな」
「ああ、そういうのあるね。女性部門のミスだけじゃなくて、男性部門のミスターを選ぶところもあるらしいけど」
「へー。そっちは興味ないな」
「‥‥わかりやすいなー、おまえ」

「まぁ、今月は、特にテーマなしで行こうか。あなたにとっての秋ってなんですか? ってヤツは先月やっちゃったし」
 下田が冷ややかな目で上田を見ながら言う。
「な、なんだよ、俺のせいか?」
「‥‥まぁ、季節先取りならクリスマスの話でもしてもらってもいいけどなー」
「‥‥つまり先月のこと根に持ってるんだな? そーか、わかった」
 下田は、先月、半歩先の話題をしろと説教してきた上田に対して、軽く根に持っていたのだ。
「別に、今、秋の話をしてもいいしな。秋の実りを一緒に食べるのもいいし。もちろん、秋からの年末までコンサートの話でもいいんだし」
 話すネタがない訳じゃない、と続ける上田。
「いや、相手はネタに困るはずだ!」
 妙に断言する下田を無視して、上田が続ける。
「そんなこと無いから。さて、今週のゲストはこの方です!」

●今回の参加者

 fa0034 紅 勇花(17歳・♀・兎)
 fa0124 早河恭司(21歳・♂・狼)
 fa1050 シャルト・フォルネウス(17歳・♂・蝙蝠)
 fa2778 豊城 胡都(18歳・♂・蝙蝠)
 fa2870 UN(36歳・♂・竜)
 fa2993 冬織(22歳・♀・狼)
 fa3852 鳥遊光稀(22歳・♂・犬)
 fa3983 キラ・イシュタル(17歳・♂・竜)

●リプレイ本文

●第一週
「今月最初のゲストは、この方!」
「今回って、微妙に投げやりな気が‥。まあ、話のネタは用意してるけど。そういうわけでこんばんわ、歌手のキラ・イシュタルよ」
 キラ・イシュタル(fa3983)の挨拶に、そんなことありません、と、気合い十分のポーズを取る上田。
「そこでポーズ取られても、リスナーには見えないんじゃないの?」
 キラが苦笑した。

「秋の過ごし方は‥そうね、仕事もプライベートも忙しかったわね」
「お仕事のほうは後で告知とかもして貰うとして、プライベートですか?」
「プライベートは‥‥友達とカラオケしたり外に遊びにいったりとか」
 キラのこの言葉に、今まで静かだった下田ががばっと起き出す。
「カラオケ! いいね、行こう! そのお友達も!」
「‥‥急に元気になったんだけど」
「ああ、あまり気にしないでください」
 キラの言葉に容赦のない返事をする上田。
「‥‥いいの?」
「はい。でも、そうなるとキラさん、なかなか自由な時間がないですね。家族団らんとか」
「たしかに。家族と言えば、妹も芸能界にいるんだけど、中々会えないのよねぇ」
 キラの言葉に、下田がまた反応した。
「妹さん! ぜひその妹さんも一緒にカラオケに!」
「‥‥」
「あまり気にしないでください」
 上田が同じ言葉を続けた。

「秋の味覚って言われても、今、あまり食欲無いからね」
「そうなんですか?」
「代わりに俺が食べてあげるぜ! 妹さんやカラオケのお友達とか」
「‥‥そろそろ撃ってもいいかしら?」
「いいですよ」
 笑顔のキラと上田に下田が弁明する。
「『お友達とかと一緒に』って続けるつもりだったんだって! ほんと!」


「本日の二人目のゲスト、アーウェルンクスのシャルト・フォルネウスさんです。よろしくお願いします」
「‥よろしく」
 シャルト・フォルネウス(fa1050)がぼそりと呟く。
「今回はお一人で、ということですが」
「‥‥ああ、他のメンバーは仕事で欧州行ったり、別件多忙で来れず、自分が来る事になった。‥喋ったりするの得意じゃないが、仕方ない」
 シャルトの台詞に、スタジオが気まずい空気になる。
「すいません。わざわざ来ていただいて」
 慌ててフォローする上田。
「シャルトはアーウェルンクスでは何をやってるわけ? トーク担当じゃないのは分かったけど」
 下田の言葉に応えるシャルト。
「‥‥アーウェルンクスのギター担当‥」

「義妹が出来た。貰われてきた猫みたいで面白い」
「えーと、赤ちゃんですか? 」
「‥‥いや、そういうわけではない」
「?? そうですか」
 首をかしげながらの上田にむかって頷くシャルト。
「‥‥うむ。さて、すまん、話題が尽きた」
「もうつきたのかよ!」
 下田が容赦なく突っ込んだ。


●第二週
「今週のゲストは、蜜月のお二人。早川恭司さんと豊城胡都さんです。どうも!」
「おー、恭司。今日は女連れか。また手を出したのか?」
「女?!」
 ぶっ飛んだ下田の発言にもゲストの早河恭司(fa0124)と豊城 胡都(fa2778)は至って冷静だ。
「どうも、この番組にはいつもお世話になってる早川恭司です。下田さんが変なこと言ってますが、胡都は女性じゃないよ。れっきとした男性だよね?」
「なんで疑問系なんですか? この番組では初めまして、蜜月のドラマー豊城胡都です。お二人とは司会をなさってる音楽番組の方でお会いしたことがありますよね」
「はい、その時はありがとうございました」
 軽く頭を下げながら言う上田。

「今年は残念だったねー」
 恭司が言う。
 秋の名月の天気予報が悪いからだ。
「天気予報みたらあいにくの‥や! これは生放送だったね」
「もういいです。あまり生々って言うと虚偽放送で訴えられますから」
 苦笑しながら言う上田。
「なるほど。でも、月の代わりに今年は国産の松茸が豊富らしいね?」
 恭司の言葉に、そうなんですか? と聞く上田。
「けっ。豊作でも高いことには変わらないしなー。松茸きらいだー」
 拗ねる下田に胡都が言う。
「そう言うと思って持ってきました」 
「え? 松茸を! やった! 松茸大好き!」
「松茸ではなく、カボチャプリンです」
 胡都が取り出したのは、橙色のプリンが3つ。
「皆さんで食べようかと思って‥‥ラジオで食べ物持ってくのは駄目なのかな、とも思ったんですが」
 大丈夫大丈夫と、自らのを確保しようとした下田だったが、その動きが遮られた。
「数なんですが‥自分用に大きめ買ったらお金なくなっちゃって。下田さんは我慢して上田さん食べてください」
 さらりと笑顔で言い放つ胡都。
「なんで?!」
 悲痛な下田の声。
「秋はやっぱり食欲の秋って言いますし‥‥秋のデザートをこうやって楽しみにたいと思っています」
「こういう風にって俺に見せびらかしながらってことかー」
 下田を無視し、カボチャプリンを食べ始める三人。
「まぁ、何度も女性と間違えてくれましたし」
「あ、おいしい」
「いただきます」
 上田と恭司の声に、満足げに頷く胡都。
「くそう、こうなったら本当に女性疑惑を立ててやるぜ!」
「‥‥‥」
 下田の発言ににっこりと笑みで返す胡都。
「‥と言うのは冗談でー」
 と言いながら、逃げに入る下田。
「下田さん、弱いよ。弱すぎるよ」
 思わず涙する恭司であった。

「最近はソロで動くことが多いんですか?」
 一息ついた後に本格的なトークに入る番組。
「ソロというか、今は蜜月とはちょっと離れてユニット『colorful』の方に参加しています。‥‥外部に所属するのは勉強になりますし」
「確かに、メンバーと一緒に仕事はかなり久しぶりだな。仕事に関してはライブ関係だったり、テレビだったり、ライブハウスでの収録だったり、ふらっと欧州に行ったりとかね」
 恭司の言葉に胡都が続ける。
「後はドラマーとは別にフルート奏者の活動もしてるんですが‥‥ユニットでの活動が一段落したらそちらでも活動を再開させたいです。もちろん蜜月での活動も、と思っています」
 恭司と胡都の決意を聞き、上田が頷く。
「そうですか。それでは、お二人のご活躍を願いながら、最後に一曲‥‥」


●第三週
「では、本日のゲスト、一組目!」
 上田のかけ声に、鳥遊光稀(fa3852)がぺこりとお辞儀をする。
「律儀にお辞儀をしてくれました、この方です!」
「初めましてー! アドリバティレイアの鳥遊です!」
 ハイテンションのコウキに下田が言う。
「おお、いい感じだ」
「初ソロで初ラジオってすっげえ緊張してます!」
「がんばれ! おにーさんにまかせるんだ!」
「はい! 下田さんいじれるようにがんばります!」
「その意気だ、っていじるな!」
 ノリが良く進んでいく下田とコウキの掛け合い。
 上田は、寂しそうに、割り込める隙を探していた。

「この前、公園でお月見やってるおじいさんおばあさん達見たんだけど、あぁいう季節の楽しみ方っていいですよねえ」
 季節の話題になったときにコウキが言った。
「のんびりお月見ですか、いいですね」
「のんびり茶菓子食いだな、いいな、それ」
 反応が違う上田と下田。
「何でおまえは風流を否定するかな」
 上田があきれ顔で言う。
「いや、下田さんも当たりで、月も綺麗だったけど用意されてたお菓子が美味しすぎて正に花より団子状態でした」
 コウキの言葉に、勝ち誇ったかのような下田。
「そ、そうですか」
「あ、でも、お菓子食べてただけじゃないですよ。少しの間だけでしたが、いい人たちで楽しかったです。ご夫婦で参加してる方ばかりだったけど、あぁいう夫婦はすごい憧れるなあ」
「お、結婚ですか?」
 この手の話題にはやっぱり食らいつく。
「リバティにいるだろ、お姫様が。狙え狙え! 抜け駆け抜け駆け!」
「え? いや、そう言うことを言われても」
 下田のあおりに苦笑するコウキは、でもどっちのおひめさまだろう? と首をかしげた。
「どっちの?」
「あ、はい、俺自身はちょっとお休みもらってたんですが、リバティは体験入学中のメンバーも加わってがんばってるんですよ」
「そうなんですか。新メンバーは女性、と。今度みんなでいらしてください。その時には下田は柱にでも縛り付けておきますから」
「はい。縛り用の鎖はこっちで用意しますね」
 抗議する下田を無視し、笑いながらのコウキと上田だった。


「本日のゲスト、もう一人! 紅勇花さんです。よろしくお願いします」
「よろしくー」
 司会者の二人の言葉を受け、慌てて答える紅 勇花(fa0034)。
「よ、よろしく!」
「??」
「え、えーと、紅勇花です、何故だかちょっと緊張してますけど‥‥宜しくお願いします」
「勇花さんはラジオに出るのはこれが初めてなんですよね」
「そう。だから緊張しちゃって」
 照れる勇花。
「ああ、わかるわかる。ラジオって、TVやライブとかじゃでない素の部分が出るんだよな」
「なんかプレッシャー掛けてるだろ?」
「ばれたか」
 下田と上田のトークに笑う勇花。
 どうやら多少は緊張が解けたようだ。

「通ってる高校でも学園祭ライブしてみたいと思うんだけど、止められてるんだよねー」
「騒ぎになると大変だもんね。じゃあやっぱり、さっき話していたみたいにどこかの学園祭に呼んで貰うしか」
「かな。学園祭ツアーまで行かなくても、どこかでやりたいね」
 秋と言えばの学園祭話。
 ラジオを聞いてる学園祭実行委員のあなた、呼ぶんだ! と上田が煽って、この話題が締められそうになるところに下田が口を挟む。
「それにしても勇花は高校生か。俺と同い年ぐらいだな」
「は?」
「え?」
「‥‥嘘だけど」

 PSFの話で勇花の羞恥プレイがいじられたりしながらも、トークは無事に終了する。
「じゃあ最後に告知をお願いします」
「はい、途中でもちらっと言ったけど、今度1stアルバムを出すコトになりましたー。タイトルは『Code:LOST』、全10曲+ボーナストラック2曲入り。是非聴いてみて下さいね。一通り聴いてくれたら‥‥タイトルの意味も、分かるかも」
「アルバム全体で、一つのテーマみたいになっているんですね」
「ロシアンパン食い競争で勇花が失ったモノがわかると?」
「いや、もうそれはいいから」
 下田のちゃかしに上田が止める。
「最後に一曲お願いします」
「はい。ラストは、先日のバトザロで披露した曲「真夜宴−The Midnight Carnival−」で。もちろん、この曲もアルバムに入ってるよ」


●第四週
 テーブルを囲むようにして座った三人。
 司会の二人とゲストのUN(fa2870)だ。
 ガラス越しのディレクターの合図を受けて、司会の一人、上田が声を上げる。
「どうも、ハロウィンの時期に登場していただくゲストは‥‥この方」
「UNだ。宜しく頼む。ハロウィンと言われても、仮装は用意してないのだがな」
「トリックオアトリート!」
 いきなり言い出す下田。
「残念だが、菓子も用意してないな」
「イタズラが出来る! グヘヘって相手は男か!」
「分かってただろ、それ」
 上田の突っ込みに、笑うアン。
「和気藹々と毎回仲の良いコンビだな」
「えー」
 不満の声を上げる下田。
「下田が言うか、それを。‥‥弄ってもらえる内が華なんだ、大事にしろよ?」

 アンのお父さんオーラにたじたじの下田をよそに、上田とアンの会話は進んでいく。
「軽く夏休みで欧州に飛んでゆっくりしてたな。最近戻ってきた所だ」
「欧州はどうでした? やっぱり料理ですか? それとも感性の刺激を求めて?」
「まぁ、色々だな。ゆくゆくは向こうでの音楽活動にも力を入れたいんだがな。なかなか難しい」
「夢は日米欧同時CDリリースとか!」
「まあ夢で終わらせるつもりはないんで、ゆっくりでも頑張っていこうとは思ってるが‥‥言うだけならタダだからな」
 アンが笑うと、頷く上田。
「そうですね。でも言質っていう言葉もありますよ?」
「それもあるな。よし、しっかり流してくれ。有言実行するからな」
「はい、がんばってください!」
 今まで黙っていた下田が言う。
「有言実行か。俺も言ったからにはアンにイタズラ‥」
「まだその話題か、おまえは」


「ハロウィン二組目のゲストは、この方!」
「Stagioneヴォーカルの冬織と申す。此度はよしなに」
 上田に紹介された冬織(fa2993)。
「トオルって名前、男に聞こえるよな。ここは仮装の可能性を確かめてみなければ!」
 下田の急な発言に、ふむ、と返事をするとおる。
「して、どのように?」
「そりゃ、とうぜん突いての感触が‥」
 とおるの冷えた視線が下田に突き刺さる。
「くっ! 無念」
「わしは特に何もしとらんのだがの。ともあれ、お二人が息災そうでなにより」

 とおるの土産の煎餅は音の関係上、後で食べる事になり、話が進んでいく。
 そしてアメリカでのヴァニシングプロのライブの話となった。
「というわけで、ロックシンガーとして逃がす手はなかろうの」
「すごいですね。応援します! CD買いますよ!」
 上田の言葉に、俺はそれを借りる! と続いた下田が叩かれる。
「‥‥一斗缶でなくてよかったな」
 言った後、上田が続ける。
「じゃあ、これからの活動はどうなるんですか?」
「今も他にLiveやファッションと音楽を融合させた番組等で活動しておるが、今後も同様かと思う」
「ファッションか。センスがいるんだよな、そういうの。俺、だめ」
 下田の台詞に笑うとおる。
「センスと言われてもな、どうにもわしには絵心は無いようでな。ほれ」
 見せられた絵に、否定できなかった司会の二人だった。

「さて、そろそろお時間ですが」
「うむ。最後はアメリカで歌った『Wild Innocence』を聞いて貰おうと思っての。生きることが勝利の証じゃ」
「今日はありがとうございました」