わふわふ♪ 雛祭りアジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
有天
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芸能 |
2Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
3万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
03/01〜03/05
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●本文
●ファミリードラマ「わふわふ わふん♪」声優募集
<主な登場人(?)物>
サクラ 山崎家の犬。雑種、メス。山崎家のアイドル。犬猫見知りしないフレンドリーな性格。
スズ 山崎家の猫。赤虎、メス。山崎家最強生物。サクラの教育係。なにげに関西弁。
ガーゴ 公園を根城にしているカラス。スズの子分。趣味、ラッキーの毛を毟る事。
シロ 公園を根城にしている白猫、メス。スズを姐さんと呼び、憧れている?
犬嫌いだが、世間知らずのサクラは平気らしい。
ラッキー 真人の家(ペットショップ)の看板犬。ゴールデンレトリーバー、オス。
<登場人物(参考)>
山崎 桃子 サクラの飼い主。アサヒ中学の2年生。平均的な中学生。山崎家最弱生物。
米村 幸子(ヨネちゃん) 桃子の幼馴染みで同級生、大の犬好き。
千葉 真人 三中の学生、桃子のBFでラッキーの飼い主。
山崎 葵 桃子の兄、獣医助手。口が悪い。鳥嫌い。
氷上 彰 葵の務める病院の獣医師。
* * *
「今回はサクラにスズ、わんこやにゃんこ、動物から見た『雛祭り』のお話です☆」と脚本家のよしりん☆。
「一切ネタは決まっていません! と言うのも雛祭りは所詮雛祭りですから、話が『雛人形を壊した』『白酒を飲んだ』等と大体決まって来てしまいますので、ストーリィは皆さんのアイデアに掛かっています」
「また、今回は完全に動物達が主役なので『人間』に関しては殆ど顎の大アップとか、手のアップしか映りません。まあそれでも春の出産シーズンがボチボチなので、公園でサクラやスズが子犬や子猫を拾って、飢えを凌ぐのに飾ってある雛あられの袋を持ち出し、雛あられを食べさせ、飼い主さんを探す為に商店街に出没したり、お肉屋さんの前でサクラ、スズと仲良く並んで座って『コロッケくれないかな?』とオヤジに熱視線を送るとかはありです」
「はーい! よしりん☆先生、質問です。犬や猫が雛あられを食べたり、お酒を飲むのは良いんですか?」
「食べ過ぎはいけません。カロリーが高いですからね。ビールはホップと炭酸が入ってるので個別差がありますが、よしりん☆が前飼っていたセキセイインコはビ−ル好きでしたね。甘酒はどの子も飲みましたが、人が飲むのと同じで適量と言うのがありますので、無闇に飲ませないようにしてあげて下さい」
「あ、コロッケは売っているコロッケはお店によって玉葱が入っているので、あげる場合は確認して下さいね。ですがやっぱり高カロリーなので上げ過ぎないで下さいね♪」
●リプレイ本文
●オープニング
縁側でのんびりと仲良く並んで眠るサクラ(CV:豊田そあら(fa3863))とスズ(CV:基町・走華(fa3262))。
白いレースのカーテンが下がっている出窓から窓の下を覗くシャミー(CV:大曽根千種(fa5488))。
公園で芝生でのんびりと座って日向ぼっこ中の白い猫のシロ(CV:岩倉実佳(fa5239))、滑り台を器用に脚で滑り降りるカラスのガーゴ(CV:ケイ・蛇原(fa0179))が映る。
公衆便所の入り口できちんとおすわりをしているラッキー(CV:Rickey(fa3846))。
段ボール箱の中から顔を覗かせる子猫(CV:姫乃 唯(fa1463))と子犬(CV:タブラ・ラサ(fa3802))。
色々なペットの写真が写し出され、タイトルが画面に写し出される。スポンサーリストの表示後、CM。本編がスタートする。
●わふわふ わふん♪ 雛祭り
「うぁ〜あぁ、よー寝た。あー、もうこんな時間や巡回に行かんと」
うーんと伸びをするスズ。
スズが起きたのを知って、とことこと歩いて来るサクラ。
「スズちゃん、遊ぼう♪」
「あー、うちはこれから縄張りの巡回や。サクラは大人しくママはんに遊んで貰いや」
「ママはお出かけしたよ?」
「なに?」
サクラに言われて、部屋の中を慌てて確認するスズ。
「何処も開いておらへん、巡回に行けんやないか! シャミーにデカイ顔されるんは、うちのプライドが許せへん!」
スズは単に山崎家最強の生物であるだけではなく、御近所のボス猫である。
シャミーと言うのは山崎家の近所で飼われている血統書付きの黒いペルシャ猫で、どうもスズとは相性が悪いらしい。シャミーが「高級マグロの刺身を食べた」だの「ネックレスがブランド品」だとか「毎週トリマーに行っている」のが羨ましいのか、性に合わないのか、専らのライバルである。
「しゃあない。とっておきの手を使うか」
そう言うとスズはサッシの金具に飛びつき、体重を利用して器用に開ける。
「ほな、行って来るで」とスズ。
「あ、待って。サクラもお散歩行く♪」とスズの後について外に出るサクラ。
***
いつもの公園にやって来るサクラとスズ。
「よぅ、サクラ。今日も元気か? 俺様は元気だ」とラッキー。
「ラッキーさん、御主人様はどうしたの?」とサクラ。
「トイレだ。ドアが開かなくなったらしく、俺様に『誰か呼んで来い』と言われたんで探しに来たんだが‥‥美男子の俺様を『可愛い♪』と撫でるだけで話が通じないで困っている」とあんまり困った様子もなく話すラッキー。
「へへえ、やっちゃうぞ〜♪」と楽しそうに言うガーゴ。
カラスが笑うとしたら「にた〜っ」と意地悪を思いついた笑顔を浮かべている事だろう。
「馬鹿ぁ! 嫌い、意地悪! スズ姐さんに言い付けてやる(しゃーっ!)」
「何だよ、逃げるなよ。っととと、ワザとはずしちゃったりなんかしちゃったりして」とガーゴ、シロの頭の先を掠め跳ぶ。
自慢の白毛に危うくガーゴに糞をつけられそうになって怒るシロ。
「今日は姐さんは来れないぞ。さっき家の人が出かけるのを見た♪」
ガーゴ、確信犯である。
「誰が来れんのや? ガーゴ、ええ加減にせぇや! 言う事聞かんと『食う』で!」
低い声でガーゴを威嚇するスズ。
「姐さん、こんにちはです〜」ほっとした声を出すシロ。
「うひ〜〜っ、ごめんなさい。親分、親分ごめんなさい!」
スズに追い掛け回されるガーゴ。跳ぶのも忘れて、地面を駆け回る。
そんなスズ達のやり取りを余所に「皆が仲良しさんしている間にサクラは探検なの」
植え込みに鼻を突っ込みあちらこちらを探索するサクラ。
「暗いよ、お腹空いたよ(ミィミィ)」
「誰か開けてよ。お腹空いたよ(きゅ〜ん)」
「誰かいるの?」
小さい声が聞こえる段ボール箱を見つけ、鼻先で突っ突くサクラ。
ぽん、と組まれていた段ボール箱の蓋が開き、ライラックポイントっぽいシャム柄の子猫と狐のような顔をした小さな子犬が顔を出す。
見た事がない大きな犬の顔にびっくりする子猫と子犬。
「ん? サクラよりもチビな奴がいるな。新顔か?」とラッキー。
「あなた達、だぁれ?」
「俺様はラッキー。ペットショップ千葉の看板犬で、商店街のアイドルだ」
「私、サクラ。あなた達は誰?」と名前を訪ねられ、
「私は‥‥まだ名前はないの。ここ、何処?」と答えるキョトンとした様子の子猫。
「ボク‥‥名前ない」
逆に子犬は、おどおどとしている。
「おかーさんもいないの。お家、何処か分からないの‥‥ふぇ〜ん(みゃ〜ん)」
「この子達‥‥捨てられたんかな〜?」と何時の間にか隣にいるスズとシロ。
植え込みの上から野次馬よろしくガーゴが覗き込む。
「捨てられた? ‥‥なんか嫌な言葉」とサクラ。
「せやろな。サクラも捨てられたんやからな。人間が動物が育てられんと家から放り出す事や」とスズ。
「かわいそうにな〜。私は家に帰る道が判らないだけで友達もいるし、一人で暮すここの暮しは気が楽よ」と強がってみせるシロ。
「カラスは誰にも飼われないから、捨てられたとかないなぁ」
クカァーとガーゴが鳴く。
「しかし、あれやな。取り敢えず名前がないのは不便やな」
「それは言えるね(くぅ〜ん)」とサクラが鼻を鳴らす。
サクラ達の側を雛あられが入った袋を持った女の子が駆け抜けて行く。
「よっしゃ、あんたは『ヒナ』や。丁度『雛祭り』やさかいな」
「スズちゃん、『雛祭り』ってなぁに? 何か楽しい気分になる言葉、きっと楽しいことなんだろうな〜」とサクラ。
「阿呆か、今朝ママはん達が部屋に人形を飾っとったやろうが。人間のメスはな、人形を飾って、菱餅とか、雛あられとか、鯛とか食うて、白酒ちゅう飲みもん飲んでメスだけのお祭りするんや」とスズ。
「世間ではそう言うイベントがあるらしいな。俺様の店でも母ちゃんが女の子が欲しかったわぁとか言っていた。全く、人間って奴は‥‥」とラッキー。
「ボクは?」
「雛祭りはメスの祭りやから、あんたらは取り敢えず『ボク』やな」
「うちで雛祭りパーティやる言うとったな。うちであんたを飼えるかどうか判らんけど、取り敢えずご飯はあるで」とスズ。
「うん、行く。ここは寒くて食べる物もないんだもの(みゃ〜ん)」
「ラッキーさんも一緒に行こうよ。待っていればママが帰って来るから、そうしたら御主人様もおトイレから出れるよ」とサクラ。
「女子供の祭りになんざ興味はないが‥‥どうしてもと言うなら俺様も行ってやろう」
ラッキーは嬉しそうに尻尾を振るのであった。
***
スズに連れられて山崎家にやって来た動物達。
開け放されたままのサッシから幸いにも泥棒は入っていないようだ。
サクラとスズの器から各々ご飯を食べるヒナとボク。
お腹が膨れると俄然余裕が出て、部屋の中に興味を持つ。
「これはなぁに? とっても綺麗!」とヒナ。
「何じゃこれ? これが『ヒナニンギョ』ってやつカァ〜〜?」
「見るだけやで、手ぇつけたらあかんで!」
物珍しそうに雛人形を突っ突いているガーゴに怒鳴るスズ。
「これ、なあに? 食べ物? おいしいの?」と雛あられの匂いを嗅ぐボク。
「あ、あかん! 食い物にてぇ出したら」とスズ。
「‥‥おしっこ」
「そんな所であかん、トイレはあっちや!」
スズは完全に幼稚園の保母さん状態である。一つ目を離すと別の誰かが何かをする。
ソファーの上にどっかと座っているラッキー。
「祭りだからと言ってあんまり羽目を外すんじゃないぞ。全く、これだからチビは‥‥」
「そこはうちの特等席や、勝手に座るんじゃない! ‥‥ちびサクラが5倍匹いる気分や」
ゼーゼーと息をするスズ。
床にはヒナが零した雛あられが一面に溢れ、驚いた拍子に落としたお雛様は首が抜けて転がっている。
「美味しいよ」とサクラが床に落ちた雛あられを食べている。
「甘くて美味い」とガーゴも突っ突く。
「こんなの初めて。ね、もっとちょうだい」とボク。
ぺぺっ。と舌を振り、エラい物を飲んでしまったと顔をしかめるシロ。
「まずっ!」
白酒を舐めたようだ。
「‥‥そうか? 結構上手いぞ」とラッキー。
「あらあら、これは何の騒ぎなんですの?」
開いているサッシからシャミーが顔を覗かせる。
「あ、シャミーさん。こんにちはです〜」とシロが鼻を突き合わせ猫挨拶をし、サクラが尻尾を振る。
「あら、シロさん。お珍しい所でお会いするわね‥‥カラスに犬‥珍しい取り合わせで、さすが庶民派のスズさんね。‥‥そちらはペットショップで何度かお会いした事がありますわね? たしか‥‥」
「俺様はラッキーだ。シャミーさん、こんにちは」と尻尾を振るラッキー。
「‥‥それに子猫に子犬‥‥お二人のお子様?」とシャミー。
「阿呆な事抜かすな」とスズ。
「冗談ですわ。所で皆さんで何をされていらっしゃったの?」
ぐちゃぐちゃになった部屋を見回して言うチャミー。
「「「「「雛祭りのパーティ!」」」」」
「‥‥うちはもう責任取れん」とスズ。
「でしょうね」とチャミー。
「こうなったら怒られるんは一緒や、うちも食べるで!」
キれたスズが、飾ってあったケーキに手を出す。
「チャミーさんも一緒に食べよう♪ 美味しいよ♪」
「私はこんな庶民的な‥今日だって1缶250円の高級缶詰めを‥‥」
「「「美味しいよ♪」」」
「うちは無理には勧めんで、シャミーは食わず嫌いの我が儘やから」
キラキラと目を輝かせて言うサクラ達とスズへの対抗心からおずおずとケーキの生クリームに口をつけるシャミー。
「あ、あら? 意外と‥‥」
黒い毛に白いクリームがつく。
「意外といけるやろうが?」とスズ。
がちゃがちゃとドアを開ける音がして、誰かが家に帰って来たようである。
「あかん、皆、人間達が戻る前に退散や!」
スズに言われて、外に飛び出して行くシロとシャミー。
「スズ姐さん、楽しかった。また明日ね〜」
「こういうパーティなら何時でも呼ばれて差し上げてよ」
「駄目なわしらはお先に失礼ダス〜〜〜カァ〜〜〜〜」
バサバサと跳んで行くガーゴ。
「さて、俺様も‥‥」
「あんたはトイレから御主人を救出するやろ? それに男なら責任、取りや」
逃げようとするラッキーに言うスズ。
「私、またあの公園に戻らなきゃならないの‥‥?(みゅ〜)」とヒナとボクの2匹は、恐くなってしまってソファーの下に潜り込んでしまった。
「ヒナとボク、大丈夫や。ラッキーん所はペットショップやから」
スズは何か思いついたようだ。
「姐さんの考えがわかったぞ。御主人様を助けて貰うのと、『この件』で俺様の父ちゃんに恩を売る気だな」
「当りや♪」
にんまりと企み笑顔を浮かべるスズ。
「何、なに? 恩って何?」
会話について行けないサクラがきょとんとする。
「俺様の店でも他のチビ達が、新しい飼い主の元に旅立っているからな。チビ達も店に来て、飼い主を見つけるんだよ。お前等も隠れていないで出て来い」
「本当? もう戻らなくて良いの?」
ごそごそとソファーの下から出て来るヒナとボク。
「せや、ええか? 皆で一列に並んで‥‥」
「笑顔で『いらっしゃい』だ」
「阿呆か。笑顔はOKやけど、この場合は『お帰りなさい』やろ」
「じゃあ、皆で並んで‥‥せぇの!」
「「「「「おかえりなさい!(ヴォン!、にゃ〜ん、わん!×2、みぃ♪)」」」」」
***
ペットショップのワゴン車が、山崎家の家の前に横付けされている。
『本当にこの度は、息子やラッキーが御迷惑を‥‥』
『まあ、多少は片付けはあれですが‥‥うちのサクラやスズも一緒に暴れましたし、それより息子さんに怪我がなくってよろしかったですね』
『全く持って‥‥』
ワゴンの後部にラッキーがちょこんと座って飼い主達のやり取りを心配そうに見ている。
キャリーに入ったヒナとボクを覗き込むサクラとスズ。
「おねーちゃん達、色々と有り難う。遊んでくれて楽しかった。また会おうね(みゃ〜ん)」
「さようなら、お姉ちゃんたち。また遊ぼうね?(わん!)」
「近所で飼い主が見つかればな」
後続車が通れないとクラクションを鳴らす。
『では確かにこの2匹お預かりします。責任を持って飼い主の方、こちらで探させて頂きます』
『よろしくお願いします』
後部ドアが閉められ、走り去って行くワゴン車。
「飼い主、見つかるとええな。ほんの少しやったけど、楽しかったで‥‥」
2匹の影が、夕焼けに長く伸びていた。
<END>
”クレジット”
*番組中に動物達が食べているケーキ、クッキー等は撮影用に特別に作られた物で、動物達の健康を害する物ではありません。人間用の市販されている食品を大量に食する場合、動物の健康を損なう場合がございます。取扱いに御注意下さい。