暑さ熱さも大暑までアジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
牛山ひろかず
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芸能 |
フリー
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獣人 |
フリー
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難度 |
やや易
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報酬 |
0.7万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
07/23〜07/25
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●本文
「いや〜、大暑って聞くと、余計に暑く感じますね〜。なんでも、太陽黄経が120度の時を指して、今年は23日の午後2時らしいんですけど‥‥」
暑苦しいことを言いながら、後輩が汗を拭きつつスタッフルームに入ってくる。そこへ、待ち受けたる先輩が口を開く。
「フッ‥‥それを聞いて、黙っちゃいられねぇな‥‥」
「どうしたんです? 急に変な笑い浮かべたりして‥‥」
「昔から、暑さ熱さも大暑までといってだな‥‥」
「うわっ、第2回が『暑さ熱さも彼岸まで』だった気がしますが、また一歩『暑さ寒さも彼岸まで』から遠くなってますね‥‥ぐはっ!」
ボカッ! 余計な過去の回想をする後輩を、先輩が鉄拳制裁で黙らせた。
「うるせー、このヤロウ! せっかく冷房で身体が冷え切ってきたっていうのに、暑苦しいコト言うんじゃねぇ! ちょうど23日に枠がとれたんだ。やるしかねーだろが!」
「あ、そうなんですか‥‥それじゃ、しょうがないですね」
「うむ、しょーがないのだ」
「で、暑さ熱さのガマン大会なわけですか?」
「うむ、しょーがないのだ」
「大暑『まで』だから、そっから一転寒くなるとかないんですね?」
「うむ、しょーがないのだ」
「ま、確かに午後2時までだから、朝にやればまだ暑いうちに入るんですかね?」
「うむ、しょーがないのだ」
「先輩って、バカですよね?」
「なんだと、このヤロウ!」
ボカッ! きっちり聞いてはいた先輩。
こうして、ただ暑さや熱さに耐えるだけというガマン企画がスタートするのであった。
企画内容:
一人一人の用意した暑いもの、熱いものに耐える挑戦をしていきます。その際のガマンするリアクションのおもしろさを競い合います。
各自が用意したものを個々に挑戦して競うか、一斉に同じものに挑戦して優劣を競うか、どちらでも構いません。
熱中症や火傷等にならぬよう、気をつけてください。
収録はスタジオの特設セットで行います。ロケで別撮りとかは不可能です。
必要な物、装置、設備等は、指示があればすべて番組で用意します(現実的な範囲内であれば)。
一番おもしろリアクションをとったと判断された人に、敢闘賞10万円が送られます。優勝賞金とかは特にありません。
その他細かいルールは、スタッフがルールブックです。
過去の放送スケジュール:
・辛さ臭さも彼岸まで 08月14日 7:00〜
・暑さ熱さも彼岸まで 09月23日 7:00〜
・冬至だろうと彼岸まで 12月22日 7:00〜
・寒さ冷たさも彼岸まで 02月04日 7:00〜
・暑さ寒さもみどりの日 05月04日 7:00〜
●リプレイ本文
『暑さ熱さも大暑まで』の名にふさわしく、サウナ内の映像からはじまる本日の彼岸シリーズ。そこには出会いを求めた男性諸氏が‥‥というようなリアル志向ではないので、ちゃんと画的な期待通りに女性が入っている。
「あまり体力に自信ないですけど、できるだけがんばろうと思います」
まずは水無月鈴(fa3502)だ。小柄で細身の体躯ゆえに、唯一大きなFカップの胸から痩せてしまうのではないかと余計な心配をしたくなってしまうが、すでにバスタオルは汗でびしょびしょである。
そんな水無月の格好はそのバスタオルを巻いているだけの姿ではあるが、残念ながらというか当然ながらというか、下に水着を着けているのは言うまでもない。
「男性陣お色気祭りじゃなかったんですね〜、ちょっとがっかりです〜。でも、気を取りなおしてがんばるです〜」
対するは、葉桜リカコ(fa4396)。身長は水無月とほぼ同じながら、こちらは豊満なええ身体をしている。但し、こちらも水着の上からバスタオルを巻くという格好ではある。
これで画的には愚息も満足というところだが、ただサウナに入っているというだけでは大暑に対して失礼というものである。なので、『サウナで熱々きつねうどん対決』という、ベタベタな内容でお送りしている。
「みゅ? ‥‥対決なのはいいですが、どちらが先に暑いサウナの中から出るのか? どちらが先に熱々きつねうどんを食べ切るのか? はたまたどちらが熱々きつねうどんをたくさん食べることができるのか? そういえば、決着方法を決定してませんでしたね〜、えへへ〜」
食べはじめてから葉桜が重要なコトに気づくが、すでにはじまってしまった戦いを止められる状態にはない。こうなっては、ゴールなきマラソンを走りつづけるしかないのである。
それでもやっぱりうどんに油揚げが入っている必然性が分からないが、とにかくきつねうどん対決続行である。なぜなら、身体の中からも暑くして、早くバスタオルを取って欲しいからである。
というわけで、うどんのためにサウナ内には特設の厨房が用意されていて、余計に暑さを演出している。しかも、料理人の格好をしたチェダー千田(fa0427)がその前に立っているので、アツ苦しさも倍増だ。
「腕組み真顔でナナメのカメラ目線がお気に入り‥‥くくく」
なにやら不気味な笑みを浮かべているが、うどんを茹でているわけではなかったからだ。チェダーが前にしているのはうどんの茹でがまではなく、天ぷら油のなみなみと注がれた天ぷら鍋である。温度は常に180度に保たれ、その前でムダに汗を流している。
一方、水無月と葉桜は何杯も食べ進んでいるということはなく、暑い室内での熱いきつねうどんに苦戦していた。と、いきなりうどんの上に大ぶりなえびの天ぷらが乗せられる。
「大暑といえば、それすなわちてんぷらの日! 夏バテ知らずの守り神!」
水無月が見上げれば、そこにがチェダーが立っていた。そのまま、葉桜の丼にも天ぷらを入れる。
「あの〜、てんぷらうどんを頼んだ覚えはなんいですが〜?」
もはや何も言わず、親指をビッと立ててみせるチェダー。サービスだと言わんばかりだ。嫌がらせに近い余計なサービスだという発想はないらしい。
そんなサウナ内の様子を見ながら、外で優雅に寝転んでいるのは白海龍(fa4120)であった。
「世界で一番熱い夏ッ‥‥☆ お色気で女性陣に負けないようセクシーに!」
水無月や葉桜に負けまいとセクシーポーズをとりながら、ストローでジュースを飲んでいる。暑さや熱さはあっても、これでは適温ではないか? という話もあるが、白海龍には言い分があった。
「アツイと言えば夏ですので、僕は夏と戦い‥‥もとい耐えマス。日射病にならないように木陰に座っテー、熱射病にならないヨウニ水分もしっかり摂ってー、紫外線がコワイので日焼け止めクリームもタップリ塗ってー、爽やかに流した汗を拭き取る吸水性抜群のタオルのお世話にナッテー、夏バテ対策には栄養もしっかり摂らなきゃイケマセンので‥‥ぐはっ!」
言い訳にもなっていない言い分を延々と言いつづける白海龍のところへ豊浦まつり(fa4123)がドカドカとやって来ると、デッキチェアごとひっくり返されてしまう。
「ヌルい、ヌルすぎるわ! 熱いもの、そりゃギャンブルに決まってるじゃない! 生き馬の目をくり抜きえぐり抜くような緊張感が生み出す魂を焦がすような『熱さ』‥‥これに勝る熱いものなんてないわよ?」
そうとだけ言うと、白海龍をズルズルと引っ張っていってしまう。
「アツイものを耐えているハズなのに、やけに快適だと思ってマシタ。こんなコトでイイんでショウか? イイんですよネ☆ と思いかけてきてたノニ‥‥」
ブツブツ言う白海龍が連れてこられたのは、サウナの中の麻雀卓の前であった。
「アレ? ヒトリ?」
だが、座ったのはまだ白海龍だけであった。それを見計らってか、常盤躑躅(fa2529)が乱入してくる。
「ハーッハッハッハ! 俺の名はバイオレットバイオレンス、覆面レスラー志望のスタントマンだ! 顔はパンダの覆面をかぶっているが、ジュニアはパンダのパペットをかぶっているゼ!」
水無月と葉桜はそれどころではないとして、豊浦と白海龍は必死に目を合わせないようにしている。
「股間のジュニア、マラーだゼ! さーて、息子思いの親父を演じて好感度を上げるぞ‥‥ん? オッパイ吸いたい? 相変わらず甘えん坊だな、お前は」
そう、自分の股間と腹話術をするキケンな男に、目を合わせようと思う者がいるハズもなかった。ただ一人、チェダーを除いて。
「そのガッシリした胸板がス・テ・キ‥‥」
チェダーだけがウットリとした目で見ていたが、今度は逆に常盤の方が無視してしまっている。
「いいか、マラー。お前は白いモノを吸うんじゃなくて、むしろ出すんだ。よーく見てろよ!」
そう言って、チェダーに白いペンキをぶっかける常盤。
「これは、モザイク芸人にモザイクをかける隙を与えない修正液だ! モザイク越しなんかよりも、生に限るからな!」
解説をする常盤だったが、これでチェダーのおかしなスイッチが入ってしまう。
「白い液体をかけられて、なんだかワクワクしてきたぞ! よーし、どんどん天ぷら揚げちゃうぞ。おや? こんなところに、あわびと赤貝が‥‥」
水無月と葉桜にターゲットを定めるチェダー。二人はきつねうどんに夢中で、まだ気づいていない。
「ほ〜ら、よく冷えた衣だよ〜。浴びたら涼しいよ〜」
衣は冷水であまりかき混ぜずというこだわり派のチェダーだったが、サウナの中ですでにぬるくなってしまっている。どっちにしろ、白いどろりとした衣をかけられてしまう。
「ささ、早くそのバスタオルで拭きとるんだ!」
揚げるんじゃないのかよ? というツッコミは、チェダーのエロスの前では無意味である。
ましてや、水無月がちっちゃな三角ブラにハイレグTバックのビキニだったものだから、衣に違うモノが混じりそうな勢いである。
そんなカオスな状態に耐え切れず、豊浦が新たなメンツを求めて外に出てきていた。
「くーっ、出ねえなぁ‥‥」
すると、高柳徹平(fa5394)がパチスロに熱くなっていた。より熱くなるためにサウナ内に設置しろという話だが、機械を正常に作動させるために外に設置するしかなかったのだ。
ひたすらにスロットを回しつづける高柳に、豊浦が飛び蹴りを見舞って説教である。
「こんなトコに来てまで、クルクル回る夢なんか追うとはナニゴトだろうね? なぜ目の前にお金が落ちているのに拾わないのかな? というわけで、目の前にある雀卓に座るべしッ!」
高柳もそのまま引きずられ、サウナの中へと連れて行かれる。そのころにはチェダーもボコボコにされ、水無月と葉桜はきつねうどんに復帰していた。
「いいか、マラー。これが有名な脱衣麻雀だ」
豊浦に白海龍、高柳、そして勘違いした常盤とメンツがそろったところで、ようやくアツい麻雀のスタートである。
「脱衣ではないけど‥‥ご期待に応えて、アツくしてあげるわ!」
負けたわけでもないのに、バッと服を脱ぎ捨てる豊浦。そこには下着姿‥‥はなく、普通にビキニの水着姿があった。
これに、チェダーが急遽復活した。
「サイ姐の胸はこんなにデカくない! つまり、ここに積み込み用のパイを‥‥ぐはっ!」
おもむろに豊浦の胸をわしづかみにしようとしたチェダーだが、果たす前に豊浦に迎撃される。
「牌はパイでも、オッパイでしたねぇ‥‥ガクッ」
幸せそうな顔で崩れ落ちるチェダー。だが、今度は常盤の様子がおかしい。
「どうした、マラー? なにぃ!?」
急にガッと豊浦の腕をつかむ常盤。
「腕を折れッ! なーんて、そんな鉄火場みたいなコトを言う気はねぇ。だって、身体で払うのが劇画のルールだからな‥‥ぐぼはっ!」
「大体が劇画じゃないけど、それ以前にサマをしてないでしょ! もう、あんたたちはヌードフェンシングでもしてなさい!」
チェダーを起こすと、常盤を押しつける豊浦。そのまま、白海龍と高柳との三人打ちで麻雀をはじめてしまう。
「え〜? ホントに男性陣お色気祭りの開催ですか〜?」
気づけば形勢逆転で葉桜と水無月が見守る中、言われたとおりにヌードフェンシングをはじめてしまうチェダーと常盤。
「アッー、天ぷらの衣よりも粘りのある白い衣ができちゃうよ!」
「どうしたマラー、さっきの白ペンキじゃない白ペンキが出ちゃうのか!?」
これ以上の放送はキケンということで、ただちに放送が打ち切られる。熱々きつねうどん対決がどうなったのか、麻雀対決がどうなったのかも分からぬまま。
こうして優勝も敢闘賞はなかったものの、特別変態奨励賞としてチェダーと常盤に5万円ずつが贈られることとなった。