−ザ・DOG−企画募集アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
有天
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芸能 |
2Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
易しい
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報酬 |
2.7万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
12/01〜12/05
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●本文
「皆の者、耳をかっぽじいて良く聞くがいい! 『視聴率が予想より良い』とのお言葉で、新年スペシャル放送をしていいとのお達しがあった! 一挙に3時間前倒し、22時台で放送だ!」と吠えるは、ディレクターの鬼塚。
「おおっ!」野太い歓声と拍手が、スタッフから上がる。
「だが、ここで問題だ。こいつは他の脚本はできているが、今回のスペシャル分の脚本がない」
ざわつくスタッフ達。
「で、今回、公募してみようかと思うんだが? 皆は、どう思う?」と鬼塚は、にこやかに言った。
放送日から逆算すれば、とっくに台本が上がっていないと拙い時期である。スタッフに「反対」という選択肢は、なかった。
****
潜入捜査官 −ザ・DOG− 新春スペシャル『狂犬』 原案募集!
貴方のアイデアが、ドラマになります。
プロ・アマ、職業(スキル)は、問いません。
内容は「放送済み・放送予定」に被らない事。
モザイクなしで放送できるお正月に相応しいハードアクション&バイオレンスを求む!
●製作ノートより −概要−
犯罪組織撲滅の為にだけ組織されている司法の犬たち。
元死刑囚や犯罪組織に肉親を殺された家族たち等で構成されている潜入捜査官。
警察機構に属さず、逮捕権、銃の携帯等一切ない『非合法』の組織。
彼等を待っているのは、偽りの名前と裏切り者という呼び名。
誰も本当の彼等を知らず、一時的に与えられた偽りの顔、偽りの中の孤独で辛い仮の生活‥‥‥。
構成員達は自チーム以外との交流を行わず、時に同一犬飼配下の捜査チーム同士、敵味方に別れ戦う事。
任務成功の折、偽りの名のまま犯罪者として逮捕され、生死の危険に晒される事もある。
彼等を突き動かすのはただ一つ、「悪を許してはおけない」という捜査官達の熱い思いだけ。
自らを『使い捨ての駒』と知り、
悪行を潰す為に自らも悪を行う矛盾、
仲間を見殺しにする非情さを抱えて葛藤し乍ら戦うダークヒーロー達。
****
「犬飼A『橘 正三』、専属鳩『橘公子』」の下で動く『犬チーム』の活躍を描く。
完全一話完結、毎回主役チームが変わる(1事件解決毎に解散方式)。
チーム構成、男女を問わず10代前半から60代まで『1名から10名』程度。
継続協力を申し出たメンバーは、他チームメンバーを含めて再編成をされる。
捜査毎に潜入官の保身の為、整形手術や戸籍偽造によって別人になりかわる事もあり、終了した任務についてはチーム内でも一切公言することを禁じられている為に以前同じチームで働いた事がある人と接触しても判らないと言う事もある。
●用語
「犬(DOG)」潜入官、サポーター、リーダーによって構成される実働潜入捜査チーム(部隊)。
「実働潜入捜査官(潜入官)」調査対象組織に直接潜入する実働潜入捜査チームの捜査官。
「サポーター」潜入捜査チームの補助役。潜入官を助け、情報収集・解析、回収・廃棄、配車等を行う。
「リーダー」実働潜入捜査チームを指揮。1チーム1リーダー。
上層部との連絡・交渉、一部メンバースカウト等を付けたりする。
「狼」完全単独で動く特別潜入官。必要以上に関わってしまった一般人の処分等も行う。
※犬組織上層部
「鳩」犬飼(ブリーダー)直属の連絡要員。複数名存在。『橘 正三』に関しては鳩『1名』
「犬飼(ブリーダー)」複数ある『犬』チームの統括者。基本的には『犬』達と接触しない。複数名存在。
「総纏(そうまとめ)」犬飼たちを纏め、潜入捜査官組織を結成した人物。その正体は不明。
Aチーム
『実働潜入官(顎、複数)――\
サポーター(手足耳目、複数)―リーダー(頭)』―\
Bチーム―――――――――――――――――――――犬飼A(鳩A)―――\
Cチーム―――――――――――――――――――――/ |
: 犬飼B(鳩B1、2‥)―+――総纏
: 犬飼C(鳩C1、2‥)―+
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狼――――――――――/
『橘 正三(たちばな しょうぞう)56歳』
立場:犬飼(ブリーダー)A
第4、8話に登場。
最年少で最高裁裁判官有力と言われた男。
逆恨みした元受刑者に傷害を負わされ、妻死亡傷を理由に裁判官職を退く。
現在、弁護士。杖または車椅子を使用。
一人称:私、二人称:〜さん
口調 : です、ます、でしょう、〜ですか?
『橘公子(たちばな きみこ) 27歳』
立場:鳩A
橘の娘。父、正三の秘書兼ボディーガード。柔道と剣道の有段者。
アメリカの大学に留学経験があり。趣味:射撃(ライフル)。競技会の上位に入る腕前。
『犬』たちとの接触の際は冷徹に努めているが、正三と二人っきりの時は正三を「パパ」と呼ぶ。
両親と共に襲われ、負った傷に対してコンプレックスを持っている為か恋人なし。
クールビューティ系。
一人称:私、二人称:あなた
口調 : です、ます、でしょう、〜ですか?
『狼 ?歳』
立場:狼
30〜40代に見える身長180cm以上、逞しい男性。
独特の人を寄せつけない雰囲気を持つ。元警官(自衛隊員)とも元死刑囚とも言われる。東洋人。
橘父子と知り合い?
冷徹で非情と思える強行手段を使う為にチームを組ませる事が出来なかったと言われている。
拳銃を携帯している。
一人称:俺、二人称:呼び捨て、嫌みを言う時と目上にだけ 〜さん
口調 : だ、だろう、だな、〜か?
●放送内容
第1話:「闇を狩る犬」未成年者射殺事件に絡めた序章。(済)
第2話:「闇を喰らう犬」密輸に伴う会社乗っ取り目的の誘拐を阻止し、ルートを撲滅せよ。(済)
第3話:「隠されたもの」不法投棄事件に絡む殺人の妨害工作。(済)
第4話:「毒華哀歌」銀座を舞台に談合に絡む十年前に起きた殺人事件を軸とした男女のラブストーリィ。
第5話:「穢れなき翼」女子高生2人が起こした心中事件に絡む売春ルートの撲滅の話。
第6話:「墜天使」13人の女子高生が同じ時刻に死んだ事に絡むカルトな話。鍵を握る教師を捜せ。
第7話:「探る手」とある議員の転落死、それを目撃したカメラマンの周りに起る不可解な事件の解明。
第8話:「狩られる者」犬飼である『橘 正三』が襲われた。敵の狙いは、チームの全体の解散?
第9話:「戦士の休日、微睡み(まどろみ)」チーム解散後、再編成を待つ犬たち。閑話休題。
「まあ、なんだ。橘親子や狼を必ず出す必要もないし、逆に橘親子、狼にスポットを当てるのも手だな」と一見気楽に言う鬼塚ディレクター。
「粗筋だけではなく、ここが『見所』ってのを示して欲しい所だ」笑顔の目が笑っていない。
●リプレイ本文
「なんだか知った顔が多いな」と鬼塚は提案者控え室を覗いて苦笑した。
「やっぱり体を張ったアクションが、あっさりカットになるからじゃないですか?」
さらりと言ってのけるのは脚本家の「よしりん☆」女史。萌えとバイオレンスが同居するメイン脚本家だ。二人の後ろで3話で情報屋『蝙蝠』を演じた苅部・愛純(fa4350)が、コピー取りに走り回っている。参加したらどうだ? という鬼塚に対して「うちは、バイト中やし」と断られてしまった。
●アクション俳優 九条・運(fa0378)の場合
「なんか真っ当にハードボイルドなのは他の面々で補充されそうなんで娯楽特化型ってことで」
「それぞれの組織壊滅の為に送り込まれた別々の捜査官チーム。
其々の組織で其々のチームが緩やかに尻尾を掴んでいたのだが‥‥。
それらの上位組織のドンが突然の病死。
突如勃発した壮絶なる跡目争いの暗闘となる。
昭和中期並みの抗争の中で全面戦争に陥る二つの組‥‥こんなアイデアでもいいのかな?」
鬼塚、運の話をメモした後、こう言った。
「昭和中期っていうと昭和30年代前半にあった第1次抗争期だな。ポン刀持って鉄砲玉が殴り込みに行くとか‥‥ウチで扱うなら事務所にトラックが突っ込んだり、第2次抗争になるだろうな」
「よしりん☆的には、親(分)は病死ではなく『命(タマ)取り』にしたいですね♪」
本編かSPかは不明だが、一部採用させてもらう事になるだろう。と鬼塚に言われ、運は部屋を後にした。
●脚本家 巻 長治(fa2021)の場合
「スペシャルということで、『らしい』展開になるように考えてみました」
ホワイトボードに配役が書き出される。
「主要配役:潜入捜査官A、Bと橘 正三、
その他配役:公子、その他の潜入捜査官及びサポーター、犯人側の人物など」
「概要ですが、とある組織‥不法な臓器売買に絡んでいる病院などを考えています。
潜入官Aは知りませんが、同じ組織に同じ橘配下の別の『犬』の潜入官Bも潜入しています。
組織内で派閥争いが起き、潜入官Aは一つの派閥を選び、そこで地位を維持します。
同じ頃、潜入官Bもほぼ同じ状況に置かれていましたが、彼はAとは別の派閥を選びます。
各派閥内である程度重要なポストを占める二人だが、それ故に下手な動きもできず、
証拠集めも最後のピースが欠けたまま。
そんな時、お互いに敵対派閥の切れ者である相手のことを聞き、直感的に『相手も自分と同類』と悟る。
が、それを確かめる術はない。
やがて潜入官Bにスパイ容疑がかかり、その真偽を確かめようとしたAだったが、
Bに気づかれて戦うことになります。お互いに正体に気づきつつも戦いは避けられず、AはBを倒す。
その後Aが入手した『スパイの証拠』には、探していた最後のピースがあった。
映像を主要三人の視点で切り替える事によって、『相手が同類と知りつつ戦うしかない犬の苦悩』と『表面上は冷静に見つめる橘の姿』を描く形でドラマが進行して行きます」
撮影協力病院の心当たりありますかね? と鬼塚はプロデューサーに聞いていた。
●モルモット姉さん 稲川ジュンコ(fa2989)の場合
「台本って言われてしまうと難しいのですが、今回は出演者からの意見という形でのアイデアを出させて頂きます」
「ザ・DOGはドラマとして面白いですが、決めの枕詞がない為にイマイチ、インパクトに欠ける気がします」
稲川の言葉に興味を持つ鬼塚。
「決め台詞ね‥‥例えばどんなのだ?」
「『ハンティング』とかは、どうです?」と稲川。
「決め台詞を言う事によって番組に統一性が持たせられますよね。ONエア済みに関しては、追い込みの仕掛けが始まった後ですので、現行の編集方式を継続するとなると他の台詞になってしまいます☆」と言い乍らもかなり提案を気に入ったようで、大ラスに『チェックメイト』か『ゲームオーバー』とかもいいですねとやっている。
「さらにスペシャルということなので悪人狩りを2回に別けて行い、サブタイトルも『痛快ダブルハンティング!!』と入れるのはどうでしょう?」
「お正月だから娯楽性は高くなるだろうし、いいね」
だけど放送時間枠に入らなくなる。とプロデューサーから言われてしまった。
●作家 楼瀬真緒(fa4591)の場合
「私は『狂犬』=『裏切り者』というイメージが涌きましたので‥‥アクションは少なめですが、情報戦で緊迫感を出せたらいいなと思います。『狂犬』という言葉ですが、犬たちの隠語の一つでこれはケイさんのアイデアなんですけど‥‥」と語尾が少し小さくなる。
「あらすじですが、
鳩から犬たちへと渡された内容は、狂犬と機密情報の始末であった。
動揺が走る犬たち、鳩は任務内容と『狂犬』の詳細情報を置いて行った。
犬たちは狂犬の出身地や立ち回りそうな場所・今まで関わった事件・最近の行動を追う。
狂犬は元ハッカーだったので、犬たちは情報が漏れ、書き換えられている事に気付く。
裏をかかれる犬たち。けれど狂犬にとってもそれは両刃の剣。
ハッキングの形跡を追う中、狂犬になった原因が拉致された彼女を救う為と解る。
情報を集め、裏組織に辿り着く犬たち。
情報引き渡し寸前に彼女を救いだし、狂犬と機密情報、裏組織の始末。
彼女には催眠術を施し任務完了」
元ハッカーか面白いな。と鬼塚、大いに興味を示したようだった。
●音楽家 K・ケイ(fa4786)の場合
どのジャンルからも原案を受け付けるので問題ない。
問題なのは「やぁん♪ 可愛い☆」よしりん☆だけある。
「ある日の午後、ある犬飼は鳩からある連絡を受ける。
それは1人の捜査官が潜入中にその組織に抱きこまれ組織の幹部になり下がったという物だった。
「裏切り者? そんなものが出るとはな。さしずめ『狂犬』といったところか」
犬飼はすぐに配下の男(後の狼)へ任務失敗者の始末の命令を下す。
男は失敗者を殺したが、その男は意外な物を遺品から発見する。
それは長い期間掛けて作ったその組織の資料、そしてあと一歩というところまで来ていたという事実。
幹部になってまで深く捜査していた犬を誤って離反したと勘違いしたのである。
判断ミスで仲間を殺してしまったことを報告するが、返答はこうだった。
「君は黙って任務を聞いていれば良いんだ。連絡をこまめによこさなかった結果であり、よくある事だ」
確かに犬飼の言うことは最もだが、連絡を取れば潜入組織に怪しまれるという側面もこの男は知っていた。
そして銃声が今日もまたどこかで聞こえる
男は上層部のやり方に嫌気が差し自分の正義で動く『狼』になっていた。
これが彼が出した答えであり、正義だと信じ‥‥‥
「裏切り者が狂犬ではなく『犬』自体が狂犬か‥‥ククク。もしかしたら今の俺も狂犬なのかもな‥‥」
そう闇に呟きながら」
「二重スパイ‥‥いや、まさに『虎穴に入らずんば』ということか、いいね」
「ケイ君の案は良い案だが、内容が新春向きではないな」
年末だったら良かったね。 プロデューサーにそう言われ乍らも一部採用らしい。
●出演経験者 森里碧(fa4905)の場合
「『犬』『犬飼』にとっての『狂犬』とは何か? そんな視点から提案です。元出演者側として、小さいプランを提案できればと思います」
ホワイトボードに案を書き出して行く森里。
○悪プラン
・政治家に纏わる売国利権。天然資源プラント入札に、多国籍暴力団の影が。
・相次ぐ病院や老後施設での自殺の裏にあるのは、詐欺事件の筈だったが‥‥?
・学習塾に悪質な嫌がらせ。蔓延するいじめ。真のターゲットの少女が持つ秘密。
・新春早々暴走する若者の影に、手薄な警備を狙う大規模窃盗計画。
○人間ドラマプラン
・自ら狩られるために政治家秘書と潜入。
永年の潜入で汚職のキーとなる立場に昇りながらも、事態は小康状態。
未だ猟犬が放たれてはいない。自分はどうするべきか、『犬』は少しずつ狂っていく。
・相次ぐ自殺の裏を暴くため医療施設に潜入。しかし自殺は患者自身が望んだことだった。
悪の不在に『犬』は己を見失う。
・犠牲にする筈の『彼女』を守るため、悩み自らを犠牲とした『犬』。
『狼』は狂う犬に「始末されることも犬の仕事」と告げる。
・スカウト相手は最愛の肉親。
『彼』は復讐の力を欲し、『犬』はその対価を知っている。
人として狂うか犬として狂うか‥‥。
「新年早々『潔い自決』は美談だが『自殺』は不味い。イジメも同じ理由だな」
でも『窃盗団』と『スカウトは肉親』って案は面白いですよ♪ とよしりん☆、どうやら本編に一部採用らしい。
***
一通りの案を見直すプロデューサー。
「やっぱりサブタイトルの関係かな? 潜入官同士を戦わせるネタが多かったね」
「そうでしょうね。『某極右系新興宗教団体(狂犬)が武器製造工場からの武器持ち出しを計画、阻止の為、新興宗教と工場に入り込み、ラスト大爆発』とか思いつくのはこいつ位ですよ」と鬼塚、よしりん☆を指差す。
「お正月ですから派手にしたんですよ☆」とよしりん☆。
面白い意見も聞けましたし、よしりん☆的にアイデアばしばしです☆ あがりを楽しみにして下さい♪ と鬼塚とプロデューサーにウィンクしてみせた。