TJSラジオ収録12月アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 うのじ
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 4.4万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 12/11〜12/13

●本文

「『雷鳴轟く大地を踏みしめー‥‥‥皆の兄貴 サンダージェット!! ‥‥‥ストリーム』」
 ストリームという言葉をとってつけたような番組名のコール。
「これ、やっぱ、オープニングで使わないで、エンディングソングで使ったほうがいいんじゃない?」
「えー、おれはこれでいいよー」
「でもさ、最後の『ストリーム』がものすごく寂しそうだし」
「じゃ、番組名変えるとか!」
 スパコーンと殴られる音がした。

「どうも、こんばんわー。サンタからのプレゼントで欲しいものは仕事。上田です」
「サンタからのプレゼントで欲しいものは愛。みんなの兄貴。下田です」
 それぞれの自己紹介が終わり、下田が言う。
「仕事、って即物的だな、おい」
「いやー、ほら、レギュラー一個減ったしさー」
「ああ、それは確かに。同情するなら仕事くれーって感じだな、うん」
 まったくしんみりせずに仕事をくれと言う二人は、思い出したように番組進行を再開した。
「と言うわけで、クリスマスシーズン到来!」
「毎年恒例のカップル狩りはそろそろ飽きたから、新しいこの季節の楽しみがほしいな」
 一人頷く下田。
「‥‥まぁ、今年一年を振り返るとか、そういうのはどう?」
「それをゲストに聞くのか?! 『今年一年、どんな年でしたか?』って!」
「‥‥そうだけど‥‥」
「まぁ、悪くないな、それ」
「いいのかよ!」
 下田の発言に思わずつっこんだ上田だが、反撃にあってしまう。
「お前が言ったんだろうが!」

 ラジオ番組『サンダージェットストリーム』。
 この番組は、旬なゲストに登場してもらい、近況報告や、様々な宣伝、そして無駄なおしゃべり(例えば、クリスマスの話題や、今年一年を振り返って、など)をして貰う番組である。

●今回の参加者

 fa0034 紅 勇花(17歳・♀・兎)
 fa0475 LUCIFEL(21歳・♂・狼)
 fa0597 仁和 環(27歳・♂・蝙蝠)
 fa1339 亜真音ひろみ(24歳・♀・狼)
 fa1514 嶺雅(20歳・♂・蝙蝠)
 fa2837 明石 丹(26歳・♂・狼)
 fa4657 天道ミラー(24歳・♂・犬)
 fa4790 (18歳・♂・小鳥)

●リプレイ本文

●第一週
「12月最初のゲストは、紅勇花さんです」
「どうも、宜しく」
 控え室ではおどおどしていた紅 勇花(fa0034)だが、しっかりとしたロッカーの顔を見せる。
「今回で2回目の登場になりますけど、どうですか? 前回に言ってた学園祭の‥」
「それね。出来ることができたんだよ。と言っても、ドラマのだけどね」
 勇花と司会者たちとの和やかなトークが進行していく。

「そっか、今年ももうすぐクリスマスかぁ」
 そう言った勇花に上田が予定を訪ねる。
「去年はね、ライブやってたんだけど。今年は友達とパーティーでもやろうかなって思ってるんだ。芸能界に入って友達も増えたし、賑やかにね」
「芸能界の友達って可愛い女の子とか? 俺、ちょうどその日空いてるかも」
 自己主張をする下田だったが、勇花は別の所に反応した。
「え、いや、可愛い女の子とか言っても、ただの友達だから」
「へ?」
「いや、だからね、女の子とパーティーとか言っても、変な意味じゃないし」
「‥‥え? 変な意味って?」
「‥ああ、だから彼氏が居ないのか、なるほど」
 上田と下田の言葉に、しまった、という顔をする勇花。
「っ! いや、彼氏が居ないのはそうだけど、そういうのじゃないから! 別に、女の子じゃなきゃダメとかそういうコトじゃないから!」
「あれー? どうしたのかな、勇花ちゃーん?」
「信じてー」

 結局誤解はいじり倒され、そして、最後の曲紹介となってしまった。
「勇花さん、それでは、最後に曲のほうお願いします。ライブの曲だとか」
「ああ、それじゃ、今度のライブでお披露目予定の新曲から。曲名はまだ仮なんだけど、聞いてください。『masquarede』」


「続いてのゲストは‥‥」
「今晩和。『蜜月』の転がされる毛玉こと三味線担当、仁和です。どーぞ宜しくっ!」
 上田からの合図を受け、仁和 環(fa0597)がマイクに向かう。
「二人にはこの前のTVの方でも大っっ変世話になったよな」
「お疲れ様です」
「まったく、お陰様で自分の存在意義を改めて認識出来たり出来なかったり‥‥‥。思わず椅子上で体育座りするぞって感じだな」
 本当に体育座りを始めたまきの身体を、下田がつつく。
「えいえい」
「まてまて、落ちるから、やめろって。ってか、環さんもちょっとは抵抗して!」

 今年の休息期間に付いての話しの後、仕事の話になった。
「そうだね。しばらく仕事から離れても『おかえり』って待ってくれる仲間がいてくれた事に本当に感謝してる」
「蜜月は人数が多いのに、みんな仲が良いですよね」
 上田の言葉に頷くまき。
「でも、長い付き合いのようで、実はまだ一年も組んでないんだよな、不思議なんだが。特に俺はラストの加入だったから、なおさら」
「そういうのに時間とか関係ないのかもしれないですね」
「そうかもね。上田さん下田さんもそうだと思うけど、仲間ってやっぱり良いものだよね」

 話しは続いていき、隅っこで膝を抱える世界進出失敗の話の後、総括に入る。
「まぁ何をおいても『蜜月』で活動出来た事が今年の幸せで、シングルベルじゃないのも幸せ!」
「へ? 今なんて?」
 下田が首をかしげる。
「シングルベルじゃないのも幸せ?」
「お前も裏切り者かー」


●第二週
 第一声は慧(fa4790)の声だった。
「リスナーの皆さんこんばんは。ボーカリスト・慧です。宜しく!」
「こちらこそよろしくお願いします」
「初めてのラジオで、とっても緊張してます!」
 その後、ケイの緊張はライブやCMの話と徐々に解けていった。

「じつはですねー、これ、どうぞ!」
「おー、ケーキ! 四つあるから俺が二つか、悪いな」
「あ、下田さんはその豪華なの食べちゃだめだよ」
 見透かしているかのようなケイの言葉。
「なんでだよー?」
「これはね、今週お誕生日の嶺雅さんへのお土産なの」
 うっとりする眼をするケイに、はっきりという下田。
「そのレイは、俺を師匠として崇めているからレイのものは俺のものだな」
「そ、そうなの?」
 そこに響くタンバリンの音と声。
「そんなこと言ってナイヨ」
 声の主は嶺雅(fa1514)だった。

 呼んでないぞーと喚く下田に、拍手で出迎えるケイと上田。
「はい、嶺雅さん、お誕生日おめでとうケーキです!」
 ケイからケーキを受け取るレイ。
「ありがとう。俺の誕生日を知っていてくれたんだねー。お礼にこれ。受け取って」
「これ?」
 レイの手にあるのは、ラテン系の楽器であるマラカス。
「い、いいんですか?」
 声が裏返りながら受け取るケイ。
「うん、あだ名がマラカスになるまでかき鳴らしちゃって下サイ」
 はい、と受け取ったケイはすぐさま、マラカスをシェイクする。
 レイのタンバリンも続き、止められるまで即席セッションとなった。

「二人は覚えてないのカナ? 俺の誕生日」
「覚えてたよ。ほら」
 下田から包みが渡される。
「アリガトウ。ナンダロウ?」
 中にはなんと越中褌。
「褌って言うなよ。クラシックパンツだ!」
「今つける?」
 レイの言葉をケイがすぐに否定した。
「だめー」
「お前が言うなー」
 その後、上田からサングラスがプレゼントされるまで、下田とケイのバトルは続くのだった。


「こんばんはー! そして業界用語でおはようございマス。V系歌手の嶺雅デス」
 レイの挨拶に下田が受ける。
「さっきまで居ただろー」
「いや、お約束ダカラネ」
 和気藹々と番組は進んで行った。

「クリスマスは皆も知ってる通り恋人がいるから一緒に過ごしマス!! 下田サン‥は相手いなさそうだからスルーするけど、上田さんはいないのー?」
「何でわかるんだよ! 上田はあれだよな? あずさちゃんとだろ?」
「お前な、プライベートを‥‥」
 下田の言葉に苦笑する上田
「あずさちゃんって?!」
「えー、娘です。いま一歳九ヶ月の。クリスマスは家族三人で過ごせたらなって」
 照れながら言う上田に、驚きを続けるレイ。
「上田さんって結婚してたのー?!」

「去年の今頃だよね、グループ結成」
 上田の言葉に頷くレイ。
「ソウソウ。それからいろいろあっていろんな人に知られるようになって幸せデス。それで、その番組の最後で俺のグループが優勝しました!! 今日の曲は、あの番組がなくなっちゃうのは寂しいーっていう想いを込めて、その時の曲を!」
「了解しました。それでは、最後に、来年の抱負やメッセージをお願いします」
「来年はのんびり活動しつつ来月辺りこのラジオの番組名のコールしてると思いマス。‥‥いや嘘デス。これからもどうぞ宜しくして下サイ!」


●第三週
「番組初登場のこの方がゲストです!」
「初めマシテ、ギタリストの天道ミラーデス!!」
 サンタ帽を被った天道ミラー(fa4657)の挨拶。
「元気だなー。でもサンタ帽を被っても、リスナーには分からないぞー」
「大丈夫! サンタなので、プレゼントを持ってキマシタ!」
「何が大丈夫なんだっ?」
 下田のツッコミにも負けずにプレゼントを取り出すミラー。
「サンタさんからお仕事デス!」
 上田に渡されたのは知恵の輪。
「最近脳トレとか流行ってるし、頭脳を鍛えて更なる『皆の兄貴・サンダージェット! ‥‥ストリーム』に!」
 笑顔のミラーに、わくわくした様子で、下田が尋ねる。
「じゃ、おれには?」
「下田サンは愛が欲しいそうなのでサンタさんから‥‥投げキッスか熱い抱擁のどっちかを! さあ下田サン! どっちが良い!?」
「‥‥本物のキスで!」
「えー、下田さんってそっち系?! これはギャグデスなんだよ?」
「俺もギャグだ! そっち系なわけあるか」

「ミラーさんもこの業界短いって聞きましたけど」
 上田の言葉に頷くミラー。
「この世界に入ってまだ3ヶ月位しか経ってなくて、あ、でも、色んな人や音に触れられてスゲー楽しい年になった! って一年じゃなくて三ヶ月だ、俺!」
「‥‥自分で突っ込んでくれると楽でいいな」
「どうですか? この一年、というか三ヶ月」
「初めての仕事が大舞台のライブで、そこで初めて会う人達と一緒にステージで奏でて‥‥」
 思い出す眼をするミラー。
「‥うん、滅茶苦茶緊張したけどライブでしか味わえない『生の感覚』がサイコーだった」
「これからもライブですか?」
「最近は作詞に挑戦してるんだ。『音に乗せたい世界を綴る』って難しい‥‥でも楽しい!」
「じゃあ、来年は、ライブでミラーさんが作詞した曲が聞けることを楽しみにしても良いですか?」
 上田の言葉に頷くミラー。
「ウン、期待して! そうだ、今ここで、これからも色んなライヴに参加して、もっともっと自分の音や感覚を磨く事を誓いマス」


「二人目のゲスト、亜真音ひろみさんです」
 上田に紹介された亜真音ひろみ(fa1339)がマイクに向かう。
「なんだか久しぶりだね」
 ひろみの言葉に頷く上田。
「前回は爆弾発言の時の登場でしたからね」
「ははは、そうだったね」

「今回のテーマは一年を振り替えって、だよね」
「はい。かなり充実してたんじゃないですか?」
「ああ、この一年は、色んな事があったし、充実した、大切な年だったね」
 少し照れながら話を続けるひろみ。
「まず、大切な人達との出会い、いっぱいあったけど、特に‥」
 様々な人物との出会い、そして旦那となった人物の出会いを語っていくひろみ。
 その中には、バンドのメンバーももちろん含まれていた。
「でも、私生活が忙しくてもきちんと仕事してたよな?」
 下田が言う。
「仕事はね、ライブと演技の勉強の為ドラマが中心だったかな。音楽系の仕事では色んな人と組んでやれたから充実していたよ」
「こういうの聞くと人生の差ってのを感じるよなー」
「僻むな、僻むな」
 下田のふてくされに上田が笑った。
「あと‥‥」
「さらに充実してる?!」
「うん。自分のプロダクションを設立したんだ。今はまだ所員は少ないけど大切にしていきたいなって」

「ひろみさんの一年の締めくくりはどうなんですか? すごい充実してた一年だったけど。例えばクリスマスとか」
「クリスマスの予定? クリスマスは‥た、多分、ライブかな?」
「多分? きっと観客が旦那だけのライブとかだ。いやらしー」
「ちょっちょっと、なんでそうなっちゃうかな。ま、まぁ、その辺はあんまり詮索しないでくれよ」
 思いっきり慌てるひろみであった。


●第四週
「今年を締めるゲスト、一組目!」
「お耳にかかれて光栄です。アドリバティレイアの明石丹です」
 と、クールに挨拶をしていた明石 丹(fa2837)だったが、急に崩れ始める。
「サンダージェットの二人はお久しぶり〜。いつも元気だなあ、パワー分けてほしいくらい」
 マコトの言葉に笑う司会者。
「いやいや、リバティは、俺らより若いパワーに溢れてるじゃないですか」
「そうだ。そこから奪えー」

「今年はライブの一年に出来たんじゃないかなあ、と」
 もしかしたら、年明け直前までライブかも、と笑うマコト。
「ライブは、皆と会えるから一番楽しいです」
「みんな忙しくて会えないですか?」
 上田が尋ねる。
「個々ではそれぞれドラマや曲作り、色々活動の幅が広がったからね。メンバーも増えて集まると賑やかだけどね。でも、それでいいんだ」
「寂しくないんですか?」
「寂しいときもないって言うと嘘になるね。でも、アドリバティレイアにはね、『頑張る人達が自由に真直ぐ進む先』っていう意味が込められてるんです。‥‥実はこれ言ったことなかったからちょっと恥ずかしいんだけど」
 言いながら頭をかくマコト。
「みんなが頑張っていることこそがリバティなんですね」
「うん、僕達自身がそうでありたいし、出会う人達がそうであるように応援していきたい」

 その後、最後の言葉の時間になった。
「それでは、最後にメッセージをお願いします」
「はい。これからもリバティらしさを大事にしつつ、新しいことにも色々チャレンジしていこうと思います。なので、今年一杯、そして来年も宜しくお願いします! 」


「今年、最後のゲストは、ルシフェルさんです。どうもよろしく」
 上田の言葉を受けたLUCIFEL(fa0475)からは、挨拶の言葉はなかった。
「先月は俺の大事な妹分にセクハラしてくれたようだな?」
「妹分‥シュークリーム分と関係が?」
 ごまかし逃げる下田。
「そうじゃないだろ、まったく。プレゼントはいいが、下心持ってる時点で問・題・外! 下田さん、だからモテないんだよ」
 ルシフの言葉に、酷すぎると文句を言ってから、下田が全く反省の色無しで言った。
「でもさー、そんな前のこと言われてもー」

「まぁ、一年の総決算ということで、下田さんには懺悔してもらわないとな」
 机の上には6個のシュークリーム。
「愛の歌い手たる俺からの愛の籠もったプレゼントだ」
「懺悔ってことは、普通のとは違うんですね?」
 上田の言葉に頷くルシフ。
「この内一つが当たりだ。ってなわけで一つ食べてOK。一口で!」
「まったく、なんで俺だけなんだよ。二人だっても悪い事してるだろ、きっと!」
 文句を言いながらも食べる下田は、美味しいシュークリームをゲットし、俺の罪は許された、と大喜びするのであった。

「ルシフェルさんの今年はどうでしたか?」
 上田とルシフが番組をまとめ始める。
「俺は、めちゃくちゃ楽しかったぜ。素晴らしいレディ達にも出逢えたし。まぁ、まだ運命の相手とは巡りあえてないんだが」
「来年の目標ですね」
「会ったのに気付いてないだけかもしれないな。今、俺の話を聞いてるキミかもしれないし」
「運命の時が来ることを楽しみにしてます」
「ああ、頼むよ。それじゃ、最後に、俺からの愛を込めたこの曲を‥‥」