【PSF】番長だらけ野球アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 牛山ひろかず
芸能 フリー
獣人 フリー
難度 やや易
報酬 0.7万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 09/19〜09/21

●本文

『Powerful Sports Festival便乗:番長だらけの野球大会』

 TOMITVのスタッフルーム。その中の自称スポーツイベント便乗チームで、二人の男がボンヤリと会話をしていた。
「番長シリーズ‥‥Athletic of Summerにも便乗したんだから、Powerful Sports Festivalにも便乗しておくのが岸和田魂ってもんだと思うんですよねー」
「そうだな。無冠の帝王にしてお祭り男の番長がこういう企画に乗っからなかったら、『ケツの穴小さいわ。チンポコついとんのか』って怒られちゃうもんな」
「でも、今回はPSFの10点を奪い合うわけじゃないですか。どうしましょうかね?」
「やっぱ、一度くらいはちゃんとマジメに野球の試合をやれってコトなんじゃねーの?」
「じゃあ、それでいきましょうか!」
 なんとはなしに決まる企画。とはいえ、番長リスペクト企画といっておきながら、ちゃんと野球の試合をやるのは第8弾にしてはじめてというナメた企画なのでしょうがない。
 ともあれ、PSFの10点を懸けた番長野球の試合がスタートすることとなった。

『たまにはちゃんと野球をしてみたいお祭り男編』

ルール
・全員が番長とかに扮して、めずらしく普通に野球の試合をします。場所は関西にあるドーム球場、1イニングのみで競い合います(延長は無制限)。
・扮するのは、別に番長でなくても構いません。怪物、大魔神、ゴジラ、ピッコロさん、ハンカチ王子、負け犬サダ、キングカズ等、好き勝手なキャラに扮して構いません(必ず何かには扮してください)。
・チームは紅白で分けます。万が一紅白どちらかだけになってしまった場合は、PSFのポイントの行き先が一つなので、野球以外の好き勝手なことをしてしまっても構いません。
・番長ルールなので、通常の野球に比べてラフプレーに寛容です。殺人スライディング、乱闘等を駆使し、優位に試合を進めましょう。
・1チーム9人には絶対満たないので、場合によって透明ランナー等が採用される場合があります。
・成績に応じ、PSFのポイントが所属する組に与えられます。
  勝利チーム:6点
  MVPの所属するチーム:4点
・MVPは、もっとも番組を(お笑い的に)盛り上げた人に与えられます。勝ったチームから選出されるわけではありませんし、純粋な試合の貢献度で決められるわけでもありません。
・野球のルールを大体守り、法を遵守しさえすれば、それ以外に細かいルールは特にありません。番長は何にも縛られないので。どうしてもルールが必要な場合は、番長らしく拳で語り合って決めましょう。

注意
・Powerful Sports Festivalの結果に、計10点分影響します。

過去の放送スケジュール(最近5回分)
・番長のストレート 6月06日 7:00〜
・番長のマッハパンチ 6月29日 7:00〜
・番長だらけの水泳大会 7月17日 9:00〜
・【AoS】スケ番Bサッカー 7月30日 07:00〜
・番長の千本ノック 8月17日 7:00〜

●今回の参加者

 fa0318 アルケミスト(8歳・♀・小鳥)
 fa0361 白鳥沢 優雅(18歳・♂・小鳥)
 fa1294 竜華(21歳・♀・虎)
 fa1790 タケシ本郷(40歳・♂・虎)
 fa2671 ミゲール・イグレシアス(23歳・♂・熊)
 fa2722 如鳳(49歳・♂・亀)
 fa3871 上野公八(23歳・♂・犬)
 fa4263 千架(18歳・♂・猫)

●リプレイ本文

 PSF連動の番長だらけの野球大会。大会といっても1試合だし、野球といってもわずか1イニングで争われる。1イニングだけなど野球ではないと叩かれそうだが、これもケガがちな番長の体調を気づかって‥‥とかいうことは一切ない。そもそも、背番号5な番長風味のキャラなどいないのだから。
 そんなことはさておき、2チームいなければ戦うことができないので、PSFに従い紅白のチームに分けられる。だが、今回集結したメンバーは赤組が7人、白組が1人と、試合の成立するギリギリの偏り具合である。そのため、1イニングごとの短期決戦では有利な後攻が白組となった。
 それに加え、全員が全員赤組の選手というわけではない。
「うーむ、ならばアンパイアでもやるかのう。アメコミ亀のコスプレをして」
 まず、如鳳(fa2722)がアンパイアとしての参加である。アメコミ亀というよりは亀の甲羅を背負った月をも破壊できる仙人といったカンジだが、背負った亀の甲羅をぐるっと前に持ってくれば一瞬でアンパイアに早変わりと便利なので、深く追求はすまい。
「ホントは白組がよかったよ‥‥」
 白鳥沢優雅(fa0361)は文句を言ってはいるものの、きっちりと素振りをしているので問題はない。
 本当に問題なのは、アルケミスト(fa0318)である。
「やっほー☆ アルケミストだよ♪ アルミって呼んでね!」
 いつもの自分のキャラに合わない口調はガマンするとしても、いる場所が白組側ベンチである。無口無表情キャラを捨て、敵側に寝返る意味がさっぱり不明である。
 そんなわけで、実質赤組5人、白組2人で行われることとなった本日の試合。
「プレイボールじゃ!」
 主審にして塁審の如鳳の合図で、早速スタートである。
 とはいえ、白組は2人しかいないので、一人は問答無用でピッチャーである。先発マウンドには、唯一の生え抜き竜華(fa1294)が上がっていた。
「虎などシニアディレクターに過ぎん! やはり、竜の闘将でなくては。ヘディングに激怒し、マウンドにグラブを叩きつけるくらいでないとね!」
 昇り竜の刺繍されたチャイナドレスを着込み、背番号はもちろん現役時代の20である。
 そして、アルケミストがショート辺りの位置にてくてくと守備に着こうとするが、ぶかぶかの長ランだけという格好であった。それでほぼ全身が隠れるので何も問題はないとはいえ、下に何も履いてないと妄想させるには十分な破壊力を有している。竜華のチャイナドレスの鋭すぎるスリットとは真逆のアプローチであるが、どちらも自分の特性をうまく活かした攻撃であることに違いはない。
 と、ブカブカすぎる長ランを引っかけてしまい、転んでしまうアルケミスト。
「えへっ☆ アルミったら、ドジなんだからぁ♪」
 起き上がりながら、コツンと頭を小突くアルケミスト。しかも、微妙に涙すら浮かべている。天然キャラを装っているだけなのか、赤組を勝たせるための刺客なのか、純粋に白組になったのか、さっぱり分からない。
 そして、赤組は上野公八(fa3871)からの攻撃である。丸くぼてぼてしたおはぎの着ぐるみでばったボックスに入る上野。確実にハンデを背負ってのバッティングである。
「先祖は大切にしましょう! お彼岸には、おはぎをお供えしましょう!」
 しかし、お供え物だからかまともなスイングができずに、というか出っ張った着ぐるみにボールがぶつかるのみである。
「やったね、父ちゃん! 明日はホームランだ!」
「じゃが、ストライクじゃ!」
 見た目によらず、冷静にジャッジする如鳳。上野がいくらぶつかろうとも、ストライクゾーンを通過しているのでストライクである。それ以前に明日はホームランなので、今日はホームランが飛び出す気配はない。
「ストライーク、バッターアウトじゃ!」
 あっさり三振に倒れる上野。つづくバッターはW大の文字の入ったユニフォームを着た千架(fa4263)である。
「‥‥ストライク、バッターアウトじゃ!」
「いや、俺モデルだし。顔は命、死球なんてコワ‥‥いよう‥‥」
 よく見れば、千架のしているハチマキにはW大合格と書かれていた。どうやら、志望校の制服を作ったはいいものの落ちてしまってどうしようというタイプのようである。
「W大合格、むしろ隣のバカ田大学合格!」
 そう言って、ベンチに置かれた高濃度酸素カプセルに引きこもってしまう千架。
「‥‥ストライク、バッターアウトじゃ!」
 つつくバッターは白鳥沢であるが、こちらもあっという間に三振である。
「え! ボールでしょ?」
 だが、竜華の際どいコースを突いたボールの判定にクレームをつける白鳥沢。
「番長野球たるもの、放たれた球は当然全部ストライクじゃ!」
 しかし、如鳳のこの一言にすべては集約される。こうして竜華は三者三振、完璧な立ち上がりである。
 そのころ、赤組のタケシ本郷(fa1790)はベンチ裏の鏡の前で入念に素振りをしていた。
「俺は代打、代打マ〜ン! おいしいトコ取りの名を受けて、最終打席で戦う男!」
 代打として登場するために、守備につくこともない本郷。延長無制限とはいえ、場合によっては1イニングで終わってしまうこともあるわけで、そんなことをやっているとヒミツのまま終わる秘密兵器になりかねない諸刃の剣。しかし、そんなことは気にしないのが本郷の侠気である。
 それに対し、千架はさっくりカプセルから出てくると、ファーストの守備についていた。こちらはヒミツのまま終わってなるものかと、すべてをさらけ出す気満々である。
 そして、キャッチャーにはミゲール・イグレシアス(fa2671)が入っていた。一応ジョーに扮していたものの、番長とかほどのアクがないので、分かりにくいのが難点である。
 そして、ピッチャーは上野。無謀にもおはぎキャラ継続中のままである。
 1回裏の白組の攻撃。しかし、バッターボックスには名もなきスタッフが立っていた。
「みんな、がんばれ〜☆」
 ベンチからは、本来バッターボックスに立つべきアルケミストが声援を送っていた。萌えキャラ強化月間が当たったのか、うまく一部スタッフを引きずり込むことに成功していたのだ。
 が、所詮は名もなきスタッフなので一瞬で三振である。一瞬イラっときたアルケミストだったが、表情には出さず温かく出迎える。
 つづくバッターは、早くもラストバッターの竜華だ。2人しかしないので、三者凡退でも打者一巡となる超絶オーダーである。
 上野が第一球を投げると同時に、バントシフトであるかのように突進してくる。先程バッターボックスに立って気づいたのだが、的がデカいので近づいて打球を止められたらいいなぁ作戦である。
 だが、あっさりつまづいて転ぶ上野。無論、自力で起き上がれないのは言うまでもない。
 そして、ビーンボールすれすれの投球に、竜華大激怒である。転がっている上野を踏み越えると、無人のマウンドに向かって突進する竜華。
 そこへ、ファーストのすっと飛び込んでくる。突進を止めるのかと思いきや、ポケットからハンカチを取り出すだけの千架。ハンカチ王子といえば青いハンドタオルと相場は決まっているが、千架が取り出したのは赤いタオルである‥‥いや、タオル生地ですらない。赤い布切れである。
「いわゆる闘牛本能を誘って‥‥って、牛じゃねーし!」
 猛牛ではなく猛虎であり竜である竜華の前に闘牛戦法はあっさり敗れ去り、吹っ飛ぶ千架。
「顔はヤメときな。ボディにしな、ボディに‥‥ぐふっ」
 心配無用。きっちりボディーにタックルが決まっていた。倒れた千架が治療のためにカプセルに入れられるが、そういう治療器具ではない気がしてならない。
 ファーストが抜けたが、1ストライクからの再開である。ビーンボールはボールではないか? という疑問もあるが、先程如鳳が宣言したとおりすべての投球はストライクなのである。結局、竜華は三振に倒れた。
 そして、再び名もなきスタッフなのでやはり一瞬で三振である。イライラっときたアルケミストだったが、表情には出さず温かく出迎える。
 こうして1回の攻防が終わり、早くも延長戦に突入だ。延長2回の表の攻撃は、ミゲールからである。
「花は桜木、男は岩鬼!」
 マスコットバットを大量に振り回して放り投げるミゲール。ジョーのキャラを捨て、クソボールマニアに変身していた。口には葉っぱ間違いで発破をくわえている。
 そして、ピッチャーは好投の竜華が続投である。延長とはいえ、まだ2回だから当然だが。
「ごわらごきーん!」
 ど真ん中のボールゆえに空振りするミゲール。だが、好調のバロメータの効果音だけはしっかり口で言っていた。
 チュドーン! しかし、それがいけなかった。発破に強い衝撃が加わり、発破がかかってしまう。一瞬で昔のプロ野球選手のようなパンチパーマがかかってしまうミゲール。
「‥‥わいはボケとらんと死んでしまうんや‥‥ガクッ」
 ボケなくても死に、ボケても死ぬ。どちらにしろ大往生間違いなしのスタイルなので、鋭く負傷退場である。
 しかしこのピンチにあってなお、秘密兵器の本郷は現れない。透明バッターが起用されるが、当然あっさりと三振である。
 そして、再び上野であるが、1回表バッター、1回裏ピッチャー、そして2回表またバッターとこうも立てつづけではコンディションが整うはずもなく、あっさり三振である。
 2回表も早くもツーアウト。だが、千架は未だカプセルの中である。二人つづけて透明バッターではしまらないので、ついに本郷登場である。
「表なのでサヨナラにならないのが悔しいが‥‥代打バットはパンチ力! ホームラン、ただそれ一つを狙っていくぞ!」
 しかも、いきなりの予告ホームランである。
 燃える竜華が渾身の一球を投じる。それを本郷がジャストミート! バットが折れるが、剛力で振り抜いた打球はレフトスタンド向けて一直線。有言実行秘密兵器、まさかの代打ホームランである。
「おや‥‥このバットはどこか変じゃのう?」
 が、如鳳があっさりと折れたバットにコルクが埋め込まれていたことに気づいてしまう。
「Oh〜、Meの国ではホームランを打ちたいときはコルクバットと相場が決まってマ〜ス」
 急にナゾの外国人に早変わりの本郷。それがアメコミ亀には効いたのか、如鳳が手をグルグルと回す。そう、ホームラン確定である。
 しかし、竜華はつづく白鳥沢を三振に切ってとり、最小失点で切り抜けた。後は味方の反撃を待つばかりである。とはいえ、半分は自分のバットでどうにかしないといけないのだが。
 2回の裏はその竜華から。対するピッチャーは疲労の見える上野から、カプセルで瞬時に修理完了の千架に代わっていた。キャッチャーのミゲールも、ジョーに戻って何事もなく復活している。
「気を取り直して‥‥えー、捕手のサインは〜ッ! フォークだと!? タイム!」
 ミゲールをマウンドに呼ぶ千架。その千架のハチマキは、必勝W大に変わっていた。
「受験前に『落ちる』球とか、縁起が悪ぃだろーがっ!」
「あー、分かった。縦に割れるスライダーでいこか。これなら、定員割れで易々と入学っつーことで、ええやろ?」
「OK、いいだろう」
 あっさり説得されて、ストレートを放る千架。本物のハンカチ王子じゃあるまいし、フォークもスライダーも投げられないのである。
 が、竜華は三振だった。ピッチャーに打撃を求めるのも酷というものである。
 そして、三度名もなきスタッフなのでやはり一瞬で三振である。他人をイライラさせるための萌えキャラ作りだったのだが、すっかりアルケミスト本人だけがイライラさせられる始末だ。
 またも打者一巡で竜華に打席が回る。名もなきスタッフならまだしも、竜華としてはこれ以上やられるわけにはいかない。
 カキーン! 痛烈な打球が
守備の人数が少ないだけに、抜ければランニングホームランもありえる。
 しかし、打球は意外なところに収まっていた。ピッチャーでなくともダッシュしてきたおはぎ上野が、そのおはぎっぷりをまったく活かすことなく、偶然グラブにボールを入れてしまっていた。
「バッターアウト! ゲームセットじゃ!」
 延長2回、1−0で赤組の勝ちである。PSFの6点を赤組がゲットだ。
 そして、隠されたままだからこその秘密兵器でヒミツのまま終わるのが通例の中、本当に決勝打を放ってしまった空気が読めてるのか読めてないのかよく分からない本郷がMVPとなった。これで赤組がさらに4点、全10点を獲得である。
「‥‥フッ」
 ようやく黒い笑みを浮かべるアルケミスト。イライラが頂点に達したゆえに戻ったのか、赤組の勝利に都合よく赤組の心を取り戻したのか、それはナゾであった。