ザ・DOG DVDアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 有天
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 7.9万円
参加人数 7人
サポート 0人
期間 08/13〜08/17

●本文

 TOMI−TVの深夜枠に「潜入捜査官−ザ・DOG−」というドラマがあった。
 目出たく外伝「ゆかり」がONエアされ、1stシーズン、終了と相成った。
 裏ではTOMI職員のメイン脚本家が誘拐されたりとかゴタゴタがあったが、そんな事はTOMI全体の営業には関係ない。2ndシーズンに向け、この夏はDVDを発売しようということになった。
 それもBOXで。
 どうせならオマケDVDを着けようと言う事になった。

「ま、あれだな。内容はNG集やら未公開シーン。ぶっちゃけイニシャルトークという所か?」と鬼塚ディレクター。
「‥‥‥そうですね。ですが、どうして脚本家の私が呼ばれるのです? イニシャルトークというのは、出演者達が自由に話し合ってできるのではないんですか?」
 よしりん☆のピンチヒッターに抜擢された男の頭は今風だった。
「馬鹿やろう! 100%フリーなんて危険な事ができるか。ある程度は事前に打ち合わせてDVDに載せられる内容を確保しないでどうする?」


「‥‥‥と言う訳でな。皆からアイデアを募集したいんだが、何かあるか?」

●ドラマ「潜入捜査官」DVD制作委員会 おまけDVD制作参加者募集

 尚、2ndシーズンは、従来のサスペンスを主軸とし、鴎木 正克・橘 正三が総纏、橘 公子が狼、篠塚 弘毅が犬飼となった「犬は人を殺す為の道具にあらず人を活かす為にある」という『ザ・DOG−2007−』と法と秩序が崩壊した近未来の日本を舞台にしたアクション娯楽「人を守る為なら手段を厭わず全てを地獄の業火で焼き付くす」という『Kerberos−地獄の番犬達−』の2系統に別れる事が正式決定した。


「次回の番宣は『2007』の方は兎も角、『Kerberos』は入れても入れなくても良い。1stシーズンとは掛け離れているからな。同じ犬や犬飼と言った用語は使うが、社内でも別物と考えているからな」


●用語
「犬(DOG)」潜入官、サポーター、リーダーによって構成される実働潜入捜査チーム(部隊)。
「実働潜入捜査官(潜入官、顎(牙))」調査対象組織に直接潜入する実働潜入捜査チームの捜査官。
「サポーター」潜入捜査チームの補助役。潜入官を助け、情報収集・解析、回収・廃棄、配車等を行う。
 潜入官とは異なり、戸籍を捨てていない者もおり、定職に着いている者も多々いる。
「リーダー(ドッグヘッド)」実働潜入捜査チームを指揮。1チーム1リーダー。
「犬飼(ブリーダー)」複数の犬チームを纏める人物。複数いるらしい。
「鳩」犬飼専用の連絡用員。リーダーのみと接触。
「狼」組織全体の不利益になる人物を始末する事を専門にする始末屋。銃を携帯している。独自の支援組織を構成している。ランクは犬飼と同等。実数は総纏のみが知る。
「総纏(そうまとめ)」非合法な組織「犬」の最上層部、公安や警察、閣僚経験者や経済界等良識者達(円卓)で構成される。


●2007側、人物解説
『鴎木 正克』総纏。
『橘 正三』 総纏、現職の国会議員。
『橘 公子』 狼の1人。正三の娘。
『篠塚 弘毅』犬飼、元犬のリーダー。現在IT企業に勤め、養女1名と同居。

●今回の参加者

 fa0065 北沢晶(21歳・♂・狼)
 fa1414 伊達 斎(30歳・♂・獅子)
 fa2657 DESPAIRER(24歳・♀・蝙蝠)
 fa3135 古河 甚五郎(27歳・♂・トカゲ)
 fa3306 武越ゆか(16歳・♀・兎)
 fa4773 スラッジ(22歳・♂・蛇)
 fa5541 白楽鈴(25歳・♀・狐)

●リプレイ本文

「おまけの映像特典ですかー。あったらお徳な気がするんですよね、あれ」
 でも最近はおまけ分の値段が上乗せされてて、全然おまけじゃねーという物ばっかですけどー。と初対面ながら言いたい事を言う北沢晶(fa0065)。
「お前がスタッフでよかったぜ。出演者だった日には『何を言われるか』って胃が痛くなる所だ」
 そう苦笑する鬼塚。
 本編だろうがDVD編集だろうが、あいも変わらず出演者もスタッフも個性的な面子が集まる「ザ・DOG」の現場である。
「それにしても、美人な女の人が沢山居て良いですなー。こっそりカメラで撮ったりできないもんですかね」と晶。
 役者さんの素顔を特典封入みたいな企画も盛り込めたらーとか。決して女優さん達を色んな角度から眺めたい訳じゃありませんよ?
 そう続ける晶。
「女性出演者の衣装セレクションとか‥‥まあ深夜番組らしくマニア向け企画が出るとか思ったが‥‥まあ、いいんじゃないか?」
「そういうの、ありなんですか?」
 さりげなく若い女性に人気のブランド品が衣装や小物に使用されているのは、あまり知られていない。
「残念か?」
「勿論ですよ。男なんて見ても楽しくないじゃないですか」
 女の子大好き宣言をしている晶らしいコメントである。

「ついでに解説本とかの集合写真で、こっそり端っこに他の第三者を入れたらファンの間で『これ誰?』と噂になる事間違いなしですな♪」と楽しそうな晶。
「どうせなら『鴎木兄弟』の高校生時代の卒業アルバムとか訳の判らない集合写真を作って、そこにスタッフの顔を全部入れてしまうと面白いかもな」と鬼塚。

「製作秘話とマル秘スケッチのコーナーを5分程。パソコンで読み込むと、ブラウザで写真とテキストが見れる隠しトラックを潜ませてはどうですか?」
 写真は映像方面だと制作風景ですね。セットやロケ風景をこっそりと‥‥あと、普段の犬は人間ドラマですから、滅多にないSPの銃撃シーンの連取風景なんてお宝じゃないかしら? と古河 甚五郎(fa3135)が言う。
「まあ劇中使用武器とかの紹介もあってもいいだろうな。しかし‥‥制作風景か、番宣特番の資料映像は残っていたとは思うが‥‥」と鬼塚。
「忘れちゃ行けないのは、鬼塚さんの罵声ですけど‥‥NG集に入れちゃっていいですか?」
「馬鹿野郎、んなもんいるか!」


●DVD 暴露話は秘密味?
 丸テーブルをぐるりと囲んで座る6人の男女、出演者の首から腰までのショット。
 各参加者毎にカメラが寄るとイニシャルが画面上に表示される。
 男が一人やってきて、テーブルの中央に山盛りにされたマフィンが乗ったケーキ皿、そして小洒落たティーセットを並べていく。

「さて‥‥何から話したらいいのかな」
 出演回数が一番多い、エプロン姿の男性俳優「I・D(伊達 斎(fa1414))」。
「やっぱりコレからじゃない?」とマフィンを指差すのは、5話と6話に出演経験がある今回のトーク最年少女参加でトークの進行役を務める「K・T(武越ゆか(fa3306))」。
「プライベートでもお料理が得意な『I・D』さんが、今回の‥‥このマフィンもそうですが、収録で使用されたマフィンも『焼かれた』とお聞きしますが‥‥?」と女優として出演経験もあるが、お正月SPのエンディングテーマ曲を歌っていた「D(DESPAIRER(fa2657))」が触れる。
「確かにオフの気分転換に趣味の菓子作りはしますが、収録で使用するほどの数はさすがに作りませんよ。まあアレ以降‥‥何故か、事ある毎に知人にネタにされていますが」
 苦笑いをする「I・D」。
<5話『スノーフレーク』のシーンが割り込む>
 今回はネタと言う事で焼いてきましたが。よろしければどうぞ。と笑う。
「あ、遠慮なく戴きマース☆」と「K・T」が手を伸ばす。

「しかし‥‥このイニシャルトークというのは面倒だな」と「エキストラ代表 S(スラッジ(fa4773))」が溜息を吐く。
「本当は『総纏が集まる円卓』にしようかと言う話もあったらしいんですよ」と「裏方代表 J・K」。
 彼もまた役者出演がある。
「『円卓』は画面では判りにくいですが、ちゃんと各総纏毎に机に置いてある小物が違ったりするんですよ」
 暴力団事務所とかもですね。映るのはほんの一瞬ですが、色々ディテールに拘って毎回デザインが違うんです。
<円卓と暴力団事務所のカットがモンタージュのように割り込む>
「濃い割には報われない」と笑う「K・T」。
「大変でしたよー。濃くて」と「J・K」。

「SP、この時も大変だったって聞いたわ。その辺の詳しい話は『S』さんや『J・K』さんがしたほうが良いと思うけど?」
「SPですか‥‥あれはセットや撮影許可が大変で‥‥お百度ならぬ許可詣に病院とか通いましたよ」と「J・K」。
「俺は春のSPに暴力団の組員として出演させてもらったのだが、あの話は激しい銃撃戦や爆発シーンがあったので、役者は銃器の扱い方の指導をうけたり、爆破の専門家を呼んでタンクローリーを爆発させたりとかなり拘ったものになっているな」
 一度見た者も再度DVDで注意して見てもらえれば幸いだ。と「S」。
 折角苦労して作ったセットでも、ロケで苦労をしたシーンでも、放送では一瞬でお仕舞いというのは良くある。
 SPで作った教団施設は全景ミニュチュア模型は、引きのショットで使われるより教団内入り口受付のオブジェとして映っていた方が長かった。
 銃撃シーンは、放送時間より出演者に課せられた訓練の方が時間が掛かっていたりする。
<春SPの爆発シーンと出演者の訓練シーンが割り込む>

「そういえば『D』さんは冬SPは『Destined』のボーカルとして参加していたんだよね?」
「ええ‥‥『犬』という生き方と『人』としての迷い、『人』であることを止めたが故に、かえって『人間らしい』姿を見せる『犬』達‥‥自分としてはそう言った部分により強く魅力を感じる方なので、特にそういった面の強いSPや外伝は個人的にはとても好きな話でした。
 なので、SPのエンディングを歌えたのはとても光栄でした」と「D」。
<「D」のレコーディング風景が割り込む>

「7話では『久方絵美』役で出演しましたが‥‥『久方絵美』役=『狂犬』のエンディング歌ってた人って、実は気づいていない視聴者の方も結構いたのではないでしょうか?
 もっともDVDBOXを買って下さるような大ファンの方なら、さすがに気づいていそうですが‥‥絵美は余り目立たない役でしたが‥‥ああいうワルっぽい役は余りやったことがなかったので、自分でも新鮮でした」
 物語開始時点で死んでいる人の役をやること自体は‥‥割りと幽霊役が多いですから‥‥そんなに珍しくないのですが」とくすりと笑う「D」。
<未公開の絵美が犬として活動するシーンが割り込む>
「検挙側は死なないけど、潜入官や他の人は良く死ぬわよねー」と「K・T」が明るく返す。

「私も死んじゃいました」と外伝で保育士を演じた「H(白楽鈴(fa5541))」。
「立ち向かう敵は巨悪でも『守り生かすのは人』‥‥って路線は、最初から貫かれてるのよね。『犬』と『狼』の一線っていうか結構エグい事してるけど、ハンティングでは『人を守る』のは鉄則なのよねー」と「K・T」。
「自分が出演したというのもありますが、そういう意味では冬SPと外伝は印象的ですよね」
 そう言う「H」に言葉を続ける「I・D」。
 一番出演が多い『篠塚弘毅』とSPでは『裏切り者』の『狂犬=梁瀬祐輔』を演じた「I・D」。
「僕も外伝や冬SPはある意味印象的に残るね。僕の演じた『梁瀬祐輔』は家族を持ちながら犬として生きる者の葛藤と末路を悩み。『篠塚弘毅』は守る為に初めて自分の手で人を殺めた」
「冬SPはいいですよね。『狂犬』になるしかなかった男と『狼』になった男の友情と心情が良く出ていて」
 外伝は、篠塚に死にかけた円がゆかりちゃんを頼むシーンが思い出深いんですが、『I・D』さんにとっても篠塚の転機ですから一番思い出深いのではないですか? と「H」が笑う。
<追い詰められた祐輔が友にであるリーダーに思いを告げるシーンと弘毅が銃を撃つシーンが割り込む>

「制作ノートにある『葛藤し乍ら戦うダークヒーロー達‥‥』ってまさに『葛藤する犬』=『篠塚』だよね☆ でも篠塚は、ハッカーっていうよりも『ハッキングされている人』のイメージがあるかも♪」と「K・T」。
「あー‥‥『狼』に?」と苦笑する「I・D」。
「狼だけじゃなく。6話でも逆ハッキングされてたんだけど、あれって本当にオカルト? ‥‥協力者と複数連動サーバと独自ウィルスって考えると相手は『人』なんだだけど」と「K・T」。
「一応、オカルトなんじゃないんですか? たしか‥‥教祖は篠塚がサイトの事を調べる前に死んでいた訳ですし?」
<カンペが出てくる>
「え‥‥どちらとも取れる演出を心がけました。だってちょっとズルかも」
「全体に言える事は『犬』になる人は一般人が多いですよね。だからかもしれませんが、何気に笑えるシーンがあったりして」
「僕が面白いと思ったのは、3、7、8話の狼からの非通知電話に篠塚が『君は誰だ?』の3連発だな」と「I・D」。
<カンペが出てくる>
「‥‥あれは脚本家のこだわりのぷち『お笑いシーン』?」
 訳判らないこだわりシーンね。と「K・T」。
「自分はまあ‥‥バミ中にスカウトされた4話の『被害者の箱詰め』シーンでしょうか?」
 リハで卍固めされたりとか‥結構大変でした。と「J・K」。

<カンペが出てくる>
「VTRの残りが少ないから纏めろ? はいはい、しょうがないわね。話題は尽きないけど、という訳で次回2ndシーズンに向けての豊富を一つ!」
「人として護るものが出来てしまった篠塚は、犬である事をやめる事はないし、辞められない。だろう」と「I・D」。
「俺も次はエキストラではなくどこかで出演しているかもしれないので、応援を宜しく頼む」と「S」。
「今度はNGを出さないように頑張りたいですね」と「H」。
 トーク参加者の豊富が流れ、画面が暗くなる。
『ザ・DOG』のテーマ曲とテロップが流れ、その脇にメイクをされるスラッジや子役の名前を間違え続ける鈴などNGシーンが流れる。



 ──暫く黒い画面が流れた後、画面に『特報』の白いロゴが浮かび上がる。
 続いて銀色に輝く『ザ・DOG−2007−』と言うロゴと炎に包まれた『Kerberos−地獄の番犬達−』のロゴが画面狭し駆け巡り、お互いにぶつかり消える。

 モノクロの映像──。
 暗い部屋の中、PCの明かりだけが照らす。
 キーボードを叩き、犬達に指示を出していく犬飼と思しき男‥‥サングラスに映りこむディスプレイの明かり。
 影に隠れた男の側に青いぬいぐるみを抱えた少女が眠る。
 国会議事堂の階段を登る男と自室から国会議事堂を眺める男。
 暗い円卓に並ぶ影、机の前にスポットライトを浴び、画面に背を向ける男。銃を構える女の映像が混ざり合って流れる。
<男性ナレーション『犬は‥‥人を殺す為の道具にあらず‥‥人を活かす為にある。ザ・DOG、2007‥‥』>

 画面ブラックアウトする。

 炎に包まれた『Kerberos』のロゴ。
 突然激しいロックビートが流れる中、パトカーが横転、炎上する。
 美しい空を突く摩天楼。
 発展した近未来都市をイメージさせる高層ビル群。
 荒廃した町並みを映し出す。
 画面は切り替わり、どこかのライブハウス。挑発的な衣装を纏った女性ヴォーカリストが、ステージで激しく歌う。
 武器やドラッグをボックス席で取引をする男達。
 マシンガン等で武装した男達が乱入して、激しく銃をぶっぱなす。
 床に押さえつけられた男に馬鹿にしたように見つめる男。顎で手下達に処分を命じ、
 夜の街道を翔る抜ける車、追いかける車のウィンドウが開き、簡易バズーカー砲がせり出る。
<男性ナレーション『法と秩序が崩壊した近未来の日本を舞台にしたアクション娯楽、Kerberos。人を守る為なら手段を厭わず全てを地獄の業火で焼き付くす地獄の番犬達』>

『TOMI−TV、この初秋放送開始予定──』
 ロゴの後、画面が黒く反転する。

 再び画面に『スノーフレーク』のセット。
 椅子に座るゆかが写し出される。
 画面の下に小さなアニメの犬が表示される。
 愛らしくあくびをしたりと、ちょこちょこと歩く。
「最後まで『潜入捜査官−ザ・DOG−』DVDBOX特典DVDを最後まで見てくれてありがとう。特別に、このDVDの秘密を教えちゃうよ☆ パソコンでこのDVDを再生すると表示される専用ブラウザから制作スケッチと台本抜粋が見れます。
 普段は目にすることがない打ち合わせ風景からスタッフの落書きまで、特典壁紙も盛りだくさん! 絵は各話毎ですが、2007とKerberosも隠されてます♪ 携帯でもDVDの最後のQRコード読むと、特設着メロ&デコメサイトに行けるから皆、要チェックだよ☆」
 ゆかの台詞が終了すると犬のアニメだけが丸く画面に残る。
 犬は一声吠え、映像は全て終了した──。