巨乳戦隊パインポインアジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
やなぎきいち
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芸能 |
2Lv以上
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獣人 |
2Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
3万円
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参加人数 |
12人
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サポート |
0人
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期間 |
05/03〜05/07
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●本文
●巨乳戦隊パインポイン
パインポインはコスチュームの名前だと、心無い視聴者は言う。
なぜなら、子供向けの戦隊モノで言えばレッドの位置にくる紫ラメを中心に、ピンク・ゴールド・シルバー・ブラック・ブルーなど様々な色のコスチュームが用意されているのだ。
デザインは二種類。胸の谷間を強調するタイプと、下乳チラリが売り物のタイプ。
時折り羽があったりするが、基本的にはついていないようだ。
それから、顔の中心にハートが来るありきたりなデザインのフルフェイスヘルメット。獣耳がついていたりすることもあるが、こちらも基本的にはまぁるいフォルムの安っぽい被り物だ。
──顔が見えないじゃないかって?
巨乳戦隊パインポインに必要なのは顔ではない!! 巨乳のみ!!
垂れた巨乳であってはならない、しっかりと形を保った美しき巨乳だ!!
そして、決して美しさを捨てた爆乳であってはならない!!!
ネット上などでは『毎回紫ラメ以外の中身のメンバーが違う』という批判も多いが、コアなファンは谷間や下乳でその日のメンバーを見分ける楽しみがあって良い、と言う。
そして何より、乳しか見ていない大部分の視聴者にとっては、中に誰が入っていようと、美しき巨乳が愛でられれば構わないのだ。
「よし、久々にゲリラ撮影に行くぜ」
ニヤリと笑いそう言ったのは、巨乳戦隊パインポインの制作会社『ZIP企画』の加賀谷ジョージ(かがみや・−)である。
「‥‥面倒くさいわね」
心底面倒くさそうに呟くのは『もも☆きゃぶ』の小悪魔系巨乳アイドル、水端リューネである。髪を掻き上げるときつめの顔立ちが人目を引く。つんと上げられた顎と同じ角度で天を向くたわわな胸。リューネの一挙一動に合わせてぷるるんと弾むその胸は男性のみならず女性の視線も釘付けにする美乳でもある。
「そう言ってくれるなよ、リューネちゃーん」
「疲れるのよ、逃げながら撮影するのって」
「まあまあ、ほら、お礼は弾むからさぁ。このとーりっ! なっ!?」
「弾むほどの資金もないでしょうに‥‥」
ゲリラ撮影と言えばまだしも聞こえは良いだろうか。資金繰りに苦しんだ時にZIP企画が良く使う手段である。他にも、加賀谷が資金を使い込んだ時や許可を取るのが面倒な場所での撮影でも使われる手段だ。もっとも、パインポインの撮影場所といえばどこかの商店街だとか、デパートの屋上だとか、深夜のゴルフ場だとか、パッとしない場所ばかり──それも良く言えば経費削減のためなのかもしれない。もっとも、そんな質素なシチュエーションも人気の一端なのだから、世の中というのは不思議なものである。
「本当、良くこんな仕事を引き受けてると思うわ‥‥」
呆れて溜息を吐くリューネ。顔も売れず、やたらに疲れ、そして地味なこの仕事。他の制作会社と比べては失礼になるほどに、ZIP企画に於けるゲリラ撮影の率は異様な程に高い。官憲もその名を聞けば『またか』と呆れるほどである。
そんなパインポインに加賀谷が持ち出したコンセプトは、そのものずばりゴールデンウィーク。
混雑極まるサービスエリアで、いつも以上に閑散とした深夜の都会で、そして人混みの有明で。
巨乳作成組織キョニューンの魔手から人々を守るのだ!!
「撮影後に打ち上げで温泉を付けてくれるなら引き受けないこともないわ」
「よし、乗った!!」
もちろん、リューネ姫のご機嫌取りも忘れずにねっ☆
●悪の秘密結社キョニューンってなぁに?
『ねえジャック、キョニューンって何かしら?』
『ええ、ベティは知らないのかい? キョニューンはね、巨乳養成軍団なんだよ。百獣将軍率いる沢山の部隊が、人工の巨乳でどこまでも美しさを追求する科学組織なんだ』
『あら、そうだったの!? それじゃあ、時々現れる甲虫将軍ヤナギングは何をしてるのかしら?』
『魔法の宝玉を使って魔物をコントロールして、天然の巨乳を破壊しようとしてるんだ』
『ねえ、矛盾してない? それじゃあ、キョニューンのボスってどんな奴なの?』
『それはまだ解らないんだよベティ。でも安心していいよ、ベティはどっちからも狙われないと思うからね!』
『ジャック、何が言いたいのか良くわからないわ』
『‥‥冗談だよベティ、ああ、可愛いベティ。頼むからその銃を下げてくれないか、ベティー!!』
●リプレイ本文
●我侭姫のご機嫌は
スタジオでのリハーサルを終えくつろぐ水端リューネの脇に白い衣装が近付く。
「‥‥あ‥‥あの‥‥」
おずおずと声をかけたのは、胸の谷間を強調するパイン・ホワイトのコスチューム、夏姫・シュトラウス(fa0761)。
「‥‥ん?」
「ミ、ミルクティー‥‥いかが‥‥ですか?」
「いただこうかしら」
リューネが鷹揚に頷くと、いそいそとカップに注いで手渡す。一口含んだリューネが満足げに微笑む。
「んっ、ちゃんと覚えてたみたいね」
嬉しそうに頷く夏姫――が、離れた所から聞こえてきたシスタークロウ役小鳥遊真白(fa1170)と百獣将軍グラマラス役稲森・梢(fa1435)の会話にリューネの眉がピクリと上った。
「今時はスパも色々盛りだくさんで侮れないな」
「‥‥スパ?」
「‥‥あ、はい‥‥温泉がご希望‥‥と言うことでしたので‥‥都内にある‥‥『戦国温泉村』なんか‥‥いいんじゃないかと‥‥」
無言のまま空にしたカップを置くとゆっくりと立ち上がる。
そのまま夏姫の背後に回ると抱きすくめる様に胸をなで上げた。
「リ、リューネさん‥‥な、何を‥‥」
「ねぇ、‥‥私は、温泉、って、言ったの、よ!」
耳に唇が触れそうな距離から、一語づつ区切り――語尾を強めると同時にいきなり胸を鷲掴みにする。
「ひゃうっ」
思わずへなへなと崩れる夏姫。日向 美羽(fa1690)が何事かと駆け寄って来る。
「リ、リューネさん、いきなりどうなさったんですか〜〜?」
「打上げはスパだそうね。私は帰りますから皆さんだけで楽しんでいらっしゃいな!」
「どうしたって言うんだ?」
憤然と言い放つリューネの声を聞きつけて、道明寺・照明(fa3001)も声をかけた。
つい、とそっぽを向いてしまったリューネに代って夏姫がオロオロと事情を説明する――どうやらリューネ姫の中では温泉とスパは全くの別物らしい。
ZIP企画のスタッフを総動員して、なんとか穴場的な露天風呂は確保したことを告げても、リューネの機嫌は直らず‥‥
一連の騒動を嫣然と眺めていたビスタ・メーベルナッハ(fa0748)が、立ち去ろうとするリューネに歩み寄り、耳元に口を寄せるとそっと囁く。
「約束‥‥忘れたのかしら?」
振り向いたリューネと二言三言言葉を交わすと、なんとか機嫌を直したようだ。
怪しげな微笑を交わして離れたビスタに駆け寄るスタッフ。不安げに成行きを見守っていた御神・由希(fa2137)が不思議そうに訊ねた。
「え〜と、いったい何を?」
「ああ、ちょっとこの前の続きをね。悪いけど私とリューネ嬢、相部屋にしてもらえる?」
「えっ? あっ、はい、それじゃ早速宿に‥‥」
リューネと何度か付合っていてビスタとの経緯も知る美羽はどうやら事情を察したらしく携帯を取り出す。
「で、結局なんだったのかな?」
「「さあ‥‥」」
事情がよく飲み込めないらしい藤元 珠貴(fa2684)の問いにヒカル・マーブル(fa1660)とフランネル(fa3365)は顔を見合わせて首を傾げるのだった。
●世界巨乳化計画
近郊に造られた自然公園、家族連れやカップルに混じってのほほんとハイキングコースの描かれた巨大案内板を眺める月 美鈴(fa3366)。
「久し振りのお出かけだわ‥‥良い天気だし、良い事あるだわ‥‥?」
ふと何かの視線を感じたように振返る。途端に怪しげなコスチュームに身を包んだ狐耳の女――百獣将軍グラマラスとまともに向合う羽目に。
慌てて踝を返すと、錆の浮いた鎖で装飾された拘束衣風の頽廃的な衣装、黒い布で頭を覆い、羽根を広げたシスタークロウが立塞がった。
「‥‥何? 変態さん? きゃっ!」
いきなり背後から胸を揉みしだき、値踏みするように掌で弄ぶと、グラマラスが徐に命ずる。
「グレイフォックス、この娘を巨乳にしてあげましょう? しっかり押さえてなさい」
狐耳と尻尾、手足を獣毛に覆われ、漆黒のマスカレードに面を隠して現れたビスタ演じる狐娘怪人グレイフォックス2(ツヴァイ)に向って美鈴を突き放す。
「ふふ‥‥良かったわねぇ、グラマラス様に感謝するのよ」
「ひゃぁっ」
命じられたグレイ2は、さりげなく胸を揉みながら羽交い絞めの体勢をとりつつ美鈴の耳朶に舌を這わせる。前に倒されたグレイの強化版と言うことでより人間的な半獣形態。
「クロウ、ギブスの用意を。ふふ‥‥大丈夫よ? 痛くしないから」
「ちょっと、こっち来ないでよ!!」
もがく美鈴に、『人工巨乳養成ギプス』を手にシスタークロウが迫る‥‥
「「「そこまでよ!」」」
キョニューン達が一斉に声のした方に目をやると、リーダーのパープルを中心にずらりと居並ぶパインポイン達。
「現れたなパインポイン」
「秘密結社キョニューン! 天然バストを破壊し、人工巨乳を蔓延らせようとは言語道断!」
「あたしらが来たからにはあんた達の好きにはさせないじゃん」
下乳チラリの水色コスチュームに身を包んだパイン・アクアこと由希が見得を切れば、同じ下乳チラリのゴールドラメ、孫・華空(fa1712)も畳み掛ける。
ブルーと迷った末、アクアとの被りを避けてブラックを選んだヒカルは、胸元を強調したタイプ。フルフェイスのヘルメットの上にトレードマークのカチューシャを着けている。
2度目とは言えやはり衣装が恥ずかしいらしく、登場シーンではもじもじしながら蚊の鳴くような声を出していたが、アクションとなれば別。
「ホワイトミサイル!」
飛び出したホワイトが勢いをつけ、美鈴を捕らえているグレイ2に必殺のドロップキック。
かろうじてかわすグレイ2、その隙に逃げ出そうとした美鈴だがギブスに引っ掛ってブラウスの胸元が大きく裂けてしまう。
「きゃあっ!」
悲鳴と共に胸元を押える美鈴に、ギャラリーからどよめきが。
徐々に増え始めたギャラリーにヒカルはヘルメットの影で眉を顰める――できればあまり人の集まりそうにない場所で撮影したかったのだが‥‥
教育上子供の手を引いて急ぎ足で離れようとする親子連れがいる傍ら、噂のパイポイを一目見ようと言う男性陣は確実に増え――『巨乳戦隊パインポイン撮影中』のプラカードを掲げた照明が、しきりに頭を下げながら空いた手で観衆が前に出るのを抑えている。
「いつもいつも私たちの計画を。クロウ、やっておしまい!」
「任せて下さい、姉様」
グラマラスの命に、寄添っていたクロウが進み出る。
中華鍋風の盾とお玉や中華包丁を手にしたゴールドは、拳法風にアレンジしたプロレス技で立ち向かう。
予め半獣化で更に身の軽さをアップしている四人が派手なアクションシーンを演じるのに混じって、アクアもバク転などに挑戦、ブラックも剣を手に有段者らしく立ち回りを演じる。
やや失敗気味のバク転で下乳を露出させたりするアクアに比べて、教育上の配慮と言うことで一応の防護を講じたブラックは、見物人の反応が今ひとつではあるが‥‥
「ホワイトハリケーン!」
体を回転させながら放ったウエスタンラリアットを辛うじてしのいだグレイ2。軸足を引掛けてホワイトを押し倒すと、胸を鷲掴みにしながら大きく開いた胸元に舌を‥‥
「‥‥きゃあ‥‥」
思わずホワイトから素に戻って色っぽい悲鳴を上げる夏姫を、ブラックが助けに入ろうとする――っと突然クラクションが響いた。
見ればワゴン車の脇に立った見張り役の美羽が窓から腕を突っ込んで鳴らしているようだ。こちらが気付いたと見ると頭上で腕を大きく交差させてバツ印――駐車場のはずれにパトカーが入って来るのが見える。
「撤収〜!」
照明以下スタッフが慌てて機材を片付けるのを、とりあえずリューネを車に押し込んだ真白が「慌てずに急げ!」などと混乱気味の言葉を口走りながら手伝う。
一方華空は小道具を纏めて背負うと、近くに止めておいた愛用のスクーターに素早く跨り発進。
「気が利かない方達ね‥‥せっかくいいところだったのに」
肩を竦めると、何を思ったか自分からパトカーに近付いたビスタは降りてきた警官の一人に、ヘルメットを脱いで艶然と微笑みかけた。
手を掛けようとする警官に逆に摺り寄り、友好魅瞳発動――上目遣いに見上げながら若い警官に自慢の巨乳を押し付ける。
「私に協力してくれたら、この巨乳を好きにさせてあ・げ・る」
警官の肩に腕をかけ、背伸びをしながら耳元に更になにやら囁くと、続いて降りてきた同僚と押し問答を始める警官を横目に俊敏脚足で動き始めた1号車を目指した。
●大人の事情
「まったく、なんてザマかしら!」
「す、すみません〜〜。 今、テルさんがもらい下げに行ってますので‥‥」
サービスエリアの駐車場。すっかりご機嫌を損ねたリューネをなんとか宥めようとする美羽。
無許可の路上撮影と言うことで取締りの警官から逃げ出す際に、後から来たパトカーに2号車が前を塞がれて機材の積込みを手伝っていた真白ら何名かが捕まってしまい、照明が迎えに行っている最中。
とは言え、時間の関係で撮影は残ったメンバーで続行するしかない――なんとかリューネを宥め賺して撮影再開。
サービスエリアの一角に設けられた公園風の休憩所、ちょっとした噴水を中心にベンチが並べられ、芝生と植栽が配置されている。
胸元が強調されたノースリーブのワンピースを身に纏い、ベンチに歩み寄るフランネルの前に怪しい影が。
「きゃあっ!」
呆気に取られるフランネルの背後から、珠貴演じるテンプトヴィクスンがいきなり胸を鷲掴みに――自分より大きい胸の感触に一瞬怯みつつも動揺を押し隠してお色気たっぷりに耳元で囁く。
「素敵な胸‥‥。だけど‥‥もっと素敵にしてあげる‥‥」
「「お待ちなさい!」」
再び響くパイポイの声――幾分トーンダウンしているのは少しばかりメンバーが‥‥
「見かけない顔ね、一体何者?」
胸を強調したヴィスチェに、膝上のロングブーツとガーターベルト、肩と足のラインを見せ付ける衣装に前開きのシースルースカートをふわりと纏った新たな敵に、パープルが問いかける。
「ふふ‥‥私はヒンニューダーの一人、テンプトヴィクスン」
箱型帽子から幾重にも垂らしたベールから唯一覗く唇が、蠱惑的な微笑を湛えながら名乗りを上げた。
「ヒンニューダー? いつからキョニューンに魂を売ったんです?」
「人工巨乳に目が眩んだんじゃん」
「天然バストに勝るものなし!」
ブラック、ゴールド、アクアに次々と突っ込まれ、口元が引き攣る。
「そ、それは大人の事情ってやつよ‥‥よくも人が気にしてることを‥‥覚悟なさい!」
「グレイ2! 邪魔者どもを片付けておしまい!」
グラマラスの命令と共に姿を現したグレイ2も加わり再びアクションスタート。
「ふふ‥‥いただきよ、グラマラス」
乱戦の中グラマラスの背後から胸を鷲掴みにしたパープルが勝ち誇ったように宣言しつつ頭上の狐耳に舌を這わせる――が期待した反応はなく‥‥
「いつまでもその手は効かないわ!」
虚を衝かれたパープルの腕からするりと抜け出すと反撃に移る。
「よくも騙したわね! ブラック、あれを行くわよ!」
どうやらシークレットらしいと気付き、怒り心頭に発したパープルがブラックと共に繰り出す必殺技はグラマラスを弾き飛ばす。
何故か戦闘から逃げ損ねてうろうろしていたフランネルを巻き込んで噴水の中へ。
這い出してきた二人は着ていたものがぴったり張り付いて体の線が――グラマラスの体にぴったりした露出度高めの衣装もさることながら、フランネルの本来見せる仕様でない普通のワンピースに豊満なスタイルと下着の線がくっきりと浮き出た姿は、集まり始めたギャラリーの視線も熱く‥‥
「グラマラス様! おのれ、パインポイン、いずれこのお返しは‥‥」
「ほほ‥‥またね‥‥」
駆け寄ったグレイ2はグラマラスを助け上げると捨て台詞を残し退散、テンプトヴィクスンも微笑を浮かべながらも悔しそうに後を追った。
●獣達の長い夜
結局、加賀谷まで警察に呼び出され、「また『ZIP企画』か!」と言うことで懇々とお説教された挙句、捕まっていたメンバー達も解放され温泉宿へ到着、一同露天風呂へ。
照明が提案した素顔のパインポインの撮影は、やはり顔は出さない方がと言うことでお流れに。
トラブルはあったものの、変な出演者も現れず出演も強要されずに撮影を終えることができたことで、湯船に浸かりほっと一息つく美羽。一般人役の美鈴やフランネル、由希らも思い思いに手足を伸ばす。
水着の上に大きなタオルを体に巻いておどおどした様子で温泉に入ろうとした夏姫がリューネの目を惹いたらしくあえなく捕まった。
「まさかその格好で温泉に入るつもりじゃないわよね――タオルを湯船につけるのはマナー違反よ。もちろん水着もね」
「あ‥‥あの‥‥でも‥‥私‥‥あっ」
顔を真っ赤にしておろおろする夏姫から問答無用でタオルを剥ぎ取ると、水着に手をかけ‥‥
そんなリューネの様子を余裕で眺めるビスタ。相部屋と言うことで今宵はお姉さまを独り占め、と考えるとほんのりと上気した頬に思わず笑みがこぼれる。
一方同じ様子を眺めながら、珠貴は背中くらいは流した方が良いものかと悩み中。
「梢姉、こそこそしないで堂々とした方が目立たないぞ? ‥‥たぶん」
撮影時、シークレット狐耳を使ってリューネのお楽しみに水を差したこともあり、隅のほうでびくびくしている梢に真白が忠告するが既に手遅れらしく‥‥
「ちょっ‥‥! リ、リューネさ‥‥っ!?」
星明りの中、ぼんやりと湯煙に霞む露天風呂に、新たな生贄の悲鳴が木霊していた。
(代筆:呼夢)