番長のリハビリアジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
牛山ひろかず
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芸能 |
フリー
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獣人 |
フリー
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難度 |
やや易
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報酬 |
0.7万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
04/15〜04/17
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●本文
TOMITVのスタッフルーム。その中の自称スポーツイベント便乗チームで、二人の男がボンヤリと会話をしていた。
「ちょっと遅いが、球春到来だな! って、番長はいないけども‥‥」
「いないですねぇ。205→99番になった人は新天地で順調に出場しつづけていたり、自球団の空いた8番に入ってきた1浪してた人は活躍したりしてるんですが‥‥」
わずか数ヶ月間のできごととはいえ、遥か昔を懐かしむように遠い目をする先輩と後輩。だが無論、ただ遠い目をしたままフェードアウトできないのが便乗チームの宿命。
「そんな中、我らが番長はリハビリですよ! KKそろってリハビリですよ、海をまたいでまで!」
「まぁ、我々にできることは、少しでも早い回復を祈るだけだな‥‥でだ!」
「回復祈願に水ごり大会でもするんですか?」
「そんなことはしない。ここは定番の千羽鶴でいくのだッ!」
「千羽鶴って、折り紙のですか?」
「そうだ!」
「えーと‥‥折り紙で鶴作って、作って、作りまくって、その様子を延々垂れ流すとでも?」
「そんなこたぁしない。いろんな鶴を持ち寄り、バトルロイヤルを勝ち上がれ!」
「‥‥結局、折り紙じゃないじゃないですか!」
「番長なら、拳で勝利を勝ち取らんかい!」
「それもそうですね!」
なぜ納得できるのか不明だが、あっさり引き下がる後輩。
こうして、様々な鶴を持ち寄って戦い合わせるという、番長と何の関係があるの? と思わざるを得ないけど、それはいつものこととスルーされる、番長リスペクト企画の第12弾がスタートするのであった。
『鶴は恩返し、番長は仕返し‥‥って何に? 編』
ルール
・全員が番長とかに扮して、鶴っぽいものを持ち寄って、闘鶏的なコトをします。
・持ち寄る鶴っぽいものは、折鶴、スワンボート、ツルツルの頭等、鶴っぽい気さえすればどんなものでも構いません。
・闘鶏的なコトに勝敗はありません。
・撮りたいものは、おもしろ番長映像です。一番イカレた鶴っぽいものの飼い主番長が優勝となり、賞金10万円が授与されます。
・その他細かいルールは特にありません。が、番長でも法は守る必要がありますし、スタッフ番長がルールブックです。
過去の放送スケジュール(最近5回分)
・番長の千本ノック 8月17日 7:00〜
・【PSF】番長だらけ野球 9月19日 07:00〜
・番長のストーブリーグ 10月21日 7:00〜
・番長の自主トレ 2月08日 7:00〜
・番長のバレンタインデー 2月14日 8:00〜
●リプレイ本文
「ダメです。最初に折るトコロで、どうしてもくっついてしまいます‥‥」
番組の冒頭から、いきなり折鶴制作にとりかかるのは古河甚五郎(fa3135)。だが、ガムテープで正方形を作り、しかも三角に折るところをいきなり粘着面を合わせているので、くっついて当然なのだが。
そんな古河に対して、Zebra(fa3503)はムダにマッチョなバディをポージングしながら披露していた。
「ツルツル、ツルッツルだ!」
徹底的な剃毛により、一切のムダ毛を排除。さらにこれでもかとオイルを塗り込む。そう、ツルツルの肌を見せつけていたわけだ‥‥誰も望んでいないのに。
「まあ、髪とあそこの毛は譲れなかったから、剃ってないがな!」
聞きたくもない情報を教えてくれるまではよかったが、本当に剃っていないコトを示そうと、ブーメランパンツをめくり上げて見せようとしたものだから、慌てて古河が飛び込んでくる。
「放映していい番長は五厘刈りまでです、ガムテで!」
古河がガムテで隠し、事なきを得る。無論、毛側に粘着面を押し当てたのは言うまでもない。五厘刈りどころか抜きにかかっていたが、剥がすのがコワくてなかなか剥がせないでいる。
そんなオッサン2名の映像では見苦しいので、いきなりだがスケ番陣の入場である。しかも、胸の大きい順にという非人道的な入場方法だ。
というわけで、まずはMAKOTO(fa0295)と竜華(fa1294)の入場である。
MAKOTOは風が吹けば桶屋が儲かるの理論により、鶴→亀→ガメラ→ギャオス→番長の1コ下の親友ということで、乳酸飲料からさかのぼって怪獣の着ぐるみを着ての登場だ。
おかげで、期待に胸を躍らせていた男子の夢はズタズタだ。だが、対する竜華が鶴の柄のチャイナドレスで登場してくれた。
そこに革製手袋と指輪。そして、得物は弦である。一字違いで、対動物用に蔓も用意してある。もちろん、人も動物であるのは言うまでもない。つまり、糸使いとしての登場だ。
つづいて、戦艦プラモを両手に持った姫川ミュウ(fa5412)が入ってくる。一体何の意味が? と思うかもしれないが、翔鶴と瑞鶴、翔鶴型航空母艦のプラモなので問題はない。
そして、胸のボリュームは下がっても、違うモノを一気に上げてやるゼとばかりに、Tyrantess(fa3596)がヘソ出し学ラン風ショートジャケットで登場してくる。
が、問題は下のボンタンである。クレイジーなまでにローライズなボンタンなのである。っつーか、ストッキングをガーターベルトで吊るしているだけなんじゃ? というくらいにローライズである。一応、下着は着けているし、その下着もお股の部分が割れていたりはしなかったので、本当に見えてはいけない部分は死守されているが。
だが、ギタリストのTyrantessが登場したことで、古河が余計なコトを閃く。
「番長はガムテで鶴を折ったりはしません。鶴が機を織るのなら、番長はバットを折るのでした。というわけで、弦の張られたギターのネックを折るのですよ、ガムテで!」
バットとギターの関連性はよく分からないが、とにかくTyrantessのギターに手を伸ばす古河。
「あっ、ガムテで足がもつれました!」
説明的なセリフでわざとらしいまでに転び、咄嗟に手を伸ばす古河‥‥Tyrantessのパンツ目がけて。
が、Tyrantessは避けない。番長がビーンボールを避けないように、まったく避ける気配がない。
「鶴‥‥ツルツルねぇ。ま、頭はこの通りツルツルじゃねーが、頭以外なら大体は、な」
どうやら処理には自信のある様子のTyrantess。
いよいよ古河の指がかかり、処理前だろうと後だろうとどっちも見せちゃいけないけど、あえて言うなら後者の方がより見せちゃいけない部分が見えてしまうのでは? というトコロへ、竜華の弦と蔦がシュルシュルと伸びてきて古河を拘束してしまう。
「‥‥咄嗟に弦を使ったはいいけど、美しくないわね。やっぱり、弦だけに吊るべきかしら?」
糸使いというと糸で切り刻むイメージがあるが、竜華は縛りに特化されたハードコアな糸使いである。
「吊るなら‥‥ガムテで!」
「んー、男を吊るしても悦ばれないわよね?」
古河の言葉を一切無視し、舞台袖へと放り捨てる竜華。
そこへ、鶴だけにツルペタというコトで、真打として最後に富士川千春(fa0847)と湯ノ花ゆくる(fa0640)が登場である。
「なんかバカにされてる感があるんだけど‥‥番長はいつまでも現役、現場主義!」
富士川が現場間違いで、ツルハシを担いで登場する。何の工事をする気かはナゾであるが。
一方の湯ノ花は、屋形船に乗っての入場だ。陸上でもツルツルに滑るようにとローションまみれにした船に乗り、スタッフに押してもらっている。
「番長は‥‥カリスマ的存在なので‥‥黙っていても‥‥押してもらえるの‥‥です」
だが、船はツルツルの名に恥じずに勢いよく滑ってしまった。そのまま壁に激突。
ドーン! 船から転落した湯ノ花は、後頭部を痛打。早速、脳漿のメロンパンをブチまけてしまう。
「‥‥これを、鶴望の思いで鶴首しつつ待っていたのよ! 事件が会議室ではなく、現場で起きているということが証明されたね! というわけで、撤去作業の工事に入りまーす!」
無事に工事現場ができたところで、富士川はツルハシを放り投げ、いつの間にか運び込まれていたクレーンへと乗り込む。
「あっ! 俺が、丁度いいのを近くの工事現場から拝借してきたのに‥‥」
いつの間にかクレーンが運び込まれているわけがない。Tyrantessが運び込んでおいたのである。だが、早い者勝ちで富士川が乗ってしまったので、Tyrantessは現場監督に昇進である。
「鶴は英語でcrane! すなわち、クレーンでの撤去以外ない‥‥って、中々引っかからないなぁ‥‥」
だが、せっかく乗ったのに慣れないクレーン操作で、その上船に引っかける部分がなくて苦労している。
「鶴像で‥‥釣るぞう‥‥です♪」
そこへ、クレーンに負けてなるものかと、メロンパンの大いなる意思により復活した湯ノ花が、釣竿で対抗しようと現れる。ダジャレのためだけに、竿の部分が鶴の像になっている。
「こんな‥‥エサに‥‥ゆくるが‥‥クマー」
だが、自分で自分の口に針を引っかけ、外そうと引っ張ってはあさっての方向へ行ってしまう。
「自分の船なのに‥‥って、ムズかしいわね」
そんな湯ノ花を呆れながら眺めつつも、未だにクレーンで吊るすことのできない富士川。
「そんなときは、この私におまかせよ!」
そこへ、竜華が飛んでくる。一瞬で船を縛り、吊るしやすくしてみせる。
「わー、ありがとう」
富士川から感謝される竜華だったが、竜華自身はまたつまらぬものを縛ってしまったとばかりに、不満顔だ。
「んー、女の子を吊るした方が悦ばれるかしら?」
竜華がキケンな方向に考えを向ける中、無事吊り上げられた屋形船を見たMAKOTOの表情が一変する。
「あんなところに、ガメラが飛んでいる!」
どう見ても屋形船だが、着ている着ぐるみに汚染されたか、あくまでもガメラだと言い張るMAKOTO。だが、さすがに何かおかしいコトに気づく。
「‥‥ハッ! ギャオスの着ぐるみを着た人を用意して、ガメラの着ぐるみを着た人に張っ倒させるハズが、気づいたら僕がギャオスに‥‥このままじゃ、僕が倒されちゃうじゃん!」
気づくも何も、最初から着てたじゃんというツッコミは一切無視し、急に勝手に恐れおののくMAKOTO。
「あんなのは亀じゃないッ!」
そこへ、Zebraが駆けつけてくる。別に、自分自身の飼いならしきれない亀を持ってくるような暴挙はしない。先程からガムテを剥がせないままでいるチキンだったので、古河に封印されたままだ。
では、なんなのか? 普通に亀という名のドーベルマンをつれてきたのみである。ドーベルマンの名前として普通なのかどうかはさておき。
「ほら、亀、こっちへ‥‥ギャース!」
このドーベルマン、名前の亀と命令の噛めを区別できないので、Zebraに寄っていって股間の亀を一噛みである。
さすがにそのままモロに噛まれるということこそなかったが、ガムテの部分をくわえられ、そのまま一気に引き剥がされてしまったのだ。
「‥‥ハッ! 今の叫び方なんか、まさに怪獣のそれ! なんだ、そうなら先に言ってくれなきゃダメだよー」
そう言って、泡を吹いて倒れているZebraに、自分の着ていた着ぐるみを着せてあげるMAKOTO。着ぐるみにはMAKOTOのぬくもりが残っていたが、それを堪能できる意識がZebraにはない。
そんな喧騒をよそに、姫川とTyrantessが話し込んでいた。無論、翔鶴型航空母艦のプラモについてである。
「‥‥でね、徹底した小型化により、バイブレーション機能も搭載していて‥‥」
「ふーん、最近のハイテクおもちゃはスゴいねぇ」
説明をする姫川に、ふんふんとうなずくTyrantess。どう考えても違う用途のおもちゃだろというツッコミの入る余地もない。
「でも、これを挿れるのって‥‥砲台とかが刺さったりしねーか?」
いや、最初から大人向けおもちゃの認識で問題なかったようだ。
「それはいけません。せめて、このローターのように滑らかな‥‥ぐぼはっ!」
そこへ復活した古河がピンク色の小さな物体を持って現れるが、今度こそ竜華の手によってガムテでグルグル巻きにされ、昇天の上廃棄される。
だが、そんなコトは気にせずに、姫川は説明をつづけている。
「そこはこの突撃一番で包めば‥‥ほーら、まったく問題ないんだね☆ で、この上からローションをかければ完成だよ♪」
湯ノ花がツルツル滑るようにとローションまみれにした屋形船。幸いにも富士川がクレーンで吊り上げていたので、そこからややドロリとしつつもポタポタと垂れてきていたので、そのままかけてしまう。
「いや、エコロジーだけど、その再利用の仕方は衛生上どうかと‥‥」
笑顔でススメてくる姫川に、さすがのTyrantessも引き気味である。もっと前の段階で引けという話であるが。
そして、湯ノ花と富士川が竜華に集合をかけられていた。
「折紙からヒントを得てアニメの変形ロボットの玩具できたように、クレーン操作中に持ち場を離れるとキケンなんだよ」
「ゆくる‥‥コシがありながらも‥‥つるっとすすれる‥‥太麺の‥‥仕込みが‥‥」
両者何を言いたいのかさっぱりだったが、とにかく文句を言っているコトは確かのようだ。
「んー、英語でクレーンも、食感がつるっともいいけれど‥‥やっぱり女の子を吊るしてお開きにしたいのよね」
問答無用とばかりに、まずは湯ノ花が見事な縛りをされてしまう。しかも、弦、蔦から麻縄に変わっている‥‥が、強度の問題ではない。美学の問題である。
その様子に慌てて富士川が逃げようとするが、Tyrantessに羽交い絞めにされてしまう。
「ま、バラエティにハプニングはつきものだ、観念しなー」
ツルハシにクレーンと、とことんかぶり芸人ならぬかぶりギタリストにされてしまったTyrantessが、ここぞとばかりに反撃に出る。
「‥‥えっと、私なんかより、MAKOTOさんとかの方が映えると思うんだけど?」
「豊満な胸を絞るのもいいけど、荒縄で貧乳がムリに搾り出されるさまなど、もうたまらないじゃない。ましてや、ほどいた後のくっきりと残った荒縄の跡など、大往生間違いなしよ!」
「えーっ!?」
こうして、順調に富士川も縛られ、さらに吊るされる。まさに鬼六先生の境地に達してしまった竜華に、賞金10万円が贈られた。
が、収録はまだつづく。姫川がツンツンとTyrantessの肩を叩き、余計なコトを言い出したからだ。
「女性でかぶりギタリストって、何がかぶってるのかなー?」
「そりゃ、クリト‥‥って、アホなコト言わすなぁ!」
激高したTyrantessによって姫川まで縛り吊るされ、ようやく収録は終わるのであった。