「R・A」PV撮影Nov南北アメリカ

種類 ショート
担当 有天
芸能 2Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 3万円
参加人数 10人
サポート 0人
期間 11/15〜11/19

●本文

「今月の曲は、久々にヒットだなぁ♪ 無料試聴分のアクセス数も結構いっているし」
 2袋目のチップスの袋を開け乍らインターネットコンテンツサービス会社の在宅職員ロック・ライフ(23)は、御機嫌であった。
 パソコンの画面に写し出されているのは、「11月のお勧め曲」のサビだけを無料ダウンロードできるサービスへのアクセス数と掲示板であった。

 ロックの仕事は、新人ロッカーとインディーズバンドを発掘する「ROCK・AWARS」の担当。
 毎月下旬に次月の「お勧めの曲」を募集し、プロモーションビデオの手配をしていた。
 はっきりいって選ばれる曲は、ロックの主観(好き嫌い)選ばれる。
 なので複数のメジャーアーティストが選ばれるときもあれば、全く無名のアーティスト1グループ(1名)が選ばれる場合がある。
 上司も「聴くのは、一般視聴者。プロじゃない。お前の好きに選べ」といった態度ゆえ、最終選考に残った曲全曲がお勧めになったり、また全くなかったりする場合もある。
 尤もお勧め曲のプロモーションビデオは、予算の関係上1曲分しか作られないのだが。
 お勧め曲に「該当なし」や「トラブル」があった場合は、「***のプロモーションビデオが見たいとリクエストがあった」等と適当な理由をつけて古いビデオを使い回していたり、適当なプロモーションビデオを作って流していた。

 カレンダーを見乍ら‥‥。
「いい加減プロモーションビデオの撮影に入らなきゃ行けないけど‥‥皆、来れるのかな? 来てくれたら嬉しいけど、まあ来れなかったらその時はその時さ」
 かなりいい加減である。
 ロックは、知合いのプロダクションに電話を掛けた。勿論、パソコンから。

●「『ROCK・AWARS』11月お勧め曲」のプロモーションビデオ撮影関係者募集!
 歌手、バックバンド、バックダンサー。
 カメラマン、メイク、衣装、大道具、小道具、演出家、音響、監督他。
 ピアノ&ドラムセットは、貸出しあり。

●今回の参加者

 fa0629 トシハキク(18歳・♂・熊)
 fa1099 樹神(26歳・♂・アライグマ)
 fa2266 カリン・マーブル(20歳・♀・牛)
 fa3797 四條 キリエ(26歳・♀・アライグマ)
 fa4033 西野原・琥珀(27歳・♂・亀)
 fa4738 MOEGI(9歳・♀・小鳥)
 fa5005 橘弥真彦(32歳・♀・豹)
 fa5035 ラファエロ・フラナガン(12歳・♂・狼)
 fa5040 Uranus(26歳・♂・竜)
 fa5043 麻波アサハ(17歳・♀・狐)

●リプレイ本文

●顔合せ
「遠い所、皆集まってくれてありがとう♪」と一同を見回して挨拶をするロック。
「今回の機会を用意してくれたことを感謝したい」とトシハキク(fa0629)
「こっちこそメジャーな君が参加してくれてハクが着くし♪」
「ああ、参加するからには、皆で全力を出し合ってしっかりとした最高の作品を作り上げるぜ」
 ジスの言葉に経理から「最近、予算オーバー」と釘を挿された事を思い出してしまったロック、思わず顔がひくつく。

「‥‥ふふ、10月に1度投稿してみたけど、かすりもしなかったっけ‥‥」とMOEGI(fa4738)は、ロックが担当者と知り、暗い笑顔で言った。
「そうなの?」とロック、ちっとも覚えていないらしい。
「そうだよ。あたし、普段はソロで動くことが多いから」
「あー‥‥僕のお腹と同じで神様の采配は、気紛れんなんだよ。チップス食べる?」と誤魔化す。

 反対に元気なのは、四條 キリエ(fa3797)
「ラフィーにもえぎ、それからスタッフの皆、宜しく&頑張ってこー♪」
 どうやら久々の音楽系の仕事を受けたの御機嫌らしい。

「ヒコ、頼まれていた。曲のマスターテープだよ」とラファエロ・フラナガン(fa5035)
「いいプロモーションビデオができるよう、全力をつくしますね」と橘弥真彦(fa5005)
「橘弥殿、必要な道具があったら教えてくれ。我が輩が確保と製作をする」とUranus(fa5040)
「橘弥さん、撮影場所の候補リストできたら一番に教えてください。ビルの明かりとか‥‥明るすぎると星も月も見辛くなるので、事前にトシハキクさんとチェックをしたいっすけど」と西野原・琥珀(fa4033)
「ヒコさん、手配から絵コンテまでモテモテ大忙し?」とロック。
「ええ、モテモテで大忙しです。アシスタントは派遣してもらえるの?」
 曲を元に絵コンテを作成し、それに併せて大道具やカメラワーク、照明等を決めていく。
「一応ね。手配の手伝いは、僕もしよう。取りあえず建物の屋上から綺麗な星と月が見えて、他の構築物が少ない所だね」とぐうたらなロックにしては珍しく積極的である。余程、経理からきつく言われたらしい。

 ***

「衣装はカジュアルが良いって聞いたから、ジーパンにシャツ、ブラウス、スカートとか持ってきたわ。今日数点選んで貰った物を現場であわせるようにする感じでいいかしら?」と樹神(fa1099)
「はい」
「あと、ラファエロさんは普段三つ編みでおろしているようだけど、アップにまとめてみるのが面白いかなと思うのよ。それだけでもいつもと違った雰囲気になるし」
「‥‥お任せします」
「メイクはね。二人ともピチピチのお肌だし、派手になりすぎないようナチュラルにしようと思うんだけど、どう?」
 どうやら顔合せの時の樹神と今のオネエ言葉のギャップに頭がフリーズ中のラフィー&もえぎ。元気な子供を黙らせる狙いであれば凄いのだが、普段からお仕事モードになるとオネエ言葉になるらしい。
「仕事にメリハリをつけるのは良い事だよね♪」ロックの感想である。


●夜間撮影
 琥珀、ジスによる入念なロケハンとカメラテストにより撮影場所は、都心から離れた郊外の街が選択された。大きな観光資源もない小さな街の為、撮影に協力的であり、街で一番高いビルもすぐに無料で借りられたのは幸いであった。
 更に幸運な事に撮影当日の降水確率は0%、雲一つない夜空が綺麗な状態にみまわれた。ジスと琥珀は、ラフィーとモエギを呼んで、カメラテストや光量のチェック等を入念に行っている。ウラっちは、指示され雑多な光を消す為にあちらこちらに布を被せたり、機材の目隠しを状況に併せて作っていった。樹神はライトに併せて当初用意していたオレンジ系のメイクをピンク系に変更する事にしたようだ。

 今回、カット毎に撮影され、撮影しては映像の確認を繰り返す。
「こういった撮影は何度やっても楽しいんだが、出演の二人は大変だな」とジス。
 絶好の撮影日和だが、逆を言えば放射冷却で非常に冷え込む。ラフィーともえぎの二人は、薄い衣装の上にコートとマフラー、手袋をしてストーブの前に立っているが、撮影の数分前にはストーブの前から離れ、息が白く写らないように氷を口に含んでスタンバイしている。
 カメラが回り、一見平気そうに見えたもえぎは緊張していたのか、NGを出しまくっていた。
 顔のアップ等、空が写り込まない部分だけ一通り先に撮影し、「夜明け」待ちをしている間は全員で休憩となり、キリエとヒコが用意した温かい飲み物をすすり乍らストーブを囲んでいた。


●録音&編集
「さーてとこれからがあたしの本番!」とキリエ。
 1人では大変だと、ヒコと琥珀が手伝いを申し出た。

 曲に関しては今回、新たにスタジオでパート毎を録音にして合成する方法が取られる事になり、それに併せキリエが半獣化してドラムを追加する事になった。人間のスタッフは休憩等の適当な理由をつけてスタジオの外に琥珀が連れ出して行き、その間の録音はヒコが行う事になった。

 夜間の映像は厄介な代物である。うっかりするとすぐに星空が消えてしまったり、黒く潰れてしまって役に立たない。琥珀のいう「明るすぎず、暗すぎず、両方とも主張しすぎず侵食しすぎず」という所だろう。
 琥珀とジスが細心の注意を払って撮られた映像にキリエが色調整を掛けていく。
「やっぱり自然な光が一番だからね。違和感がないように綺麗に仕上げるからね」

 こうして編集されたテープに音が重ねられPVが完成した。


●完成試写
 明け方前の暗い空の下、西の空に傾き柔らかい月の光がビルの屋上を照らす。
 月を大きく写し出してたカメラはゆっくりとターンし、ラフィーともえぎを見下ろす形で写す。
 二人の全身が写し出された所で曲がスタート。
 最初は風景と二人を中心に、ゆったりめにウェストアップ。
 サビで一度アップにしてから屋上全体が写るロングに切り替える。
 ラスト、夜明けの色に変わり行く空が写し、ラフィーのアップに寄る。
 ラフィーが遠くの方を見つめ、何かを見つけたように懐かしそな表情を浮かべる。
 目線を追う形で画面がホワイトアウトし、テロップが流れる。


「いいできだね♪ 折角、ラフィーが日本語歌詞も着けてくれたからこれもホームページにアップしよう♪」と御機嫌なロック。
「ああ、良かった。やっぱりシックな感じが出るようにって紫系のライトしたけど、出演者が子供だからどうかな? って心配だったんっすけど」とホッとしたように琥珀が言った。



 こうして、完成したPVはホームページに無事アップロードされた。



【New!】11月お勧め曲PV「期間限定『日本語版歌詞ダウンロード』特典付き」

 Title:『While waiting for the star and daybreak』

「 I want to turn around again at the daybreak thought you.
  However, you are not any longer. It vanished at daybreak.
  If tears are thrown very much, it might be able to reach you at last.
  ─I only sing because I know that it is providing for which it is never suitable.
  Once ..reading.. at daybreak of that day.
  Once ..reading.. at daybreak of that day.
  The moon conceals the appearance, Hoshihoshi vanishes,
  and I want to return at time and that time that had been buried in drowsiness.
  It is too dazzling. eye difference of the sun─.  」


【和訳】
 君と見ていた夜明け、もう一度振り返りたいよ。
 だけど、君はもういない。夜明けの中に消え去った。
 どれだけ涙を流せば、君へと辿り着けるのだろう
 ─それが決して適わぬ定めだと知っているから、僕はただ歌うだけさ!
 あの日の暁よ もう一度! あの日の暁よ もう一度!
 月が姿を隠し、星々が消え去りし時、眠気の中に埋もれていたあの時間に帰りたい。
 太陽の眼差しはあまりに眩しすぎて─。

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【演奏】
  ギター      ラファエロ・フラナガン
  ベース         MOEGI
  ドラム        四條 キリエ

【スタッフ】
  絵コンテ        橘弥真彦
  撮影          トシハキク
  録音・編集      四條 キリエ
  照明         西野原・琥珀
  メイク・衣装       樹神
  大道具        Uranus
  製作          橘弥真彦