「7」花火大会 歌アジア・オセアニア
| 種類 | ショート |
|---|---|
| 担当 | 有天 |
| 芸能 | 3Lv以上 |
| 獣人 | 1Lv以上 |
| 難度 | 普通 |
| 報酬 | 5.5万円 |
| 参加人数 | 8人 |
| サポート | 0人 |
| 期間 | 07/28〜07/30 |
●本文
「火事と喧嘩は江戸の華」と言う言葉がある。この「火事」、「花火」の意味も含んでいるのは現在意外と知られていない。
江戸時代地鎮祭やら庶民の幕府への不平不満、産業工場色々な意味で始まった江戸の花火大会。
今や夏の風物詩と定着している。
古い運河沿いの鉄工場跡地を改装して作られた作られたライブハウス「７（セブン）」。
厳ついコンクリートの外壁と大きな赤錆が浮いた鉄の扉が印象的で、来る人を拒むように聳え立つ。唯一ライブハウスである証拠と言える物はネオン看板ぐらいである。
この「7」夏になると以前は近所で行われる大体的な花火大会に併せてライブをしていた。
「7」のメインステージ裏の大扉を開け、川に上がる花火を見乍らのライブである。
昨年は親父さんの体調不良によりお休みをしていた。
だが今は親父さんも完全復活し、店長も浩介に引きついでいるので、名物のライブをしてみようと言う事になった。
併せて商店会から要望があった打ち上げ会場近くの公園で前日と当日の昼、花火大会を盛り上げるライブを依頼されていた。
「‥‥‥人が集まるかどうかだが、まあそれはそれだな」
●花火の打ち上げ時間
土曜日 19時〜21時迄
雨天及び強風時 順延 翌日同時刻（土日が雨天の場合は、翌々日の月曜日実施）
●ライブ出演者募集！
テーマ 『花火、夏の風物詩』
グループを問わず、ソロ（奏者、歌手のみ）参加も可能
インストゥルメンタル（アカペラを含むボイスパーカッション）も可
ピアノ＆ドラムは、貸し出し可能
ライブでの演奏は、タイトル・歌詞・曲は、オリジナル限定
『ロックアーティストの他に和楽器（三味線、琵琶、鼓、太鼓、尺八）奏者等ジャンルを問わず歓迎』
※公演について
公演日 日曜日（20時〜）
今回バックバンドはおりませんので、ソロで歌う方等は必要に応じて音源をお持ち込み下さい。
＜重要＞出演者衣装について
浴衣（男女問わず）必ず着用のこと
貸出しは一切ありません。
●リプレイ本文
「浴衣で楽器を演奏ってすごい大変そうですね」と富士川・千春（fa0847）が笑い乍ら言う。だが、口で言う程困ってはいないらしい。
それよりもはるちーの興味対象は、罰ゲームなきぐるみの扱いだった。
「しつも〜ん、結局全日通して着ぐるみは使わなかったら誰が着るんですか？」
「‥‥そのままレンタル元に返却だろうな」と浴衣姿の浩介。
「そんな、勿体無いです！」と右手にりんご飴、左手に綿飴を握りしめた浴衣姿の月見里 神楽（fa2122）。
集合時間前に屋台巡りをして来たのだろう。
「神楽、ピンクのウサギさん着ぐるみ、打ち上げで良いから、あの着ぐるみが着たいです！」と拳をプルプル震わせる。
「‥‥神楽は着ぐるみとかも好きなのか？」
楽屋に置いてある荷物には『ごろりかばさん』が混じっていた。
『抱き枕だけど、神楽はじゃすとさいずで着れるのです♪ えっへん』と確か言っていたはずである。
「はい、好きです♪」
元気な返事である。
「さてさて、それより山田のお兄さんにご相談が‥‥」と神楽。
「なんだ？」
「神楽は今、浴衣は着てますが、ドラム対策に、丈の短いミニ浴衣にショートスパッツと、甚平も持ってきたのですが‥‥どれなら大丈夫かな？」
神楽自身はどちらでもいいようであるが、男性の立場からすれば目のやり場に困る。
それにライブ中の撮影は禁止されているが、万が一隠し撮りするような輩が混じっていたら大変気持ちが宜しくない。こう見えても浩介、12歳の娘がいるお父さんである。
「‥‥甚平だな」
「ちょ、ちょっと恥ずかしい‥‥かも」
紅 勇花（fa0034）が着ているのは、数年前に買った物凄く可愛い女の子らしい絵柄の浴衣である。
「そんな事ないよ、凄く似合って可愛いよね♪」
「‥‥何故か当初と目的と違って何故か変な方向に行きました」と溜息を吐くのは、黒地に赤の模様の入った和ゴス風浴衣ワンピースのエルティナ（fa0595）。
「エル、大丈夫です。エルが一生懸命作っていたのは私が知っています」
双児のルナティア（fa5030）は、白地に青の模様の入った揃いである。
「エルがどうしても気になるのなら、クラウンさんに内緒にすれば良いんです」
「今回はあえて伴奏を一切入れず、無伴奏での独唱を考えています」
そう言うＤＥＳＰＡＩＲＥＲ（fa2657）は黒地に織で花火を描いた落ち着いた浴衣である。
「うちではアカペラを歌うのは多分、ディーが初めてかな？ 期待しているよ」
「まきサンと一緒に『那岐』やるよーになって一年以上‥‥早いネ」と笑う椿（fa2495）は赤いYUKATAを身につけ、極めて薄い白い薄絹を頭からふんわり被り幻想文学に出て来るような精霊のようである。
「そうだね、蜜月より少し長いくらいかな」と答えるのは、淡い藤色地にさり気無い色遣いで変則縦縞が入った浴衣に濃藍の角帯を締めた仁和 環（fa0597）。
「‥‥で、早速だけど花火が上がっている最中はLiveだし、良かったら終了後、皆で花火しない？」と微笑み『お徳用パック花火』の袋を掲げるまき。
「そうだな。丁度最後の演奏曲が終了する時に花火大会も終了になってしまうからな」と浩介。
●ライブ With 花火
【光】 P：月見里 神楽
♪♪♪〜
（短いピアノの前奏から始まる曲はしっとりと聞かせるラブソング）
『一つだけ輝く光 見つけた
世界中でここにしか無い輝き
幾つものダイヤモンドよりも綺麗な
君がくれた輝き 僕に灯る宝物
夕暮れ佇む人影
悲しみにくれないで
泣き顔に約束するよ
どんな傷跡だろうと
僕が癒やしてあげるから
流す涙と共に
瓦礫に埋もれても
必ず見付けだすよ
君がくれた希望
僕の胸に宿る輝きは
君がくれた宝物
何物にも負けない光になる
一つだけ輝く光 見つけた
世界中でここにしか無い輝き
幾つものダイヤモンドよりも綺麗な
僕らの輝きは 未来の光になる』
〜♪♪♪
【恋華灯】
Vo：エルティナ、V：ルナティア
♪♪♪〜
（静かなゆったりとしたピアノとヴァイオリンのメロディがステージを包む）
夜天に煌めく 炎に愛される花
あの花に捧げましょう 永遠を繋ぐMadrigale
この夜に誓いましょう 永遠に不変のPensiero
（エルティナの柔らかい声に緩やかなメロディが添う）
この歌に 何１つ 嘘偽りはない
２人 交わし合ったPromessa
この胸を 熱く熱く 燃やす想い
私の全てをかけて 貴方に伝えたい
（フルートの音が優しさを奏で、熱く激しい恋歌を緩やかに優しい歌に変えている）
夜の花よ 急ぎ散り消える花よ
闇の中に 煌めきながら咲く花よ
せめて 今宵だけでも 咲き誇れ
想いを込めた 恋華灯
（やや曲調が全体的に早まり曲全体を盛り上げる
ラスト、ゆっくりと余韻を残し、優しいスローバラードは終了した）
〜♪♪♪
【〜流れ行く 水面に微か 蛍火の〜】 ＳＩＧＮＡＬ
Vo＆：B富士川・千春、G：紅 勇花、Dr：月見里 神楽
（ゆったりとした琴の音がステージに流れる。客席からはステージの後ろでは花火が打ち上げられているのが見える）
♪♪♪〜
また１年がそっと過ぎた
何も変わらない季節の中
変わったのはあなたがいない事だけ
（琴と入れ替わりにギターが入り、重低音を効かせたゆっくりとしたメロディが流れる）
涙落とす暇さえなくて
あなたは旅立つ事を決めた
（ポイントにドラムを効かせ、ゆっくりテンポから転調しテンポアップしていく）
私の想い乗せて 浮かぶ灯篭（とうろう）
あなたが迷わないように道を示す
私の知らない国へ辿りついたら
いつか一緒になれる日まで待っていて
（更にテンポアップしたメロディは、高原を渡る風のようにスピーディに駆け抜けて行く）
夜が落ちるのが早くなった
空を見上げるようになって
変わらず１年が過ぎていく
今日だけは泣く事を許して下さい
（疾走感を強くが続くメロディが一転、「今日だけは」からベースのみの演奏と変わる）
私の想い乗せて 浮かぶ灯篭
蒼く広い海の世界で小さくなった
夜の色に滲んだほのかな灯
愛する人達を優しく導いて‥‥
（再び同じメロディを刻み、後奏へと続く。
暫くサビを引き継いだメロディが続いた後‥‥）
〜♪♪♪
（ゆったりとした琴の音優しくステージを包み、曲は終了した）
【花火の人】ＤＥＳＰＡＩＲＥＲ
（ステージ上に薄い闇が這う、床からの照明がまるで灯篭の灯のように優しい。
ステージ中央に立つディーは観客に向かって挨拶をした後、静かに歌い始める。
その歌はどこか郷愁を感じさせるスローテンポのロックバラード）
♪♪♪〜
「あの花火のように生きたい」と 微笑みながら話した人
「例え一瞬でもいいから 大きな花を咲かせたい」と
（静かにステージを包むディーの声）
「花火はすぐ消えてしまうけど 感動はずっと心に残るさ」
その言葉はきっと本当ね だって私は今でも覚えてる
（やや強く言葉を語った恋人の事を思い出し、思いを噛み締めるように段々と強く歌う）
ほんの少しの思い出と 数え切れない驚きと
胸の奥の小さな傷 残して去っていった人
あなたの願いは今でも あの日と同じままですか
私は今も待ってます あなたが花を咲かす日を
（去ってしまった恋人を思い出し、今も待つ女性の不安な心情を思わせるように逆に「あなたが〜」から徐々に弱く不安げに歌う）
（2番略）
花火を見るたび今でも あなたのことを思い出す
照れたようなあの笑顔と 時々むきになる癖を
あなたの願いは今でも あの日と同じままですか
私は今も待ってます あなたが花を咲かす日を
（ラストに向かい、テンポはゆっくりとなり、去った恋人を懐かしむように歌う）
どんなに離れていても見える 大きな 大きな 打ち上げ花火を
（やや声を弱め、しかし語りかけるように残された女性の思いをハッキリと歌い上げ、曲は終了した）
〜♪♪♪
【ゲッカビジン】 那岐
☆＆B：椿、★＆三味線：仁和 環 『』‥‥ハモリ、「」‥‥ユニゾン
（床からのダウンライトとスモークが幻想的な雰囲気を漂わせる中、椿とまきが淡いピンクのスポットライトに導かれて各々のボジションに着く。椿は椅子に絹を挟まないように位置をずらす）
♪♪♪〜
（ステージに流れるように琴が奏でられた後、シンバルの音が入る。叩き込むような三味線とベースが加わり、激しく艶やかな前奏を奏でる始める。ピアノは煌めく星のように輝く。琴と三味線、ピアノとベースとメロディは流れ移り響かせる。艶のあるアップテンポの和洋折衷ロック）
「艶やかに 儚げに
咲くは一夜の夢の華」
（甘く花（地上の月下美人と天の花火）を愛しむような歌声が観客を魅了する。
ピアノと琴の音が流れるように滑り変化する）
☆月の下 輝きは凌ぐほど
★暁まで甘い夢 溺れさせて
（ドラムはリズムを刻み、各所でシンバルのアクセントが入る）
『華やかに 手弱げに
囁くは一刻の愛の歌』
（歌も音も徐々に強く、三味線とベースのハーモニーが二人の声に広がりを更に与える）
☆夜の中 花開く美しさ
『散り行く花弁さえ ひとつ残らず芳しく』
（一拍置き、『芳しく』で更に高く伸ばす）
☆忘レナイデ
★忘れないよ
『魂深く刻む姿』
（二人の声が語るように歌う声を邪魔せぬように弱音ながらも確りと紡ぐ旋律）
★咲き誇れ
☆咲キ誇ラセテ
『瞬く刻さえ愛おしい』
（華やかで艶やかに響く椿の中性的な声）
（ドラムのリズムが曲を一気に盛り上げる）
『Bloom flower of the Summer』
☆白いハナビラ 紅に藍に
★空の花 その身に映し
（艶やかに、かつ情熱的に力強く奏でる三味線とベース。ピアノは和音と高音を震わせ、琴は音を揺らし、観客を魅了する）
『Bloom flower of the OneNight』
（ラストへ向い、更にメロディは強く盛り上がって行く）
「夜空彩る 燃える花
冷めぬ熱 空と大地で」
『イツマデモ』
（二人の声は切なげに高くハモリ伸び、ステージを包む。ドラムと三味線、ベースがリズムを刻み、曲はカットアウトし、終了した）
〜♪♪♪
＊＊＊
ライブ客がはけたをの確認すると、店の前にスタッフルームから折り畳み椅子やら番台を持って来る浩介。
バケツと蝋燭を用意し、まきの持って来た花火でお楽しみである。
「飲み物で乾杯、それとも花火で？」
「もちろん、花火でしょう！」
蝋燭の炎に銘々持った花火を近付ける。
パチパチと音を立て燃え、綺麗な星を散らす花火。
「「「「「「かんぱーーーーい！ お疲れ様（です、でした）！！」」」」」」
「しかし、見事にスローな恋歌が揃ったよね」
「ホント不思議だよね」
わやわやと花火を楽しみ乍ら、今日のライブを振り返る。
「おーい、飲み物とスイカもあるぞ」
「「「「はーーーい♪」」」」
神楽はウサギぬいを着ているのでかなり暑そうである。
「山田のお兄さん、ジュース頂戴！」
空を飾る花は消えてしまったが、地上の花はまだまだ輝いているのであった。
