冬至だろうと彼岸までアジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
牛山ひろかず
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芸能 |
フリー
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獣人 |
フリー
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難度 |
やや易
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報酬 |
0.7万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
12/22〜12/24
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●本文
「いや〜、冬至ですねー。カボチャ食べましたか!」
だんだんと寒さの厳しくなってくる中、外から戻ってきてコートを脱ぎながら、後輩がスタッフルームに入ってくる。そこへ、暖房ガンガンでむしろ薄着の先輩が口を開く。
「あのな、昔からカボチャカボチャもハロウィンまでといってだな‥‥」
「うわー、原形とどめてないですねー」
「原形とどめさせたいんなら、ゆず湯の方を言えよ。それだったら、寒い中あったまりそうじゃねーか‥‥でだ‥‥」
「また余計なコト、思いついたんですか? まあ、それでこそ先輩ですけど。で、なんです?」
「バカにされてる気がするのはいいとして‥‥冬至だろうと彼岸まで、冬至だろうと彼岸だろうと、風呂には入るということなのだよ!」
「まー、入ろうが入るまいが、各自の勝手だと思いますが‥‥ね」
「というわけで、毎回ゆず湯というのはいかがなものだろうか? と。端午の節句の菖蒲湯とか、決められた枠に囚われすぎなんじゃないか? と。もっとみんな、いろいろなもので試してみようよ! というわけだな!」
「ゆず湯を推したかと思ったら、今度は否定ですか‥‥まあ、例によって、すでに冬至の放送が決定してるんですよね?」
「ご名答! いいダシとろうじゃねーか!」
こうして、ゆず湯に代わる冬至の風物詩となる風呂を求める企画がスタートするのであった。
企画内容:
一人一人の用意したゆずに代わるものを入れて、お風呂に入ります。また、入浴の際のリアクションのおもしろさも競い合います。
基本的には、浴槽には一人ずつ入ります。残る人は、隣接するガラス張りのサウナで待機させられます。
水着等の着用は禁止、でも見せちゃいけないものは隠すこと。乱入、混浴等は自由。様々なポロリにはモザイクで対処しますが、あまり見苦しいと全面カットになるかもしれません。
必要な物、装置、設備等は、指示があればすべて番組で用意します(現実的な範囲内であれば)。
入れるモノ、リアクション等を総合的に見て、一番おもしろく説得力があったと判断された人が優勝となり、優勝賞金10万円が贈られます。
その他細かいルールは、スタッフがルールブックです。
過去の放送スケジュール:
・辛さ臭さも彼岸まで 8月14日 7:00〜
・暑さ熱さも彼岸まで 9月23日 7:00〜
●リプレイ本文
「うう‥‥ウサミミは耳の一部でOKなのに、なんで全身タイツは身体の一部じゃないのじゃ? こんな薄布一枚きりで、どうやって隠せというのじゃ‥‥」
ウサミミ以外は全裸のDarkUnicorn(fa3622)が、ボヤキながらも手ぬぐいで必死に隠している。今まで散々露出度の高い水着やら下着を披露してきたDarkUnicornだが、たとえそれが紐のようなものでも、直接身につけているかそうでないかだけで、随分と気持ちの持ちようも違ってきてしまうものらしい。
おかげで、サウナであるにも関わらず、ガクガクと震えている。無論、寒くて震えているわけがない。恥ずかしすぎて震えているのである。そのわりには、サウナ一番乗りであるが。
「モザイクと聞いて飛んできましたー! お仕事2ヶ月ぶり、ムチャキングのチェダー千田(fa0427)でーす☆」
そこへモザイク一発目の座は譲れねぇとばかりに、まったく隠すというコトを知らずに、唯一タオルを肩にかけて、のっしのっしと不必要にガニ股にして入ってくるチェダー。もちろん、その中心はDarkUnicornのせいで暴れ象となっているが、すがさずモザイクが入っている。
「水着は禁止! タオルなんて言語道断! 俺がちゃーんとモザイクかけておくから、遠慮なく動くがよい〜‥‥ぐへへ」
「‥‥うぅ。そ、そんな目でわしを見るな‥‥なのじゃ」
持ち前の素敵に最低なセリフを吐きながら、DarkUnicornに近づいていく。ジュニアがお子ちゃま仕様ならば問題のないDarkUnicornが伏目がちにしているということは、チェダーの大人の証でもあるので、誇ってもいいのである。
しかし、チェダーはカメラが自分に向かなくなった途端、隅っこの方でもじもじし出す。どうも、スイッチのオンオフが激しいタイプのようだ。
そんな間にもMAKOTO(fa0295)が入ってくる。110Jのたわわなボディをバスタオルでのみ包み、堂々たる登場である。おかげで、DarkUnicornが『小さくなーれ』と逆恨み電波を飛ばしまくりである。そして、チェダーがもじもじしているのは相変わらず。
つづいて、ギリギリ子どもといっても許される瀬戸際のマリアーノ・ファリアス(fa2539)が、わざとらしいまでに無邪気さを全面に押し出して飛び込んでくる。視線の先はMAKOTOとDarkUnicornだけで、チェダーはいないコトになっている。
そんなマリアーノの前で、MAKOTOがスクワットをはじめてしまう。一格闘家として、待ち時間を有効に活用しているだけなのだが、その度にけしからん爆乳がゆっさゆっさと揺れるので、マリアーノの目は完全に釘づけである。
「‥‥違うヨ! プロレスごっこ王として、格闘家のトレーニングを参考にさせてもらってるんダヨ!」
カメラに気づき、聞かれてもいないのに言い訳がましいことを言うマリアーノ。無論、単なる言い訳に過ぎず、きっちり堪能していたのは言うまでもない。
「わひャ!」
と、そのマリアーノの耳に急に息が吹きかけられる。振り返ると、上野公八(fa3871)が立っていた。
「ちょ、何スルんだヨ!?」
「芸能人じゃないのに来ました! なぜか? おニイちゃんもいいけど、少年も捨てがたいからさ!」
「ええェ!?」
猪突猛進の上野にマリアーノの腰が引けると同時に、外野から厳しいツッコミが入る。
「ちょっと! 枠から外れない! もっと寄り添って! むしろ、絡み合うカンジで!」
いつの間にか、武越ゆか(fa3306)がポーズ指導をしていた。手にはスケッチブックを持ち、妄想を形にしているところである。
「ムチャなプロレスごっこをやるって聞いて、飛んできましたよっ?」
武越の言葉を聞いた上野が、ムチャキングとプロレスごっこ王を同時に相手なんて、耐えられるかしら? と、チェダーも引っ張ってきてしまう。
「‥‥ちょっと‥‥フハハ! キングと王の違いを見せてやろう!」
もじもじしていたチェダーであるが、カメラが回っているのを確認するや、変なスイッチがまた入ってしまう。鋭くタオルを放り投げ、モザイク越しによく分からないポーズをとっている。
だが、ちょうどそこへサトル・エンフィールド(fa2824)が入ってきたので、カメラがそちらへ向く。次の瞬間、チェダーはまたももじもじと引っ込んでいく。
「ふ、さすがに女性は美人が多い。と・こ・ろ・が、だ! 男性では僕が一番の美少年というコトになっている。なっている、ではない。なのだ、と強く断定せねばならない!」
サトルはエロっ子のマリアーノとは違い、目をギラギラさせることはなかった。ただ、こちらは自分に酔ってしまっていて、キッチンドランカー間違いでみりんを身体中に塗りたくり、テッカテカに光っていたが。
そして最後に、バスタオルを巻いた泉彩佳(fa1890)がタオルを持ち、透明な浴槽を押して浴場に入ってきた。
「おおっ!」
男女問わず、一同からどよめきが起こる。上野が辛抱溜まらずサウナを飛び出し、浴槽にダイブしてしまうほどに。
「うわっ! もう入れないじゃん!」
「え? なんで?」
しかし、泉大激怒である。と同時に、父娘コントスタートである。
「何か色々なものが浮いているから、お父さんの入ったお風呂には入りたくない!」
「そんな‥‥お父さん、別に汚くないぞ。あそこにいる、ヨゴレたちとは違うんだ」
そう言って、チェダーの方を指差す上野。見れば、マリアーノと一緒に武越のヌードデッサンのモデルを強要されているところだった。
「そうそう、今年のヨゴレは今年のうちに落としておこうっていう企画だから‥‥って、そういう問題じゃないでしょ!」
一瞬ノッておきながら、やっぱり父の存在ごと全否定する泉。
「分かった‥‥じゃあ、こうしよう」
上野は泉のタオルを取ると、それで身体を洗いはじめる。
「ほーら、これでキレイになったぞー」
「もう、タオルまで使えなくなっちゃったじゃん!」
「‥‥よし、じゃあこれでどうだ?」
浴槽に何かを流し込む上野。湯があっという間に白濁し、浴槽が透明の意味をなさなくなる。
「えーっと、牛乳には皮膚の老化を防いで肌を美しく‥‥」
「そんなの分かってるよ! 大体アヤも牛乳入れるつもりだったけど、そうじゃないの。お父さんの入れた牛乳じゃ、入れないよ!」
「そうだ! そういう問題じゃないんだぞ!」
ここでなぜか、たまらずチェダーが飛び出してくる。
「森のバターがアボカドなら、森のミルクがメイプルシロップ。つまり、女のミルクが母乳なら、男のミルクは‥‥ぐぼはっ!」
MAKOTOに小突かれて、引きずられて去っていくチェダー。MAKOTOはスポーツドリンクと称した焼酎を飲みまくるという組長みたいなコトをしていたので、すっかり出来上がってしまっており、これから長い説教がはじまるのである。
「そうか、そうだったのか‥‥よーし、じゃあ動物性たんぱく質を‥‥ぐぼはっ!」
チェダーの間違った入れ知恵により、暴走を開始する上野。しかし次の瞬間、上野の後頭部に延髄斬りが炸裂していた。
さらに前のめりに倒れた上野を、カバージョからカベルナリアへと持っていく泉。妖精の悪戯と名づけられたコンボ後半の密着技の連携に、上野は二重の意味で昇天である。
それにしても、これだけ動いてもバスタオルを落とさない泉はさすがである。もっとも、見えてはいけない部分が若干チラチラしていたので、他の男性陣にとっては違った意味の妖精の悪戯となっていたが、視聴者にはモザイクでカバーである。
しかし、モザイク前をモロに見てしまったマリアーノはそうもいかない。鼻血を吹いて、失神KOである。その隙に、武越がマリアーノの裸体を色々と観察して回っていたが、やがて納得がいったのか原稿用紙に向かい合う。
なお、残る男性陣のチェダーはMAKOTOの説教中で、よそ見も許されない状況だった。また、サトルはみりんがおかしいということにようやく気づき、ゴマ油やなたね油を試すのに忙しく、それどころではなかった。
こうして、泉と上野の戦いはある意味両者負けの結末を迎えたが、そこへDarkUnicornがやって来る。
「それを捨てるのは、もったいないのじゃ。そこに砂糖、脱脂粉乳、無塩バターも加え、練乳風呂にするのじゃ!」
より白み、とろみの増した練乳風呂に仕上げ、そこへ入るDarkUnicorn。チェダーが見ていれば、確実に違う想像をしていたところであろうが、未だ説教中である。
「ふぅ、いい湯じゃったのじゃ。もう上がるのじゃ!」
そう言って、立ち上がるDarkUnicorn。無論、湯船に浸かるのに手ぬぐいを入れたりするヤボなマネはしていない。
なーんだ、やっぱり見せたいんじゃないか‥‥と思わせておきながら、なぜか全身が真っ黒な皮膜に覆われている。
「こんなこともあろうかと、ウサミミにコーヒーを仕込んで‥‥イタっ! 何をするのじゃ!」
「返セ! 期待したマリスの夢を返セ!」
起き上がったマリアーノが、怒りのあまりタオルを丸めて投げていた。鼻血を吹くわりには、どうも全員分見る気満々だったようだ。
「ここから先は、乙女の秘密じゃ! そんなことよりも、マリアーノも早く入ったらよかろう」
それを合図に、巨大な鍋が二つ、運び込まれてくる。一つはマリアーノのもので、もう一つはサトルのものだった。
「アレ? なんで鍋なんダロウ?」
唐辛子で発注をかけていたマリアーノだが、出てきたのは四川の誇る巨大火鍋だった。
もう一方の鍋には、エクストラバージンのオリーブオイルの入った油風呂であった。
「天が言う、美少年香油を創り出せ、と。そしてたどり着いたのが、オリーブオイルだった‥‥」
いろいろな油を塗りたくった結果、サトルの出した結論がオリーブオイルだったようだ。
そして、その様子を両者見比べながらじっくりと堪能する武越という画。
「ギャー! 辛イ! 舌じゃなくても辛イーッ!」
「ふふ‥‥粘膜に強い刺激を受けて、もだえる快活な少年‥‥いいわね!」
マリアーノが絶叫するのを見て、武越は大変ご満悦の様子。だが、彼女の欲望は底が知れない。
「だけど、アツさに悶絶するナルシスト美少年も捨てがたいわ‥‥」
サトルの方は油風呂だけあって、段々と温度を上げていっている。
「辛イーッ!」
「熱いーッ!」
別に長く入っている時間を競うものでもないのだが、結局両者共に飛び出してくる。
だが、オリーブオイルだけあってサトルが滑って転び、モザイクのお世話になってしまう。それに巻き込まれ、マリアーノも転倒。同じくモザイクのお世話になる。
そして、それをまじまじと観察する武越。やがて満足したのか、普通に銭湯の湯船に浸かる武越。しかし、もはやマリアーノに文句を言う元気はない。
「え? 何も入れてないじゃないかって? よく見てよ! 消しゴムカスやら、トーン屑が浮いているじゃない!」
そう主張する武越が、そうなるに至った原稿を運び込ませる。しかし、武越自身よりもむしろそっちの方がモザイクバリバリの始末であった。
そして再び透明の浴槽が運び込まれ、MAKOTOが意気揚々とやって来る。
「は〜、いい汗かいた〜っと」
内容のない説教も終わり、チェダーが下僕のように付き従っている。
「僕のは、焼酎8に水2。お湯割りで迎え酒ってわけだね!」
なんの躊躇もなくバスタオルをガウンのように脱ぎ捨てるMAKOTO。もちろん、全面モザイクとなるが、チェダーは大した興味もないかのようにバスタオルを拾い上げている。
「おーい、チェダー!」
「はいっ、なんでございましょうか?」
しばらくして、チェダーを呼び寄せるMAKOTO。
「ツマミ!」
「はいっ、つまめばよろしいのですね?」
確実にわざと間違えて、MAKOTOの乳首をつまむチェダー。次の瞬間、鉄拳制裁であるのは言うまでもない。
「はいっ、間違えました。今度こそお豆をおつまみします!」
場所の間違いということにしたチェダーが、今度は股間の方に手を伸ばしていく。
しかし、それが適うことはなかった。というか、今度こそマウントからボコボコである。
「真っ赤はいかん、いかんぞい! というわけで、わしの練乳風呂の残り湯を‥‥ふぅ、これでいちごミルク湯になったのじゃ!」
DarkUnicornがすっ飛んでくると、慌ててモザイク代わりの措置をとる。チェダー用にかき氷、ごま油、くさやの干物が用意されていたのだが、いちごミルクに取って代わられてしまった。
こうして、何湯だろうとエロスには勝てないという教訓を残して、番組は終了するのであった。
なお賞金であるが、父娘コントをした上野と泉が一応の優勝ということになり、両者に10万円ずつが贈られた。