「7」端午の節句 歌アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 有天
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 6.7万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 05/05〜05/08

●本文

 古い運河沿いの鉄工場跡地を改装して作られた作られたライブハウス「7(セブン)」。
 厳ついコンクリートの外壁と大きな赤錆が浮いた鉄の扉が印象的で、来る人を拒むように聳え立つ。唯一ライブハウスである証拠と言える物はネオン看板ぐらいであるが、今玄関先には親父さんのコレクションである西洋甲冑と日本の鎧兜が並んでいる。
 西洋甲冑はカップルルームに飾ってある物だが、日本の鎧兜は普段親父さんの家にある物だった。
 店長の浩介としては菖蒲と小さい鯉のぼり程度を考えていたが、親父さんの甲冑である。
「まだ、着たいと言わないだけマシか‥‥‥」と空を仰ぐ。


●出演者募集!
 テーマ 『侍、若武者、勇者、戦士や菖蒲、鯉のぼり 等、端午の節句に相応しいもの』
 グループを問わず、ソロ(奏者、歌手のみ)参加も可能
 インストゥルメンタル(アカペラを含むボイスパーカッション)も可
 ピアノ&ドラムは、貸し出し可能
 ライブでの演奏は、タイトル・歌詞・曲は、オリジナル限定
『ロックアーティストの他に和楽器(三味線、琵琶、鼓、太鼓、尺八)奏者等ジャンルを問わず歓迎』

 ※今回バックバンドはおりませんので、ソロで歌う方等は必要に応じて音源をお持ち込み下さい。


「まあ楽器1個位なら俺や親父さんが手伝うとか出来るだろうが、その場合はスコア(楽譜)提出してもらわなければいけないが‥‥‥和楽器は弾けないから今回は出番がないか?」

●今回の参加者

 fa0607 紅雪(20歳・♀・猫)
 fa1339 亜真音ひろみ(24歳・♀・狼)
 fa3211 スモーキー巻(24歳・♂・亀)
 fa3867 アリエラ(22歳・♀・犬)
 fa3887 千音鈴(22歳・♀・犬)
 fa4852 堕姫 ルキ(16歳・♀・鴉)
 fa5030 ルナティア(17歳・♀・蝙蝠)
 fa5035 ラファエロ・フラナガン(12歳・♂・狼)

●リプレイ本文

「ここでのライブは二度目だけど、出演するのは今回が初めてだね」とスモーキー巻(fa3211)。
「ああ、いつも裏方ばかりだったな。ステージはステージでいいもんだが、裏方には裏方の良さがあるからな‥‥珍しいな。少し、緊張しているのか?」と浩介。
「やっぱり、ステージに上がるとなるとまた違った緊張感があるからね」と顔をこわばらせてスモーキーが答える。
「鯉の滝登り達成で九九鱗(龍)になるの。私はRock界、滝登り現在進行形かしら?」と中国の故事に例え乍ら挨拶を明るくするのは千音鈴(fa3887)。
「今回は異色のユニットでライブー! だからライブって楽しいのー! 何があるかわからないから〜♪」と楽しそうなアリエラ(fa3867)。
「ああ、俺も中国琵琶が聴けると思っていなかったぞ」と親父さん。
 ここ数年、中国のミュージシャン等が使用した楽曲がメジャーになったとは言え、まだまだ一般的に認知度が低い中国琵琶である。
 紅雪(fa0607)が持ってきた中国琵琶に興味津々の親父さん。
「今回演奏する曲はドラムがない分インパクトに欠けるかもしれないけど、その分、雄大さを琴とキーボードで出せればと思うよ」と亜真音ひろみ(fa1339)。
「確かにキーボードによくプレで着いてくるデジタル合成されたドラム音は物足りない部分もあるかもしれないが、ドラムの生音を登録し直す手もあるから今度チャレンジして見たらどうだ? 一般的なショルダーキーボードでもその程度のメモリは積んでいたはずだよな」と親父さん。
「ええ、ありますよ。ですが下手なドラマーならばデジタル合成の方が数段クリアですからね。音の特性を捕らえて効果的に使えば、充分に足りますよ」と元楽器の販売の営業マンで『素人よりマシ』な演奏しか出来ない浩介がぼやく。
「今回申し出があったが、プロミュージシャンで食える腕前ならそっちで食っている。俺はその程度の腕だからな」
 ややこしい高度テクニックは出来ないぞ宣言をし、ドラムのサポートを頼んできた紅雪や千音鈴らの顔を見回して言う浩介。
「山田てんちょさん、スネアドラムやタムタムの使用を中心としたスローテンポな演奏ですから」とにこやかに浩介にドラム用楽譜を渡すルナティア(fa5030)。


●端午の節句
【竜門】Vo&Skey:亜真音ひろみ、琴:ちー

♪♪♪〜
 遥かな空を悠々と泳ぐ鯉のぼりのように
 健やかに風を受け進んで行こう
(揺るかなひろみのアカペラで曲は始まった)

 この世界にはまだ知らない好奇心を満たすものが眠ってる
(ちーの琴とひろみのショルダーキーボードが一気にテンションを上げる)

 壁にぶつかっても挫けるな
 それを乗り越え 広い世界駆け抜けろ
(リズムはアップテンポに力強く)

(昇り龍をイメージしたと言う琴とショルダーキーボードの競演が続く)
 君はどんな時も一人じゃないんだ

 振り返れば今まで出会った人たちが君を支えてくれるはずさ

 涙なんて見せないで
 笑顔は道を示す光になる

 どんな流れも自分の流れに変えて
 世間という荒滝を登りきり
 いつか大切な人を護れる龍となれ
(明るく輝く照明の中、ひろみの力強い声がステージに響き、曲は終了した)
〜♪♪♪

「この曲はいつか生まれるだろう子供への願いを籠めたものだけどちょっとストレート過ぎるかな?」
 と曲が始まる前、楽屋でぽつりと言うひろみ。
「まあ女の子だった場合は、ひろみそっくりな女の子になるのは間違いないだろうな。2代続けてハウスの窓を壊さなきゃいいが」と親父さんは笑って言った。


 ステージに向かうアリーにスタッフの一人が声を掛ける。
「今回も素敵な歌、楽しみにしてます♪」
「どんなステージになるか、わくわしてくださいね〜」とアリーはにっこりと笑った。

【Odious−Glory−】Azalea
 Vo:堕姫 ルキ(fa4852)、G&Co:アリエラ、B&Co:スモーキー巻、Dr:ちー
「」ハモリ、『』ユニゾン、【】台詞

♪♪♪〜
 空を覆う闇き雲、明けぬ夜が今訪れて
 稲光、畏るべき影を映す
(深いスモークに薄暗い照明の中、ルキの姿がスポットライトに静かに浮かぶ。
 ギターとベースのうねる様な出だしのフレーズにルキの嘆き叫ぶかのように力強い声が響く。それを支えるようにドラムがリズムを刻むアップテンポで疾走感溢れるメロディ)

 ただ絶望に俯くのみ‥‥本当に何もできぬのか?
 育んだその身、その力は―誰の、何の為か?
(決意を感じさせるようにハッキリと一音一音を大切に歌うルキ)

「人々はただ己の無力を呪い 諦観の中に沈むのみ
 明日を切り開く為の戦は 力ある者の務めか‥‥」

(照明が稲光のようにストロボライト明滅する)

『握り締めた胸の剣、固めたる決意を乗せて
 振り翳し、絶対の勝利を誓う』
(スモークが薄くなり、照明が段々とフットライトを中心にやや明るめにステージを照らす)

 信じあった友と共に、深淵の如き地へ踏み征く
 この闇を払い、光導く―皆の、全ての為!

(全ての音が一瞬止まり、照明が暗くなる)

【そして‥‥決戦の幕は開かれる】
(「決戦の時」を告げるが如く、力強い立ち姿から決然と声を上げるルキ)

(一拍空き、照明が明るく点灯されると同時にシンバルのクラッシュから一斉に賑やかに、激しくメロディを力強く奏で、ステージ上のスモークが風に飛ぶ)

 吹き荒ぶ風、反逆の雄叫びを上げて‥‥
 崩折れかけた剣に、数多の願いが今‥‥輝きを託す
(力強くラストに向けて、上がっていくリズム。盛り上がりとフレーズに合わせ、徐々に照明が段階的に明るくなっていく)
 煉獄の炎、焦がす身も構わず‥‥ただ駆け抜け‥‥
(再び照明が薄暗く落ちる中、ルキの声とメロディは力強く一気に駆け抜けていく)
 そして‥‥「一筋の光、闇の果てを貫く――」
(勇壮且つ稟と響くルキの声、激しいリズムとメロディが続き、ドラムクラッシュで締めを迎える。クラッシュの最後の一音に合わせてステージは閃光に包まれた)
〜♪♪♪


【AMBITIOUS】Vo&B:千音鈴、Co&G:アリー
『』ハモリ、【】ユニゾン、””コーラス

♪♪♪〜
(ドラムのカウントからギターとベースが走るアップテンポの元気一杯のリズム)
 廻り続ける世界の一粒
 我という名の刀振るう日々
(リズムもちーも力強くステージに響く。照明は声に合わせ、派手に明るく色混じりで散し、動く)

『時化た社会に従う気はない
 底からひっくり返してやるよ』
(楽しげにノリ良くリズムが響く。ステージを所狭しと元気良く動き回り、歌い演奏するちー)

『実しやかに説く正論』
 誰にとっての「正しさ」か?
『絵にも描けやせぬ空論』
 其れも一興理由にゃ【上等!】
(ユニゾンは楽しげにノリ良く、ギターたちが音揃え歯切れ良く響く。ちーは楽しげに言葉に合わせ、ネックを刀に見立て袈裟に斬る)

『Be ambitious』
 漠然としたナニカでも
『Go fight for something』
 勝ち取ればきっと此処に在る
(盛り上がっていくリズムに合わせ、照明が数回点滅し、更に曲の雰囲気を盛り上げる)

【我は征く九九鱗気取り】
”Ah―”エソラゴトの野望今日も掲げて
(照明が明るく集中する中、ちーとアリーは力強く歌い上げ。ラスト、ネック立て、二人はポーズをびしっと決め、歯切れよく曲は終了した)
〜♪♪♪


【Marcella】暁 Vo&中国琵琶:紅雪、P:ルナティア、Vo:スモーキー
【】ハモリ

♪♪♪〜
(暗いステージに琵琶の弦の音で静かに響く。その音にドラム・ピアノが重なりメロディを奏でる中、スモーキーが歌い始める)
 守るべき物は ただ一つ
 勇気の剣 希望の盾 愛の鎧を身に纏い
 ただ ひたすらに戦い続ける
 今こそ走り出せ 未来へ進む為に
 この身が ボロボロになろうと 心配いらない

【右手に希望 左手に信頼 握り締め
 全身全霊絞り出して 戦友を信じ 立ち向かう】
(紅雪の声とスモーキーの声が重なり、徐々にメロディはテンポをスローからミディアムへと変化する)

 孤独のない世界で微笑みを
 哀しみの涙に 濡れる現実はいらない
 戸惑い風を 消しさろう

【行く道を邪魔する障害は 何処にもない
 傷を知らぬ者に 勝利など存在しない
 その願いを 胸に刻む限り
 道の先には 光に満ちた勝利が待っているだろう】
(曲は盛り上げたままの余韻を残して終了した)
〜♪♪♪


 そしてラストの曲『月と夜明けを待ちながら』、歌いこまれたその歌を微妙なノスタルジーを漂わせるメロディに仕上げ、ラフィーが歌う。

【月と夜明けを待ちながら−節句Ver.−】ラファエロ・フラナガン(fa5035)

♪♪♪〜
 君と夢見ていた節句け、もう一度返りたいよ
 だけど、子供ではいられない。こどもの日は消え去った
 どれだけ涙を流せば、あの日へと帰り着けるのだろう
 ─それが決して適わぬ定めだと知っているから、僕はただ歌うだけさ!
 あの日の暁よ もう一度! あの日の暁よ もう一度!
 月が姿を隠し、星々が消え去りし時、眠気の中に埋もれていたあの時間に帰りたい
 節句の眼差しはあまりに眩しすぎて─
(曲の終了に併せて静かにスポットライトが消え、ステージは真っ暗になった)
〜♪♪♪

 ──こうしてGWの終わりを彩ったステージは、全て終了した。