B.t.R.パーティーアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 うのじ
芸能 1Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 易しい
報酬 0.7万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 10/22〜10/24

●本文

 深夜の音楽番組として、盛況の内に終了した『Battle the Rock』。
 その系譜は、別の番組に受け継がれているものの、その番組自体が復活したわけではない。
 そこで、今までの音楽バトルを1本のDVDにまとめるという企画が持ち上がっていた。
 企画が持ち上がってから半年、各種の権利の問題などを解決し、ついに、『Battle the Rock−com・plete −』と題するDVDが発売することとなったのだった。


 都内の某ホテル。
 そこの大広間では、立食パーティーの準備が進んでいた。
 前述のDVDの発売を記念して、この番組に携わった人たちを呼んでのパーティーである。
 舞台に立ち、ハードな演奏をこなしたミュージシャンや、ソウルフルな歌声を披露したアーティストたち。
 舞台の裏側で活躍したり、番組リニューアルに全力を尽くした裏方たち。
 そんな裏も表もなく、関係者全てのために開かれたパーティー。
 数時間後、ここに集い合う人たちは一体どんな会話をするのだろうか。
 ちなみに、このパーティーは撮影され、編集をされたあと、DVDの特典映像として使われるそうである。

 そして、ホテルの別室では、インタビューの準備も行われていた。
 1対1だけでなく、複数でインタビューを受けれるように広めの部屋を借りているようだ。
 パーティーが終わったあと、おそらく翌日か翌々日に、この番組の感想や、思い出。苦労した点などをインタビューする予定なのだ。
 パーティー当日にしないのは、司会者として参加した二人組の片方が、存分にパーティーで飲みたい! と主張したかららしい。


 1本のDVDの発売。
 ただそれだけの事。
 それでも、多くの人が集い、作り上げた作品が再び世に蘇ることを、スタッフ一同は大いに喜び、パーティーの日を待ち望むのだった。

●今回の参加者

 fa0379 星野 宇海(26歳・♀・竜)
 fa0431 ヘヴィ・ヴァレン(29歳・♂・竜)
 fa0597 仁和 環(27歳・♂・蝙蝠)
 fa2161 棗逢歌(21歳・♂・猫)
 fa2495 椿(20歳・♂・小鳥)
 fa2993 冬織(22歳・♀・狼)
 fa3211 スモーキー巻(24歳・♂・亀)
 fa3398 水威 礼久(21歳・♂・狼)

●リプレイ本文

●特典映像1
 画面の中にいるのは、司会者コンビの片方の下田。
 彼が手を振っている後ろには大きな扉があり、その向こうでは今パーティーが開かれているのだ。
「かっこよく映ってる?」
 下田がカメラに話しかける。
「ああ、映ってるよ」
 返事の声は司会者のもう一人、上田だった。
「おっけー。んじゃ、今から、パーティー会場に潜入するぜ! ごー!」

 大きな扉が開かれ、明るい大広間が登場する。
 会場全体を撮した後、カメラは、一人の女性で止まる。
 美しい青のロングドレスを身に纏っている星野 宇海(fa0379)だ。
 星海とその横にいた水威 礼久(fa3398)がカメラに気がついた。
「おつかれさま、上田さん、下田さん」
 クレイスの言葉に、カメラの画面が少し前後する。
「別に喋ってもいいんだぜ?」
 下田がカメラの上田に笑う。
「ああ、そうか。お二人、なにか、一言ありますかー?」
 上田の言葉を受け、少し考える星海。
「うーん‥‥楽しんでまーす。また、後で来てね。その時は、なんと重大発表があるから」
「重大発表! 自分で重大って言ったぞ、おい」
 下田の茶化しにも笑いで受け流す星海。
「もう。余計なこと言ってないで、はやく仕事を終わらせないと、食べ物、無くなっちゃうわよ?」
 星海の目線の先は、先ほど平らげられていたテーブルの隣のテーブル。
 カメラを向けると、すでに、そのテーブルすら、半分ほど料理が消えていた。
「あのばか! 全部喰らい尽くすつもりか!」
「‥お前な、ファンからいつか殺されるぞ、そんな台詞‥‥」

 パーティーに参加してる大勢の裏方スタッフをすり抜け、カメラが向かった先は料理消失事件現場。
 現場にいるのは、『Stagione』の椿(fa2495)と冬織(fa2993)だ。
「二人とも。よく来たの」
「おうよ。俺たちの分も残しておけ、と伝えに来たぜ!」
「ふむ‥‥無駄じゃろうが、健闘を祈ってやろうぞ」
 とおるの言葉に上田の笑い声が漏れる。
「がんばるぜ! おい、椿ー!」
「ん? あれ? 上田サン、下田サン、おつかれー。ささ、一杯飲んで飲んで!」
 声を掛けられて、撮影隊の二人に気がついた椿は、早速、二人に酒を勧める。
 上田のまだ仕事中という言葉を無視して、下田は、気が利くな、とばかりにグイッとワインを煽った。
「飲み比べするー? さっきね、望月サンに挑戦したら断られちゃったよー」
 ぐすんと泣き真似をする椿。
「なんだ、ノリが悪いヤツだな! 俺に任せ解け! ワイン、樽で持ってこいや!」
「‥‥まて、飲み比べはやめとけ、まじで」
「ちっ」
 やる気満々だった下田にブレーキをかける上田。
「まったく。あまりはしゃぎすぎるでないぞ、二人とも」
 とおるも苦笑しながら上田に同意する。
「そういえば 下田殿は相変わらずのようじゃが、未だ独り身かえ?」
 とおるの意外な切り返しに、レポーター役の下田は、くっとダメージを受けたリアクションをする。
「独り身なれば、そうじゃのう、Est‐ce que vous devenez mon amant?」
 とおるの言葉に、おーフランス語と上田が言ったあと、おお? と顔をしかめるような声をあげた。
「なんだ? なんて言ってんの?」
 下田が上田に尋ねる。
「ふむ。答えは『Oui』『Non』のどれじゃ? 答えた後に意味は教えてやるゆえ」
 上田が翻訳する前に、笑顔のとおるが答えを迫る。
 笑うとおるを観ながら、ひとしきり考えた後、下田が言う。
「そうだな‥‥んじゃ、『うえ』で」
「ほー、そうかそうか。『Oui』じゃな」
「‥ああ、ここにも犠牲者が‥‥」
 満足げに頷くとおると、それを愁う椿。
「これ、なんと言うことを言うのじゃ。仲間が増えたと思えばよかろう?」
「あ、それはたしかに! がんばろうね、下田サン!」
 とおると椿のやりとりを聞きながら、下田が首をかしげる。
「で、なんて意味なの?」

 潜入リポートは続いて行く中、ヘヴィ・ヴァレン(fa0431)のウェイターをしている姿が横切った。
「‥‥あれ? ヘヴィってゲストだったよな?」
「裏方をするのが好きなんだって。今目の前を通っていったウェイターは、ステージ制作者の一人です。インタビューに登場するので、裏話、楽しみにしててください」
 そんな二人の会話が流れながら、画面がプロデューサーの望月を捕らえるとそこに向かって進む。
「今、画面に映ってる人は、番組のプロデューサーで、けっこう偉い人です」
「見えないけどなー」
 カメラは望月とスモーキー巻(fa3211)が会話しているところに割り込みをかける。
「あれから約1年か‥‥早いものだね」
 スモーキーの言葉に、望月が頷く。
「色んなタイミングの問題もあったけど、巻さんの歌を聴けてよかったですよ。僕は」
「いや、こちらこそ、色々相談に乗って貰いました」
「俺も俺も」
 急に割り込んだ下田に、驚く二人。
「おつかれさまです」
 すかさず、カメラマンをしている上田がフォローを入れる。
「おつかれさま」
「二人ともがんばってくださいね、食事のほうは取っておきますから」
 苦笑する二人だったが、望月のほうが、そう言えば、と言葉を続ける。
「MWでは二人が戦ってますから、いつか、こっちでプロデュース対決とかやってみたいですね」
「面白そうですね、その時は全力で行きますよ」
 望月の言葉に頷くスモーキー。
 二人の談笑が続く中、別方向で大きな拍手がわき起こった。
 カメラをそちらのほうに向けると、星海が大きな花束を受け取っている所だった。

 仁和 環(fa0597)と棗逢歌(fa2161)の二人が、星海へ大きな花束のプレゼント。
 その真意を探るべく、進んでいくカメラ。
「お二人とも、この花束はなんですか?」
 カメラを向けながら上田が、尋ねる。
「おー、いいところに! これは新婚さんへのプレゼントなんだよ」
「そう言うこと。宇海さん、ご結婚おめでとう」
 まきのおめでとうを中心に、周りへ拍手とおめでとうの声が広がっていく。
 重大発表とはこのことだったのだ。
 いつの間にか、参加者全てが集まり拍手の輪を作っていった。


●特典映像2
 最初にインタビューを受けたのは、ヘヴィ。
「俺は、そうだな。‥裏方‥‥と言っても俺は手伝いメインだったんだがな」
 舞台の手伝いですか? と尋ねるインタビュアー。
「そう。舞台のイメージから始まって、オープニング、投票方法、毎回苦労してたな」
 そう言うと、ごそごそと取り出したのは、ヘヴィが参加した数々の舞台のラフ画、没案、など様々な書類だった。
「俺だけが考えたわけじゃないんだけどな」
 懐かしい目をしながら言うヘヴィは絵を一枚拾い上げる。
「例えば、これ。最初の舞台なんだけど、舞台と客席の距離とかな、客席で怪我人が出ないように苦労して考えたんだ。ライブが盛り上がった時って、何が起こるか分からないだろ?」
 ヘヴィは、楽しそうに一枚一枚、楽しく、そして苦労したエピソードを語っていった。

 続いて登場のスモーキー。
「裏方さんのヘヴィさんの次が僕なのは、えーとですね、実は僕も裏方関係者だからなんです」
 最初から、爆弾発言をするスモーキー。
「番組には何度も出させてもらったけど、スタッフ参加もしてたんだよね。けっこう珍しいんじゃないかな?」
 たしかに、と、頷くインタビュアー。
 その後、スモーキーが関わった舞台の映像が映し出される。
「懐かしいなぁ、外でも歌ったんだよね、うん」
 目を細めて頷くスモーキー。
「この番組での一番の思い出は‥‥思い出っていうか、なんて言うかな。今の僕があるのは、この番組のおかげによるところも大きいんだ。僕が『アーティストとしての再出発』を考え始めたのは、この番組に出てからだからね」
 そう言った後、スモーキーは軽く照れながら、頭をかいた。
「あの時の、久しぶりに人前で弾いたギターは緊張したね」

 『蜜月』。
 メンバーそれぞれが別の活動をしていくユニットの走りとも言えるグループ。
 その中のまきとおーかが続いてのインタビューに登場した。
「今回は蜜月のドMタッグ。逢歌と環さんで蜜月のイロハを伝授しちゃいますよ!」
 おーかの言葉から始まった、二人のインタビュー。
 ドMの二人のはずが、いぢられるおーかがいるため、拗ねないまきという貴重な映像となっていった。
 『蜜月』誕生秘話や、普段の私生活の暴露まで、話しはどんどん進んでいく。
「オフも一緒にいることが多いね」
「多いって言うか、うちを別荘扱いしてるない? 何故か、うちに逢歌さんの茶碗やカップ、着替えが当然のようにあるんだけど」
 まきが呆れた口調で言う。
「ばれたか。本当はオフぐらい恋人と過ごしたいんだけど‥‥なかなか時間が合わなくてねぇ」
 ため息をつくおーか。
「そんな理由‥‥」
「でも、僕ぐらいは行ってあげないと、あの部屋は湿気でダメになるからね」
 そして始まるまきの私生活暴露。
「環さん趣味でキノコ栽培の内職してるんだ! 三畳一間でキノコ栽培してる奴とか初めて見たね。しかも名前までつけてるし」
「嘘です、嘘」
「あの光景を見せれないのが残念だね。あれは果てしなくシュールだ」
 巻きのツッコミにもめげずに遠い目をするおーか。
「俺がシュールっていうより、逢歌さんがフールっていうか‥‥」
 おもしろおかしく進んでいく二人の会話も、いつしか終わりとなった。
「‥‥さっきも言ったけど、蜜月が出来た時此処で歌った時のこと、今もすごく覚えてる。後でDVDで確認してね。それじゃ、最後に抱負かな?」
 はいと答える、インタビュアー。
「今度の目標は、もちろん!」
『世界征服!』
 元気な二人の声が響いた。

 次にクレイスと星海が画面に登場した。
「俺は、四回出演させて貰ったんだよな。で、宇海ねーさんとは、2回目の登場のときに組んだんだ」
「そうでしたね。ふふ、あの時は、クレイスさん、緊張で詩を間違えてしまったのよね?」
 星海の笑顔の言葉に、クレイスが照れる。
「今でも覚えてる。歌詞のどこを間違えたかっていうと、あとで見て貰えれば分かると思うけどな‥‥」
「ライブということで、所々、ちょっとしたミスは皆さんあるみたいですけどね」
 星海の言葉に、頷くインタビュアーは、それがライブの醍醐味です、と保証した。
「それでも、恥ずかしいというか、な。あの時のパワーリスト、今日持ってきたぜ」
 クレイスが右手につけたパワーリストを見せる。
「ライブは体力勝負ってことで、トレーニングに使ったんだ」
 笑いながら説明するクレイスに、頷く星海。
 番組の感想や説明と共に明かされるクレイスのラブな物語や、星海の家族たちの思い出。
 それらを、当時の映像を見ながら、語っていく二人。
「ま、そんなかんじで‥‥なんかコメントが全て女性絡みだな。あ、実はあれから今は好きな人も変わってたりするんだけどな」
 クレイスの言葉を笑顔で聞く星海。
「この番組に出たことは俺にとって大きな経験になったし、これからもこの番組に出れた事を誇りに思い頑張って行くぜ。今まで以上によろしくな!」
 クレイスの締めの言葉を受け、星海も続く。
「そうですね。色んな方とできたし、優勝もできましたし、様々なロックに触れる事の出来た楽しい番組でした」
 まとめ終わったところで、インタビュアーが余計なことを聞いてしまう。
「あ、重大報告の続きですね。パーティーのほうでも、出ていたと思いますが、ご報告というわけで」
 結婚の証、左薬指の指輪をカメラに向ける星海。
 その後、星海の惚気は2時間に及んだという。

 最後に登場するのは、もはや世界をまたにかけるグループとなった『Stagione』の椿ととおるだ。
「意外にも二人とも2ndシーズンに出ただけカナ?」
「うむ。わしも出演は2ndの二度じゃな。うち1回は『Stagione』の初陣じゃ」
 とおるの言葉にうんうんと頷く椿。
「あの時は、今日は1人参加してないケド、『Stagione』3人での初めての活動だったんダ。初めての曲、初めてのステージ、しかもライバルが多いSPで優勝ダヨ? すっごく嬉しかった!」
「力を尽くした結果の優勝ゆえ、真に善き想い出じゃよ」
 とおると椿の言葉に合わせて、インタビュールームのディスプレイに、当時の映像が映り、それを懐かしそうに眺める二人。
「この舞台のエレベーター、絶対乗りたかったんだヨネ」
 椿の言葉に、ほう、と応えるとおる。
「コレ、俺の義姉にあたる人が作ったモノだったカラ。無事に目標クリア出来タ。ヤッタネ!」
 そして、それぞれの苦労した話しや、番組の思い出などが語られていく。
 近況報告では、がお太郎(ぬいぐるみ)がメンバーの一員になったなど、普通の会話もしつつ、最後に今後の抱負ということになった。
「様々なことに挑戦するかの。リーダーが音楽本業でないゆえ、嫌でも色々することになりそうじゃ」
「僕のこれからの課題は、裏番長の暴動をいかに抑えるかデスネ! これからも頑張っていきマス」


●特典映像3
 ストリート風にセットされた、特別スタジオには『祝 Battle the Rock−com・plete−発売決定』の文字が飾られていた。
 DVDのために特別に用意された曲『Battle the Rock』。
 番組の名前と同じ題名のその歌は、今回のゲストたちからプレゼントだった。

さあ 戦いの鐘が鳴る
このステージが俺達の戦場
死ぬか生きるか(Die or Live)
まとわりつく音

響け 魂の旋律
妥協なしの真剣勝負
カラダ走りぬける(Run and Run)
天地轟く声

待ったナシで突き進む(Rhythm)
行き先は−The top of Winner