ムチャキング13アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
牛山ひろかず
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芸能 |
フリー
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獣人 |
フリー
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難度 |
やや易
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報酬 |
0.7万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
05/05〜05/07
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●本文
TOMITVのスタッフルーム。その中の自称スポーツイベント便乗チームで、二人の男がボンヤリと会話をしていた。話の内容は、スポーツイベント便乗チームにあって唯一スポーツと関係のなくなった企画、ムチャキングについてである。
「スポーツイベント便乗チームとして、こどもの日で枠がとれたんだが‥‥ムチャキングでいくぞ!」
「スポーツイベント便乗チームとしてなのに、スポーツではないんですね?」
「体育の日ならいざ知らず、こどもの日だからな。ムチャキングが妥当だろ?」
「そういうもんなんですかねー?」
「そういうもんだ! 子どもというだけで男湯や女湯に入れたりするんだぞ! それを大人がやったらどうなる? 分からない、分からないよ!」
「いや、分かりまくりだと思うんですが‥‥とにかく、そういうムチャなんですね?」
「まあ、これは一例だがな。そういう、子どもにはムチャじゃなくても、大人にはムチャみたいなもので、競い合って欲しい」
こうして、いかにもこどもの日というほのぼのとした、大人のヨゴレやエロスとは一切無関係なムチャキングがはじまることとなった(大ウソ)。
『永遠の子ども、ムチャキング13』
銭湯セットで、童心に返ってムチャしてください。そのムチャ度を、出演者で競い合います。
最初から子どもの場合? この企画に参加すること自体がムチャなので、大人にヨゴしてもらえるんじゃないんですか?
エキストラは用意されません。出演者だけで必要そうな役をすべてまかなってください。一人何役だろうと、途中で入れ替わろうと、モザイク以外映っていなかろうと、その辺は何をしようと構いません。というか、そういうところでもムチャしてください。
求められるのは、笑えるムチャです。ハードなだけのムチャではいけません。
事前に用意される小道具
・大概のものは用意されます。持ち込みも可です。
注意点
・スタッフがルールブックです。以上。
職業『ムチャ○○』の選出について
・優勝者には、職業としてムチャ○○を名乗る権利が与えられます。
・ムチャ○○選出は、スタッフの独断と偏見による判定で決まります。
・○○に何が入るかも、スタッフの思いつきで決まります。指定できません。
・すでにムチャ○○になっている場合、陥落することもあり得ます。
現在の格付け
・ムチャキング :羽曳野ハツ子(fa1032)
・ムチャクイーン:草壁蛍(fa3072)(現ムチャ女王様)
・ムチャジャック:キューレ・クリーク(fa4729)
現在の格付け(神の領域)
・ムチャジャッカー:チェダー千田(fa0427)
(ジャッカーとは、ジャック+ジョーカーであり、ジャックの比較級でもあります)
・ハードボイラー :片倉神無(fa3678)
(ハードボイラーとは、ハードボイルドな人です。厳密には、一級ハードボイラー技士であり、下には二級、上には特級があります)
過去の結果
・第1回 七枷伏姫(fa2830)が優勝(ノンタイトル戦)。
・第2回 夏姫・シュトラウス(fa0761)が優勝(ノンタイトル戦)。
・第3回 朱凰夜魅子(fa2609)が優勝(ノンタイトル戦)。
・第4回 佐渡川ススム(fa3134)が優勝(ノンタイトル戦)。
・第5回 Tyrantess(fa3596)が優勝(ノンタイトル戦)。
・第6回 チェダー千田がムチャジャック、草壁蛍がムチャクイーンを獲得。
・第7回 チェダー千田がムチャキングを獲得。
・第8回 チェダー千田がムチャキングを引き分け防衛。
・(【AoS】海プロごっこにて、草壁蛍がムチャプリンセスに降格)
・第9回 チェダー千田がムチャキングを防衛。
・(プロレスごっこ新春SPにて、草壁蛍がムチャ女王様に昇格)
・第10回 片倉神無がハードボイラー(二級)を獲得。
・第11回 羽曳野ハツ子がムチャキング、キューレ・クリークがムチャジャック、チェダー千田がムチャジャッカーを獲得。
・第12回 羽曳野ハツ子がムチャキングを引き分け防衛。片倉神無がハードブロイラーを獲得後、ハードボイラー(一級)を獲得。
過去の放送スケジュール(最近5回分)
・ムチャキング8 08月08日 07:00〜
・ムチャキング9 10月07日 07:00〜
・ムチャキング10 02月07日 08:00〜
・ムチャキング11 02月15日 07:00〜
・ムチャキング12 04月14日 07:00〜
●リプレイ本文
銭湯セットにおいて、最初に起こること。それは、番台の座を争うことである。四捨五入40にもなろうという男二人が、番台の前でにらみ合っていた。
「女性の脱衣所が目的なんかじゃないんだ! こどもの日だから、女性って呼ばずに女子って呼んじゃうゼ‥‥ってコトで、女子の脱衣所が目的なだけなんだ!」
「それでは、女湯が目的なコトに変わりないじゃないですか。私は、あくまでも競技に関与せず、番台に座って入湯料の徴収や各種用具、飲料の販売をするだけですよ? 決して、雄性のシンボルや母性の象徴のサイズ比較を行ったりなんかしません!」
チェダー千田(fa0427)が言えば、長瀬匠(fa5416)も応える。二人とも言い訳から入るのがとてもステキであったが、やっぱり引き下がる気はない。
「くっ、立場がムチャ弱化ーってコトか!? これじゃ、全裸で番台に座る野望が‥‥」
「いえいえ。幸い、二人分座るスペースがあるじゃないですか。ここは仲良く‥‥」
頭を抱えて苦悩するチェダーに、長瀬が救いの手を差し伸べる。が、今度は女湯の脱衣所側を取ろうと、熾烈な争いが繰り広げられるだけだった。
チェダーと長瀬がそんなコトをやっているうちに、最初のお客さんが来てしまう。
「‥‥なんか‥‥さっき‥‥変な人から‥‥ドリルを‥‥もらった‥‥です‥‥」
ドリルアームを装着した湯ノ花ゆくる(fa0640)が入ってくる。
「それはいけない。この消毒液で殺菌した方がいい」
「それでは生ぬるすぎます。焼灼した方がいいでしょう」
そのドリルが森里時雨(fa2002)がプレゼントしたものだと知っていたので、好き勝手しまくるチェダーと長瀬。そんな間にも、湯ノ花が脱衣所に入っていく。
争うのも忘れ、じっと凝視する二人。当然、湯ノ花がその視線に気づく。
「脱ぎません‥‥裸にはならないです‥‥4日後に‥‥グラビア芸人に‥‥なってしまう‥‥姉とは‥‥違うのです‥‥!」
そう言いながらも、服を脱ぐ湯ノ花。だが、その下から潜水服が出てきただけの話である。哀しみの涙に暮れる番頭二人。
「はい、おじちゃん、入浴料はここに置いとくね☆」
その哀しみを払うべく、新たなる女性がやって来る。幼児化キャラとなった草壁蛍(fa3072)だ。
お子ちゃまキャラになっているので、無邪気に服を散らかしながら脱ぎ捨てる草壁。もちろん、そのバディまで子どもになるということはないので、番頭二人はここぞとばかりに堪能である。
「ムム‥‥うぉー!」
チェダーに至っては、辛抱たまらずに上半身裸になるが、特に意味はない。
「まったく‥‥やるなら全部脱がんかい!」
そこへTyrantess(fa3596)が入ってくると、中途半端なチェダーにいきなりブチギレである。ズボンを脱がしにかかる。
「ああん、パンツはいいけど、メガネはやめて〜!」
チェダーが悲鳴を上げる横では、長瀬がものさしを構えて、今にも計らんとしていた。
「いえいえ、先程も申しましたとおり、雄性シンボルのサイズ比較を行ったりはしませんよ?」
「ちょっと待った!」
そこへ、さらに高柳徹平(fa5394)が入ってくる。
「俺は、医学的測定法で比較してみたいんだ‥‥が、恥骨結合部から計るのと、根元表面から計るの、どっちが正しいんだ!?」
高柳が思い悩みはじめたので、Tyrantessはもういいやと女湯に入っていってしまう。
これで女性陣が全員が浴室に行ってしまったので、早くも番頭二人は興味を失った。
「んー、早く入ればぁ?」
だから、タケシ本郷(fa1790)と森里がタオルを腰に巻いただけの格好で腕を組んで入ってきても、軽くスルーである。
こうして番台、脱衣所編が終わり、いよいよ浴室での攻防である‥‥って、攻防? そう、湯ノ花がメロンパンでバリケードを築いていたのである。
すでに男湯と女湯を隔てる壁はなかった。バリケードを組むためにジャマだと、早速ドリルを活用して撤去してしまったのである。確実に本末転倒な気がしないでもないが、湯ノ花は達成感に浸ってしまっている。
「自分、今度ムチャキングに成功したら、ムチャエンペラーの称号を得るって、彼女と約束したんだ」
そのバリケードを前に、男湯側では三人が集まっていた。そこで写真を取り出し、死亡フラグを立てはじめる本郷。フラグマニアの森里が反応しかけるが、他人のフラグに口出しするようなヤボなマネはしない。
「一番槍の誉に与り、光栄の極みであります。バリケードを突破した暁には、きっちり実況してくるであります!」
敬礼する本郷に、森里と高柳も敬礼している。そして、本郷は全身にボディシャンプーをかけて滑りをよくし、準備完了だ。
「吶喊ッ!」
腹ばいになって壁を蹴り、勢いよくバリケードに突っ込んでいく本郷。バリケードはメロンパン製、それで粉砕できるハズだった。
「メロンパンの山の中に、竹やりを隠していたか。だが、そんなコトは予想済みだ‥‥あれ?」
無事バリケードは突破した本郷だったが、そこでピタっと動かなくなる。
「ちょ、くっついちゃいけない部分にくっついてるよ! 剥がすとき、こえーよ!」
最後に仕かけられた鳥もちに、見事なまでに前面丸々くっついていたのである。しかも、当の湯ノ花は湯船でスキューバを堪能していたので、本郷がかかっていることにまったく気づいていない。
「わーい! 滑り台だぁ!」
そこへ草壁がやってくると、シャンプーまみれでスリッピーな背中の上を滑っていく。当然ながらお尻で滑っていくので、本郷としては膨脹したいところなのだが、鳥もちのせいでできないので、完全な生殺し状態である。
「お兄ちゃーん、石けん投げてー」
本郷が散った後、今度はTyrantessが男湯に向かって叫んでいた。
そのとき、森里が閃いた。投げろとは言っているが、要は石けんを持って来いということだ、と。
「石けんのスケートで特攻して、バリを突破するであります!」
本郷の尊い犠牲から、立ったまま滑って突破すれば大丈夫そうだと考えた森里。早速、足の裏に石けんをくくりつけて立った。
「ふっ‥‥完璧な作戦だ‥‥ぐごっ!」
自分に酔ってしまう森里だったが、次の瞬間にはルツーン滑って、後頭部を痛打していた。
「‥‥駄下肢可視‥‥俺は‥‥ガクッ!」
起き上がろうと手を伸ばす森里だったが、やっぱり力尽きる。
それにしても、駄下肢可視──逆接の接続詞を二つ並べて当て字にしたわけではない。己の粗末な下半身が丸見えなだけの話である。
だから、誰も相手にはしていない‥‥いや、ちゃんと食いついていた。なぜなら、高柳が苦悩する測量士だからである。
「くっ‥‥最大時に計らなければ、一貫性のあるデータが得られない。そのためには、どうすればいいのか‥‥」
森里本人が失神KO状態なので、当然ながらジュニアも完全KO状態である。
「薬剤を注射するという方法を聞いたことがありますが‥‥」
そこへ、物騒なコトを言いながら長瀬が入ってくる。子どもらしく、昆虫採集セットの注射器を持って。
「ふっ‥‥そろそろあったまってきたころだな!」
そんな男湯の犠牲はさておき、先程ひん剥かれたままの格好で、女湯に普通にチェダーが入ってくる。
「は〜い、石けんを持ってきたなりよ〜」
これには、長瀬が注射器を叩きつけた。そのまま脱衣所を経由して、女湯へと駆け込む。雄性のシンボルよりも母性の象徴を優先するのは、男として当然であった。
だから、鋭く目視で母性の象徴を確認である。
「草壁さん>Tyrantessさん>湯ノ花さんで、間違いありません!」
「よくやった!」
チェダーが握手を求めてくるが、まだ早いと断る長瀬。
「いえ。これより、実測に移り‥‥ぐぼはっ!」
だが、それは果たされなかった。Tyrantessが飛び蹴りを放ったからだ。
「ちょっとお兄ちゃんたち、いつまでいる気なのよ! そんなことよりも、早くヨゴレ芸人を投げてよこしてよ!」
「えっ!?」
一瞬キョロキョロと見回したチェダーだったが、本郷は鳥もちのエジキになっていたし、森里は高柳のモルモットになっていたし、長瀬は今目の前で轟沈したしで、自分しか残っていない。
「ああ、女芸人の確認を忘れてた。えーっと‥‥のわっ!」
再び周囲を見渡すチェダーの目の前に、草壁が立っていたのだ。
「どこまで伸びるのか、力の限り引っ張ってみたーい☆」
「え、ちょ、うぎゃー!」
子どもの無邪気な残酷さでナニかを引っ張られ、チェダーの悲鳴がこだまする。その声に、湯ノ花が湯船の水面から顔を出した。
「やっぱり‥‥銭湯の‥‥浴室は‥‥エコーが‥‥違うです‥‥」
「ちょっと、お兄ちゃん! 結局ヨゴレ芸人は誰なのよ‥‥って、このキャラも疲れたな。よし、エコーが違うなら‥‥俺のギターを聴けぇ!」
ギターをかき鳴らしはじめてしまうTyrantess。おかげで、男湯の高柳がついに意を決して注射器を刺していたのだが、森里の悲鳴までかき消されてしまっていた。
こうして、高柳以外の男性陣が無事に全滅したところで、番組は終了していくのであった。
そして問題の称号であるが、結局新たなるムチャの誕生はなかった。だが、チェダーはジャックとジョーカーの両方を名乗るには足りないと、ジャック成分を取り上げられてムチャジョーカーに降格である。
対して、プリンセスやら女王様やらを遍歴した草壁であるが、ようやく通常営業のムチャクイーンに復帰である。ムチャ女王様とムチャクイーンで何が違うのか、さっぱり不明ではあるが。