クリスマスドラマSPアジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
有天
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芸能 |
2Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
3万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
12/25〜12/29
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●本文
――それは突然だった。
期末テストが終わり、部活のないテスト答案返却日の午後だった。
山崎 桃子はいつものように幼馴染みで親友の米村 幸子と一緒に学校前の坂を下っていた。
「ううっ‥‥どうしよう? 英語『赤』だぁ〜」
「しょーがないじゃん。『寝た』桃子が悪い」
桃子の家に引き取られた子犬、サクラ。初めて犬を飼う桃子の家族の指導を幸子がしている為、殆ど毎日学校の帰り、桃子の家に通っている。結果、一緒に期末テストの勉強もしていたのだが、桃子と幸子の成績は雲泥の差だった。
一緒に勉強していたあたしの点数を見習うようにと、言われ「ヨネちゃんは、いーよ。才女だから」
「ちゃんと努力(勉強)しているぞ。サクラと遊びたくって毎日桃子の家に通っているだけじゃない」
「うっ‥‥」
桃子は毎日ドアを開けると弾丸のように飛んでくるサクラの顔を思い出した。
そんなたわいのない会話をし乍ら、坂を降りていく。
桃子は坂の下に見た事がない男の子がじっとこちらを見て立っているのを見つけた。
余程長い間待っていたのか鼻が真っ赤になっている。
「ねえねえ、あの子。ヨネちゃんを待っているんじゃない?」
幸子は性格がアニキで口も悪いが、才色兼備を地で行く美少女だった。
今年のバレンタインデーとホワイトデー、男女の合計を合わせると学校で1、2を争ったと言われ、よく他校の生徒からもラブレターを貰ったりしている。
幸子曰く「たまに『果たし状』だったりするけど?」
テコンドーの道場に通う幸子には「自分が勝ったら付き合え」という類いのものも来る。
勿論、幸子は無視をして行かないのだが。
相手も桃子と幸子が見ている事に気がついたようだった。
「あ、あの、俺、三中の千葉って言います」
わくわくし乍ら桃子、興味津々で告白を待っている。
「山崎さん! 俺と付き合って下さい!」
「‥‥‥‥‥‥ええっ!!」
男の子から告白がされた事がない桃子は赤くなる。
「良かったな、桃子」
* * *
返事はX’masでいいです。と言われた桃子。
「うーん、うーん? どうしよう? ヨネちゃん?」
「それをあたしに聞くか?」
サクラの散歩中である。
目出たく『お外でデビュー』をしたが、まだ遠くへ行けず近くの児童公園迄は幸子がサクラを抱いていく。
幸子の腕の中で「くぅ〜ん」と甘えた声でサクラが鳴く。
「サクラも桃子が、自分で決めろってさ」
『「お腹がすいた」だよ(きゅ〜ん)』
『ハハ‥‥しょうがないさ。人間は言葉が判らないからな』カラスがカァーと電線の上で笑う。
そう良い乍らも公園で幸子にボールを投げてもらって嬉しそうに走るサクラ。
「ほら、桃子も投げる」
「え、うん」幸子に促されてボールを投げる。嬉しそうに走っていくサクラ。
足がもつれボールが転がっているのかサクラが転がっているの判らない状態になっている。
『相変わらずガキんちょは‥‥』やはり散歩途中の桃子の飼い猫スズ。植え込みの中から馬鹿にした様子でサクラを見る。
ボールの投げっこからボール齧りに興味が移ったサクラ。ハグハグとボールを齧っていた。
が、何かの音を聞き付けたのか、ぴたりと齧るのを止め走りだす。
「うわっ、ヤバっ!」
サクラを追い掛けていく桃子と幸子。
サクラは何かに向かって一目散に走っていく。その先には‥‥‥「いしや〜きいも〜ぉ♪」
『1本、くださいな♪(くぅ〜ん♪)』
「へぃ、いらっしゃい♪」石焼き芋屋のトラックが止まっていた。
犬にさつま芋を食べさせて良いと教わった桃子が買い与えた所、どうやら石焼き芋屋を覚えてしまったようである。
「毎週毎週、お財布ピンチなのに〜」
目をキラキラさせ、しっぽをパタパタ振る姿は、未だサクラに触れない桃子でも可愛いと思う。
「ヨネちゃ〜ん♪」『お腹減ったの(で)♪(きゅ〜ん&うにゃ〜ん)』
「うおっ! スズまでもか」
何時の間にかサクラの隣にスズまでちゃっかり並んでいる。
トリプルキラキラ攻撃に溜息をつく幸子。
「ったく、その内纏めて返してもらうぞ‥‥おっちゃん、3本頂戴」
「『ハ〜イ♪』」
『ウチは何時も貸しているさかい、これは「内入れ」やな』
「へぃ、まいど〜」
●ファミリードラマ「わふわふ わふん♪」役者及び声優募集
<主な登場人物>
山崎 桃子 アサヒ中学の2年生。平均的な中学生。山崎家最弱生物。
小学生の時に犬に噛まれて以来犬が恐いが、ペットのサクラを可愛いと思う時がある。
米村 幸子(ヨネちゃん) 桃子の幼馴染みで同級生、大の犬好き。
フリルの似合う美少女であるが、性格がアニキ。テコンドー黒帯保持者でファザコン。
千葉 真人 三中の学生。桃子に告白する。
サクラ 山崎家の子犬。雑種、メス。山崎家のアイドル。
スズ 山崎家の猫。赤虎、メス2才。山崎家最強生物。サクラの教育係。なにげに関西弁。
「今回は、桃子ちゃんのボーイフレンドの話です☆」と脚本家よしりん☆が言う。
「千葉君は、ヨネちゃんをユリさんだと思っていたりとか、実は桃子ちゃんじゃなくって公園で見かけたわんこ(サクラ)に恋しちゃっているとか、色々設定を考えちゃって下さい♪ 声優さんは、わんこやにゃんこと言った動物にアテレコをしてお喋りしてもらいます♪ 雀さん役とかも増やしてOKです♪」
「このドラマは中学生の桃子を中心とした世界です♪ 冬休み中なので、外見18歳以上が演じることができる人間は、かなり限定されます。”『極力』人間の大人”役を増やさず、できるだけ声優として『公園のボス猫』とか『カラス』『近所のイケメン、ジャーマンシェパード』など動物をして下さい☆」といつもの口調だが、きっぱり言った。
目が笑っていないので、獣医や塾の先生等を選ぶとカメラに写る確率が今回殆どないのかもしれない。
「撮影場所は、桃子の部屋、児童公園、商店街、遊園地です♪ 千葉君へのお返事は、X’masに遊園地前でする事になっています。これは決定です♪ 遊園地は、おっきなテーマパークではなく大きな公園に併設されている遊園地です。敷地内をわんこやにゃんこが歩いているヨーロッパの公園みたいなのを考えてくれると良いです☆」
●リプレイ本文
●オープニング
クリスマスツリーが飾られている山崎家リビング。
ケーキの乗った皿を運ぶ山崎 桃子(姫乃 唯(fa1463))の足下を子犬のサクラ(CV:豊田そあら(fa3863))が駆け抜けて行く。
その様子を棚の上から見下ろしている赤虎猫のスズ(CV:基町・走華(fa3262))が大あくびをする。
ゴスロリ服の米村幸子(谷渡 うらら(fa2604))を見つけ、走って来る桃子。
公園の時計の上で鳴くカラスのガーゴ(CV:星辰(fa3578))。
芝生でのんびりと座って日向ぼっこ中の白い猫のシロ(CV:岩倉実佳(fa5239))。
噴水前に立つ千葉 真人(柚子(fa4917))とゴールデンレトリーバーのラッキー(CV:Rickey(fa3846))。
色々なペットの写真が写し出され、タイトルが画面に写し出される。スポンサーリストの表示後、CM。
本編がスタートする。
●わふわふ わふん♪ クリスマスドラマSP
桃子の部屋。桃子、幸子に英語の補習プリントを教えてもらっている‥‥‥予定だったはずが、今一つ集中ができないでいる。
「ねぇヨネちゃん、千葉君の事どうしたらいいと思う? 自分で考えろって言われても、こんなの初めてだからどうしていいか分からないよぉ」ヨネちゃんだったらどうする? 経験ほーふなんだから教えてよ。と桃子。
「あたしに聞くな。別に経験抱負な訳じゃ無い。興味ないから興味ないと答えているだけだ」それより手が止まっている。と膝の上に座るスズを撫でていた幸子、桃子を睨む。
『モモはん、相当悩んどるようやな。まあ、メスに産まれたからにはオスの一人や二人付きまとわれるんのは、しゃあないことやな』くぁ〜っと大あくびをするスズ。
「桃子が躊躇う理由、当ててやろうか? 千葉をよく知らないからだ。どんな服が好きとか、どんな歌が好きとか。知らないなら、知った後判断すればいい」
大体、何も知らないで答えを出すやつがあるか。英語の宿題も人間もちゃんと見て、考えれば答えが出る。
「む〜っ、ヨネちゃんのケチぃ、スズならどうする?」
幸子の膝上からスズを抱き上げ、ぎゅむ〜うと抱き締める。
『だからヤメいっちゅうんや。キツぅ抱き締めてどないすんねん、うちをサバ折りしたいんか?』
べしり、と桃子の顔面に猫パンチを1発くり出すスズ。それを見て溜息を着く幸子。
「桃子、スズに頼るな。自分の事だろう」
「う〜ん、う〜ん、でもどうやって千葉君の事を知るのよ。冬休みに入っちゃったし」
私、三中の子って知らないよ。と言う桃子。
「千葉の住所と電話番号。これによると結構近くに住んでいるぞ」と笑ってメモを渡す幸子。
「ええ? 何時の間にヨネちゃん、調べたの?」と桃子。
「小学校の同級で三中に行った子がいたろ? そいつに聞いた」
その内サクラの散歩の時にでも会うんじゃないか? と笑う。
* * *
日課であるサクラの散歩をする為に児童公園へ向かう桃子と幸子。
サクラから目を離さないように気をつけ乍らベンチに座っている。
ふんふん、とあちらこちらの匂いを嗅いで回るサクラ。
ふと、植え込みの中に座るシロに気が着く。
『白いにゃんこさん、こんにちは』
『うきゃー! 犬、キライ! あっちに行ってよぉ!(ふしゃーーっ!)』
背を膨らませて威嚇をするシロ。
びっくりしたスズメ達が一斉に飛んでいく。
『えっと‥‥』
『ああ! ご飯が飛んでいく!』
空を見上げるシロ。
『えっと‥‥ゴメンなさい。あの白いネコさん‥‥スズメさん、ご飯なの? ご飯って袋に入っているものじゃ無いの?』
小首をかしげるサクラ。
『袋のご飯? 私のご飯も昔、袋だったよ。ママとはぐれてからご飯はスズメかな? 時々人間が袋のご飯くれるけど、時々だし』
『白いにゃんこさんは迷子なの?』
『う〜ん? 判んない。でもその「白いにゃんこさん」って呼び方センスないね。本当は凄く格好が良い名前があるけど‥‥人間は私をシロって呼ぶよ』
『私はサクラ。モモちゃんの家族なの』
『ふ〜ん、あそこの人間?』
後ろを振り返るサクラの視線の先、ラッキーを連れた真人がやって来る。
『ん〜? このニオイは‥‥そうか、真人の想い人のだな』
ふんふんと鼻を鳴らし乍ら、ズンズンと桃子の方に向かっていくラッキー。
「うわぁ‥‥どうしよう。ヨネちゃん、おっきな犬が来るよ」
顔が強張る桃子。サクラは可愛いが、大きい犬はまだ恐く、苦手である。
「バカ! ビビってないで、サクラを‥‥って、なんだ千葉じゃん」
「あ‥‥山崎さん」
「ち、千葉君!? あ、ええと、ヨネちゃんどうしよ‥‥あ、あれ、ヨネちゃんっ!?」
「可愛い‥‥♪」ぐりぐりとラッキーを撫で繰り回している幸子。
『おお、人間。そこは気持ちいいぞう! もっとやれ!』
べん! と大きな前足で頼まれてもいないのにお手をするラッキー。
「千葉の犬か? 大人しいな」
「ああ‥‥うん、うちの看板犬。ラッキーって言うんだ」
俺の家、ペットショップなんだ。と真人。
「へぇ? ちょっと借りていい? サクラの友達にデカい犬がいないからな」
『お前は触らんのか?』
ぐいっと、強制的に桃子の手の下に頭を突っ込むラッキー。びくりとする桃子。
『あ〜、真人の想い人は俺様が恐いのか? しょうがねぇなぁ。真人、前途多難だぜ』
幸子にリードを引かれ、植え込みの所に座るサクラの所にやって来るラッキー。
犬の嫌いなシロはどこかに隠れてしまったらしい。
「山崎さんの犬、サクラっていうの?」
「う、うん‥‥あの、ここ、座ります‥‥?」
「うん‥‥‥」
どことなくぎくしゃくしている桃子と真人。
『こんにちは、大きいわんこのお兄さん。あたし、サクラ』
『俺様はラッキー。あそこにいる真人の友達だ』
『人間とお友達なの?』
『ああ』
『じゃあ、サクラと一緒だ。サクラ、モモちゃんの家族で、ヨネちゃんのお友達なの』
大人しく匂いを嗅ぎあっているラッキーとサクラ。どうやら友達に馴れたらしい。
「それに比べて‥‥」幸子、後ろをこっそり盗み見る。
『ああ、なんか面白い事ないアルか?(カァー)』
時計台の上にガーゴが止まる。
『ん? あれは? あの長い毛奪ったら、最高の素材になりそう』
視線の先に金色のふさふさ。ラッキーが目に止まる。
『い〜こと思いついたアルよ。新しく巣に敷くふかふかのお布団と悪戯。考えただけでもワクワクするアルよ』
カラスがにやりと企んだ笑顔をたたえる事がであれば、まさにそれが相応しい。
(「ずっと黙っているの変だし‥‥それにヨネちゃんも相手に色々聞いてみないと駄目って言っていたよね」)
思い切って真人に質問をしてみる事にした桃子。
「あの‥‥千葉君はどうしてあたしと付き合いたいって思ったの‥‥? あたしなんて、ヨネちゃんみたいに可愛くもないし、勉強だって全然だし‥‥」
「俺、いつもラッキーの散歩でこの公園を通ってるんだ。最近、サクラちゃんの散歩をしている山崎さんを見て、一生懸命で可愛いなって思ってた。最初はそれだけだったんだけど‥‥」
桃子の顏を見る真人。
「この前、サクラちゃんを抱えて走ってる姿を見かけたんだ。なんだか必死そうな様子が印象に残ってた。それが頭から離れなくなって‥‥俺、これが恋なのかなって思ったんだ」
ラッキーとじゃれるサクラを見つめる真人。
『イェイ! 急降下アルよ!』
ガーゴ、ラッキーに向かって急降下し、思いっきり背中の毛をむしり取っていく。
『うおぉ! 痛ぇぞ! 何するんだ!(ヴォンヴォン!)』怒って暴れるラッキー。
「大変だ!」とラッキーの所に飛んでいく真人を見て「一生懸命か‥‥」と呟く桃子。
* * *
クリスマスの日、真人との約束した遊園地に出かける桃子。
「ヨネちゃんは一緒に来ないの?」
「あたしが行ってどうする?」
「う〜ん‥‥じゃあサクラ、一緒に来る?」
小さい尻尾をぱたぱた振るサクラ。
『おさんぽ? サクラ、モモちゃんと一緒に行くよ♪』
サクラを抱き上げ、キャリーバックに入れる桃子。
へぇ。っと、幸子が感心したように目を細める。
「なぁに?」
「何でも無い。頑張っていって来い!」
そう送り出した幸子だったが、しっかり隠れて着いて来るが、ファー付きの白いケープコートにお姫さまドレスといつもより強力なクリスマスバージョンで豪華な服の為に迂闊に近寄れない。
正面入り口の前に立つ真人。
ラッキーもしっかりトカナイの角でおめかしをしてクリスマスっぽい。
『ふ‥‥‥何を着ても似合う俺様』
「ゴメン、待たせたかな?」
「ううん、山崎さん、時間よりずっと早いよ」
『おお、来たな。モモコ、一人でサクラを持って来たか、進化したな』
ふんふんとキャリーバックに鼻を突っ込もうとするラッキーの態度に強張る桃子。
真人、慌ててラッキーを近くの街路樹に繋ぐ。
「山崎さん、サクラちゃんを連れて来たの?」
「うん、サクラと一緒だと私も勇気が貰えるの」
「勇気?」
『あんた、うちに食われんのと。羽根、毟られんのと、どっちがええ?(ウニャーゴーォー)』
『俺が何したってアルか?(クァクァクァ〜ァ)』
山崎家最強生物スズ、サクラから話を聞いてガーゴに話をつけにやって来ていた。
ガーゴ、カラスなのだから飛び上がってしまえば良いのだろうが、スズの迫力に押されてそれ所で無いらしい。
『うちのモモはんの大事な恋がかかっとんのや、それにこの公園でデカイ顔すんのは100年早いやね』
『うひ〜っ♪ スズ姐さん、格好良い』
シロ、スズとガーゴのやり取りをゴミ箱の脇から覗いている。
シロ的には、自分のご飯を横取りするガーゴがやり込まれている姿は、楽しいのである。
ふにゃうにゃう! グガァー!
この勝敗は一方的にスズの勝ちであった。
『ええか? 今日からあんたはうちの手下や。判ったか?』
『‥‥うう。ネコにヤられるなんて‥‥無念アル』
『食われたいんか?』
くわっと牙を見せるスズ。
『いいえ! 俺は今日からスズ姐さんの手下アルよ』
『ほな、早速仕事を頼もか? モモはんと千葉の様子見、頼むわ』
『ええ? 「カラス使い」がアル』
『怪しまれずに様子見られるんは、あんたしかおらん』
にんまりと笑うスズ。
「あのね‥‥」
「返事を聞く前に改めて言わせてくれないか?」
だってNOだったら、もう言えなくなっちゃうからと笑う真人。
「俺、山崎さんの事が好きだ。直接話も出来て、余計にそう思ったんだ」
ストレートな告白に顔を赤くする桃子。
「ありがとう‥‥でも‥えっと、あたしはまだ千葉君の事あまり知らないし、こういう事初めてだからよく分からなくて‥‥。だから、まずはお友達からって言うのは駄目かな?」
「山崎さん、本気で考えてくれて、ありがとな。俺はそれでもいいよ」
真人の言葉に安堵する桃子。
「千葉君、これからも宜しくね!」と手を出し握手をする二人。
『真人、上手く行ったのか!?(ヴォンヴォン!)』
答えを貰えたらしいと察したラッキーがジャンプをする。
するり、と結んでいたリードが離れ、桃子に飛びつくラッキー。
「キャー!!」
「こら!」
『全く、人間って奴は‥‥』
――その日の夜。
『良かったな、モモはん。あんたもこれで一人前のメスやなぁ、これはうちからのプレゼントや』
ごそごそと桃子の枕元に何かを置くスズ。
――翌朝。
目を覚ました桃子。枕元にある物体を見て、
「きゃぁぁーーーーっ!! ネズミーーーーーっ!!」
<END>