TJSラジオ収録11月アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 うのじ
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 やや難
報酬 4.6万円
参加人数 8人
サポート 1人
期間 11/06〜11/08

●本文

「『サンダージェットストリーム』」
 番組名のコールと共に、軽快なテーマソングが流れる。
「どうも、こんばんわ。日に日に寒くなり、秋から冬になってきました。焼き芋がおいしいサンダージェットの上田と」
「えー、焼き芋はあまり好きではない下田でーす」
 それぞれの自己紹介が終わった後、下田が言う。
「‥‥最初にさ、こう、『日に日に寒くなり、秋から冬に』とか言うのって、おかしくない?」
「?? なんで?」
「なんか、若々しさがないだろ? 天気の話から入るのは年を取った証拠!」
「‥‥う‥」
 下田の指摘に、言い返せなくなってしまった上田。
「ちょっと挨拶やり直すから、聞いてろ。見本見せてやる」

「『サンダージェットストリーム』」
 二度目の番組コール。
 今度先に口を開いたのは下田だ。
「どうも! サンダージェットでは、サンダーを担当してる、下田と」
「‥‥サンダージェットでジェットを担当してる上田‥‥です?」
「なんで語尾が上がってんだ?」
「‥‥‥いや、なんか違うだろ。っていうかジェット担当ってなんだよ! 俺、飛ぶのか!?」
 上田の言葉にキレる下田。
「せっかく俺が見本見せてやったのに、なんだよ。じゃあ、おまえが勝手にやればいいだろ。ほら、やってみろよ」
「‥‥さすがに三回のタイトルコールはやめよう、な? 時間も押すし」

「えー、と言うわけで、ロックな人物をゲストに登場して貰い、彼らの今を語って貰おう、と言うこの番組」
「ですが! 今月の主役は残念ながら俺です」
 上田の説明に割り込む下田。
「? おまえ、今日はなんかテンション高いな? 何か悪いものでも食べた?」
「いやいやいやいや、上田さん、何か大事なことを忘れちゃいませんか?」
「‥‥番組の進行?」
「それよりもっと大事なこと」
「それより大事なこと? 何かあったっけ?」
「11月の‥‥29日ですよ。ほら」
「??」
「まだ分からないのか!? あなたの大事な相方の誕生日でしょうが!」
「あーあーあー。でも俺の誕生日26日だしな。なんかくれるの?」
「はっ、まさか」
 思いっきり否定した下田は話を続ける。
「そういう、まぁ、なんていうの? 社交辞令的な物は興味ないんだ。ただ、ただ、ね? いつもお世話になっている相方にプレゼントとかね、感謝の気持ちとかさ、俺のファンからのプレゼントとか、そういうのは断るつもりはない!」
「‥‥‥あー、そっか。まぁ、いいや」
「無視した!」
「この番組は、様々なアーティストに登場していただいて、CDやライブ活動の状況から今はまってる趣味の話などなどを語って貰う、盛りだくさんの番組になっています」
 無視した! と言い続ける下田を余所に、上田は番組を続けるのだった。

●今回の参加者

 fa1376 ラシア・エルミナール(17歳・♀・蝙蝠)
 fa1744 雛姫(17歳・♀・小鳥)
 fa1851 紗綾(18歳・♀・兎)
 fa2495 椿(20歳・♂・小鳥)
 fa2657 DESPAIRER(24歳・♀・蝙蝠)
 fa2993 冬織(22歳・♀・狼)
 fa3861 蓮 圭都(22歳・♀・猫)
 fa4028 佐武 真人(32歳・♂・一角獣)

●リプレイ本文

●第一週
「最初のゲストは、ミュージシャンとして活躍中の佐武真人さんです」
「宜しくな」
 頭を下げる佐武 真人(fa4028)。
「最初から誕生日の話をされると、言わないわけにはいかないな。タイミングを逃す前に、誕生日おめでとさん。二人ともいくつになるんだ?」
 ありがとうと言葉を返しながら、答える下田。
「六つ‥‥嘘」
「わかってる。俺からのプレゼントは、これだ。心意気をぷれぜんとふぉーゆー。歳重ねていい人間になりませう。ラジオの向こうの11月生まれもおめでとさん。素敵な一年を」
「なんか、大人の佐武さんに言われると、照れる、というか、頭が下がりますね」

「佐竹さんは、メインはピアノなんですよね? それもクラッシックとかとは違った」
「ああ、モデルもたまにするが、主にはピアニストとして活動中だな」
「佐武さんのピアノって、良い意味で型破りですよね?」
「そうかもしれない。ピアノっていうと優雅で習い事の定番なイメージが多いと思うんだ」
「確かに」
 頷く司会者の二人。
「俺が広げたいのは、特にピアノロックなんだよ」
「ピアノのロック?」
「そう。ピアノの音をまぜるんじゃなく、メイン張るくらいの強さで相手を惹き込む楽器として」
 真人の言葉に尋ねる上田。
「でも、ピアノって楽団の中でもソロがあったり、メインを張る事の方が多くないですか?」
「ああ、クラッシックでもジャズでもソロはあるな。じゃあ、なんでロックでは、メインにならないのかってことなんだ」
「なるほど」
「ピアノって言うのは、弾き方によって様々な音がでるわけで、電子音主体のロックでも十分いけると思うんだよ」
 うんうん、と頷きながら聞き役になる上田。
「そういう風に、ピアノでロックにあった面白い音を出すことができれば、なんか、こうワクワク‥‥しないか?」
「します、します。高めの鋭い音っていうか」
 真人と上田が熱く語り出す。

「それでは、最後に、リスナーへ、佐武さん、おねがいします」
「俺も、自分自身がやってみたいと思ってることとか、焦らず譲らず弾いていくつもりだ。ピアノに限らず無限の可能性というやつに挑戦するチャレンジャーなジーさんを目指してる」
 言葉を続ける真人。
「だから、この番組を聞いてる若い人とか、最初の話じゃないけど、誕生日を迎えた人とか、俺に負けないようにがんばってくれ。ちょっと説教くさくなったかな。以上だ」
「ありがとうございます。がんばります!」
 感激してる上田であった。


「今週の二人目のゲストは、朧月読からこの方」
「初めまして、蓮圭都です。まずは、お誕生日おめでとうございます〜」
 蓮 圭都(fa3861)がマイクに向かって挨拶をした。
「ありがとー」
「すいません、気を遣っていただいて。‥‥それにしても朧月読って、漢字が変わってますよね?」
 上田に圭が答える。
「はい、オボロツクヨミのヨミの部分が『読む』なんですよ。読書の読」
「夜じゃなくて、読む」
「はい。ここ大事」
「テストに出ます」
 圭の言葉にすかさず口を挟む下田。
「テストにっ?」
「今年のセンターに出ます」
「絶対嘘だ」

「メンバーは五人で、それぞれが楽器が出来るのが特徴かな? あとコント」
「コント?」
 下田がオウム返しに尋ねる。
「はい。上手い具合に天然の可愛い子と的確なつっこみさんが揃ってるせいか、グループ内でコントか漫才見てる気分になりますよ」
「美形で歌が出来て面白いコントとは、ライバルだな! まずは靴に画鋲を入れて宣戦布告だ!」
 妖しく光る下田の眼。
「えー、仲良くしましょうよ」
 苦笑いの圭に上田が言う。
「コントって、圭都さんもやるんですか?」
「私は煽るのと、可愛い子の一人占めポジションですね」
「可愛い子! 独り占め! 圭都、仲良くしような!」
 一瞬にして180度変わった下田の態度に思わず圭がつっこんだ。
「変わり身、はやすぎですよ」

「最後に、リスナーへのメッセージとかがあったら」
「はい、音楽の方は様々なジャンルに挑戦中で、色々経験して自分らしさを掘り下げていきたいと思ってます。グループでも個人でも成長していけたらいいなって。みなさん、応援宜しくお願いします」
 リスナーには見えないはずだが、ぺこりと頭を下げる圭。


●第二週
「今週のゲストは、歌手の雛姫さんです」
 紹介された雛姫(fa1744)が律儀に頭を下げる。
「サンダージェットのお二方、リスナーの皆様、お久しぶりです。またこの番組に出演できて嬉しいです。宜しくお願い致します」

「お誕生日おめでとうございます。わたくしも11月が誕生日なのですよ。一緒で、少し嬉しいです」
 雛の言葉に喜ぶ二人。
「11月仲間かー」
「というわけで、手作りのバースデーケーキを持ってきました。お二人へのプレゼントです」
 テーブルの上にケーキを置きながら、ひなが言う。。
「お二人から私へのプレゼントは‥‥ない、ですよね? やっぱり」
「‥‥」
「い、いえ、催促とかではなくっ」
「そう言うと思って、用意してあります」
 上田が長方形の小さな箱をテーブルの上に置く。
「俺もだ。今までも番組でケーキを用意してたけど、こうもはっきり『欲しい』とねだられると用意しない訳にも、な」
 下田も、同じく包みを取り出す。
「え、えっと、物より思い出と言いますし‥‥」
「まぁ、せっかく用意したんで」

 上田から渡された箱の中にはブランド物のサングラスがあった。
「わー、かっこいいです。なんだか、被ると芸能人みたいです」
 芸能人の意識のないひなの言葉に倒れる司会者。
「せっかくだし、つけてみない? こういうのはすぐにつけないと!」
 ノリノリの下田。
「そうですね。‥‥どうですか、似合いますか?」
「おー! 似合ってる!」
「なんで、お前がノリノリなんだ?」
 横で不思議そうにしている上田。
「では、次。俺からのプレゼント!」
「ありがとうございます。早速開けてみますね」
 わくわく顔の下田を目に観ながら、プレゼントの解説をする上田。
「えー、下田のプレゼントは、大きさのわりには軽そうですね」
「はい、そんなに重くはな‥‥」
 動きを止めるひな。
「ささ! こういうのはすぐにつけないと!」
「箱の中には赤いランジェリー、下着でした」
 未だに硬直しているひなに変わり、説明を続ける上田。
「ああ、似合ってるか心配だなー」
「えーと‥‥ど、どうしましょう?」
 浮き浮きの下田に困り顔のひな。
 そこにお助けレディが登場した。

「やっぱり雛を困らせて楽しんでるんだね!」
 飛び込んできたのは紗綾(fa1851)だ。
「紗綾、flickerは来週だ。何をしにっ?!」
「下田さんから雛を護るためにやってきました!」
 紗綾の言葉に、今まで傍観者だった上田が言う。
「おつかれさまです。下田ー、セクハラは良くないぞ」
「お前もかブルータス! お前のプレゼントは良くて、なんで俺のはダメなんだよー」
 泣き真似をする下田に、申し訳なさそうなひな。
「こらー、下田さん、雛をいじめるなー」
「え、えーと、せっかくのプレゼントですし、いただきますね。ありがとうございます」

 紗綾とひな、司会者の4人で、誕生日の三人へ歌を歌い、番組も最後に近づいていく。
「さて、誕生日を迎えた、新生雛姫さんとして、これからは?」
「はい、冬に向けて、活動の幅を増やしていけたらいいなと思っております。これからも精一杯頑張りますので、ラジオを聴いている皆様もどうぞ見守っていて下さいませね」
 ひなと上田で締めの言葉を言った後、流れてくる曲は『過ぎ行く季節の中で』。
 イントロを背に上田が言う。
「では最後に、曲の紹介を」
「季節は移り変わりもうすぐ冬になろうとしているけれど、変わらない自分でいよう‥‥という事を歌った曲です。皆様へ、愛をこめてお贈りします、どうぞお聴き下さい」


●第三週
 収録室に、先ほどからいる紗綾に続き、ラシア・エルミナール(fa1376)も入ってくる。
 そして、スタートする収録。
「今週のゲストはflickerのお二人です」
「ボーカルのラシアです」
「新メンバーの紗綾です!」
「紗綾さんには先週もなぜか居て貰いましたが、flickerの新メンバーとしての今回は登場ですね。よろしくお願いします」
 上田の言葉に頭を下げるラシアと紗綾。
「先週の怨み、覚えてるぞー」
 下田の言葉に、思わずファイティングポーズを取る紗綾。
 耳に聞こえるのは、ゴングではなく、CM行きます、の声だった。

「最初は知らなかったけどうちのリーダーの姉だったって言うんだから、世間の狭いこと狭いこと。段々家族じみて来た様な気がするよ」
 新メンバーの紹介となり、ソロで活動してた時もあるから、知ってる人もいると思うけど、と注釈を付けた後、ラシアの言った。
「なんか大家族だな?」
「まぁ、増えただけじゃなくて、いろいろメンバーに変動があったからね」
「なるほど。まさに、新生flickerですね?」
 上田が尋ねる。
「そういう感じかな。まだまだ活動は続けていくから、応援宜しく」
「よろしくね」
 ラシアに続き、紗綾も言う。
「しかし、小姑現る、大変じゃないか?」
「いや、見たとおり、天然系だから‥‥」
 下田とラシアの会話に紗綾が割り込んだ。
「‥ちっ、違うもん! 皆がそう洗脳しようとしてるだけなんだもん!」
「ほんとだ。まったく年上の威厳がない‥‥」
「でしょ?」
「ひどーい。ラシアさんこそ、今流行のツンデレだよー」
「そんなことはないって」
 この後、しばらく天然とツンデレの口バトルは続き、結局、両者認定のドローとなった。

 チョコレートケーキを前に、ラシアのハーモニカと紗綾のギターでのプレゼントソングが歌われた。
 題して、『サンダージェットを讃える歌』

雷鳴轟く大地を踏みしめ
今日も前進あるのみだ
ツッコミの嵐には負けないさ
タイトルコールもお手の物だぞ
二人で一つ サンダージェット!
皆の兄貴 サンダージェット!

 覚えさせられた司会者の二人、と共に二度目の歌。
 サンダージェーーット!! と綺麗に決まり、拍手が響く。
 ラシアと上田は笑いながら、紗綾と下田はやりきった漢の顔での拍手だった。

「最後に近況はどうですか? 個人的な宣伝とかも」
「例えば、タンバリンとハーモニカでライブするとか?」
 司会の二人に答えたのはラシアだった。
「個人的なの? それだと、最近ちょっとだけ声優の仕事してたりする。音楽系のアニメだけど、思い出したら見てやってってことで、そんなところ。グループとしては、flickerのデビューステージでもある番組の最後に立ち会うつもりだからその時に期待してて」
「その時は、あたしもがんばります!」
「なるほど。今日は、flickerのお二人、ありがとうございましたー」


●第四週
「今月のラスト! Stagioneのお二人です、どうぞ!」
「コンバンワー! お久しぶり。いちおーリーダーの椿デス。今日は真のリーダーとか影番長とか言われてる冬織ちゃんと一緒デス! ‥はっ!? ちょっと口が滑っタ! え、えーと‥‥宜しくネ?」
 墓穴を掘った自己紹介をした椿(fa2495)は、横を向く。
 そこには目が笑ってない冬織(fa2993)が居た。
「今晩和、影番長らしい冬織じゃ。先月に引き続きよしなに」
「‥‥影番長って」
「まったく。わしが影番長なれば、椿殿は運転手じゃろう。本日も椿殿のベベンツで参じたわけじゃしの」
「べべんつー! 高級車だ!」
「俺にくれればいいのに!」
「わしの足となっているので、無くなるとそれはそれで困るのじゃ」
 好き放題言われる椿と愛車であった。

 今週も用意してもらった誕生日ケーキ。
「ケーキは他の週でも有ったかと思うたゆえ、和風にしてみたのじゃよ」
 今週のは、抹茶と小豆の和風ケーキだった。
「ありがとうございます」
 上田の言葉に頷きながら、ろうそくを刺していくとおる。
「二人で47本じゃったな」
「ソウダヨー」
 先ほど年齢を聞いた椿が言う。
「さ、しかと吹き消すのじゃぞ?」
 にっこり笑うとおるを前にして司会者の二人が顔を見合わせる。
「‥‥なんかさ、ろうそくも和風な分だけ」
「ああ、消したら死ぬ気がする」
 それに、椿が答えた。
「裏番長の好意を無にすると、逆に命が危ないヨウナ」

 ハリセンと骨付き肉とバナナ、ケーキと、妙な組み合わせのテーブルを囲んで、椿の誕生日の話など、トークが展開していった。
「というわけで、モデルの仕事に挑戦して参った。なかなか楽しかったぞ」
 言いながら、可愛い姿に鋭い爪のシュールなぬいぐるみを抱きしめるとおる。
「これはその時に使ったぬいぐるみじゃが、気に入っての」
「ああ、雰囲気が似てるな、たしかに」
「ところで、椿さんのほうは?」
「俺はドラマ出演とか少し増えたカナ? 音楽系TV番組にも結構出てマス。あ! あとTVと言えば二人で化粧品のCMに出演中デス」
「おお、それがあったの」
 椿の言葉にトオルも頷く。
「CMソングですか?」
「うん、口紅のCMなんだケド、流れてる『LABYRINTH』って曲も二人で歌ってるの」
「後は香水の店頭CMもあるぞ? こちらはリーダーの女装も見所じゃ」
「そうだ。宣伝も兼ねて聞いてもらおうカナ?」

「今日はいろいろ、ほんとうにありがとうございました」
「こちらこそじゃ。お互い次合うまで息災であろうぞ」
「はい。では最後に、メッセージを」
「今後もStagioneをよしなに」
 上田ととおるで話がまとめられようとしていた。
 それに気がついた表のリーダー椿。
「今後ともどーぞヨロシク!」
 何とか、締めの台詞を言うことができたのだった。