AN 写真集アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 有天
芸能 2Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 2万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 07/11〜07/13

●本文

【Kiss me】 アルカラル・ナイト
♪♪♪〜
 I want that.  I want this. so though you say.
 You who is always the cry for the moon are like the child.
 
 It is likely to have come for me to like such you why.
 When other people see, it is seen a very foolish thing.
 However, I think that you are loved, and any time is painful together.

 Will this be a thing said that I am also childish?

 I want to do that. I want to do this. so though you say.
 You who is always the cry for the moon are like the child.

 Let’s become happy kissing by two people. 
 Let’s become happy kissing by two people. 

 Because both are happy, it kisses. 
 It is a very important thing in us if it sees from the adult though it might be a very foolish thing. 

 Let’s go there by two people. Let’s go here by two people. 
 I think that a surely happy thing doubles if it does by two people.
〜♪♪♪

 スキャット風のポップロックナンバーがスタジオ内に流れる。
 ANの2曲同時発売のニューシングル「弾劾−罪と罰−」と「Kiss me」の予約特典ミニ写真集の準備に終われるスタジオ。
「いいアイデアが出ない!!」
 珍しくチーフアートディレクターが頭を抱えていた。
 ANの特徴とも言えるが、欠点とも言える1曲毎に全く違ったロックを提供するAN。
「2枚共通の写真集なんて絶対無理! 2枚で4人‥‥メンバー一緒に写っているのと、やっぱり1人ずつの写真よね。ううっ‥‥‥衣装も決めなきゃいけないのにアイデアが出ないのよー!!」
 綺麗に整えているショートボブをゴツい手で掻き毟るアートディレクター(男)。
 その時誰かが、ぽつりと言った。
「アイデアが出なきゃ、ファンとかから募集すればいいのに‥‥」
「なんですってーーーーー!」
 誰もが怒られると思った瞬間。
「いいアイデアね。そうしましょう♪」
 斯くしてこっそりANの公式HPやら関係各所に募集が掲示された。


    ****アイデア募集****
    アルカラル・ナイトNewシングル
   「弾劾−罪と罰−」&「Kiss me」

 予約特典ミニ写真集にあなたのアイデア募集
 あなたのデザインした衣装やポーズでアルカラル
 メンバーをコーディネイトしちゃおう♪


●アルカラル・ナイト情報
○クラブ・クラウン: バンドリーダー(22)鳥
 B85c70W62H83。
 ギターとメインボーカル、ピアノも演奏できる。
 正統派日本美少女(外見17)。長い黒髪黒瞳白肌。

○ダイヤ・エース:ドラーマー(20)犬
 B125f75W65H98。
 バンドのアイドル。
 マニッシュ系美少女(外見18)。短くした金髪碧眼黒肌。

○スペード・クイーン:キーボード(19)蝙蝠
 B75a65W54H70。
 ナイトの従兄妹、裏リーダー。ギター演奏もできる。
 小悪魔系ロリ美少女(外見16)。赤髪青瞳白肌。

○ハート・ナイト:ベースとサブボーカル、男性メンバー(21)猫
 クイーンの従兄妹。ヴァイオリンとギターも演奏出来る。
 ベビーフェイス系美少年(外見16)。黒髪碧眼白肌。

●今回の参加者

 fa0388 有珠・円(34歳・♂・牛)
 fa0467 橘・朔耶(20歳・♀・虎)
 fa0917 郭蘭花(23歳・♀・アライグマ)
 fa1069 真鳥・華月(18歳・♂・鷹)
 fa4264 月白・蒼葵(13歳・♀・猫)
 fa4265 月白・緋桜(13歳・♂・猫)
 fa5615 楽子(35歳・♀・アライグマ)
 fa5625 雫紅石(21歳・♂・ハムスター)

●リプレイ本文

 今回の写真集。ミーティングの結果、各シングルCDに対し各々表紙を含めて12ページのブックタイプジャケット。
『弾劾−罪と罰−』はダークでクール、人形のような無機質で人工的なイメージ、『Kiss me』は明るく可愛格好良いポップな感じに。
『弾劾』がモノカラー、廃屋風の教会をバックに写す廃退的な世界であれば、『Kiss me』はカラフルな百花繚乱の世界と全く違った2系統の撮影をする事となる。
『弾劾』のテーマは「拘束」と「W姫」、『Kiss me』は「キス」だ。
 表紙にはロゴ、タイトル、バンド名、
 2〜4はクラブ・クラウン、スペード・クイーン、
 表紙を捲った6、7頁目にメンバー4人の見開き写真を載せ、そこに歌詞を各々記載、
 8〜11ページまで中はダイヤ・エース、ハート・ナイトの写真がそれぞれ並び、
 裏表紙はクレジットと並ぶ予定である。

 紙ジャケットはここ1、2年の音楽業界及び印刷業界に見直されているパッケージである。
 元々紙ジャケットはCDの普及に従い衰退をしていたが、近年そのアーティステックな部分を見直されたパッケージ方法である。
 単にエコロジー的な注目だけではなく、デザイナーの力量が試されるパッケージであり、コレクターズアイテムとしての評価も高い。
「予約特典としてはいいわね。通常版は両表紙と4人の写真をそのまま使用すれば半の差し替えも簡単でしょう」とお姉マンなアートディレクターが言う。
「それに其々のプロフィールの簡単な紹介があると、初めて買う人にも親切だと思うよ」とモデルの真鳥・華月(fa1069)が言う。
「あと素人考えかも知れないけど、折角素敵な名前が有るんだから使わない手はないと思うけど? 其々のシンボルをフレームにしてアップの写真を載せたり、簡単なプロフィールを載せたりすると入っていると、誰がどの子だって覚えて貰え易いよね」
 アルカラル・ナイトの芸名の由来はトランプである。
「そうねぇ‥」
 アートディレクターは太い腕を組み、少し考える。
「シンボルとプロフィール掲載の同時記載は見る人に対して情報量が多すぎるわね。どちらか1つにしましょう」
 アップ写真に対し、周りをそれぞれのシンボルマークが囲むように記載される事になった。
 Okが出れば、いざ撮影である。

 ***

 スタジオの中に有珠・円(fa0388)の提案でスピーカーから「Kiss me」が流れる。
 撮影中、曲の世界観を逃さずANのメンバー達に入り込んでもらう為である。『弾劾』分の撮影の際は『弾劾』がBGMとして使われる。
 月白・蒼葵(fa4264)と月白・緋桜(fa4265)は小道具の紫やら黒百合やら多々の花を用意している。
 カメラ映りやバランスを考慮してのことである。
 スタジオの隣に作られた控え室兼メイク室では楽子(fa5615)と雫紅石(fa5625)が楽しそうにANメンバーを待ち受ける。
「アルカラルとのお仕事ははじめてで、どんな子達なのか、どんな表情が見れるのか‥‥凄く楽しみなのよ」とらっこ。
「そうねぇ可愛らしいANの皆さんだけど、よく考えたらANのメンバーって私まだダイヤちゃん以外とお話した事をなかったのよね」としみじみ言うティア。
「「「おはようございます。今日は宜しくお願いします!」」」
 ANが楽屋にやってきた。
「クイーンちゃんの顔立ちやそばかすが‥‥もう、最高!」
 らっこに抱きしめられたクイーンが苦笑する。
「‥‥ありがとう‥ござい‥ます」
「私が皆の着替えを手伝ってもいいかしら?」とティアが尋ねる。
 ハートはバリバリ乙女だが身体は男である。
「あたしは平気だけど‥‥」
 クラウンがクイーンとエースの2人を見る。
「悪いけど先に衣装を見せてくれる?」とナイトが言う。

 ANメンバーの前にまず『Kiss me』で使用するエメラルドグリーンやホットピンク、レモンイエロー、赤・青・白のアメリカンカラーと色とりどりな衣装が並ぶ。
「クラウンちゃん、エースちゃんはビキニにふんわりパニエ。クイーンちゃんナイトくんは大柄なワンピースにタイツ」とらっこ。
「カラフルなボリューム睫毛をカール。リップはクラウンはチェリーレッド、エースはベージュ、クイーンはオレンジ、ナイトは自然なピンクよ」とティア。
 その他、各自クラウンは赤のストレートロング、エースは白のボブ、クイーンはピンクのアフロ、ナイトが淡い紫のショートのウィッグを使用するのだという。
「他のメンバーの衣装はいいけど、クイーンの衣装はなるべく肌が出ないように、もう少しなんとかならないかな?」とナイト。
「こちらに問い合わせが来たから『クイーンの肌をなるべく出ないように』とお願いしたと思うけど?」
 連絡、行かなかった? とクラウンが尋ねる。
「クイーンちゃんのイメージは向日葵だし、折角の夏だからこの程度はいいとは思うのよ」
 思わぬクラウンとナイトからの反対である。
 困惑するらっこに苦笑するクイーン。
「‥‥クラウン‥‥‥見て‥‥もらった‥ほうが‥いい‥‥でしょう」
 着ていたハイネックのブラウスとロング手袋を脱ぐクイーン。
 幼い体型に肩、腹、腕を問わず全身に大きな裂傷痕が無数に走っている。
「‥ファン‥‥の間‥では‥‥‥‥傷は‥‥有名ですが‥‥‥全身‥こうだと‥‥知って‥いるのは‥特に‥‥親しい‥友人‥と‥‥一部‥‥だけ‥‥です」
 絶句をするらっこに対し、老女のような乾いた苦笑を浮かべるクイーン。
「‥‥そうね。ある程度はボディにメイクでする事でカバーできると思うけど、少し衣装のデザインを変えるほうがいいでしょうね」
 現場で対応できるように万が一用意した他の衣装やパーツが役に立つだろう。

 各々、赤いチューリップ、白いバラ、黄色の向日葵、ユリを持ち、ポーズを取るANのメンバー達。
 キスを強請る様にあるいは誘うように各々花にキスをする。
「ナイトくんも男の子なのにキュートなお花も似合って‥‥おばちゃんは嬉しくて楽しくて‥‥ふふふ」と怪しい含み笑いをするらっこ。
 まず橘・朔耶(fa0467)がポラロイドで撮影を行い、ポーズや表情のチェックを行い、その後必要なモノだけをデジタルカメラやフィルム撮影をするのだという。
 更にそこからピックアップを行い、編集に持ち込むのだという。
 面倒じゃないか? と尋ねるメンバーに対し、
「これでも短いほうですよ。撮影の方はできるだけ早く上げてみようと思っています。こういう撮影は慣れてらっしゃらないでしょうからね‥‥」と郭蘭花(fa0917)が笑って答える。
「確かにうち、スタジオの中暑くて死にそう」と音を上げるエース。
「ああ、クーラーボックスの中にあずきアイスをたくさん入っていますので食べてください」とラン。
 お手製のあずきアイスだという。
「撮影スタジオは暑いからね、はい。これは俺からの差し入れ」とミネラルウォーター、とスポーツドリンクを差し出す華月。
 ミネラルウォーターを受け取るクラウンやアイスバーを齧るナイトの姿を撮るアリス。
「何かに使えるかもしれないからね」
 続いては『弾劾』分を撮影である。
「君は人形。傷つけられてしまうなら、魂なんていらない。心なんていらない‥‥」
 アリスがまるで暗示をかけるように呟く。
 この場での撮影は2種類、全身をカラー、アップをモノフィルムで撮影する。
 ティアはメンバー達が肌の質感がビスクドールのように写る様に紅の色は派手もであるが、ファンデーションはマットな仕上がりになるように気をつけてメイクを仕上げた。
 薄い紫のロングドレスを纏い大きな鳥かごの中で足枷をつけ立つクラウン、足元に赤い薔薇の花弁が散る。
 赤い花弁が舞い落ちる中、濃い目の青のミニドレス、黒いレース仕立てのアームカバーとタイツを纏ったクイーンは天蓋の付いたベットの上に手枷をはめられ転がされている。
 シンプルな薄い紫のロングドレスを動物の首輪をしたダイヤは水に濡れ、肌に赤い花弁が張り付く。足元の水鏡のような水面にも赤い花弁が浮く。
 濃い青いミニドレスに赤い花弁が積もる。ナイトは黒い布で目隠しをされ、薄暗い部屋の中心に置かれた安楽椅子に座っている。
 全体の背景は朔耶によってCG処理加工される予定である。

 ***

 撮影が無事済んだら編集作業である。
 編集を担当するのは主に朔耶、こちらでも雑用を申し出たソウとヒオである。
 朔耶はネガとデータをプリントし、アートディレクターやANのメンバーと最終的にジャケットに使用する写真を選ぶ。
 パソコン画面上で更にCG加工や歌詞やタイトル文字を重ね、再度プリントする。
 モニタで見ただけでは判らないレイアウトのバランスや誤植、カラーバランスをチェックする為である。
 何パターンもある見本を見比べるソウ。
 撮影前の打ち合わせで貰った見本とプリント見本を見比べてウーウー、唸っている。
 脇ではヒオがジャケットのサンプルと格闘している。
 やはり打ち合わせ後、印刷所から回ってきたパッケージ見本をこねくり回している。
 若い子センスに託する事により斬新なものが出来るだろうとアートディレクターは自分の子供のような年齢の3人の作業を面白そうに見つめる。
 編集はギリギリ納期まで結局掛かってしまったが満足ができるものが出来たと思う。
 データを原版と加工後のモノと分けCDに焼く朔耶。
 これをアートディレクターに渡して作業は終了である。
「確かにお渡ししました」
「はい、確かにね♪」

 ──こうしてANのシングルCDの写真集を兼ねたジャケットが完成した。
 CD自体の出来もそうだが、ANの新しいシングルCDは写真集とジャケットを兼ねたデザインは高い評判となった。


 尚、アリスの提案した「応募券を集めれば特製写真集を貰える」という案は、単価の問題から今回の2曲の他、8月のシングル、晩夏予定のアルバムを4枚を入手した際に手に入れられるという事で落ち着いた。
 撮影は8月である。
「また皆が来てくれると嬉しいけど、8月の予定なんて誰にも判らないわよねぇ♪」
 そう言いながらどこか楽しげなお姉マンなアートディレクターであった。